バセドウ病(甲状腺機能亢進症)とは

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)は、甲状腺ホルモンが過剰に作られる病気、すなわち甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気です。
女性に多い病気ですが、比率は男性1人に対して女性4人ほどになり男性にも多い病気になっています。
発症年齢は20歳~40歳が最も多く、思春期より前の発症は少ないと言われています。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の原因

自分の甲状線を異物とみなして、甲状腺の細胞の表面にあるTSHレセプターに対する自己抗体(TSHレセプター抗体、TRAb)が産生されます。
このTRAb がTSHの代わりに甲状腺のTSHレセプターにくっつくと、常に甲状腺を刺激する為に、甲状腺ホルモンを作り続けるバセドウ病になると考えられています。
発症要因は、不明とされていますが遺伝的な原因と環境的な原因が考えられ肉体的ストレスや精神的ストレス、妊娠・出産などの引き金になると言われています。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)になると

一番知られているのが、

・甲状腺腫

・眼球突出

・甲状腺ホルモンの過剰によって起こる症状

になります。

甲状腺腫とは

甲状腺の腫れの事を言い、バセドウ病になると甲状腺全体がそのままの形ではれる「びまん性甲状腺腫」という状態になります。
首の前面が全体的にふくらみ、首が太くなったように見えます。

眼球突出とは

眼が飛び出しているように見える状態をいいます。

なぜ眼球突出がおこるのか?
眼球の後にある脂肪組織や眼球を動かす筋肉の体積が、炎症やむくみによって増えるためです。
その結果、眼球が前方に押し出されてきます。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)では眼球突出が有名ですが、見た目でわかる程おこっている方はそこまで多くはありません。
上まぶたが腫れたり、角膜や結膜が赤くなったりする方が多いです。

甲状腺ホルモンの過剰によって起こる症状

甲状腺ホルモンは、身体の新陳代謝を活発にするホルモンになります。
なので甲状腺ホルモン過剰の状態にあるバセドウ病(甲状腺機能亢進症)の患者様は、新陳代謝が異常に活発であるという状態です。
無駄なエネルギーの浪費をしている状態になり、じっとしている時でも、走っている時と同じくらいのエネルギーを消費します。
とにかく疲れやすい、いつもゴロゴロしている、というのもバセドウ病(甲状腺機能亢進症)の方の特徴です。

症状としては、

・疲れやすい
・多汗
・息切れ
・不眠
・暑がり

などの症状が見られる事が多いです。

又代謝が早くなる為、爪や髪の毛が伸びるのも他の方より早くなります。
治療が上手くいっている時は爪や髪の毛が伸びるのが遅くなるので、この部分を指標の一つとしたらいいかもしれません。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の漢方薬

メインの漢方としては、甲状腺腫を抑える漢方を出させて頂きます。
甲状腺腫は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の症状が出る一番の原因になりそこが自己免疫疾患に繋がってきます。
今までの経験から、甲状腺腫が治まっている時は調子が良いという患者さんが多いです。
この部分には、駆オ血剤や塊を除く作用のあるヨクイニン剤を使っていきます。

それに加えて症状の治療をしていきます。

不眠や動悸、多汗、疲れに合わせて漢方薬を選定していきます。

・半夏厚朴湯
・炙甘草湯
・白虎加桂枝湯
・加味逍遙散

紹介している漢方薬は、一部になりその方々に合わせて漢方薬をお作り致します。

全ての治療をするのではなく、甲状腺腫の漢方と症状に対しての漢方薬を飲む事で改善が見られる事が多いです。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の症例

症例(昭和47年生、女性)

10年ほど前にバセドウ病と診断、症状がきついとの事でこちらに相談に来られました。
 
症状としては、発汗動悸だるさ
一番辛い症状としては発汗が酷いとの事でした。
又、甲状腺腫は形がわかるくらいくっきりと腫れていました。
 
漢方の種類としては、
 
①甲状腺腫に効く漢方薬
②だるさと発汗を取る煎じ薬
 
の2種類を出させて頂きました。
 
漢方服用開始から1ヶ月、前回はっきり形を成していた甲状腺腫の腫れが治まっていました。
動悸はまだ出るが発汗は大分なくなっているとの事。
だるさも取れているので順調にきているとおっしゃっていました。
 
漢方服用開始から6ヶ月、動悸、疲れ、だるさはほぼなくなったそうです。
発汗のみ少し気になるとの事。
甲状腺の腫れは出ていませんでした。
 
漢方服用開始から1年、調子に波はあるものの大きく調子を崩す事はないそうです。
漢方を飲み始める前に比べると大分楽になっているとおっしゃって頂けました。
 
漢方服用開始から1年3ヶ月、夏に差し掛かり(6月)発汗を心配していたのですが、気にならないとの事。だるさもそこまで感じることなく順調にきているとおっしゃっていました。
 
漢方服用開始から1年6ヶ月、一番暑い季節になり、発汗はするものの異常な発汗ではないとの事。だるさも去年に比べたら全然感じないとおっしゃっていました。
 
漢方服用開始から2年6ヶ月、夏になり発汗は気になりましたが調子は悪くないとの事。
甲状腺腫も腫れていないとおっしゃって頂けました。
 
漢方服用開始から3年2ヶ月、先日病院の検査でも問題がないと病院の先生に言われたそうです。
症状も酷くないので予防の意味も込めて「甲状腺腫に効く漢方薬」だけを出させて頂く事になりました。
 
病院でも異常がなく調子が良い状態が続いているようで安心いたしました。
引き続きこの調子で過ごせると何よりですね。