今回ご紹介する漢方薬は最近「認知症」で注目されている「抑肝散」です。
個人的には「抑肝散」は「認知症」にはそこまで効果がないんじゃないかな~と思っています。
それよりも「釣藤散」や「柴胡加竜骨牡蛎湯」・「丹参などの血流を良くする生薬が入っている漢方薬」の方が効果があるんじゃないかと…
あくまでも個人の見解ですが「抑肝散」には「認知症」に効きやすそうな漢方薬は少ないように思います。
個人的には「釣藤鈎」や「柴胡」ぐらいですかね。
ただ「抑肝散」は太陽堂でも出す事が多く、色々な効果を発揮してくれます。
それでは「抑肝散」の解説していきますね~
「抑肝散」てどんな漢方薬?
「抑肝散」は
〇当帰(トウキ)
〇釣藤鈎(チョウトウコウ)
〇川キュウ(センキュウ)
〇白朮(ビャクジュツ)
〇茯苓(ブクリョウ)
〇柴胡(サイコ)
〇甘草(カンゾウ)
の7種類からなる漢方薬です。
「柴胡」と「釣藤鈎」は「肝気の亢進」を止める働きがあります。
難しい言葉の「肝気の亢進」が出てきましたね~
東洋学では「肝は筋を司る」・また七情の中の「怒」が「肝」と関係してきます。
なので「抑肝散」は、
・イライラや神経の高ぶり
・手の震え、痙攣
・落ち着きのなさ
などに効果が高いです。
実際太陽堂では「まばたき」や「首振り」などをしてしまう「チック症」や「トゥレット症」に使う事が多くなっています。
話しを生薬に戻しましょう~
「白朮」・「茯苓」で脾胃の水を改善。
「当帰」と「川キュウ」で肝気不足で肝血消耗の改善。
「甘草」は筋肉痙攣を改善。
「抑肝散」は生薬を加える事で効果を増量。
「抑肝散」に「陳皮」と「半夏」を加えた漢方薬が「抑肝散加陳皮半夏」です。
「陳皮」と「半夏」を加えると更に虚証の人に使いやすく、子供の胃腸の調子を整えたり・気うつにも使う事が出来ます。
また「芍薬」と「黄連」を加えた「抑肝散加芍薬黄連」は心の熱を鎮めたり精神的に緩める事で「不眠」や「チック症」に使われる事が多いです。
前にも「芍薬」と「甘草」の二味が入っている「芍薬甘草湯」のお話をしましたが、「芍薬」を加える事で「芍薬甘草湯」の方意も加わり緩める効果が強まります。
「芍薬甘草湯」に関しても詳しく書いていますので興味のある方は「芍薬甘草湯」をご覧になって見て下さい。
太陽堂ブログ 実は万能な「芍薬甘草湯」。つり・こむら返り以外の使い方。
婦人科の漢方薬「当帰芍薬散」とも似ている?
「当帰芍薬散」は
〇当帰(トウキ)
〇川キュウ(センキュウ)
〇芍薬(シャクヤク)
〇茯苓(ブクリョウ)
〇白朮(ビャクジュツ)
〇沢瀉(タクシャ)
の6種類からなる漢方薬です。
皆さんもお気づきかもしれませんが「抑肝散」と結構似ています。
「釣藤鈎」・「柴胡」・「甘草」が抜け「沢瀉」・「芍薬」が加わったのが「当帰芍薬散」です。
最初に説明させて頂いた「釣藤鈎」・「柴胡」の「肝気亢進」がない為、精神的な症状には「当帰芍薬散」はあまり使いません。
ただ婦人科や不妊症に使う事の多い「当帰芍薬散」ですが、筋肉の痙攣などを「当帰芍薬散」で良くした経験があります。
「当帰芍薬散」は婦人科・不妊症だけで使うわけではないんですよ~
「抑肝散」 まとめ
「抑肝散」についてご説明させて頂きました。
最近注目を集めていますが、個人的には「認知症」には「抑肝散」があまり効果がないのかなと…
「抑肝散」はイライラや神経の高ぶり、筋肉の過緊張に効果の高い漢方薬です。
「チック症」や「トゥレット症」などの病気にも効果が高くなっています。
また不妊症や婦人科で有名な「当帰芍薬散」とも似ている漢方薬ですよ~
今回ご紹介しました「チック症・トゥレット症」に関しては、ホームページでお話ししています。
ぜひ参考にされてみて下さい。
太陽堂ホームページ 「チック症・トゥレット症」
※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。