今回ご紹介する漢方薬は「下痢」・「胃炎」・「嘔吐」に使う事の多い「半夏瀉心湯」です。
今回もどんな症状に使われているか調べてみました。
・みぞおちがつかえた感じがあり悪心、嘔吐
・食欲不振で腹が鳴って軟便又は下痢の傾向
だそうです。
大体合っていますが、なんで「みぞおちがつかえた感じ」がするのか、なぜ「お腹が鳴る」のかこの辺を詳しく説明していきたいと思います。
「半夏瀉心湯」の解説していきますね~
「半夏瀉心湯」てどんな漢方薬?
「半夏瀉心湯」は、
〇半夏(ハンゲ)
〇黄芩(オウゴン)
〇乾姜(カンキョウ)
〇人参(ニンジン)
〇甘草(カンゾウ)
〇大棗(タイソウ)
〇黄連(オウレン)
の7種類からなる漢方薬です。
大きく説明すると「心下の熱証」と「脾胃の水毒」の2つの症状を改善する漢方薬になります。
「心下の熱証」って難しい言葉が出てきましたね~
「半夏瀉心湯」では「心下痞硬」を取る作用があり、
心下=みぞおち
痞=つかえ
硬=硬い(そのままですね(笑))
みぞおちがつかえて硬いという意味です。
基本的には心下に熱があると「心下痞硬」がおこり、「黄連」・「黄芩」で心下の熱を改善します。
また「黄連」と「甘草」は煎じる事でベルベリンとグリチルリチンの結合体が合成され、腸内細菌を整える働きも…
この働きは煎じのみで出てくる作用になり、粉ではないらしいです。
煎じ薬ってすごいですよね~
また「半夏」・「乾姜」・「人参」で「脾胃の水」を改善します。
「脾胃の水」があると「吐気」・「嘔吐」・「腹鳴」・「下痢」などの症状が…
ここで「腹鳴」が出てきましたが、油の代謝が落ちている事と水の流れが悪い事が「腹鳴」の原因となる事が多いです。
「みぞおちのつかえ」と「腹鳴」の原因わかって頂けましたか?
「半夏瀉心湯」は1種類加えるだけで効果を高める使い方も。
「半夏瀉心湯」に「甘草」を加えると「甘草瀉心湯」になり、下痢に使いやすくなります。
1日10回以上下痢をしてしまう場合はこの漢方薬を使う事も多いかもしれません。
下痢が多い疾患となる「過敏性腸症候群」や「潰瘍性大腸炎」などに使う事もありますよ。
また「生姜」を加えると「生姜瀉心湯」になり、胃酸過多の「胸焼け」や「逆流性食道炎」に使う事も出来ます。
その他にも「茯苓」を加えたり「六君子湯」を一緒に使ったりする事で「水毒」に使いやすくする事も。
組み合わせ次第で違った作用を出すのは漢方薬の面白い所ですね~
「半夏瀉心湯」 まとめ
「半夏瀉心湯」についてご説明させて頂きました。
「心下の熱証」や「脾胃の水毒」を改善する事で「みぞおちのつかえ」や「腹鳴」を治すのが「半夏瀉心湯」になります。
また「甘草」を加える事で「下痢」に。
「生姜」を加える事で「胸焼け」や「逆流性食道炎」に使えるようになります。
今回ご紹介しました「過敏性腸症候群」・「潰瘍性大腸炎」・「逆流性食道炎」に関しては、ホームページでお話ししています。
ぜひ参考にされてみて下さい。
太陽堂ホームページ 「潰瘍性大腸炎」
太陽堂ホームページ 「過敏性腸症候群(IBS)」
太陽堂ホームページ 「逆流性食道炎(胃食道逆流症・GERD」
※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。