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動悸・不安・不眠に「柴胡加竜骨牡蛎湯」|脳の興奮を鎮める「精神安定」漢方

2026 2/19
ブログ
2026年2月19日
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  3. 動悸・不安・不眠に「柴胡加竜骨牡蛎湯」|脳の興奮を鎮める「精神安定」漢方
動悸・不安・不眠症に効く漢方「柴胡加竜骨牡蛎湯」の解説記事アイキャッチ。竜骨(化石)と牡蠣(殻)の重さで、頭に昇ったイライラや興奮(赤)を鎮め、心を落ち着かせる(青)イメージイラスト

「夜、布団に入ると嫌なことばかり思い出して、心臓がドキドキする」
「大事な会議や発表の前、極度の緊張でパニックになりそう」
「些細な音にビクッとしてしまい、常に気が休まらない」

これらは、ストレスによって体の「気(エネルギー)」が制御不能になり、頭の方へ登ってしまっている状態です。漢方ではこれを「気の上衝(きの上しょう)」や「肝(かん)の高ぶり」と呼びます。

そんな時、浮き上がった心を物理的な「重さ」でグッと押さえ、落ち着かせてくれるのが「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」です。

今回は、漢方薬の中でも特に有名な「精神安定」の漢方について、その仕組みと正しい使い分けを太陽堂が解説します。


荒れた海の上で揺れる小舟(心)が、海底に下ろされた大きな錨(竜骨と牡蠣)によって安定を取り戻すイメージイラスト
不安や動悸で荒れる心を、重たい生薬の力で海底(丹田)に繋ぎ止めます。

目次

柴胡加竜骨牡蛎湯とは?「心のアンカー(錨)」

この漢方は、11種類もの生薬からなる複雑な構成ですが、その役割は明確です。

それは、「脳の興奮(熱)を冷まし、浮いた心を下に引き下ろす」ことです。

「竜骨」と「牡蠣」の重さがポイント

名前に入っている2つの生薬が、この漢方の主役です。

  • 竜骨(リュウコツ): 大型の哺乳類の化石。
  • 牡蠣(ボレイ): 海のカキの殻。

どちらもカルシウムを豊富に含み、手に取るとズッシリと重たい生薬です。

漢方では、「重たいものは、浮いているものを沈める」という法則があります。この2つの「重さ」が心のアンカー(錨)となり、不安やパニックで舞い上がった気を、お腹の底(丹田)へと引き戻してくれるのです。

気が休まらない人向けの漢方薬

この漢方は、どちらかというとストレスを受けた時に「食欲がなくなる・落ち込む」タイプではなく、「イライラしてカッとなる・反発する」タイプに向いています。

体の中で行き場を失ったエネルギーが、熱となって頭に昇っている状態(オーバーヒート)です。

柴胡加竜骨牡蛎湯は、この「過剰な熱とエネルギー」を強制的に冷まして外に出す働きをします。

そのため、もともとエネルギー不足で疲れ切っている方や、冷え性でお腹が弱い方が飲むと、体が冷えすぎて下痢をしてしまうことも(大黄も入っているので。)

薬剤師 林からの「竜骨」豆知識

「『竜骨』ってすごい名前ですよね。昔の人は、地中から出てくる巨大な骨(ナウマン象やサイの化石)を見て、『これは天を翔ける竜の骨に違いない!』と考えました。

荒々しい竜ですら、骨になれば静かに眠っている。その静けさと、化石の持つドシッとした重さが、高ぶった神経を鎮めると考えたわけです。」


【チェック表】あなたの不安・不眠はどのタイプ?

「不安感」や「不眠」に使う漢方は他にもあります。

自分の体質に合わないものを飲むと効果が出にくいだけでなく、体調を崩すことも。ここでしっかり見極めましょう。

漢方薬体力・体型症状の特徴向いている人
柴胡加竜骨牡蛎湯中〜強
ガッチリ・筋肉質
イライラ・攻撃的
便秘気味
動悸・高血圧
ストレスで過食気味の
働き盛り世代
桂枝加竜骨牡蛎湯弱
痩せ型・繊細
ビクビク・悪夢
手足が冷える
疲れやすい
神経質な子供や
虚弱な大人
加味逍遙散中〜弱
女性的
気分の波が激しい
のぼせ・発汗
生理周期で悪化
更年期障害や
PMSに悩む女性
桂枝加竜骨牡蛎湯
加味逍遙散

【比較】病院の「安定剤・睡眠薬」と何が違うの?

よく「病院でもらった安定剤(デパス、リーゼなど)と、漢方はどう違うのですか?」というご質問をいただきます。

どちらも「不安を和らげる」「眠りやすくする」という目的は同じですが、体へのアプローチ方法は全く違います。

比較項目病院の薬(抗不安薬・睡眠薬)柴胡加竜骨牡蛎湯(漢方薬)
効き方シャープ・即効性あり
脳に直接作用して、強制的にスイッチを切るイメージ。
マイルド・根本改善
体の緊張をほぐし、「自然に眠くなる体」へ整えるイメージ。
副作用眠気・ふらつき・依存性
日中ボーッとしたり、薬がないと不安になることがある。
少ない
まれにお腹が緩くなる程度で、依存性はほとんどない。
向いている時今すぐ発作を止めたい時
眠れなくて体力が限界の時
根本的に体質を変えたい時
薬の量を減らしていきたい時

薬剤師 前原の視点

「病院のお薬は『切れ味』が鋭いので、辛い時には非常に助けになります。ただ、長く飲み続けることに不安を感じる方も多いですよね。

漢方は、『薬で無理やり抑える』のではなく、『自分自身の力で落ち着けるように土台を作る』お薬です。

病院の薬と併用しながら少しずつ漢方に切り替えていく(減薬のサポートをする)ことも可能ですので、無理せず相談してくださいね。」

柴胡加竜骨牡蛎湯が効く「3つの具体的症状」

1. パニック・動悸・過呼吸

ストレスがかかった瞬間に「カーッとなって頭が熱くなる」「心臓が早鐘を打つ」といった症状に即効性があります。

「気の上衝」を引き下ろすために使われます。

2. 入眠困難・不眠症

「疲れているのに、脳だけが覚醒して眠れない」「嫌な夢を多く見る」というタイプに最適です。

悩み事が頭をグルグル回って止まらない時、脳の興奮(熱)を冷ますことで、自然な眠りへと導きます。

3. 高血圧に伴う不調(肩こり・耳鳴り)

ストレスで常に体に力が入っているため、肩や首がガチガチに固まっていることが多いです。

筋肉の緊張を緩め、高血圧による頭重感や耳鳴りも改善します。


【改善症例】仕事のプレッシャーで「動悸と不眠」に悩む管理職男性

【40代 男性】会社員(管理職)

ご相談内容:

昇進して責任の重い立場になってから、夜布団に入っても仕事のことが頭を離れず、明け方まで眠れない日が続いている。

寝不足も重なっているせいか、会議の前には動悸がして息苦しくなることも。

血圧も以前より高くなり(150/95)、病院で安定剤をもらったが、ふらつくので漢方にしたいとご相談を受けました。

漢方薬の選定:

ストレスが原因の事もあり脳の興奮を鎮める「柴胡加竜骨牡蛎湯」を選定。
また便秘気味でもあるとの事。

改善の経過:

  • 服用1ヶ月「便通が良くなり、お腹の張りが取れた。動悸の回数が減った気がする」とのこと。
  • 服用3ヶ月布団に入ってからの寝付きが良くなり、中途覚醒が減った。夢を見ずに朝まで眠れる日が増えた。
  • 服用6ヶ月イライラすることが減り、部下との関係も改善。血圧も正常範囲(130/85)まで落ち着きました。

柴胡加竜骨牡蛎湯に関するFAQ(よくある質問)

お腹が緩くなるのはなぜですか?

便秘を治す成分「大黄(だいおう)」が入っているからです。

この漢方には、体の中にこもった熱を便と一緒に排出するために、下剤成分である「大黄」が含まれていることが多いです(メーカーによります)。

お腹が弱い方は、大黄を調整する必要があります。(大黄の種類により便は緩くなりにくいです。)

飲み続けたら痩せますか?

ダイエット薬ではありませんが、ストレス太りには影響することもあります。

主に精神安定が目的なので、ストレスで過食してしまうタイプの方が飲むと、イライラが収まって食欲が正常化し、便通も良くなるため、結果的に体重が落ちることもあります。

飲んで運転しても大丈夫ですか?

基本的には副作用も出にくいので問題はありません。

ただ柴胡加竜骨牡蛎湯は、脳を強制的にシャットダウンさせる睡眠薬とは違い、興奮を鎮める漢方薬になります。

そのため、緊張が解けてリラックスすることで、人によってはボーッとする場合があります。

初めて飲む時は、注意しながら飲むと良いかもしれません。


まとめ:荒れた海(心)には、重たい錨を下ろそう

柴胡加竜骨牡蛎湯は、ストレスで嵐のように荒れ狂う心に、「竜骨と牡蠣」という重たいアンカーを下ろして静けさを取り戻すお薬です。

  • 不安でドキドキして眠れない
  • イライラして周りに当たってしまう
  • ストレスで血圧が上がっている

こうした症状があり、比較的体力がある方には、非常に頼りになる相棒となるでしょう。

「自分はどの漢方薬があるんだろうか。」
「安定剤をやめて漢方に変えたい」

そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ太陽堂までご相談ください。

あなたの心の波を鎮める、最適な漢方薬をご提案いたします。

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太陽堂の特徴

”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”

特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)

特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。

特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。

記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表

調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。

・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」

という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。

太陽堂について詳しく見る
林先生 自己紹介

記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表

沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。

調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。

漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。

調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。

太陽堂について詳しく見る

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