
【太陽堂が解説する「平胃散(へいいさん)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 平胃散は、胃腸に滞ってしまった「余分な水分」を取り除いてスッキリさせ、ストップしていた「気」の巡りを動かすことで、胃が本来持つ働きを優しくサポートする漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 食べ過ぎ・飲み過ぎによる胃もたれ、お腹がポチャポチャと鳴る、胃のあたりが張って重苦しい、食欲が湧かない、軟便になりやすい、といったサインを感じやすい体質の方に向いています。
- 太陽堂での活かし方: 太陽堂では、この平胃散を基本としつつ、お一人おひとりの現在の体質や生活習慣、冷えの度合いに合わせて生薬を細かく調整し、体が本来持つ力を引き出すオーダーメイドのサポートを行っています。
胃の重だるさ、食欲不振…。その原因は胃腸の「水溜まり」かも?
「つい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまい、翌日まで胃が重だるい」
「お腹を触ると冷たくて、動くと胃のあたりでポチャポチャと音が鳴る」
「お腹が空かず、食事が美味しく感じられない」
太陽堂には、このような「胃腸の重さや違和感」に関するご相談が数多く寄せられます。特に、脂っこいものや冷たい飲み物を好む方、梅雨時など湿気が多い季節に不調を感じやすい方に多く見られるお悩みです。
東洋医学(漢方)の視点で見ると、こうしたお腹の違和感の根本には、胃腸に「余分な水分(湿邪:しつじゃ)」がドロドロと溜まり、消化を促すエネルギー(気)の巡りがストップしてしまっている状態が隠れていると考えます。
今回は、胃腸に溜まった余分な水分をスッキリと乾かし、滞った気を動かして胃の働きをサポートする漢方薬「平胃散(へいいさん)」について詳しく解説いたします。ご自身の体からのサインに当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。
【コラム】薬剤師 石川の視点「病院の胃腸薬(消化管運動機能改善薬など)と漢方のアプローチの違い」
胃もたれや吐き気、食欲不振で内科を受診すると、『ドンペリドン(ナウゼリン)』や『モサプリド』といった胃の運動を活発にするお薬や、消化を助ける消化酵素剤が処方されることが一般的です。
これらのお薬は、低下している胃腸の動きを直接的に促し、今ある辛い重だるさをスピーディにスッキリさせるために非常に優れています。
しかし、『なぜ胃腸の動きがすぐに鈍くなってしまうのか』という根本の部分に目を向けると、体質的な『お腹の水溜まり』や『消化力の低下』が背景にあることが多々あります。
お薬でしっかりと不快感を抑えながら、漢方で『余分な水をさばき、自らの力でスムーズに消化できる土台』を育てていく併用スタイルは、繰り返す胃もたれを根本から見直したい方に大変おすすめです。
平胃散が適している「3つのサイン」
平胃散の「平」には、「平らにする、穏やかにする」という意味があります。胃腸(胃)の荒波を鎮め、正常な状態に平定するという意味合いが込められています。
特に以下のようなサインがある方に、平胃散は優しく寄り添ってくれます。
1. お腹がポチャポチャ鳴る(振水音)
仰向けになってお腹を軽く叩いたり、体を揺らしたりした時に、みぞおちのあたりから「ポチャポチャ」「チャプチャプ」という音が聞こえませんか?
漢方ではこれを「振水音(しんすいおん)」と呼び、胃腸に余分な水分が滞っている明らかなサインと捉えます。平胃散は、この水溜まりをスッキリと乾かすことを得意としています。
2. 舌に「白い苔」がべったりとついている
東洋医学では、舌の状態から体内の水分バランスを読み解きます。あっかんべーをした時に、舌の表面に白くて分厚い苔(こけ)がべったりとついている場合、体内に「湿(余分な水分)」が溜まっている証拠です。
3. 食欲不振と胃の重苦しさ
水が溜まって胃の働き(気)が滞ると、食べ物を受け入れるスペースがなくなり、「お腹が空かない」「食べるとすぐに胃が重くなる」といったサインが現れます。平胃散は滞った気を動かし、胃の通りを良くするサポートをします。
水をさばき、気を巡らせ、胃を調和する6つの生薬のチームワーク
平胃散は、6種類の生薬がシンプルかつ効果的に配合されています。「水を乾かす」働きと「気を動かす」働きが絶妙に組み合わさっているのが特徴です。
| チームの役割 | 代表的な生薬 | どのような働きをするか |
| ① 胃腸の余分な水を乾かす (燥湿健脾) | 蒼朮(ソウジュツ)または 白朮(ビャクジュツ) | 胃腸にドロドロと溜まった余分な水分(湿)を強力に吸い取って乾かし、胃腸の働きを助けます。 |
| ② 滞った気を動かし、張りを取る (行気消満) | 厚朴(コウボク)、陳皮(チンピ) | ストップしてしまった「気」の巡りを下へと動かし、みぞおちの張りや重苦しいつかえをスッキリと通します。 |
| ③ 全体のバランスを調和する (和胃調中) | 甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ) | 胃腸を優しく温めながら働きを助け、他の生薬の働きをマイルドに調和して負担を和らげます。 |
【コラム】薬剤師 前原の視点「『六君子湯』や『安中散』との違い・使い分け」
胃腸をサポートする漢方薬として、前回ご紹介した『安中散(あんちゅうさん)』や、有名な『六君子湯(りっくんしとう)』があります。『どれが今の自分に合うのだろう?』と迷うポイントですよね。
見分けるポイントは、『水溜まりの有無』と『冷え・痛みの強さ』です。
- 六君子湯: もともと胃腸が弱く、少し食べただけでお腹がいっぱいになる、とにかく疲れやすいといった『エネルギー不足(虚弱)』の方のベース作りに適しています。
- 安中散: 胃もたれよりも、『冷え』や『ストレス』によるキリキリとした痛み・胸の不快感が前面に出ている方に向いています。
- 平胃散: 食べ過ぎ・飲み過ぎなどによって胃に『余分な水分』が滞り、ポチャポチャ感や重苦しいもたれがある方に適しています。太陽堂では、お客様の胃のポチャポチャ感や冷えの度合いを細かくお伺いし、一番適したバランスを見極めて調合を行っています。
平胃散に関するよくあるご質問(FAQ)
市販の胃薬(漢方配合)と、太陽堂の煎じ薬は何が違いますか?
ドラッグストア等で販売されている市販の胃腸薬にも、平胃散のエキスが配合されているものが多く販売されており、食べすぎた後の急な胃もたれケアにはとても便利です。
一方、太陽堂の煎じ薬は、お客様のその時の「水溜まりの強さ」や「冷えの度合い」に合わせて生薬を足し引き(加減)できる完全オーダーメイドである点が大きな違いです。
慢性的な胃もたれや食欲不振を根本から見直したい方におすすめです。
飲み会シーズンの前に予防として飲んでもいいですか?
平胃散は、すでに胃に負担がかかり「水が溜まって重だるい」状態をスッキリさせるお薬です。
そのため、事前の予防というよりは、飲み過ぎ・食べ過ぎてしまった直後や翌日の「胃もたれ」や「ポチャポチャ感」のサポートとしてお使いいただくのが効果的です。
軟便や下痢が続いている時にも良いですか?
はい。胃腸に余分な水分が溜まっていると、それが腸に回って軟便や水っぽい下痢を引き起こすことがあります。
平胃散は胃腸の水分をスッキリとさばく働きがあるため、こうした水分の滞りによる軟便のサポートにもよく用いられます。
まとめ:胃腸の水溜まりをスッキリさせ、美味しく食べられる毎日へ
「胃もたれやお腹のポチャポチャ感をサポートする平胃散」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 胃もたれや食欲不振は、胃腸の「余分な水(湿)」と「気の滞り」が原因かも
- 平胃散は、胃の水を乾かして気を巡らせ、重苦しさをスッキリさせるのが得意
- 病院の胃薬と併用しながら、自ら消化・吸収できる「健やかな胃腸の土台」を育てることが大切
「少し食べただけで胃が重くなる」「食事を心から楽しめない」というお悩みを「体質だから仕方ない」と一人で抱え込まずに、ぜひ一度、太陽堂へご相談ください。
あなたのお身体のサインを丁寧に読み解き、一番適したオーダーメイドの漢方で、内側からスッキリと軽やかになり、美味しく食事が楽しめる身体づくりのサポートをさせていただきます。
関連ページ(内部リンクのご案内)
胃腸のトラブルや、水分の滞り(水毒)について、ホームページでも詳しくお話ししています。ぜひ参考にされてみてください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。














