
「胃腸の不調」と「妊活」の意外な関係
「胃もたれがする」「食欲が出ない」といった時に、病院やドラッグストアでよく目にする漢方薬「六君子湯(りっくんしとう)」。
胃炎などのトラブルに使われることで有名ですが、実は私たち太陽堂では、「卵管閉塞(らんかんへいそく)」をはじめとする妊活中のお悩みに対してご提案することが少なくありません。
「どうして不妊の悩みに、胃の漢方が選ばれるの?」と不思議に思われますよね。
今回は、一見まったく関係なさそうな「胃腸」と「卵管」を繋ぐ、東洋医学ならではの「水の巡り」という考え方について、太陽堂の薬剤師が分かりやすく解説します。
【コラム】薬剤師 石川の視点「西洋薬の胃薬と、漢方の違い」
現代はストレスや食生活の乱れから、胃酸が逆流する不快感でお悩みの方が増えています。
病院ではよく『タケキャブ』や『ネキシウム』といった胃酸を強力に抑えるお薬(PPI)が出されますよね。また、頭痛や生理痛で『ロキソニン』などの鎮痛剤をよく飲む方も、胃腸が荒れがちです。
西洋薬は『今ある症状をブロックする』のが非常に得意ですが、六君子湯は『胃腸の働きそのものを底上げする』アプローチを取ります。一時的な対処ではなく、栄養をしっかり吸収できる土台を作るのが六君子湯の最大の魅力です。
卵管閉塞の裏に潜む「水毒(すいどく)」とは?
卵管閉塞とは、卵子と精子の通り道である卵管が狭くなったり、塞がってしまったりする状態のことです。西洋医学では癒着などが原因とされますが、東洋医学(漢方)では、その根本的な要因の一つに「水毒(すいどく)」があると考えます。
水毒とは、体内の水分代謝がうまくいかず、余分な「水」が特定の場所に停滞してチャポチャポと溜まっている状態です。
なぜ「胃」を整えると「水はけ」が良くなるのか?
東洋医学では、飲食物から栄養や水分を吸収し、全身へ届けるポンプの役割を「胃腸(脾:ひ)」が担っていると考えます。
つまり、胃腸が弱っていると、体内の水分をうまく処理できず、卵管の周辺などにも余分な水が停滞しやすくなるのです。
六君子湯に含まれる「白朮(ビャクジュツ)」「茯苓(ブクリョウ)」「半夏(ハンゲ)」といった生薬は、この水はけを良くするプロフェッショナルです。
胃腸を元気にしてポンプ機能を復活させ、卵管周囲の「水の滞り」をスッキリと流すサポートをするため、結果的に妊活の土台作りに繋がっていきます。
【コラム】薬剤師 前原の視点「妊活は『栄養を吸収できる体づくり』から」
不妊のご相談を受けていると、『良いと言われるサプリメント(葉酸や鉄分など)をたくさん飲んでいるのに結果が出ない』というお声をよく耳にします。
実は、どれだけ体に良いものを摂り入れても、それを消化・吸収する『胃腸』が弱っていては、必要な場所(子宮や卵巣)へ栄養や血液が届きません。
六君子湯で胃腸の土台を立て直すことは、ホルモンバランスを整えるための第一歩でもあるんですよ。
六君子湯がサポートする「3つのお悩みタイプ」
六君子湯は、「気(エネルギー)」を補い、「水」の巡りを整えることで、幅広い不調をやさしくサポートします。
【表】六君子湯が適しているお悩みとアプローチ
| お悩みの種類 | よくあるサイン・状態 | 六君子湯のサポート |
| 妊活・婦人科系 | ・卵管閉塞、卵管狭窄でお悩み ・おりものが多い ・下半身が冷えてむくむ | 余分な水分(水毒)をさばき、卵管周囲の巡りやすい環境づくりを助ける。 |
| 胃腸のトラブル | ・すぐ胃もたれする、食が細い ・萎縮性胃炎でお悩み ・みぞおちがチャポチャポする | 消化機能を底上げし、胃の働きを活発にする。 |
| 全身の疲れ | ・寝ても疲れが取れない(気虚) ・手足がだるい、貧血気味 ・風邪を引きやすい | 「気(エネルギー)」を作り出し、自己治癒力を高める。 |
※実際の漢方相談では、体質に合わせて他の生薬や漢方薬と組み合わせて微調整を行うことが重要です。
六君子湯に関するよくあるご質問(FAQ)
胃腸の不調は感じていないのですが、卵管のために飲んでも大丈夫ですか?
はい、問題ありません。
ご自身では胃腸が弱い自覚がなくても、東洋医学的に診ると「水分をさばく力」が落ちているケースは多々あります。隠れた「水毒」のケアとして出す事があります。
病院で不妊治療(体外受精など)を行っていますが、併用できますか?
基本的には併用可能です。
西洋医学の治療と、漢方による「妊娠しやすい体質づくり」を並行して行う方は多くいらっしゃいます。念のため、お薬手帳などをご用意の上、専門の薬剤師にご相談ください。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
胃もたれなどの消化器症状は数週間で変化を感じる方もいらっしゃいますが、卵管やホルモンバランスといった「根本的な体質改善」には、およそ数ヶ月単位でじっくりと腰を据えて取り組むことをおすすめしています。
まとめ:胃腸を整え、巡りの良い体へ
「六君子湯」は、8つの生薬が絶妙なバランスで組み合わされた、体にとても優しい漢方薬です。
胃炎や胃もたれといった表面的な症状だけでなく、その奥にある「水分の停滞」をクリアにすることで、卵管閉塞などでお悩みの方の体づくりを力強くサポートしてくれます。
「病院の検査で卵管が詰まり気味と言われた」
「疲れやすくて、妊活への焦りばかりが募ってしまう」
そんな時は、一度立ち止まって「胃腸の元気」と「水の巡り」を見直してみませんか?太陽堂では、あなたのお体の状態を丁寧にお伺いし、最適な漢方ケアをご提案いたします。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。














