
待ちに待ったゴールデンウィーク(GW)!旅行や帰省、友人との食事など、楽しい予定が目白押しの時期ですね。
しかし、連休後半になると
「胃がもたれて食事が楽しめない」
「旅行に行くと必ずお通じが止まってお腹が張る…」
と、胃腸のコンディションを崩してしまう方は少なくありません。
せっかくの長期休み、ご当地グルメを美味しく味わい、身軽に動きたいですよね。
今回は、なぜ連休中に胃腸のバランスが崩れやすいのか、西洋医学と漢方の両面からメカニズムを紐解き、お出かけ先でも簡単にできる「胃腸を健やかに保つコツ」をご紹介します。
【薬剤師 前原の視点】食べ過ぎによる「食滞(しょくたい)」と胃薬の選び方
こんにちは、薬剤師の前原です。
旅行先ではつい気が緩み、普段より食べる量が増えたり、脂っこいものや冷たいものを連続して摂ったりしてしまいますよね。
西洋医学の視点:胃酸と消化酵素のキャパシティオーバー
食べ過ぎや飲み過ぎが起きると、胃の消化能力が追いつかなくなります。
ドラッグストアなどで手に入る市販の胃薬にはいくつか種類があり、例えば「ガスター10(ファモチジン)」などのH2ブロッカーは『出過ぎた胃酸を抑える』働きがあり、総合胃腸薬の多くは『消化酵素を補う』働きを持っています。
これらは一時的な胃の不快感を和らげるのには非常に役立ちますが、根本的な「胃腸を動かす力」そのものを高めるわけではありません。
漢方の視点:食べ物が停滞する「食滞(しょくたい)」
漢方では、食べたものが胃腸でスムーズに消化・吸収されず、渋滞してしまっている状態を「食滞(しょくたい)」と呼びます。
胃腸(脾)の働きが低下している時に無理に食べ物を詰め込むと、エネルギーに変換されず、お腹の張りや重だるさの原因になります。漢方では、胃薬でただ蓋をするのではなく、「消化を助け、胃腸の動きを活発にして、停滞したものをスムーズに下へ降ろす」というアプローチでサポートします。

【薬剤師 石川の視点】旅行先でのお腹の張り「気滞(きたい)」と自律神経
薬剤師の石川です。
「普段は毎日お通じがあるのに、旅行に行くとピタッと止まってしまう」というお悩み、本当に多いですよね。これは決して珍しいことではありません。
旅行便秘の正体は「交感神経の過緊張」
お通じ(腸の蠕動運動)は、私たちがリラックスしている時(副交感神経が優位な時)に活発になります。
旅行中は「楽しい!」と感じていても、慣れない移動や環境の変化、スケジュールの管理などで、体は無意識のうちに交感神経(興奮モード)が優位になっています。すると、腸の動きがピタッと止まってしまうのです。
漢方では、このストレスや緊張によってエネルギーの巡りが滞った状態を「気滞(きたい)」と呼びます。 気が滞ると、お腹にガスが溜まりやすくなり、パンパンに張って苦しくなります。
この場合、無理に下剤で出すのではなく、「香りの良いもので気を巡らせ、心身のリラックスを促す」ことが、自然なお通じのサイクルを整える第一歩です。
【比較表】GWの胃腸を守る!お出かけ先でのOK・NGリスト
| カテゴリ | 〇 おすすめ(胃腸を労わり、気を巡らせる) | × 要注意(胃腸を止め、負担をかける) |
| 食事の量 | ご当地グルメは「腹八分目」でシェアする (常に胃に少しの余裕を持たせる) | 毎食「満腹」まで限界まで食べる (消化能力を超え、「食滞」に直結します) |
| 飲み物 | 食後に温かいミントティーやジャスミン茶 (香りが「気」を巡らせ、お腹を温めます) | キンキンに冷えたビールやジュースばかり (胃腸の温度を下げ、働きを鈍らせます) |
| 過ごし方 | 移動中や寝る前に、お腹を「の」の字に撫でる (物理的に腸の動きを優しくサポート) | 長時間の移動でずっと同じ姿勢で座り続ける (血流と「気」が滞り、お腹が張りやすくなります) |
冷たい飲み物でお腹が冷えてしまった時は、こちらの対策も参考にしてください。

【実例】GWの旅行中はいつもお腹がパンパンに(30代 女性)
「体質に合った漢方のお守りで、旅行の食事が楽しみに」
●ご相談内容
毎年の長期連休に旅行へ行くのが趣味だが、2日目には必ず便秘になり、お腹がパンパンに張って食欲が落ちてしまうという女性。「市販の便秘薬は旅行中にお腹が痛くなるのが怖くて飲めない」と、太陽堂にご相談に来られました。
●漢方でのサポート
この方は、環境の変化に敏感で「気」が滞りやすい体質に加え、外食続きで「食滞」も併発しやすい状態でした。
- 経過:旅行の数日前から、胃腸の働きを助け、気の巡りをスムーズにする漢方薬を「お守り」としてお持ちいただきました。同時に、旅先でも温かい飲み物を意識するようアドバイスしました。
- その後:「漢方を飲んでリラックスできたおかげか、旅行中も自然なお通じのサイクルが保てました!お腹の張りを気にせず、ご当地の美味しいものを最後まで楽しめました」と嬉しいご報告をいただきました。
GWの胃腸トラブル FAQ
食べ過ぎて胃が重い時、すぐに市販の胃薬を飲んでもいいですか?
症状に合わせて活用するのは有効ですが、頼りすぎには注意です。
胃酸が上がって胸やけがするのか、胃が動かずもたれているのかで、適したお薬は異なります。一時的なサポートとして市販薬を使いつつ、翌日は「消化の良い温かいスープだけにする」など、胃腸を休ませる日を作ることが何より大切です。
旅行先で簡単にできる「気滞(お腹の張り)」のケアはありますか?
香りの良いハーブや柑橘類を積極的に取り入れましょう。
漢方では、シソ、ミント、柑橘類(レモンや柚子)などの「良い香り」のものは、滞った気を巡らせる働きがあると考えます。コンビニで買えるミントタブレットや、柑橘系の温かいお茶、またはアロマオイルの香りを嗅ぐだけでも、交感神経の緊張が和らぎ、お腹の張りが楽になることがあります。
漢方薬は、他の薬(ロキソニンなどの鎮痛剤や酔い止め)と一緒に飲めますか?
基本的には可能ですが、飲むタイミングをずらすのがおすすめです。
漢方薬と西洋薬はアプローチが異なるため併用されることも多いですが、成分の吸収に影響を与えないよう、30分〜1時間ほど間隔を空けて服用すると安心です。ご不安な場合は、事前に薬剤師にご相談ください。
まとめ:胃腸のコンディションは、休日の満足度を決める
旅行や帰省など、非日常の時間は心のリフレッシュに欠かせません。
しかし、その楽しさを100%味わうためには、ベースとなる「胃腸の健やかさ」が非常に重要です。
「いつも連休はお腹の調子を崩してしまう」という方は、ご自身の体質に合った漢方を「旅行のお守り」として準備してみてはいかがでしょうか。
太陽堂では、あなたのお腹のバランスを整え、楽しい休日を元気に過ごすためのサポートを行っています。お出かけ前のご相談も、どうぞお気軽にお寄せください。
次に読んで欲しい記事(春の健康・養生法)
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎


実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈


得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。















