
【太陽堂が解説する「猪苓湯(ちょれいとう)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 猪苓湯は、下半身に滞った「余分な水分」を尿としてスムーズに動かし、同時にこもっている「熱(炎症の火種)」を優しく冷まして、排尿時の違和感を和らげる働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: トイレが近い、排尿時にツーンとした違和感や熱感がある、残尿感でスッキリしない、のどが渇きやすい、といったサインを感じやすい体質の方に向いています。
- 太陽堂での活かし方: 太陽堂では、この猪苓湯を基本としつつ、お一人おひとりの現在の体質や生活習慣(冷えの有無や胃腸の強さなど)に合わせて生薬を細かく調整し、体が本来持つ力を引き出すオーダーメイドのサポートを行っています。
【スッキリしない、トイレが近い…。下半身にこもった「熱」と「水」を流す】
「トイレに行ったばかりなのに、またすぐに行きたくなる」
「排尿の終わりに、ツーンとした違和感や熱っぽさを感じる」
「残尿感があって、いつもスッキリしない」
太陽堂には、このようなデリケートな「トイレのお悩み」に関するご相談が数多く寄せられます。特に女性は体の構造上、こうしたトラブルを抱えやすく、何度も繰り返してしまうことに悩んでいる方が少なくありません。
東洋医学(漢方)の視点で見ると、こうした排尿時の違和感や不快感の根本には、「下半身(膀胱など)にこもった熱」と「水分の滞り」が隠れていると考えます。
今回は、滞った水分をスムーズに動かしながら、余分な熱を優しく冷まして巡りを整える漢方薬「猪苓湯(ちょれいとう)」について詳しく解説いたします。ご自身の体からのサインに当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。
【コラム】薬剤師 石川の視点「病院のお薬(抗生物質)と漢方のアプローチの違い」
排尿時の強い違和感(膀胱炎など)で泌尿器科や婦人科を受診すると、原因となっている細菌を退治するために『フロモックス』や『クラビット』などの『抗生物質(抗菌薬)』が処方されることが一般的です。これらのお薬は、細菌を直接叩き、急性の強い症状を素早く抑え込むために非常に頼りになります。
しかし、抗生物質は『細菌を殺す』ことが目的であり、『なぜそこに細菌が繁殖しやすい環境(熱や水の滞り)ができてしまったのか』という体質そのものを変えるわけではありません。そのため、疲れたり冷えたりするたびにトラブルを繰り返してしまう方も多いのです。
辛い時は西洋のお薬でしっかり菌を抑えつつ、漢方で『熱を冷まし、滞った水をスムーズに洗い流せる土台』を育てていくスタイルは、繰り返すお悩みのサポートとして大変おすすめです。
猪苓湯はどのようなサインに向いている?
猪苓湯は、漢方の世界で「利水清熱(りすいせいねつ:水を巡らせて熱を冷ます)」の代表的な漢方薬として知られています。具体的には、以下のような特徴を持つ方によく用いられます。
1. 排尿時の「ツーンとした違和感」や「熱感」
排尿の最後や直後に、下腹部や尿道付近にツーンとするような違和感や、熱っぽさを感じたことはありませんか?漢方では、これを下半身に「湿熱(しつねつ:余分な水分と熱が結びついたもの)」が滞っているサインと捉えます。猪苓湯はこの熱を冷ますことを得意としています。
2. スッキリしない「頻尿」と「残尿感」
トイレに行っても少ししか出ず、終わった後も「まだ残っているような感じ」がしてすぐにトイレに行きたくなる。これも水がうまく巡らず、膀胱周辺の機能が乱れているサインです。猪苓湯は水の排出を助け、本来の巡りを取り戻すサポートをします。
3. のどの渇き
下半身に熱がこもって水分をうまく使えない状態になると、体は「水が足りない」と錯覚し、のどが渇きやすくなることがあります。
水を流し、熱を冷まし、潤いを守る生薬のチームワーク
猪苓湯は、5つの生薬で構成されています。単に「水を出す」だけでなく、熱を冷まし、デリケートな粘膜の「潤いを守る」働きが組み合わされているのが特徴です。
| チームの役割 | 代表的な生薬 | どのような働きをするか |
| ① 余分な水を尿として流す (利水作用) | 猪苓(チョレイ)、茯苓(ブクリョウ)、沢瀉(タクシャ) | 体内に滞っている余分な水分を尿のルートに集め、スムーズに体外へ排出するのを助けます。 |
| ② こもった熱を冷ます (清熱作用) | 滑石(カッセキ) | 下半身(尿道や膀胱周辺)にくすぶっている熱を冷まし、ツーンとする違和感を和らげます。 |
| ③ 粘膜の潤いを守る (滋陰・止血作用) | 阿膠(アキョウ) | ゼラチン質の生薬です。熱によって乾燥・消耗しやすくなったデリケートな粘膜を潤し、優しく保護するサポートをします。 |
似ているけれど違う?「猪苓湯」と「五苓散」の使い分け
水分代謝を整える漢方薬として有名なものに「五苓散(ごれいさん)」があります。どちらも「水を巡らせる」点では同じですが、適している体質には違いがあります。
- 猪苓湯(ちょれいとう):排尿時に「違和感や熱感(ツーンとする感じ)」がある方。のどが渇き、尿量が少なく色が濃い傾向があります。(熱を冷ます働きが強い)
- 五苓散(ごれいさん):排尿時に「違和感や痛みはない」が、尿量が少ない方。むくみや、雨の日の頭痛(気象病)、胃腸の不調(水様性の下痢など)を伴う方。(胃腸を助けながら水を巡らせる働きが強い)
【コラム】薬剤師 前原の視点「繰り返すトイレのお悩み、我慢や水分不足に注意!」
トイレのお悩みを繰り返している方にお話を伺うと、『仕事中でトイレを我慢することが多い』『トイレに行きたくなるのが嫌で、あえて水分を控えている』という方が非常に多いです。
しかし、水分を摂らないと尿が濃縮され、細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。また、流す水が足りないため、さらに熱がこもりやすくなるという悪循環に陥ります。
猪苓湯のような漢方で巡りを整えつつ、日頃から『こまめに常温のお水を飲み、我慢せずにしっかりと出し切る(洗い流す)』習慣をつけることが、健やかな土台づくりの第一歩です。冷えも大敵ですので、下腹部や足元は冷やさないように心がけてくださいね。
猪苓湯に関するよくあるご質問(FAQ)
病院の抗生物質と一緒に猪苓湯を飲んでも大丈夫ですか?
はい、基本的には併用可能です。
急性期には抗生物質で細菌を叩きつつ、猪苓湯で「流す・冷ます」サポートを加えることはよくあります。
安全のため、事前にお薬手帳をご用意の上、ご相談ください。
違和感はないのですが、夜の頻尿(夜間頻尿)にも良いですか?
猪苓湯は主に「熱感や違和感を伴う頻尿」に向いています。
ご高齢の方によく見られる「冷え」を伴う夜間頻尿や、下半身の力が弱まっているサインには、猪苓湯よりも「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」といった、体を温め腎の働きを助ける漢方薬の方が適しているケースが多いです。
トラブルを予防するために、猪苓湯を毎日飲み続けても良いですか?
猪苓湯には「滑石」など体を冷やす生薬が含まれているため、症状が落ち着いている時に漫然と長期服用すると、かえって体を冷やしてしまうことがあります。
太陽堂では、今の状態に合わせて無理のないペースや、別の「土台を整える漢方」への切り替えなどもご提案しています。
まとめ:滞りを流し、スッキリと安心できる毎日へ
「排尿の違和感をサポートする猪苓湯」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- トイレが近い、ツーンとする違和感は「下半身の熱と水の滞り」が原因かも
- 猪苓湯は、余分な水を流し、熱を冷まし、粘膜を潤すのが得意
- 抗生物質(西洋薬)と併用しながら、根本的な「巡り」の土台をつくることが大切
「何度も繰り返して嫌になる」「外出先でいつもトイレが気になってしまう」というお悩みを「体質だから」と一人で抱え込まずに、ぜひ一度、太陽堂へご相談ください。
あなたのお身体のサインを丁寧に読み解き、一番適したオーダーメイドの漢方で、内側からスッキリと安心できる身体づくりのサポートをさせていただきます。
関連ページ
水分代謝や、冷えのトラブルについて、ホームページでも詳しくお話ししています。ぜひ参考にされてみてください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。















