
【太陽堂が解説する「清肺湯(せいはいとう)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 清肺湯は、呼吸器(肺)周辺にこもった余分な「熱」を優しく冷まし、不足した「潤い」をたっぷりと補いながら、滞った気や不要なものをスムーズに動かす働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 長引くコンコンとした違和感がある、ネバネバして切れにくいものがのどに絡む、口やのどが乾燥しやすい、タバコや排気ガスなどで日常的に呼吸器に負担がかかっているサインを感じる体質の方に向いています。
- 太陽堂での活かし方: 太陽堂では、この清肺湯を基本としつつ、お一人おひとりの現在の体質や生活習慣に合わせて生薬を細かく調整し、体が本来持つ力を引き出すオーダーメイドのサポートを行っています。
スッキリしないのどの奥。その原因は「乾燥」と「こもった熱」かも?
「風邪はすっかり良くなったはずなのに、コンコンという違和感だけが長引いている」
「のどの奥にネバネバしたものが絡んで、なかなかスッキリしない」
「空気が乾燥すると、決まって呼吸器のあたりがムズムズ、イガイガする」
太陽堂には、このような「長引く呼吸器のサイン」に関するご相談が数多く寄せられます。特に、空気が乾燥する季節や、長年の喫煙習慣がある方に多く見られるお悩みです。
東洋医学(漢方)の視点で見ると、こうしたスッキリしない違和感の根本には、呼吸器(肺)に「熱」がこもり、カラカラに「乾燥」して潤いが不足している状態が隠れていると考えます。
今回は、乾いた呼吸器にたっぷりと潤いを与えながら、こもった熱を冷まして不要なものをスムーズに動かす漢方薬「清肺湯(せいはいとう)」について詳しく解説いたします。ご自身の体からのサインに当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。
【コラム】薬剤師 椙田の視点「病院のお薬(鎮咳薬・去痰薬など)と漢方のアプローチの違い」
コンコンとしたサインが続くと、呼吸器内科などで『メジコン』などの咳を鎮めるお薬(鎮咳薬)や、『ムコダイン』などの絡みを出しやすくするお薬(去痰薬)が処方されることが一般的です。これらのお薬は、今ある辛い反射を素早く鎮めたり、一時的に通りを良くしたりするために非常に頼りになります。
しかし、西洋のお薬は『なぜいつまでもネバネバしたものが作られ続けるのか』『なぜ粘膜が過敏になっているのか』という体質そのものを変えるわけではありません。
辛い時は西洋のお薬でうまくコントロールしつつ、漢方で『呼吸器の熱を冷まし、自らの力で潤いを保てる土台』を育てていくスタイルは、長引くお悩みを根本から見直したい方に大変おすすめです。
呼吸器(肺)は「潤い」を好むデリケートな臓器
東洋医学において、「肺(呼吸器全体)」は非常にデリケートで「乾燥を嫌い、潤いを好む」臓器であると言われています。
空気が乾燥したり、ストレスやタバコなどの影響で体に「熱」がこもったりすると、肺の潤いが蒸発してしまいます。
お鍋の水分が煮詰まると焦げ付いてドロドロになるように、呼吸器の潤いが不足すると、体を守るための分泌物がネバネバと粘り気を持ち、のどにへばりついてしまいます。これが「スッキリしない絡み」や「コンコンという違和感」の正体です。
清肺湯は、この「熱を冷ます」ことと「潤す」ことを同時に行い、スムーズな巡りを取り戻すサポートをします。
清肺湯の効果・飲み方・副作用の早見表
「清肺湯 効果」で調べて来られた方に、基本を先にまとめます。名前の似た辛夷清肺湯(鼻づまり・副鼻腔炎の処方)とは別の薬です。麦門冬湯との使い分けは下の見出しで説明しています。
| 項目 | 内容 |
| 効果・効能(何に効く?) | 粘り気の強い痰が多くて切れにくく、咳が長引くとき。医療用の効能は「せきが続き、たんが多くて切れにくいものの次の諸症:たんの多く出るせき、気管支炎」(体力中等度)です。風邪のあとに残った痰がらみの咳によく使われます。 |
| 向く人 | 黄色〜白の粘った痰が出る、のどの奥がネバネバして咳払いが増えた、喫煙や乾燥で悪化する方。 |
| 飲み方 | 食前または食間に、1日2〜3回(説明書どおり)。寝る前も食間にあたるので飲んでかまいません。夜に咳が出る方は寝る前の1回を大事にします。 |
| 効果が出るまで | 痰の切れや咳の回数は1〜2週間で手応えを感じる方が多く、長引く咳の立て直しは1〜3か月を目安に見ます。即効性の咳止めとは働き方が違います。 |
| 副作用・注意(デメリット) | 生薬が多い処方なので、胃の不快感・食欲不振・下痢が出ることがあります。甘草を含むためむくみ・血圧の上昇に注意。まれに間質性肺炎・肝機能の異常の報告があり、咳がかえって悪化する・息切れ・発熱が出たら中止してご相談ください。 |
| 合わない人 | 痰のない乾いた咳(麦門冬湯などの潤す処方が先)、水っぽい透明な痰で冷えが強い方(温める処方)、胃腸がとても弱い方。 |
| 市販との違い | 市販(第2類医薬品・「ダスモック」など)もあります。成分量が少なめのことが多く、漢方薬局では痰の性質(粘り・色・量)と体質に合わせて量や組み合わせを調整します。 |
熱を冷まし、潤いを補い、巡りを助ける生薬のチームワーク
清肺湯は、なんと16種類もの生薬から構成されている非常にダイナミックな漢方薬です。それぞれの生薬がチームを組み、複雑に絡み合った呼吸器のトラブルに多角的にアプローチします。
| チームの役割 | 代表的な生薬 | どのような働きをするか |
| ① こもった熱を優しく冷ます (清熱作用) | 黄芩(オウゴン)、山梔子(サンシシ)、桑白皮(ソウハクヒ) | 呼吸器周辺にくすぶっている余分な熱(炎症の火種)を冷まし、過敏になった状態を落ち着かせます。 |
| ② たっぷりの潤いを補う (滋陰作用) | 麦門冬(バクモンドウ)、天門冬(テンモンドウ)、五味子(ゴミシ) | カラカラに乾いた粘膜に潤いを与え、水分の蒸発を防いで呼吸器をみずみずしく保ちます。 |
| ③ ネバネバを動かし、巡りを促す (化痰・理気作用) | 貝母(バイモ)、桔梗(キキョウ)、杏仁(キョウニン)、陳皮(チンピ) | のどにへばりついたネバネバしたものをスムーズに動かし、滞った「気」を下ろして通りを良くします。 |
| ④ 胃腸を整え、土台を支える (健脾和胃) | 茯苓(ブクリョウ)、大棗(タイソウ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ) | これだけ多くの生薬をしっかり吸収できるよう、胃腸の働きを助け、体全体のバリア機能をサポートします。 |
【コラム】薬剤師 林の視点「現代の呼吸器は、思った以上に負担がかかっています」
清肺湯と聞くと、『タバコを吸う人のための漢方』というイメージを持たれる方が多いかもしれません。(実際に市販薬でもそのような打ち出し方をされているものがありますね。)
しかし、太陽堂にご相談に来られる方の中には、全くタバコを吸わないのに長引く違和感にお悩みの方もたくさんいらっしゃいます。
現代は、エアコンによる極度の乾燥、排気ガス、PM2.5、さらには日々の強いストレスによる『気の滞り(熱)』など、私たちの呼吸器は常に過酷な環境に晒されています。タバコを吸う・吸わないに関わらず、『最近のどが渇きやすい』『イガイガしてスッキリしない』というサインがあれば、それは体が潤いを求めている証拠かもしれません。
似ている?「清肺湯」と「麦門冬湯」の使い分け
呼吸器を潤す漢方薬として、もう一つ非常に有名なものに「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」があります。どちらも乾燥をケアしますが、違和感のタイプによって使い分けられます。
- 清肺湯(せいはいとう):ネバネバした黄色っぽいものが絡む、なかなか切れない、タバコなどの影響で熱がこもっているサインがある方に。(熱を冷まし、ネバネバを動かす力が強い)
- 麦門冬湯(ばくもんどうとう):カラカラに乾いたコンコンという違和感、顔が赤くなるほど連続して出る、絡むものが少ない(または全くない)方に。(とにかく潤いを補い、こみ上げる気を鎮める力が強い)
清肺湯に関するよくあるご質問(FAQ)
病院の咳止め薬や去痰薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
はい、基本的には併用可能です。
辛い時期は西洋のお薬でコントロールしつつ、漢方で「熱を冷まし潤いを保つ土台」をケアしていくスタイルは非常によく見られます。
安全のため、事前にお薬手帳をご用意の上、ご相談ください。
タバコを吸っていなくても飲んで良いですか?
もちろんです。
先ほどの林先生のコラムにもあったように、清肺湯はタバコ専用の漢方ではありません。
空気が乾燥する時期の長引く違和感や、ネバネバしたものが絡んでスッキリしないといった「体質・サイン」に合っていれば、どなたでもお使いいただけます。
お腹が弱くても飲めますか?
清肺湯には胃腸を助ける生薬も含まれていますが、熱を冷ます生薬(黄芩など)や潤す生薬が多いため、もともと胃腸が非常に冷えやすく下痢をしやすい方には負担になることがあります。
太陽堂では、お客様の胃腸の強さをしっかりとお伺いし、負担がかからないよう生薬を細かく調整してお作りしています。
効果はいつから出ますか?即効性はありますか?
痰の切れや咳の回数は1〜2週間で変化を感じる方が多く、長引く咳の立て直しは1〜3か月が目安です。
咳止めのように飲んですぐ止まる薬ではなく、痰を出しやすくして気道の炎症を落ち着かせる処方です。2週間飲んでも痰の性質が変わらないときは、別のタイプの咳の可能性があるのでご相談ください。
デメリットや、合わない咳はありますか?
痰のない乾いた咳と、水っぽい痰で冷えが強い咳には向きません。
乾いた咳には麦門冬湯のような潤す処方、冷えの咳には温める処方が先です。副作用としては胃の不快感・下痢、甘草によるむくみ、まれに間質性肺炎や肝機能の異常の報告があります。血痰が出る、2週間以上熱が続く、息苦しいときは漢方より先に受診してください。
1日何回、いつ飲みますか?寝る前でも大丈夫ですか?
食前または食間に1日2〜3回が基本で、寝る前に飲んでもかまいません。
夜に咳が出て眠れない方は、寝る前の1回をお湯に溶いて温かくして飲むと楽に感じることが多いです。胃にさわる方は食後にずらしますので、ご相談ください。
まとめ:呼吸器に潤いを取り戻し、スッキリとした毎日へ
「長引くコンコン・ネバネバをサポートする清肺湯」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 長引く違和感や絡みは、呼吸器の「熱」と「乾燥(潤い不足)」が原因かも
- 清肺湯は、16種の生薬で熱を冷まし、潤いを補い、巡りを整えるのが得意
- 病院のお薬で一時的に抑えるだけでなく、根本的な「潤う力」を育てることが大切
「一度違和感が出ると長引いてしまう」「いつもスッキリしなくて会話に集中できない」というお悩みを一人で抱え込まずに、ぜひ一度、太陽堂へご相談ください。
あなたのお身体のサインを丁寧に読み解き、一番適したオーダーメイドの漢方で、内側からみずみずしく、スッキリと深呼吸できる身体づくりのサポートをさせていただきます。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
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(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
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記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。














