今回ご紹介する漢方薬は「副鼻腔炎」や「蓄膿症」に使う事の多い「辛夷清肺湯」です。
近年「副鼻腔炎」の方は多くなっています。(急性と慢性を合わせると毎年「1000万人以上」の方が苦しまれている病気と言われるようになってきました。)
また難病指定されている「好酸球性副鼻腔炎」という病気まで出てくるように…
そんな「副鼻腔炎」に使う事の多い「辛夷清肺湯」がどんな漢方薬か解説していきますね~
「辛夷清肺湯」てどんな漢方薬?
「辛夷清肺湯」は
〇石膏(セッコウ)
〇麦門冬(バクモンドウ)
〇黄芩(オウゴン)
〇山梔子(サンシシ)
〇知母(チモ)
〇百合(ビャクゴウ)
〇辛夷(シンイ)
〇枇杷葉(ビワヨウ)
〇升麻(ショウマ)
の9種類からなる漢方薬です。
肺熱(虚熱)による濃厚な鼻汁に使えるのが「辛夷清肺湯」です。(その他にも鼻閉や肥厚性鼻炎などの症状にも使えます。)
肺熱?虚熱?わかりずらいですよね(笑)
深く考えずに「鼻に熱が留まっている」ので濃い鼻水が出ている状態と考えて頂けたらそれで大丈夫です。
熱がある状態の為、中に入っている生薬も「清熱作用」のある生薬が多くなっています。
「清熱作用」がある生薬は「黄芩」・「山梔子」・「知母」・「石膏」・「升麻」になります。
この中でも「知母」と「石膏」は相性が良く、組み合わせる事で「清熱作用」を強める事が可能です。
また「辛夷清肺湯」は「濃厚な鼻汁」に対して「潤わせて排膿」という作用もあり「潤」の作用がある生薬も多くなっています。
「潤」の作用がある生薬は「百合」・「麦門冬」・「枇杷葉」に「知母」と「石膏」です。
名前にある「辛夷」の説明がないと思われた方もいると思います(笑)
「辛夷」は「清熱作用」があるわけではなく「熱を散(散らす)」事で鼻の通りを良くしてくれます。
お話ししてきたように「辛夷清肺湯」は「潤」と「清熱」の漢方薬です。
「辛夷清肺湯」は組み合わせる事で色々な作用が。
太陽堂では「辛夷清肺湯」は一つだけで使う事は少ない漢方薬です。
いくつかご紹介させて頂きますね~
まず炎症が強い時は「葛根湯」を組み合わせる事で「抗炎症作用」を強めます。
膿が多い時は「排膿散及湯」を組み合わせて「排膿作用」を強めます。
「鼻茸(鼻ポリープ)」がある時は「ヨクイニン」を合わせて塊を取っていきます。
漢方薬はコンビネーションが大事になり、組み合わせる事で効果をあげていく事が重要です。
「辛夷清肺湯」 まとめ
「辛夷清肺湯」についてご説明させて頂きました。
花粉症が国民病と言われているだけに「鼻の疾患」で悩まれている方も年々増えてきています。
食べ物や温暖化などの環境的にも「内熱(中にたまる熱)」は多くなってきている状況です。
そんな環境の変化もある為、「清熱作用」が強い「辛夷清肺湯」が合う方は年々増えてきているのかもしれないですね。
また今回ご紹介しました「副鼻腔炎・蓄膿症」に関しては、ホームページでお話ししています。
ぜひ参考にされてみて下さい。
太陽堂ホームページ 「副鼻腔炎・蓄膿症」
※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。