今回ご紹介する漢方薬は「蕁麻疹(じんましん)」・「難聴」に使う事の多い「香蘇散」です。
そういえば調剤薬局時代に「香蘇散」て触った事ないな…
と思い、病院などではどんな症状に使われているか調べて見ました。
・神経過敏で胃腸の弱い方のかぜの初期
・精神を安定させ、胃腸機能をととのえる働き
などだそうです。
確かに風邪や自律神経の乱れにも使う場合があるのですが、太陽堂ではあまり使った事がありません。
太陽堂で使う事の多い症状の「蕁麻疹(じんましん)」から、一般的に使われる症状の「胃腸機能の安定」まで、どの様に作用して効いていくのかを解説していきますね~
「香蘇散」てどんな漢方薬?
「香蘇散」は、
〇香附子(コウブシ)
〇蘇葉(ソヨウ)
〇陳皮(チンピ)
〇甘草(カンゾウ)
〇生姜(ショウキョウ)
の5種類からなる漢方薬です。
大きく説明すると「気滞」(気の滞り)を改善する作用と「胃腸の調子を整える作用」の2つになります。
基本的には「陳皮」・「蘇葉」・「香附子」の3つの生薬が「香蘇散」の主薬です。
「気滞」(気の滞り)が「耳管閉塞」や「気鬱」などの症状に繋がり、「陳皮」・「蘇葉」・「香附子」で改善していきます。
また「陳皮」・「蘇葉」・「香附子」に「生姜」を加えた組み合わせが「健胃作用」があり、胃腸の調子改善。
「蘇葉」・「生姜」が身体を温め、悪寒・発熱・頭痛などの症状がある胃腸虚弱の方の風邪に使えます。
なぜ魚介系の蕁麻疹(じんましん)に使えるのか?
刺身を食べる時に「紫蘇」や「大根」などのつまが添えられているのはご存知ではないでしょうか?
これにはちゃんとした理由があり「紫蘇」は魚介系の毒を改善してくれます。
実は「香蘇散」の中に入っている「蘇葉」はこの「紫蘇」です。(本来は「紫蘇葉」と言い、紫蘇の葉から「蘇葉」がきました。)
魚介系の蕁麻疹(じんましん)がある方は「蘇葉」の量を調節して出す事も多いですよ。
「香蘇散」の耳管閉塞や難聴への使いかた。
耳管閉塞や難聴は「気滞」(気の滞り)を改善する事で症状も良くなる事が多いです。
また耳鳴りで苦しまれている方の一番の原因が「難聴」の場合も多く、耳が聞こえずらいから音を拾い過ぎて「耳鳴り」になる事もあります。
「香蘇散」単独では「難聴」や「耳鳴り」の改善が難しい為「柴胡剤」で体質改善を高めたり、発散が足りない方は「桂枝甘草」が入っている漢方薬で発散作用を高める事も多いです。
その方の症状やかかっている期間により併用する漢方薬を考えて出していきます。
「香蘇散」 まとめ
「香蘇散」についてご説明させて頂きました。
「気滞」(気の滞り)や「胃腸機能」を改善する事で症状を改善する「香蘇散」になります。
また「紫蘇葉」を使っているので魚介系のじんましんなどに使える漢方薬です。
一般的にはこの使い方はされていないですが「蕁麻疹(じんましん)」や「耳鳴り」・「耳管閉塞」などには効果の高い漢方薬になっています。
今回ご紹介しました「蕁麻疹(じんましん)」・「耳鳴り」・「突発性難聴」に関しては、ホームページでお話ししています。
ぜひ参考にされてみて下さい。
太陽堂ホームページ 「蕁麻疹(じんましん)」
太陽堂ホームページ 「耳鳴り」
太陽堂ホームページ 「突発性難聴」
※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。