こんにちは「漢方薬局 太陽堂の薬剤師 林」です。
まだまだ暑いですね…
暑くて寝汗をかく事はあると思いますが、暑くなくても寝汗が出ていたって経験ある方いらっしゃるのではないでしょうか?
実は誰でも寝ている時は汗をかいていて、普通の人で「コップ1杯~2杯の量の汗をかく」と言われます。
問題になってくるのは「寝汗の量」です。
・着替えるほど寝汗が出る…
・寝巻きが濡れて冷えるくらい汗をかく…
・寝汗が酷くて眠れない…
などの時は、何かしらの異常があるサインになります。
寝汗が出る原因が大事になってくるので、自分の「寝汗の種類」を特定しましょう。
汗が出るメカニズムと寝汗をかく理由
汗というのは「体温を適正な状態に保つ」ために分泌されています。
「体温が上がった時」に汗が出る事で、皮膚の熱を奪い、それによって体温を適切な温度に下げてくれるのです。(汗をかく事で36℃前後に体温を調節してくれています。)
寝汗も同じように「体温を下げる」為に出ていて、睡眠に適した体温まで下げてくれます。(深い眠りについている時の体温は日中の活動時と比べると1℃ほど低いです。)
この事から適正な寝汗は「睡眠の質を高めるため」に必要なものになります。
ちなみに寝汗は寝ている時にずっと出ているわけではなく、深い眠りに入る直前に多く分泌される事が多いです。
異常な寝汗の原因と漢方薬
異常な寝汗の原因としては、
・疲れ
・自律神経の乱れ
・手足からの放熱不足
です。
寝汗の原因(疲れ)
1番多い原因としては「疲れ」になり、東洋学的に「身体が疲れている」状態の事を「脾虚」と言います。
この「脾虚の漢方薬」としては滋養強壮の作用のある「人参剤」を使う事が多く、皆さんも聞いた事のある漢方薬名だと「補中益気湯」などになりますね。
その他にも「暑」という言葉が入っていて夏バテに使う事の多い「清暑益気湯」という夏バテ専用の漢方薬も。(夏バテ以外にも使います。(笑))
体質に合う漢方薬を飲んでいく事が大事なため、自分に合う「人参剤」を使っていく事が大事になってきますね。
寝汗の原因(自律神経の乱れ)
次に「自律神経の乱れ」ですが、ストレスなどにより神経の切り替えがうまくいかない事が原因と言われています。
一般的に寝ている時は休んでいる時の神経(副交感神経)が優位にたつのですが、自律神経が原因で寝汗をかいている方はストレスなどで緊張している時などに優位な神経(交感神経)が優位になっている事が多いです。
神経の切り替えがうまく出来ない事のわかりやすい例としては「更年期症状などのホルモンバランスの乱れ」になります。
「汗が出たり引いたり」するホットフラッシは神経の切り替えがうまく出来ていない事が多いです。
「更年期障害」に関しては詳しく書いていますので、興味のある方は「更年期障害」をご覧になって見て下さい。
更年期障害
寝汗の原因(手足からの放熱不足)
最後に「手足からの放熱不足」の原因です。
寝汗をかく理由として「体温を下げること」とお話しましたが、体温を下げる方法には汗をかく事以外に「手足の動脈を開くことで放熱」して体温を下げるという方法もあります。
この「手足からの放熱」が上手くできない事で、他で体温を下げようと身体が考え「寝汗」に繋がる場合も。
この場合「黄連解毒湯」などの「清熱作用のある漢方薬」を中心で使う事が多いです。
「黄連解毒湯」に関しては詳しく書いていますので、興味のある方は「黄連解毒湯」をご覧になって見て下さい。
太陽堂ブログ 出血を止める「黄連解毒湯」とは?脳動脈瘤にも使います。
寝汗の原因や使う漢方薬についてお話しさせて頂きました。
寝汗で苦しまれている方は近年多くなってきていますので、ぜひご参考にされて下さい。
#漢方薬と症状
※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。