子宮腺筋症

子宮腺筋症には漢方薬が有効です。

子宮腺筋症の漢方薬

太陽堂では子宮腺筋症の原因を、血の巡りが滞ることによる「オ血（おけつ）」と、体内の血がうまく使われずに不足する「血虚（けっきょ）」の2つに分けて考えていきます。

生理痛や骨盤痛などを引き起こす「オ血」には「オ血（痛み）を改善する漢方薬」を。

月経過多や貧血を引き起こす「血虚」には「血虚（血の不足）を改善する漢方薬」を。

どちらの症状もある方には「オ血と血虚を改善する漢方薬」を使っていきます。

不正出血が続く場合には「出血を抑えて血を補う漢方薬」も合わせていきます。

子宮腺筋症とは

子宮内膜に似た組織が「子宮筋層内」に発生して増殖する疾患です。

主に30～40代の出産経験のある方に多いですが、最近では20代の出産経験のない方にも増えています。

妊娠・出産をきっかけに拡大や収縮した「子宮筋層内」のすき間に子宮内膜組織が入り込み、その組織が増殖してしまうことが原因と考えられています。

近年では出産経験がない20代の女性でも発症することがあります。

食の欧米化やピルの長期服用などが原因と考えられていますが、詳しいことは分かっていません。

子宮腺筋症の症状

主な症状としては、

・生理痛
・下腹部痛（腰痛、骨盤痛、排卵痛）
・月経過多、生理不順
・着床障害などの不妊の原因
・不正出血、貧血

があり、妊娠した後も

・早産
・前期破水
・胎位異常
・感染症

が発生するリスクが高まります。

また、子宮筋層内に発生した「子宮筋腫」と混在することもあり、病院のお薬（痛み止めや止血剤）が効かなくなるケースもあります。

太陽堂では、「子宮筋腫」に対しても有効な漢方薬を使っていくことができます。

「子宮筋腫」については別のページでご紹介しておりますので、ご覧になって見て下さい。

子宮腺筋症の症例

症例①(服用開始時　40才　女性)

2年前から生理が乱れてきたので検査した所「子宮腺筋症」・「多発性子宮筋腫」と診断。

病院のお薬でしばらく様子を見ていたが治まりが悪くなってきたので、太陽堂にご相談に来られました。

症状は「生理時の下腹部痛」・「腰痛」・「月経過多」に「冷えのぼせ」が気になるとのことでした。

漢方薬としては

①オ血と血虚を改善する漢方薬
②筋腫の勢いを抑える漢方薬

の2種類を煎じで出させて頂きました。

漢方服用開始から4ヶ月、生理痛や腰痛が弱くなってきたとのこと。
以前より楽になっているとのことでした。

漢方服用開始から8ヶ月、検査で腺筋症や筋腫に『縮小』が見られたとのこと。

漢方服用開始から1年、生理全般の痛みはなく、経血量も落ち着いているとのこと。

漢方服用開始から1年7ヶ月、調子よく過ごせているとのこと。
今回より漢方を減量して様子を見ることになりました。

症状に改善が見られて安心いたしました。
このまま痛みのない状態で過ごせるとなによりですね。

症例②(服用開始時　51才　女性)

10年以上前に病院で「子宮筋腫」が確認されたとのこと。
最近になって再度検査をした所、筋腫の他に「子宮腺筋症」もあるとの診断。
症状や進行を抑えられればと、太陽堂にご相談に来られました。

症状は「貧血」・「ふらつき」・「月経過多」に「お腹の張り」があるとのことでした。

漢方薬としては

①血虚を改善する漢方薬
②オ血を改善する漢方薬
③過剰な出血を抑える漢方薬

の3種類を煎じと粉で出させて頂きました。

漢方服用開始から3ヶ月、貧血が無くなってきているとのこと。
腹部の張りも少ないとのことでした。

漢方服用開始から5ヶ月、状態が乱れる事なく過ごせているとのこと。

漢方服用開始から10ヶ月、経血量や腹部の張りは落ち着いているとのこと。
生理周期も少しずつ閉経に向かっているかもとのことでした。

漢方服用開始から1年2ヶ月、生理は不順ながらあるとのこと。
痛みもなく体調は良いとのことで漢方薬を一旦終了となりました。

一時期はとても強かった症状が改善されて安心しました。
子宮筋腫と子宮腺筋症は検査のみでは見分けがつきにくい場合もあります。
このまま症状がなく過ごせると良いですね。