
「桂枝加竜骨牡蛎湯」ってどんな漢方薬?
「桂枝加竜骨牡蛎湯」は皆さんも一度はお聞きした事があるのではないでしょうか?
実際使われているのは「うつ病」や「不眠症」などで使われている事の方が多いかもしれません。
太陽堂でも実際に「不眠症」などで使う事は多いですが、使われる症状の幅が広い漢方薬なので「神経症」・「性的神経衰弱」・「精子障害」に着目しお話しさせて頂きますね。
漢方薬のお話しに入る前に余談ですが、皆さんはしっかりお休み出来ていますか?
近年は忙しい日々を送っている方が非常に多い為、「身体や心の疲れ」はどうしても溜まってきてしまいます。
「慢性的な疲労」や「ストレスの積み重ね」により成人男性の「正常な精子の減少」が増加傾向にあるようです。
東洋学的には「腎虚」や「気虚」といった状態になる為、気を付けた方が良い事なども含めて「桂枝加竜骨牡蠣湯」の話しをさせて頂きますね~

「桂枝加竜骨牡蠣湯」の説明
「桂枝加竜骨牡蠣湯」は
〇桂枝(ケイシ)
〇芍薬(シャクヤク)
〇大棗(タイソウ)
〇生姜(ショウキョウ)
〇甘草(カンゾウ)
〇竜骨(リュウコツ)
〇牡蠣(ボレイ)
の7種類からなる漢方薬です。
「桂枝湯」に「竜骨」と「牡蠣」を加えただけですが、それだけで効果ががらりと変わります。
「桂枝」は血行を良くして身体の表面を整え、「芍薬」は筋や精神を緩めて安定させる作用。
「桂枝」は他の生薬とも相性が良く、
「桂枝」と「甘草」で気の上衝を発散
「桂枝」と「芍薬」で疲れによる「身体痛」を和らげる効果を上げる
などの効果を発揮してくれます。
「大棗」はブドウ糖様作用により緊張緩和、「生姜」は中を温め湿を取り、「甘草」は毒を消し全体の効き目を上げてくれます。
「大棗」・「生姜」・「甘草」はセットになり、3種類で自然治癒力を高めてくれる生薬です。
「竜骨」は収斂(しゅうれん)作用があり、精神を安定させ気の漏れを防ぎ、「牡蠣」は鎮静作用から緊張を緩めて降ろしてくれます。
「桂枝加竜骨牡蠣湯」が男性不妊に効果あり?
男性不妊と言っても「乏精子症」や「精子無力症」など色々な病気があります。
「腎虚」による気血不足の状態が「下半身の虚」に繋がりそれを改善するのが「桂枝加竜骨牡蠣湯」です。
「桂枝加竜骨牡蠣湯」は「乏精子症」にも効果が抜群、体質が合う方は改善される方も多くなっています。
また女性のFSH(卵胞刺激ホルモン)も「桂枝加竜骨牡蠣湯」を使い改善する事が多い為、ホルモンの調節も「男性不妊」に役立っているのかなと個人的に感じる事が多いです。
漏れを止め「過活動性膀胱炎」などの多尿にも
「竜骨」は漏れを防ぐ作用があると書きましたが、精神的なもの以外にも「尿」の漏れも防いでくれます。
自律神経が一番影響を受けやすい臓器として「心臓」と「大腸」と「膀胱」があり、この中の「膀胱」に作用する事で多尿にも効果を発揮するのが「桂枝加竜骨牡蠣湯」です。
漢方薬って1つの症状にか効果がないというわけではないので、不思議ですよね。
「桂枝加竜骨牡蠣湯」 まとめ
「桂枝加竜骨牡蠣湯」についてご説明させて頂きました。
「神経症」・「性的神経衰弱」・「精子障害」に絡めた「桂枝加竜骨牡蠣湯」のお話しになります。
「うつ病」や「不眠症」で有名な漢方薬ですが「男性不妊」や「ホルモン」という部分でも効果を発揮する漢方薬です。
「下半身の虚」に効果が高く「多尿」などの漏れにも使える漢方薬「桂枝加竜骨牡蠣湯」。
「医食同源」という言葉があり、漢方薬を飲むだけで改善するわけではありません。
病気を改善するのに重要なのは「食事」・「運動」・「睡眠」は大前提として大切になってきます。
ここをおろそかにしないようにしましょうね~
今回ご紹介しました「精子無力症」・「乏精子症」・「過活動性膀胱炎」に関しては、ホームページでお話ししています。
ぜひ参考にされてみて下さい。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。

