
ストレスと漢方の関わり
現代社会では、仕事・家庭・人間関係など、日常的に多くのストレスを抱えています。
「イライラして眠れない」「お腹の調子が不安定」「頻尿や尿意が気になる」。
一見するとバラバラに見える症状も、実はストレスによって体の特定の臓器が影響を受けていることが少なくありません。
漢方では「心身一如(しんしんいちにょ)」、つまり心と体は切り離せないと考えます。
精神的な緊張や不安は、自律神経を通じて臓器にダイレクトに影響を与えるのです。
ストレスに弱い臓器 3選
ここではストレスの影響を受けやすい代表的な臓器を3つ挙げます。
1. 心臓
緊張すると「動悸がする」「胸がドキドキする」という経験は誰にでもあります。
強いストレスや不安が続くと、実際に動悸・胸の圧迫感・不整脈などにつながることもあります。
漢方的には「心」が乱れている状態であり、落ち着きや安眠が得られにくくなることも特徴です。
2. 大腸
ストレスでお腹が痛くなったり、急にトイレに行きたくなった経験はありませんか?
これは「過敏性腸症候群」と呼ばれ、ストレスと腸の働きが密接に関わっている証拠です。
大腸は自律神経の影響を強く受けるため、精神的に不安定になると下痢や便秘が繰り返し起こりやすくなります。
3. 膀胱
緊張するとトイレが近くなる、という方も多いでしょう。
ストレスや不安が続くと「過活動膀胱」となり、頻尿・残尿感・急な尿意といった症状が現れることがあります。
これは膀胱が自律神経の影響を強く受けやすいために起こる現象です。
喉もストレスに弱い臓器
あまり知られていませんが、「喉」もストレスの影響を受けやすい部位です。
- 神経性喉狭窄症:ストレスや緊張で喉が締め付けられる感覚が出る。
- 梅核気(ばいかくき):喉に梅の種が詰まったような違和感が続く症状。
実際には異物がないのに「喉がつかえる」と訴える方が多く、心因性要素が強いと考えられています。
自律神経が喉に影響してしまう疾患。
実際のご相談例
昭和58年生 男性 過敏性腸症候群
10年ほど前から胃腸の調子が悪く、病院に行った所「過敏性腸症候群」との診断。
整腸剤を長く服用していたが改善が見られなかったため、こちらにご相談に来られました。
症状は「便秘や下痢」・「痛み」・「腹部膨満感」が気になるとのこと。
漢方薬の種類は
①腸の過敏な反応を鎮める漢方薬
②自律神経を整える漢方薬
の2種類を出させて頂きました。
漢方服用開始から2ヶ月、お通じが安定してきて痛みがなくなってきたとのこと。
漢方服用開始から5ヶ月、腹部の張りが減ってきたとのこと。
あまり胃腸の状態を考えない時間が増えたとのことでした。
漢方服用開始から11ヶ月、ほぼ全ての症状がなくなり、調子が良いとの事。
体調良く過ごせているとの事で、服用終了とさせて頂きました。
漢方的なアプローチ
ストレスが臓器に影響を与えている場合、単にその臓器に効く漢方薬を選ぶだけでは十分な改善が得られないこともあります。
- 心臓に効果のある漢方薬
- 大腸に効果のある漢方薬
- 膀胱に効果のある漢方薬
こうした“局所的な漢方薬”だけでは、根本的な回復につながらないことが多いのです。
なぜなら根底には「自律神経の乱れ」があるからです。
そのため、臓器特有の処方と同時に、心身を落ち着かせ、自律神経を安定させる漢方薬を組み合わせていく必要があります。
まとめ
ストレスは「心臓」「大腸」「膀胱」、さらには「喉」にも影響を及ぼすことがあります。
これらはすべて自律神経と深くつながっているため、ストレスが長引くと症状も慢性化しやすいのです。
漢方では「臓器のケア」と「自律神経の安定」を同時に行うことで、心身を総合的に整えるアプローチが可能です。
「ストレスで体調が不安定…」と感じたら、ぜひお気軽に LINE/DMで『ストレス相談希望』 とご連絡ください。
体も心も軽やかに過ごせるように、一緒に整えていきましょう。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。


