
茯苓杏仁甘草湯ってどんな漢方薬?
呼吸の不調や心臓の負担感をやわらげ、息苦しさを改善することを目的とした漢方薬です。
「心下痞(しんかひ)」
「胸悶(きょうもん)」
と呼ばれる胸のつかえ・圧迫感を伴う症状に用いられてきました。
特徴は、体に水分(痰飲)が滞り、胸のあたりが重い・苦しい・呼吸が浅いといった状態に適していることです。
ストレスや疲労、気温変化などによって体のバランスが崩れ、循環や呼吸が滞る時に選ばれることが多い漢方薬になります。
「茯苓杏仁甘草湯(ぶくりょうきょうにんかんぞうとう)」の中身は、
〇茯苓(ぶくりょう)
〇杏仁(きょうにん)
〇甘草(かんぞう)
の3種類のシンプルな漢方薬になります。
「茯苓」・「杏仁」が水の巡りを整える作用をします。
単体で使う事はあまりなく、「茯苓甘草湯」と組み合わせて出す事が多いです。
「茯苓杏仁甘草湯」はどんな症状・体質に向いている?
茯苓杏仁甘草湯が適する体質は、「水分代謝が滞りやすく、胸に重さを感じやすい人」。
具体的な症状としては
- 胸が重く、息苦しさや圧迫感がある
- 横になると息がしづらい、胸のあたりに水がたまるような違和感がある
- 心臓に負担を感じやすい(動悸・息切れ・胸部の不快感)
- むくみや体のだるさを伴う
- 咳が長引いている
- 心身が緊張して、胸の奥に重いものがあるように感じる
太陽堂では「心臓弁膜症」や「不整脈」などの心臓の疾患の方に使う事が多くなっています。
実際に茯苓杏仁甘草湯を使ったご相談例
昭和9年生 女性
何年か前に病院の検診で「心臓弁膜症」と診断。
症状が気になるようになってきた為、こちらにご相談に来られました。
症状としては胸痛や胸苦しさが気になるとの事。
その他にも頭痛などの症状もあるとの事でした。
漢方の種類としては、漢方薬としては、「茯苓杏仁甘草湯」に「他の薬味」を別途追加でお出ししました。
漢方服用開始から1年6ヶ月、息苦しさ・動悸なく過ごせているとの事。
調子が良い状態が維持できているとの事で、今回で服用終了とさせて頂きました。
「茯苓杏仁甘草湯」のまとめ
「茯苓杏仁甘草湯」は、胸部の重さ・息苦しさ・心臓の負担感など、「呼吸」と「循環」の両面に働きかける漢方薬です。
心臓や呼吸の症状は不安を感じやすいものですが、漢方では「体質を整える」ことで、自然と症状が軽くなっていく場合があります。
胸の重さ・息苦しさを感じる方は、ぜひ一度、体質から見直してみてください。太陽堂では、丁寧なカウンセリングとともに、あなたの「呼吸の軽やかさ」を取り戻すサポートを行っています。
今回ご紹介しました「心臓弁膜症」・「不整脈」に関しては、ホームページで詳しくお話ししています。
ぜひ参考にされてみて下さい。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。

