
「足のすねにあった小さな湿疹を掻きこわしたら、数日のうちに全身にブツブツが広がってしまった……」
「皮膚科で強いステロイドを出されたけれど、これを毎日、全身に塗り続けるのが怖い……」
「かゆくて夜も眠れず、仕事にも集中できない。飲み薬のステロイドも勧められて、迷っている……」
自家感作性皮膚炎(じかかんさせいひふえん)は、最初にできた一か所の傷や湿疹(火元:原発疹)がこじれ、そこから全身に細かい湿疹が広がる状態です。急に広がるので、「何か大きな病気ではないか」「このまま治らないのでは」と不安になる方が多いお悩みです。
新宿の漢方薬局「太陽堂」では、全身に広がった湿疹だけでなく、「火元」と「全身にこもった熱」の両方を見ます。
このページでは、全身に広がる理由、ステロイドとの付き合い方、漢方の考え方、掻かないための養生、実際の経過をご説明します。
(※自家感作性皮膚炎の説明や、アトピー・蕁麻疹との見分け方の表は、本体ページにまとめています。このページは「全身にステロイドを塗り続けることが不安」な方に向けた考え方です。)
【この記事の結論:全身に広がった湿疹とステロイドの不安に対する漢方の考え方】
- 起こる理由(原因): 火元の傷や湿疹がこじれると、身体がそれに過敏に反応し、離れた場所にも湿疹が出ます。漢方では、①全身に熱と老廃物がこもっている ②火元の血流が悪く、治りきらない ③疲れや胃腸の弱りで、皮膚を守る力が落ちているの3つから見ます。
- 漢方の解決策: 広がりが強い時期は、病院のステロイドで炎症を抑えることが大切です。漢方は併用しながら、「熱を冷まし、老廃物を外に出す」「火元の血流を整える」方向で整えます。ステロイドを減らす・やめる判断は、主治医と相談して決めます。
- 対象となる主なお悩み: 全身にステロイドを塗るのが不安な方、かゆみで眠れない方、良くなっても繰り返す方、飲み薬のステロイドを勧められて迷っている方
小さな傷から、なぜ全身に広がるのか
火元になるのは、虫刺され、靴擦れ、やけど、かぶれ、貨幣状湿疹、足のすねの湿疹などです。ここを掻きこわしてジュクジュクした状態が続くと、身体がその成分に過敏に反応するようになり、数日〜数週間のうちに、お腹や腕、太もも、背中など離れた場所にも細かい湿疹(散布疹)が出てきます。
全身の湿疹は、火元から飛んだ「火の粉」のようなものです。火元が落ち着かない限り、全身の湿疹だけを抑えても、また新しく出てきます。だから皮膚科でも、まず火元をしっかり治すことが基本になります。
ステロイドとの付き合い方・先に受診してほしいとき
ステロイドの塗り薬・飲み薬、かゆみ止め(抗ヒスタミン薬)は、漢方と併用できます。全身に広がっている時期は、身体の中で火事が起きているような状態ですから、病院のお薬で早めに炎症を抑えることが大切です。自己判断でステロイドを急にやめたり、塗る量を減らしたりしないでください。急にやめると、悪化することがあります。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせを確認します。
※念のため:38度以上の発熱がある/火元から膿が出ている/赤みが急に広がり、強い痛みや熱感がある(細菌の感染のことがあります)/顔や目のまわり、口の中の粘膜にも出ている——こうした場合は、漢方の相談より先に、皮膚科を受診してください。まだ診断を受けていない方も、一度、皮膚科で診てもらってください。
自家感作性皮膚炎の説明や、他の皮膚の病気との見分け方は、本体ページをご覧ください。
漢方の考え方|全身の熱を冷まし、火元の巡りを整える
漢方では、全身に広がった湿疹を「身体の中に熱と老廃物がこもり、あふれ出している状態」ととらえます。熱を冷まして老廃物を外に出すことと、火元の血の巡りを整えることを、一緒に進めます。
【比較表】3つの見方と漢方アプローチ
| 見方 | 皮膚の様子・体質 | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| ①熱と老廃物がこもる (湿熱・熱毒) ※広がっている時期の中心 | 火元がジュクジュクしている、全身に細かい赤いブツブツ、赤みと熱っぽさ、布団に入ると夜にかゆみが強い。 | 【熱を冷まし、老廃物を外に出す漢方薬】 こもった熱を冷まし、老廃物を尿や便として出しやすくします。 |
| ②火元の血流が悪い (瘀血) | 火元が足のすねなどで治りにくい、火元の皮膚が赤黒く硬い、足がむくみやすい。 | 【血流を整える漢方薬】 火元のまわりの血の巡りを整え、治りきらない状態を後押しします。 |
| ③皮膚を守る力が落ちている (気虚・表虚) | 疲れやストレスが続いている、胃腸が弱い、風邪をひきやすい。 | 【胃腸を整え、守る力を補う漢方薬】 胃腸から立て直し、過敏に反応しにくい土台をつくります。 |
(※ご自身でどれか分からなくても大丈夫です。「最初にどこにできたか」「いつから広がったか」「今使っているお薬」を伺いながら、こちらで整理します。)
【薬剤師コラム①】全身のステロイドが不安な方へ
担当薬剤師:石川
「全身がかゆいけれど、全身に強いステロイドを塗り続けるのは怖いです」というご相談をよくお受けします。
自家感作性皮膚炎は、全身で火事が起きているような状態です。最初の時期に、病院のお薬で火の勢いを鎮めることは、とても大切です。そのうえで漢方では、身体の内側から熱を冷まし、過敏になった反応を穏やかにしていくことをお手伝いします。ステロイドの強さを下げたり、塗る回数を減らしたりする時期は、自己判断せず、主治医と相談しながら決めていきましょう。
何を目安に見るか・掻かないための養生
太陽堂では「まず3ヶ月」を一つの単位として、次の変化を一緒に確認します。
- 夜のかゆみと眠り(かゆみで目が覚める回数が減ったか、眠れるようになったか)
- 新しい湿疹(新しくポツポツと出てくる数が減ったか)
- 火元の状態(ジュクジュクが乾いてきたか)
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
養生|掻かない・温めすぎない・火元を守る
- 掻きこわさない工夫: 掻くほど広がりやすくなります。爪を短く丸く切り、寝ている間の掻きこわしを防ぐために綿の手袋をする。かゆいときは、保冷剤や冷やしたタオルを当ててください。
- お風呂はぬるめに、こすらない: 熱いお湯は、かゆみを強くします。38〜39度のぬるめのお湯で、ナイロンのタオルは使わず、手のひらの泡でなでるように洗ってください。
- 火元のケアを続ける: 全身のかゆみに気を取られがちですが、火元に処方されたお薬は、指示どおり続けてください。
- お酒・辛いもの・脂っこいものを控える: 身体に熱をこもらせる食べ物は、かゆみが強い時期は控えめに。
【薬剤師コラム②】「火元」を落ち着かせることが近道です
担当薬剤師:前原
自家感作性皮膚炎で気をつけたいのは、全身のかゆみに気を取られて、火元のケアがおろそかになりやすいことです。全身の湿疹は、火元から飛んできた火の粉です。火元が燃え続けている限り、火の粉はまた飛んできます。
ご高齢の方では、足の血行の悪さからくる、すねの湿疹が火元になっていることがあります。漢方では、全身の熱を冷ますことと、火元の血流を整えることを組み合わせます。
【改善実例】繰り返す湿疹が落ち着いていったエピソード
【4年間繰り返した全身の湿疹とかゆみ】20代 女性|4ヶ月でステロイドを使わずに落ち着き、約1年で服用終了
【ご相談時の状態】 4年前に身体のあちこちに湿疹が出始め、自然に治まったあとも再発を繰り返し、病院で「自家感作性皮膚炎」と診断された方です。ステロイドの塗り薬やかゆみ止めを続けていましたが変化が見られず、ご相談に来られました。湿疹とかゆみが強く、特に手足に出ていました。
【太陽堂の提案】 ①血流を整える漢方薬 ②老廃物を外に排出する漢方薬 の2種類をお渡ししました。
- 1ヶ月後: 湿疹が以前より落ち着いてきました。
- 3ヶ月後: 湿疹がさらに少なくなり、かゆみも静まっていました。
- 4ヶ月後: ステロイドを使わずに、症状が治まっているとのことでした。
- 8ヶ月後〜1年後: 症状は治まったままで、1年後から漢方薬を減らし、その後、服用終了となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。ステロイドの中止・変更は、主治医の判断のもとで行ってください。
よくあるご質問(FAQ)
ステロイドの塗り薬・飲み薬と一緒に漢方を飲んでも大丈夫ですか?
はい、多くの場合、併用していただけます。広がりが強い時期は、病院のお薬で炎症を抑えることが大切です。
自己判断でステロイドをやめないでください。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせを確認します。
漢方を飲めば、ステロイドを使わなくて済みますか?
「使わなくて済みます」とお約束することはできません。漢方で身体の側が整ってきたら、主治医と相談しながら、減らしていくことを目指します。
実際の経過は、上の実例をご覧ください(※個人差があります)。
アトピーや蕁麻疹とは、どう違うのですか?
自家感作性皮膚炎は、最初に「火元」になる傷や湿疹があり、そこから全身に広がるのが特徴です。
見分け方の表は本体ページに載せています。蕁麻疹のお薬が不安な方は、別の記事もご参照ください。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
まず「3ヶ月」を一つの単位として、夜のかゆみ、新しい湿疹の数、火元の状態を一緒に確認します(※個人差があります)。
上の実例の方は、1ヶ月で湿疹が落ち着き始めました。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、週5,000円前後〜(月2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
お作りする前に必ず金額をお伝えします。ご予算のご希望も含めて率直にお伝えください。
まとめ|火を抑えながら、火元と熱を整える
「全身にステロイドを塗り続けるのは怖い。でも、かゆくて眠れない」
- 全身の湿疹は、火元から飛んだ火の粉です。火元が落ち着かない限り、また新しく出てきます。
- 広がりが強い時期は、病院のステロイドで炎症を抑えることが大切です。漢方は併用しながら、全身の熱と老廃物、火元の血流を整えます。ステロイドは自己判断でやめないでください。
- 掻きこわさない、お風呂はぬるめに、火元のお薬を続ける。まず3ヶ月、夜のかゆみと新しい湿疹の数で見ていきます。
「塗るしかない」と、不安を抱えたまま過ごし続けないでください。
最初にどこにできたか、いつから広がったか、今使っているお薬を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、新宿の漢方薬局「太陽堂」があなたのタイプに合った漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
自家感作性皮膚炎は、他の皮膚のお悩みをこじらせて起きることがあります。ご自身の症状に近いページもぜひご参照ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。















