
「春から夏にかけて、毎年、手のひらや指の側面に粟粒のような小さな水ぶくれがたくさんできて、かゆくてたまらない……」
「皮膚科のステロイドを塗ると治まるけれど、塗るのをやめるとすぐにまた戻ってしまう……」
「水ぶくれが破れたあと、皮がむけてガサガサになり、指先がひび割れて、家事も仕事もつらい……」
手のひらや足の裏に、粟粒のような透明の水ぶくれがたくさんできる状態を汗疱(かんぽう)、赤みや皮むけを伴うものを異汗性湿疹(いかんせいしっしん)と呼びます。塗り薬で一度は治まっても、毎年同じ季節に繰り返す方が多いお悩みです。
このページでは、毎年繰り返す理由、ステロイドとの付き合い方、漢方の考え方、水分のとり方と手の養生をご説明します。
(※汗疱の説明や、似た皮膚の病気との見分け方の表は、本体ページにまとめています。このページは「毎年繰り返す・塗り薬をやめると戻る」方に向けた考え方です。)
【この記事の結論:毎年繰り返す手足の水ぶくれに対する漢方の考え方】
- 起こる理由(原因): 塗り薬は、今ある炎症を抑えるお薬です。水ぶくれができやすい身体の状態が変わっていないと、季節が来るとまた出てきます。漢方では、①余分な水と熱が手足にたまっている ②ストレスで汗の出方が乱れている ③胃腸が弱く、水はけが悪いの3つから見ます。
- 漢方の解決策: ステロイドの塗り薬で炎症を抑えながら、漢方で「余分な水をさばく」「熱を冷ます」「胃腸を整える」方向で、繰り返しにくい身体を目指します。
- 対象となる主なお悩み: 毎年同じ季節に繰り返す方、塗り薬をやめると戻る方、水ぶくれのあとのひび割れが痛い方、美容師や飲食など手を使う仕事で治りにくい方
毎年繰り返す・塗り薬をやめると戻る理由
手のひらと足の裏には、汗を出す穴がたくさんあります。汗がうまく外に出ず、皮膚の下にたまって水ぶくれになるのが、汗疱の始まりと考えられています。汗が増える春から夏、季節の変わり目、ストレスが強い時期に出やすくなります。
ステロイドの塗り薬は、かゆみと炎症を抑える大切なお薬です。ただ、水ぶくれができやすい「身体の水はけ」までは変えられません。だから、塗るのをやめたり、次の季節が来たりすると、また出てきます。
ステロイドとの付き合い方・先に受診してほしいとき
ステロイドの塗り薬、保湿剤、かゆみ止めの飲み薬は、漢方と併用できます。塗り薬を自己判断で急にやめる必要はありません。漢方で落ち着いてきたら、皮膚科の先生と相談しながら、塗る回数を減らしていきます。
※念のため:水ぶくれが黄色くにごってきた/赤く腫れて痛む・熱を持っている/発熱がある/急に広がった/足の指の間が白くジュクジュクしている(水虫の検査が必要です)/爪の形が変わってきた・厚くなってきた——こうした場合は、汗疱ではない別の病気のことがあります。漢方の相談より先に、皮膚科を受診してください。
汗疱の説明や、似た皮膚の病気との見分け方は、本体ページをご覧ください。
漢方の考え方|手足にたまった水をさばき、熱を冷ます
漢方では、汗疱を「身体で処理しきれなかった余分な水が、手足の先にあふれている状態」ととらえます。そこに熱が加わると、かゆみと赤みが強くなります。水はけの土台になるのは胃腸です。
【比較表】あなたはどれ? 3つのタイプと漢方アプローチ
| タイプ | 出方・体質 | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| ①水と熱がたまるタイプ (湿熱・水毒) | 透明な水ぶくれがたくさんできる、破れてジュクジュクする、かゆみが強い、脂っこい食事やお酒が多い。 | 【熱を冷まし、水はけを良くする漢方薬】 手足にこもった熱を冷まし、余分な水を尿として出しやすくします。 |
| ②ストレスで汗が乱れるタイプ (気滞) | 緊張すると手汗をかく、季節の変わり目や忙しい時期に悪化する。 | 【気を巡らせ、緊張をゆるめる漢方薬】 張りつめた神経をゆるめ、汗の出方のバランスを整えます。 |
| ③胃腸が弱いタイプ (脾虚) | 軟便・下痢ぎみ、食が細い、胃もたれしやすい、疲れやすい、冷えやすい、足がむくみやすい。 | 【胃腸を整え、水はけの土台を立て直す漢方薬】 胃腸を温めて働きを助け、水をためこみにくい身体をつくります。 |
(※ご自身でどれか分からなくても大丈夫です。「毎年いつ頃出るか」「手か足か」「お仕事で手をどう使うか」を伺いながら、こちらで整理します。)
【薬剤師コラム①】塗り薬を続けることが不安な方へ
担当薬剤師:石川
「ステロイドをもう何年も塗り続けていて、皮膚が薄くなってきた気がします」というご相談をよくお受けします。
ステロイドの塗り薬は、炎症を早く引かせる大切なお薬です。漢方では、塗り薬に頼りきりになるのではなく、内側から余分な水をさばき、手足の熱を冷ます身体づくりをご提案しています。塗る回数を減らす時期は、皮膚科の先生と相談しながら決めていきましょう。
何を目安に見るか・水分と手の養生
太陽堂では「まず3ヶ月」を一つの単位として、次の変化を一緒に確認します。毎年繰り返す方は、次の同じ季節を、前の年と比べることも大切な目安です。
- 新しい水ぶくれ(新しくできる数とペースが減ったか)
- かゆみ(夜中や仕事中、掻かずにいられる時間が増えたか)
- 塗り薬の回数(皮膚科の先生と相談しながら、減らせているか)
- 次の季節の比べ方(今年の春〜夏は、去年より症状が軽かったか、期間が短かったか)
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
養生|水をためこまない・手を守る
- 水分は「のどが渇いたら」で: 胃腸が弱い方が無理にたくさん飲むと、処理しきれずに身体にたまります。
- 冷たい飲み物・甘いもの・脂っこいものを控える: 胃腸の働きを鈍らせ、水はけを悪くします。
- 水ぶくれをつぶさない: 気になって針などでつぶすと、そこから菌が入ったり、治ったあとのひび割れのもとになります。
- 洗剤・水仕事・シャンプーでは手袋を: 綿の手袋の上にゴム手袋を重ねると、蒸れと手荒れを減らせます。
- 汗をかいたら、こまめに拭く: 足に出る方は、職場などで靴と靴下を履き替えて、蒸れを減らしてください。
【薬剤師コラム②】「毎日2リットルの水」が合わない方もいます
担当薬剤師:前原
汗疱でお悩みの方には、水はけの悪い体質の方が多くいらっしゃいます。「健康のために毎日お水を2リットル飲んでいます」という方がいますが、胃腸が弱っている方が無理に水分をとりすぎると、処理しきれずに手足の先にあふれ、水ぶくれやむくみを強めることがあります。
冷たい飲み物、甘いもの、脂っこい食事も、胃腸の働きを鈍らせます。漢方薬と合わせて、水分のとり方と食事も一緒に見直していきましょう。
よくあるご質問(FAQ)
ステロイドの塗り薬と一緒に漢方を飲んでも大丈夫ですか?
はい、多くの場合、併用していただけます。塗り薬で今の炎症を抑えながら、漢方で水はけを整えていきます。
塗る回数を減らす時期は、皮膚科の先生と相談して決めてください。
毎年、春から夏に出ます。いつから始めるのが良いですか?
毎年出る季節が決まっている方は、その季節が来る前(冬の終わり〜春先)から始めることをおすすめしています。
すでに出ている方も、そのままご相談ください。
汗疱の実例はありますか?
汗疱として、経過を詳しくご紹介できる店頭の記録(症例ページ)は、現時点ではまだありません。
ご紹介できる記録ができた時点で、このページに追記します。本体ページには、ご相談の事例を載せています。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
まず「3ヶ月」を一つの単位として、新しい水ぶくれの数とかゆみを一緒に確認します(※個人差があります)。
毎年繰り返す方は、次の同じ季節を前の年と比べることも目安になります。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、週5,000円前後〜(月2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
お作りする前に必ず金額をお伝えします。ご予算のご希望も含めて率直にお伝えください。
まとめ|炎症を抑えながら、水はけを整える
「塗れば治まる。でも、また同じ季節に出る。いつまで続くのだろう」
- 塗り薬は今の炎症を抑えるお薬で、水ぶくれができやすい「身体の水はけ」までは変えられません。だから、やめると戻り、季節が来るとまた出ます。
- 塗り薬で炎症を抑えながら、漢方で余分な水と熱、ストレス、胃腸を整えます。塗る回数は、皮膚科の先生と相談しながら減らします。
- 水分は無理に飲まない、冷たいもの・甘いもの・脂っこいものを控える、水ぶくれをつぶさない、手袋で手を守る。
「毎年のことだから」と、かゆみとひび割れを我慢し続けないでください。
毎年いつ頃出るか、手か足か、お仕事での手の使い方、今使っているお薬を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、新宿の漢方薬局「太陽堂」があなたのタイプに合った漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
手足の皮膚のお悩みには、似た症状のものがいくつかあります。ご自身の症状に近いページもぜひご参照ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。














