今回ご紹介する漢方薬は「痔核」・「痔核の痛み」に使う事の多い「乙字湯」です。
痔ってそんな多くないでしょ?
って思われている方もいるかもしれませんが、日本人の3人に1人はお尻にトラブルを抱えていると言われています。
日本人がお尻のトラブルを抱えやすい原因としては「他人にお尻を見せるのが恥ずかしい」と思われる方が多いからです。
重症化してから病院に行く為、酷い状態になっている方が多いとの事。
確かに検診などでもお尻はあんまり見られたくないですよね…(笑)
そんな「お尻の悩み」に効果の高い「乙字湯」紹介していきますよ~
「乙字湯」てどんな漢方薬?
「乙字湯」は、
〇当帰(トウキ)
〇柴胡(サイコ)
〇黄芩(オウゴン)
〇甘草(カンゾウ)
〇升麻(ショウマ)
〇大黄(ダイオウ)
の6種類からなる漢方薬です。
肝臓と痔の関係性と「乙字湯」の役割とは
肝臓が疲れる事により、栄養分がスムーズに肝臓に運び込まれない為「門脈でうっ血」を起こします。
この門脈のうっ血が肛門周囲のうっ血に繋がり「痔核」となる事が多いです。
肝臓の働きが悪い時に「乙字湯」を使う理由として「乙字湯」は「小柴胡湯」を組み替えた漢方薬としても考えられます。
「小柴胡湯」は「門脈の血流を良くする働き」がある為、何種類か組み替える事で痔に効果が出やすくする事が可能です。
「乙字湯」は「小柴胡湯」から「半夏」・「人参」・「大棗」・「生姜」などの脾胃に働くものを抜き、「升麻」による下焦に陥った「気の昇提作用」、「当帰」による下焦の「血流改善」などの働き、「大黄」の清熱が加わった漢方薬になります。
症状や原因により組み合わせが大事。
痔核の原因として何度かお話ししている「門脈のうっ血」の他に、血流の悪化が「痔」の原因となる事もあります。
その時に使われる事が多い漢方薬が「甲字湯」です。
お気づきの方もいるかもしれませんが「甲字湯」の「甲」と「乙字湯」の「乙」で繋がり、名称の由来としては水戸藩の侍医であった「原南陽」が創作した戦陣で活用できる処方の2つの漢方薬との事でした。
肝臓だけでなく血流も悪い方は「甲字湯」なども併用する必要があるかもしれません。
また小児の咳で使う事の多い「麻杏甘石湯」は痔の痛みに効果の高い漢方薬です。
激しい痔核の痛みには併用する事も多いですよ~
「乙字湯」 まとめ
「乙字湯」についてご説明させて頂きました。
「痔核」の漢方薬「乙字湯」になりますが、「小柴胡湯」の変法として使われている漢方薬です。
「肝臓機能」の低下によりおこる「痔核」に使いやすく、効果の高い漢方薬になっています。
また「乙字湯」を使う時はその他の原因も探りながら併用していく事が大事になってきますね。
今回ご紹介しました「痔核」に関しては、ホームページでお話ししています。
「痔核」が原因となる「脱肛」についても書いていますのでぜひご参考にされて下さい。
太陽堂ホームページ 「痔核」
太陽堂ホームページ 「脱肛」
※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。