
「漢方を飲むと、体の中でどんな変化が起きるの?」
いただくご質問のひとつです。
・飲んでいるけど、薬のような強い実感がない
・体がどう変わっていくのか知りたい
漢方薬は、西洋薬のように「症状を一時的に抑える薬」ではありません。
体のバランスを整え、本来の健康な状態へ導く作用があります。
漢方には大きく分けて2つの作用があり、
「正常化作用」
「適応性の向上」
です。
正常化作用とは?
正常化作用とは、「乱れた機能を元に戻す」働きのこと。
たとえば――
- 血圧が上がれば、血圧を正常に戻す
- 血糖値が上がれば、血糖値を整える
- 自律神経が乱れれば、バランスを安定させる
つまり、必要なところだけに働き、余計な方向には行かないのが漢方薬の特徴です。
病院の薬のように「強制的に下げる」「止める」というものではなく、体の働きを“正常な位置”へ戻してくれるのです。
そのため、たとえば血圧が高めの方に漢方を飲んでも、必要以上に下がりすぎることはありません。
ただし、病院の降圧薬と併用する場合は、そちらの作用で血圧が下がりすぎることがあるため、併用する場合は考えながらの服用が必要です。
適応性の向上とは?
もうひとつ大切なのが、「適応性」と呼ばれる作用。
これは、体が「今の状態は安全で問題ない」と認識できるようにサポートする働きです。
たとえば、環境の変化や外から入ってきた刺激に体が過敏に反応してしまうと、それを「異常」として炎症や不調を引き起こすことがあります。
漢方薬は、この“過剰な反応”をやわらげ、体に「これは危険ではない」と教えてくれるような役割を果たします。
実際のご相談
以前、太陽堂に「目の周りだけに湿疹が出る」という女性の方が相談にきました。
詳しくお話を伺うと、脳動脈の治療のためにコイル塞栓術(ワイヤー治療) を受けてから症状が出始めたとのことでした。
手術後の体は、体内に入ったワイヤーを“異物”と認識してしまい、免疫反応のような形で湿疹を出していたと考えられます。
そこで、体の過敏な反応をやわらげ、「その状態は安全である」と体に伝えるような漢方を処方しました。
数か月後、湿疹が落ち着きその後は再発もなく体調も安定しています。
このように、体が“間違った信号”を出しているとき、漢方薬がそれを正しい方向へ導く――
これがまさに「適応性の向上」による効果です。
身体を整える漢方薬
漢方薬は、症状を“抑える”ではなく、体に正しいバランスを“思い出させる”作用があります。
血圧・血糖・自律神経など、現代人の多くが抱える慢性的な不調に対しても、体の自己調整力を引き出しながら、ゆっくりと整えていきます。
そのため即効性よりも、「気づけば調子が良くなっていた」という変化を感じる方が多いのです。(もちろん即効性のある漢方薬もあります。)
まとめ
漢方薬は「正常化作用」で体の乱れを整え、「適応性の向上」で外部刺激への過剰反応を防ぎます。
単に症状を止めるのではなく、体が本来持つ回復力・柔軟性を引き出す――それが漢方の本質です。
「なんとなく不調が続く」「薬を飲んでも根本が変わらない」と感じている方は、ぜひ一度 LINE/DMで『体質相談希望』 とご連絡ください。
体が本来のリズムを取り戻すお手伝いをいたします。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。





