
【太陽堂が解説する「当帰飲子(とうきいんし)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 当帰飲子は、体内に不足している「血(栄養と潤い)」をたっぷりと補って肌の隅々まで届け、乾燥によって生じるムズムズとした不快感を内側から優しく鎮める働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 肌がカサカサして白い粉をふく、冷え性で顔色が優れない、加齢に伴って肌の乾燥が強くなってきた、温まるとムズムズしてかきむしりたくなる、といったサインを感じやすい体質の方に向いています。
- 太陽堂での活かし方: 太陽堂では、この当帰飲子を基本としつつ、お一人おひとりの現在の体質や生活習慣、胃腸の働きに合わせて生薬を細かく調整し、体が本来持つ潤う力を引き出すオーダーメイドのサポートを行っています。
保湿クリームを塗っても追いつかない乾燥。その原因は「内側の栄養不足」かも?
「肌がカサカサに乾燥して、服を脱ぐと白い粉が舞ってしまう」
「お風呂上がりや、布団に入って体が温まると、全身がムズムズして眠れない」
「保湿クリームを毎日たっぷり塗っているのに、すぐにカサついてしまう」
太陽堂には、このような「慢性的な肌の乾燥と違和感」に関するご相談が数多く寄せられます。特に、空気が乾燥する秋冬の季節や、加齢とともに肌の潤いを保つ力が低下してきたと感じる方に多く見られるお悩みです。
東洋医学(漢方)の視点で見ると、こうした外側からの保湿だけでは追いつかないカサカサ肌の根本には、肌に潤いと栄養を届ける「血(けつ)」が不足し、皮膚が内側からカラカラに乾ききってしまっている状態(血虚:けっきょ)が隠れていると考えます。
今回は、不足した栄養をたっぷりと補い、内側から肌を潤すことでムズムズとした違和感を和らげる漢方薬「当帰飲子(とうきいんし)」について詳しく解説いたします。ご自身の体からのサインに当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。
【コラム】薬剤師 石川の視点「皮膚科のお薬(保湿剤・抗ヒスタミン薬)と漢方のアプローチの違い」
肌の強い乾燥やムズムズ感で皮膚科を受診すると、『ヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)』や『ワセリン』といった皮膚の表面を保護する保湿剤と、アレルギー反応を抑える『抗ヒスタミン薬』の飲み薬が処方されることが一般的です。これらのお薬は、外側から水分の蒸発を防ぎ、今ある辛いムズムズをブロックするために非常に大切です。
しかし、『なぜ自力で潤いを保てなくなっているのか』という根本の部分に目を向けると、体質的な『血(栄養)の不足』や『巡りの悪さ』が背景にあることが多々あります。
お薬で外側からしっかりとフタ(保湿)をしつつ、漢方で『内側から湧き出るような潤いと栄養を作り出す土台』を育てていく併用スタイルは、いつまでも続くカサカサを根本から見直したい方に大変おすすめです。
当帰飲子が適している「血虚(けっきょ)」のサインとは?
漢方の世界では、肌や髪にみずみずしさを与え、体を温める栄養素のことを「血(けつ)」と呼びます。この「血」が不足した状態を「血虚(けっきょ)」と言います。
植物に例えると、土壌(体の中)の水分と栄養がカラカラに枯れてしまい、葉っぱ(皮膚)がパリパリに乾燥してしまっている状態です。皮膚が乾燥してバリア機能が落ちると、少しの刺激(衣服の摩擦や温度変化)にも過敏に反応し、激しいムズムズ感(漢方でいう「風邪:ふうじゃ」)を引き起こします。
当帰飲子は、この「乾いた土壌にたっぷりの水と肥料を与える」ような役割を果たし、肌が本来の健やかな状態を取り戻すための土台をサポートします。特に、加齢によって自然と「血」が減少してくるご年配の方のスキンケアサポートとして非常に重宝されています。
血を補い、潤し、ムズムズを鎮める10の生薬のチームワーク
当帰飲子は、名前の由来にもなっている「当帰(トウキ)」をはじめとする10種類の生薬で構成されています。「栄養を補う」働きと、「不快感を鎮める」働きがバランス良く組み合わされています。
| チームの役割 | 代表的な生薬 | どのような働きをするか |
| ① 血(栄養)を補い、肌を潤す (補血・潤燥) | 当帰(トウキ)、地黄(ジオウ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、何首烏(カシュウ) | カラカラに乾いた体にたっぷりの栄養(血)を与え、肌の隅々まで巡らせてみずみずしさをサポートします。 |
| ② 気(エネルギー)を補い巡りを助ける (補気) | 黄耆(オウギ)、甘草(カンゾウ) | 胃腸の働きを助けて新たな「血」を作り出すエネルギーを底上げし、皮膚のバリア機能をサポートします。 |
| ③ ムズムズを追い払い鎮める (疏風・止痒) | 荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、疾藜子(シツリシ) | 乾燥によって生じた肌の表面の過敏な状態(風邪)を追い払い、あちこち移動する不快なムズムズ感を和らげます。 |
【コラム】薬剤師 前原の視点「『消風散』との違い・使い分けの重要性」
肌トラブルのご相談で、前回ご紹介した『消風散(しょうふうさん)』と今回の『当帰飲子』、どちらを使えば良いのか迷われる方がいらっしゃいます。この2つの使い分けは、漢方において非常に重要です。
見分ける最大のポイントは、『ジュクジュク(湿)』か『カサカサ(燥)』かです。
- 消風散: 赤みが強く、かきむしると『ジュクジュクとした汁(浸出液)』が出る、熱を持っているサインが強い方に適しています。余分な水を「乾かす」働きがあります。
- 当帰飲子: ジュクジュク感は全くなく、とにかく『カサカサに乾いて粉をふく』、肌に栄養が届いていないサインが強い方に適しています。不足した水を「潤す」働きがあります。
もし、カサカサ肌の方に水を乾かす消風散を使ってしまうと、さらに乾燥が悪化してしまいます。太陽堂では、お客様の肌質をしっかりと見極め、最適な方向性での調合を行っています。
当帰飲子に関するよくあるご質問(FAQ)
高齢者向けの漢方薬ですか?若い人が飲んでも良いですか?
「加齢に伴う乾燥」によく用いられますが、決してご高齢の方専用ではありません。
若い方でも、無理なダイエット、過労、冷え性、または産後などで体内の「血(栄養)」が大きく不足していれば、強い乾燥サインが現れます。
年齢に関わらず、「カサカサして粉をふく」という体質に合っていればしっかりサポートしてくれます。
皮膚科の保湿剤(ヒルドイド等)は塗り続けても良いですか?
はい、ぜひ塗り続けてください。
当帰飲子は「内側から潤いを生み出す」サポートをしますが、それには少し時間がかかります。
外側からの保湿(スキンケア)でバリア機能を守りながら、漢方で内側の土台を育てていくのが最も負担の少ないアプローチです。
当帰飲子を飲むと、胃がもたれたり食欲が落ちたりしませんか?
当帰飲子には、肌を強力に潤す「地黄(ジオウ)」や「当帰(トウキ)」といった、栄養豊富ゆえに少し胃腸に負担がかかりやすい生薬が含まれています。
そのため、もともと胃腸が弱く下痢をしやすい方は注意が必要です。
太陽堂では、事前にお客様の胃腸の強さをしっかりとお伺いし、胃をいたわる生薬を加えたりバランスを調整したりして、無理なくお飲みいただけるよう工夫してお作りしています。
まとめ:カラカラの肌に潤いを満たし、穏やかな夜を
「カサカサ乾燥とムズムズ感をサポートする当帰飲子」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 粉をふくほどの乾燥は、肌に栄養と潤いを届ける「血」の不足が原因かも
- 当帰飲子は、たっぷりの栄養を補って肌を潤し、ムズムズを鎮めるのが得意
- 外側の保湿ケアと併用しながら、内側から「自ら潤う土台」を育てることが大切
「乾燥する季節はいつも肌が気になって憂鬱になる」「夜中にムズムズして目が覚めてしまう」というお悩みを「体質だから、年齢だから」と諦めずに、ぜひ一度、太陽堂へご相談ください。
あなたのお身体と肌のサインを丁寧に読み解き、一番適したオーダーメイドの漢方で、内側からしっとりと潤い、安心して眠れる身体づくりのサポートをさせていただきます。
関連ページ(内部リンクのご案内)
肌のトラブルについて、ホームページでも詳しくお話ししています。ぜひ参考にされてみてください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。














