
「鉄分、亜鉛、ビタミンD、乳酸菌、プラセンタ……ネットで見て身体に良さそうなサプリメントを毎日いくつも飲んでいるのに、疲れやすさも肌荒れも、正直何も変わらない気がする……」
「そもそも、最初はなんの目的で飲み始めたのか、自分でもよく覚えていない。でも、今やめるとなんだか一気に身体が悪くなりそうで不安でやめられない……」
「スマホで自分の症状を調べるたびに、『あ、これも自分に当てはまる』と思ってしまい、サプリがまた一つ、また一つと増えていってしまう……」
新宿の漢方薬局「太陽堂」の店頭で、「いろいろ飲んでいるのに変わらない」というこのお悩みは、実はよく伺います。
そして、そうおっしゃる患者さまのほとんどに共通しているのが、「何となく良さそうだから飲んでいるだけ」で、『何を、何のために、いつから飲んでいるのか』がご本人の中でも整理できていないという状態です。
最初にはっきりとお伝えしておくと、太陽堂はサプリメントを否定する立場ではありません。足りない特定の栄養素を「補う」という役割は、漢方薬にはないものです。
ただ、店頭で薬剤師が正直にお伝えしているのは、「サプリは、ただ口から放り込んで飲めば良いというものではない」ということです。
このページでは、「サプリを飲んでいるのに変わらない」がなぜ起きるのか、サプリメントと漢方薬の役割の違い、そして「一度すべてを棚卸し(整理)して、土台から組み直す」という漢方の考え方を、薬剤師の視点からご説明します。
【この記事の結論:「サプリを飲んでいるのに変わらない」に対する漢方の考え方】
- 変わらない理由: 西洋医学では栄養不足や吸収不良とされますが、漢方では「補って」もそれを吸収して全身に巡らせる胃腸の力(脾気)が落ちていること、血流の滞り(瘀血)、そして症状を見るたびに不安になって「足し算」ばかりしてしまうストレス(気滞)が背景にあると考えます。
- 漢方の考え方: サプリは「足りない材料を補う」、漢方は「その材料を吸収・運搬できる『使える身体』に整える」という違いがあります。太陽堂では、飲んでいるものを一度すべて棚卸しして整理し、不要なものを引き算した上で、漢方薬で①胃腸の吸収力を高める ②血流を流す ③自律神経を整える——という組み立てで、一から組み直すことをご提案します。
- 対象となる主な疾患・お悩み: サプリメントを何種類も(漫然と)飲んでいるが変化がない方、何のために飲んでいるか分からなくなった方、やめるのが不安な方、だるさ・肌荒れ・眠りの浅さなどの不調が続いている方
「飲んでいるのに変わらない」が起きる3つの理由
店頭で「今、どんなサプリを飲んでいますか?」と伺うと、「えっと、鉄と……亜鉛と、あとビタミンCの何かと、腸に良いやつと、えーっと……」と、ご本人も正確にパッと思い出せないことがよくあります。
サプリが効かないと悩む方は、様々な種類のものを複合して漫然と飲んでいることが多く、これが「変わらない」大きな原因につながっています。
理由①:何を何のために飲んでいるかが曖昧になっている(目的の喪失)
最初は「貧血気味で疲れやすいから鉄分を」「肌のためにビタミンを」とはっきりとした目的があったはずが、時間が経つうちに「何となく身体に良さそうだから」という習慣(惰性)に変わっていきます。目的が曖昧だと、「自分にとって効いたのか・変わったかどうか」を判断する物差しもなくなり、結果的に「やめる決断」もできなくなってしまいます。
理由②:「補う」だけでは、身体は動かない(吸収・運搬の力不足)
ここが一番重要です。栄養は、口からカプセルを入れただけでは身体の役には立ちません。胃腸でしっかりと吸収され、血流に乗って必要な細胞まで運ばれ、そこで代謝されて初めて意味を持ちます。
胃腸が弱っていたり、血流の巡りが滞っていたり、身体が「使う余力」を失っていたりすると、いくら高価なサプリで材料を補っても、身体の中で活かされにくくなります。
漢方薬が最も得意にしているのは、この「補った材料をしっかり吸収して使える身体(土台)」のほうを整えることです。
理由③:症状を見るたびに「これも自分だ」と、足し算ばかりになっている
店頭で薬剤師が患者さまと接して正直に感じているのは、サプリが増えていく方には、ご自身の体調にとても敏感で、「ネットの情報を見るほど不安が増えてしまう方」が多いということです。
「疲れやすい人は〇〇不足」と読めば「あ、自分だ」と思い、「肌荒れは△△不足」と読めばまた「これも自分だ」と思う。不安に対して一つずつサプリを足し算していった結果、胃腸が悲鳴を上げ、何が効いていて何が効いていないのか、誰にも分からない迷宮状態になってしまうのです。
まず、隠れた病気がないかは病院で確かめてください
「何となくサプリで補っていればそのうち良くなるだろう」と自己判断で飲み続けていると、その裏にある貧血、甲状腺機能低下症、糖尿病、肝臓の病気などが「何となく隠れたまま(発見が遅れる)」になることがあります。
だるさや肌荒れ、眠りの不調が長期間続いている方は、サプリを増やす前に、一度内科で血液検査を受け、はっきりとした病気が隠れていないかを医学的に確認してから、サプリと漢方薬の整理に進んでください。
※病院で医師から処方されているお薬(鉄剤、甲状腺のお薬、処方薬のビタミン剤など)は、このページでいう「自己判断のサプリ」には含みません。検査で不足がはっきりして出ている治療薬ですので、自己判断でやめず、必ず主治医の指示に従ってください。
漢方の考え方|サプリと漢方は、役割が違う
「サプリメントと漢方薬って、どちらも植物とか自然のものだし、何が違うんですか?」は、店頭でよく聞かれる質問です。太陽堂では、はっきりとこうお答えしています。
サプリメントは「足りない材料(部品)を外から補うもの」、漢方薬は「その材料を吸収し、組み立てて使える『身体の働き・工場』そのものを整えるもの」。
どちらが上・下ということではなく、担当する場所が違うのです。
【比較表】サプリメントと漢方薬の役割の違い
| 比較項目 | サプリメント(栄養補助食品) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 担当する場所 | 足りない特定の「栄養素(材料・部品)」をピンポイントで補う | 胃腸の吸収力・血の巡りなど、材料を運ぶ「身体の働き(工場)」を整える |
| 選び方 | ネットやテレビの情報を元に、ご自身で成分ごとに選ぶことが多い | 症状の出方・体質・生活を細かく伺い、薬剤師がその方に合わせて組み立てる |
| 向いている状態 | 血液検査等で「特定の栄養不足」が明確にはっきりしている時 | 検査では異常なしだが、だるさ・眠り・肌・胃腸などの不調が複雑に絡んでいる時 |
| 「変わらない」とき | 不安になってさらに種類を足し算(増やしがち)してしまう | 「なぜ身体がその材料を使えていないか」を体質から見直す |
※特定の栄養不足が検査ではっきりしている場合(たとえば鉄欠乏性貧血)は、病院の治療(鉄剤)やサプリでの補給が先です。漢方薬は、その鉄分で胃が荒れないように守り、「使える血に変える」ための並走役になります。
【薬剤師コラム①】「ただ飲めば良いというものではない」と正直にお伝えする理由
担当薬剤師:前原
「先生、今飲んでいるこのサプリの山は、全部やめたほうがいいですか?」と、ご相談で机にズラリと並べたサプリを前に聞かれることがあります。私は「今日から全部やめたほうがいい」とも「全部続けたほうがいい」とも、その場ではすぐには答えません。
まず、「これを、何のために、いつから飲んでいますか?」と一つずつ伺います。
すると、ほとんどの方が全部の目的を明確には答えられません。それは患者さまが責められるべきことではなく、「飲んでいるのに変わらない」のは、サプリが悪いのでも、あなたの身体が悪いのでもなく、ただ『整理されていないこと(足し算しすぎたこと)』が原因だからです。
私が店頭で一番お伝えしているのは、「栄養は、ただ口から胃に放り込めば良いというものではない」ということです。
栄養は、胃腸でしっかり消化・吸収されて、血流に乗って全身に運ばれ、細胞で使われて初めて意味を持ちます。その「吸収と運搬の道(胃腸と血流)」が弱っているのに、いくら上から高級なサプリを足しても手応えは出にくいのです。
だから太陽堂では、不安に駆られて足すことより先に、まず身体の働き(土台)を整えることをご提案します。
漢方薬で「できるだけ毎日の食事(自然の食べ物)から栄養を吸収できる土台」を作ったうえで、本当に足りないものだけを少し残す。その「引き算」のほうが、結果的に身体の負担も、お財布の負担もずっと楽になる方が多いというのが、薬剤師としての正直な実感です。
一度、全部を棚卸しして「一から組み直す」という選択肢
何種類も飲んでいて、何が効いているのかもうサッパリ分からなくなっている方に、太陽堂でお伝えしている考え方があります。
それは、「一度、思い切って全部止めてみて、一から組み直す(リセットする)のもありですよ」というものです。
やみくもに全部ゴミ箱に捨てるのではなく、順番があります。
- 書き出す(見える化): 飲んでいるものを全部、「名前」「何のために」「いつから」「変化を感じたか」の4つでノートに書き出します。この時点で「目的が思い出せないもの」「何も変わっていないもの」がはっきりと見えてきます。
- 病院のお薬を分ける: 医師から処方されているお薬は、棚卸しの対象から外して続けてください(※自己判断でやめないでください)。
- 一度止めて、身体の反応を見る: 目的が曖昧なサプリは、薬剤師と相談のうえで一度お休みしてみます。止めても体調が何も変わらなければ、「それは今のあなたには必要なかった」ということがそのまま答えになります。
- 身体の働きを整えてから、必要なものだけ戻す: 胃腸・巡り・自律神経など「使える身体」のほうを漢方薬でしっかりと整え、そのうえでどうしても食事で足りない本当に必要なものだけを、目的をはっきりさせてから戻します。
※持病のある方、妊娠中・授乳中の方は、止める前に必ず主治医や薬剤師にご相談ください。
自宅でできるセルフケア・食養生
「サプリで補う」前に、「栄養を使える身体」を作るための基礎的な養生です。まず一つだけ今日から始めてみてください。
- 朝食を温かいものにする: 身体に良さそうだからと、冷たいスムージーや生野菜だけの朝食は、胃腸の力(吸収力)を冷やして落とします。温かいご飯と味噌汁のほうが、ずっと吸収の土台になります。
- サプリを飲む時間を決める: 「思い出したときに適当に」ではなく、食後など決まった時間に。それだけで「あれ?今日飲んだっけ?」という不安がなくなり、効果も判定しやすくなります。
- 症状をネットで調べる時間を減らす: 不安なときほど検索してしまいますが、情報は「足し算の不安」を際限なく増やします。気になることは、検索より先に目の前の薬剤師に直接聞いてください。
3ヶ月で何を目安に見るか
漢方薬は飲んで翌日に身体が変わる「魔法の薬」ではありません。太陽堂では「まず3ヶ月」を一つの単位として、次の変化を患者さまと一緒に確認しながら進めます。
- 飲んでいるものの数(棚卸しで整理でき、目的のはっきりしたものだけになったか)
- 胃腸の調子の変化(朝食が美味しく食べられる、サプリを減らしたら胃もたれや胃の張りが消えた)
- 最初に気になっていた不調(だるさ・肌荒れ・眠りなど、そもそもサプリを飲み始めた「目的」の症状がどう動いたか)
- 不安の量(ネットで症状を検索して不安になる回数が減ったか)
「サプリの数が減ったのに、体調は変わらないか、むしろ胃が軽くなって楽になった」——これが、漢方薬で身体の働き(吸収力)が整い始めたサインです。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
【薬剤師コラム②】「これも自分に当てはまる」と思ってしまう方へ
担当薬剤師:石川
サプリがどんどん増えていってしまう方とお話ししていると、共通しているのは「皆さま、ご自身の体調にとても敏感で、自分の身体を良くしようと一生懸命な、まじめな方」だということです。
ネットで症状の説明を読むと「あ、これまさに今の自分だ」と思い、心配になって放っておけずにサプリを一つ足す。それを繰り返しているうちに、何が何だか分からなくなって迷子になってしまう。
人間の身体の症状の多くは、機械の部品不足のように単純ではなく、複数の原因(ストレス、疲労、冷えなど)が重なって出るものです。「〇〇不足=この症状」と一対一の足し算で決まることは、人間の身体においては実はあまりありません。
だから、症状の説明を読んで当てはまる気がしても、それだけで慌ててサプリを足すのはちょっと待ってください。
太陽堂では、症状という「点」ではなく、「あなたの身体全体(面)」を伺います。だるさの出る時間帯、胃腸の強さ、眠りの深さ、冷え、抱えているストレス。そこから、足すべき部品より先に「整えるべき働き」を見つけます。
今飲んでいるサプリの山を、袋ごと全部店頭に持ってきていただいて構いません。一緒に一つずつ、「これは何のため?」と整理して引き算するところから始めましょう。
よくあるご質問(FAQ)
今飲んでいるサプリは、全部やめないと漢方薬は始められませんか?
いいえ。漢方を始めるからといって、今日から全部やめる必要はありません。
飲んでいるものを一緒に棚卸しして、「目的がはっきりしていて、今のあなたに続ける意味があるもの」は残します。一度止めてみるのは、目的が曖昧になっているものや、胃腸の負担になっているものだけです。漢方薬との飲み合わせは薬剤師がしっかりと確認します。
病院で処方された鉄剤やビタミン剤も、棚卸し(止める)の対象ですか?
いいえ。医師から処方されているお薬は、棚卸しの対象から外します。自己判断でやめないでください。
血液検査で不足がはっきりして処方されているものは、医学的な治療の一部です。漢方薬は、その処方薬と並走しながら、鉄分で胃が荒れないように守り「使える身体」を整える役目を担います。
鉄・亜鉛・ビタミンDなど、特定のサプリについて相談できますか?
はい。「そのサプリの成分が良いか悪いか」という一般論ではなく、「今のあなたの身体でそれがしっかり使えているか」という視点でお話しします。
たとえば鉄分は、胃腸が弱っていると吸収されにくく、胃のムカムカや便秘だけが残ることがあります。亜鉛は味覚のために飲んでいる方が多いのですが、味覚は胃腸の弱りや身体の潤い不足(陰虚)とも深く関わります。成分ごとの話は、関連ページもご覧ください。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
まず「3ヶ月」を一つの単位として、胃腸の調子・最初に気になっていた不調・飲んでいるものの数の変化を一緒に確認します(※個人差があります)。
不要なサプリの棚卸しで数が減るだけで、胃腸の負担が取れて1ヶ月ほどで「気持ちも身体も楽になった」とおっしゃる方もいます。身体の働きの変化は、3ヶ月を目安にじっくり見ていきます。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、週5,000円前後〜(月2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
何種類ものサプリを毎月買い続けている費用と比べて考える方も多くいらっしゃいます。お作りする前に必ず金額をお伝えしますので、ご予算のご希望も含めて率直にお伝えください。
まとめ|「足す」より先に、「整理して引き算する」ことから
「身体に良さそうなものを、こんなにたくさん飲んでいるのに何も変わらない」
その原因は、サプリそのものの品質が悪いというより、「何を何のために飲んでいるか」が整理されていないことと、補った材料を使える身体の働き(胃腸や血流)が落ちていることにあります。
- サプリは「材料を補う」、漢方薬は「使える身体(工場)に整える」。役割が違うので、さらに足す前にまず棚卸しを。
- 目的が曖昧なものは、薬剤師と相談のうえで一度止めて、一から組み直すのも選択肢です(※病院のお薬は除きます)。
- ネットを見て「これも自分だ」と不安になって足す前に、身体全体を見てくれる薬剤師に相談してください。
身体を良くしようと、まじめに考えてきたからこそ、増えてしまったサプリの山です。自分を責める必要は全くありません。
今飲んでいるものを袋ごとすべてお持ちいただき、あなたの胃腸の強さ・眠り・だるさの出方を丁寧にお伺いしながら、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、新宿の漢方薬局「太陽堂」が「整理(引き算)」から始める漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
「補っても変わらない」の背景には、胃腸・血流・自律神経の働きがあります。成分ごとのお悩みは、こちらのページもぜひご参照ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。















