
「イーケプラなどの抗てんかん薬を毎日きちんと飲んでいるのに、発作の回数がだんだん増えてきた気がする」
「次の発作がいつ来るか分からなくて、外出先でも家でも常に不安がつきまとう」
「子どもの発作を見ているのが辛い。親として、薬以外に何かできることはないのだろうか」
脳の神経細胞の異常な興奮によって起きる「てんかん」。
太陽堂にこの病気のご相談に来られるのは、ご本人様が約6割、そしてご本人を心配されるご家族や親御さんが約4割いらっしゃいます。皆さまに共通している深いお悩みは、「病院のお薬を飲んでいても発作が出てしまう」「またいつ発作が起きるかという不安が大きくなってきた」ということです。
最初にお約束として、一番大切なことをお伝えします。「抗てんかん薬を自己判断でやめたり減らしたりすることは、命の危険にも関わるため絶対にしないでください。」
その大前提のうえで、太陽堂の漢方薬が受け持つのは、「発作の頻度や強さを和らげること」「不安感を鎮めること」、そして「発作の引き金になる体調全体を底上げすること」です。今回は、お薬と並走する形での漢方による体質ケアを、発作が落ち着いていった実例とともに薬剤師の視点から解説いたします。
【この記事の結論:「てんかん」に対する漢方の考え方】
- 不調の正体(原因): 西洋医学では脳の神経細胞の過剰な電気活動による発作とされますが、漢方ではストレスや過労による「気(自律神経)」の乱れや熱のこもりが、発作の引き金になる体調をつくっていると考えます。
- 漢方の解決策: 病院の抗てんかん薬は必ず継続しながら、漢方で「脳の電気信号や自律神経の過剰な高ぶりを鎮め、こもった熱を冷ます」ことで、発作が起こりにくい身体の土台を育てます。
- 対象となる主な疾患・お悩み: てんかん(全般発作・部分発作)、お薬を飲んでいても発作が出てしまう方、発作の頻度が増えてきた方、いつ発作が起きるか不安な方、お子さまの発作を少しでも減らしたいご家族
なお、病気そのものの基本的な解説と症例はてんかん(癲癇)の専門ページにまとめています。この記事では「発作が増えてきた不安と、お薬と併走する漢方の考え方」に絞ってお話しします。
てんかんとは?「薬を飲んでいても発作が出る」ことがある理由
てんかんは、脳の神経細胞の一部で「電気信号が過剰に高ぶる(ショートする)」ことによって、突然のけいれん、意識の消失、手足の突っ張りなどの発作を繰り返す脳の病気です。小児期から高齢者まで、あらゆる年齢で発症する可能性があります。
治療の絶対的な基本は、脳の異常な興奮を抑える「抗てんかん薬(イーケプラ、デパケン、ラミクタールなど)」を毎日欠かさず飲み続けることで、発作をコントロールすることです。
多くの方はお薬で発作が治まりますが、全体の約3割の方は、お薬を複数飲んでいても発作が起きてしまう「難治性てんかん」であると言われています。また、お薬が効いている方であっても、極度の疲労・睡眠不足・強いストレス・気圧の変化などで体調が崩れると、脳が刺激を受けて発作の頻度がポンと上がってしまうことが非常によくあります。
「お薬はちゃんと飲んでいるのに、疲れている時期は発作が増えてしまう」——店頭でよく伺うこの声こそ、体調という「土台」が発作に影響していることを物語っています。そしてここがまさに、体質を整える漢方薬の受け持ちどころなのです。
【薬剤師コラム①】「薬をやめたい」と言われたとき、私たちはこう答えています
担当薬剤師:前原
「一生この強い薬を飲み続けるのかと思うと、副作用も心配で気が重い。病院の薬をやめて、漢方薬だけに切り替えられませんか?」
ご家族やご本人から、わらにもすがる思いでこうご相談いただくことがあります。このご質問には、私たちはいつも同じ答えをはっきりとお返ししています。患者さまの命と安全に直結することなので、ここで正確にお伝えします。
「自己判断で急に薬をやめると、症状がぶり返す可能性があります。絶対にやめないでください」
西洋薬の減量や中止は、必ず主治医の医師の指示に従ってください。そして太陽堂の漢方薬についても、体調を見ながら減薬の適切な時期を私たちからお伝えしますので、自己判断での休薬は控えてください。
つまり、西洋薬も漢方薬も「やめどきの判断を、一人で抱え込まない」ことが何よりも大切なのです。太陽堂では「病院の薬か、漢方薬か」の二択ではなく、「お薬で発作を抑えながら、漢方薬で発作の出にくい体調(土台)を並行して育てる『併走』」をおすすめしています。実例でも、発作が出ない安定状態を確認してから、私たちの側から漢方の減量をご提案しています。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 抗てんかん薬で脳の過剰な電気活動を強制的に抑え込み、発作を防ぐ | 発作の頻度や強さを和らげ、不安感を鎮め、体調の土台全体を整える |
| 得意なこと | 発作の強力な抑制、脳波やMRI等による正確な診断と経過観察 | 疲れ・ストレス・不安といった「発作の引き金になる体質」の底上げ |
| 代表的な手段 | 抗てんかん薬(イーケプラ、デパケン、ラミクタール等)、外科手術 | 脳の電気信号や自律神経を整える漢方薬、熱を鎮める・不安を鎮める漢方薬 |
| 気になる点 | 薬を飲んでいても発作が出る場合がある、眠気やふらつき等の副作用 | 体質の変化を実感するまでに一定の期間(まずは3ヶ月が目安)が必要 |
| 両者の関係性 | 発作を抑え命を守る、絶対に手放してはいけない「主治療」 | 主治療と並走し、発作の出にくい体調を内側から育てる「サポーター」 |
漢方から見たてんかん——太陽堂の「3つの受け持ち」
太陽堂では、てんかんを脳だけの問題と捉えず、全身のバランスの乱れからくるものとして、以下の「3つの受け持ち」を組み合わせて漢方薬をオーダーメイドで調合します。
受け持ち① 発作の頻度や強さを和らげる(平肝熄風・清熱)
- 狙い: 脳の異常な電気信号や自律神経の過剰な高ぶりを優しく整える漢方薬(釣藤鈎、天麻など)と、体内にこもって脳に上る「熱」を鎮める漢方薬を組み合わせます。後ほどご紹介する実例でも中心となっている、最も重要な組み立てです。
受け持ち② 不安感を緩和する(安神)
- 狙い: 「また外で発作が起きたらどうしよう」という強い予期不安は、それ自体が心身を激しく消耗させ、次の発作の引き金になります。不安感や恐怖心を鎮めていく漢方薬を合わせることで、発作そのものと精神的な不安の両方に向き合います。
受け持ち③ 体調全体を整える(補気・健脾)
- 狙い: コラムでお伝えした通り「疲れている時期や寝不足の時に発作が増える」方は非常に多いです。胃腸の働きを良くして体力をつけ、睡眠の質を上げるといった「身体の土台」を整えることが、結果として脳へのストレスを減らし、発作の出にくさに直結します。
【薬剤師コラム②】親御さんへ——ご家族からのご相談は4割です
担当薬剤師:林
太陽堂でお受けするてんかんのご相談は、ご本人様が約6割、そしてご家族や親御さんが約4割にのぼります。「本人はまだ小さいので」「発作が頻発していて本人は疲れていて連れて来られないので」——そんな事情で、親御さんが代わりにご来店されることが本当に多くいらっしゃいます。もちろん、ご家族からの代理のご相談も全力でサポートいたします。
今までで印象に残っているご相談があります。発作がだんだん短い間隔で起こるようになり、不安感も強くなっていた方に、「発作の頻度や強さを和らげる漢方薬」と「不安感を鎮めていく漢方薬」を服用していただいたところ、徐々に症状も不安感も落ち着いていきました。発作そのものと、発作への不安。この「両方を一緒にケアすること」の大切さを、教えてもらったご相談でした。
ご相談に来られる際は、「いつから・どんな発作が・どんな時(睡眠不足の時、怒った時など)に増えるか」を、ご家族の目線でできる範囲でメモしてお越しください。疲れている時に増える、寝不足の翌朝に出やすい——そんなご家族だからこそ気づける日々のサインが、漢方組み立ての非常に大切な手がかりになります。
【サポート実例】発作の頻度が減っていったエピソード
①【週1回のけいれん発作】20代 女性|7ヶ月で1ヶ月発作なし、3年6ヶ月の今は安定
【ご相談時の状態】 1年前に脳波の異常が見られ、てんかんと診断。イーケプラなどの病院のお薬を服用していましたが、発作が増えてきたためご相談に来られました。けいれん発作が週1回の頻度で起こり、疲れている時は頻度が上がるとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①脳の電気信号や自律神経を整える漢方薬 ②熱を鎮める漢方薬 の2種類をお渡ししました。病院のお薬は続けたままの併走です。
- 2ヶ月後: 発作の回数や頻度が減っているとのこと。
- 7ヶ月後: 1ヶ月間、発作が出なかったとのこと。安定した生活を送れています。
- 2年後: 調子が良いので、漢方の量を減らして様子を見ることに。
- 3年6ヶ月後: 発作もなく安定しているとのことでした。
②【意識消失・けいれん】17歳で漢方を始めた男性|4ヶ月で大きな発作ゼロ、その後服用終了に
【ご相談時の状態】 10年前に意識を消失して病院に行ったところ、てんかんと診断。長く病院のお薬(カルバマゼピン、イーケプラなど)を服用していたものの、最近症状がひどくなってきたため、ご相談に来られました。意識消失やけいれんがあり、ひどい時は頻度が上がるとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①脳の電気信号や自律神経を整える漢方薬 ②熱を鎮める漢方薬 の2種類を組み合わせてお渡ししました。
- 2ヶ月後: 発作の回数や頻度が減っており、ご本人もそれを実感できているとのことでした。
- 4ヶ月後: 漢方を始めてから一度も、二次性全般化発作(大きな発作)が起きていないとのこと。漢方の量を少し減らして様子を見ることに。
- その後: 漢方の量を段階的に減らしながら2年1ヶ月安定を確認し、服用終了となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。漢方薬は発作の完全な抑制を保証するものではありません。抗てんかん薬の調整は必ず主治医の指示に従ってください。
ご自宅でできる、発作を遠ざける暮らしの基本
- 病院のお薬は「絶対に自己判断でやめない・飲み忘れない」: お薬の飲み忘れは、血中濃度を下げて発作の強力な引き金になります。スマホのアラームなどを活用し、「毎日決まった時間に続けること」が何よりの土台です。
- 疲れと「寝不足」を絶対にためない: 「疲れている時や寝不足の時に発作が増える」というのは、実例でも見られた極めて大切なサインです。睡眠時間を削らない生活リズムを、ご本人だけでなく「家族みんなで」守っていく環境づくりが重要です。
- 発作の記録(てんかん日記)をつける: 「いつ・どんな形の発作が・何分間・どんな体調(天気や睡眠時間)の時に出たか」。この細かな記録は、病院の主治医の診察でも、太陽堂の漢方の組み立てでも、一番頼りになる貴重な手がかりになります。
よくあるご質問(FAQ)
てんかんの発作は、漢方薬で減らせますか?
漢方薬が目指すのは、「発作の頻度や強さを和らげる・不安感を緩和する・体調の土台を整える」の3点です。
実例のように、週1回だった発作の頻度が減っていった方もいらっしゃいますが、効果の出方には個人差があります。抗てんかん薬を続けたうえでの「併走」が大前提です。
病院の薬をやめて、漢方薬だけにできますか?
できません。自己判断で急に薬をやめると、症状がぶり返す可能性があり、大変危険です。
西洋薬の減量や中止は、必ず主治医の医師の指示に従ってください。太陽堂の漢方薬についても、体調を見ながら減薬の適切な時期をこちらからお伝えしますので、自己判断での休薬は控えてください。
イーケプラなどの抗てんかん薬と、漢方薬は併用できますか?
はい、併用できます。むしろ併用が大前提です。
病院のお薬で脳の興奮を抑えながら、漢方薬で発作の引き金になる体調(疲れ・ストレス・睡眠不足・不安)を整える役割分担です。飲んでいるお薬の種類を、ご相談の際に必ずお知らせください。お薬手帳があるとスムーズです。
本人の代わりに、親や家族が相談してもよいですか?
はい、もちろんです。ご相談の約4割は、ご家族や親御さんからです。
「いつから・どんな発作が・どんな時(睡眠不足の時など)に増えるか」を、できる範囲でメモしてお越しいただけると、組み立ての大切な手がかりになります。
発作そのものより、「また発作が起きるかも」という不安感がつらいです。
その「予期不安」も、漢方ケアの大切な対象です。
発作の頻度や強さへのアプローチと同時に、不安感を鎮めていく漢方薬を組み合わせます。発作と不安の両方が落ち着いていった方の実例も、この記事でご紹介した通りです。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
まずは「3ヶ月」を一区切りの目安としてお願いしております。
実例では2ヶ月で頻度の変化を感じた方もいらっしゃいますが、個人差があります。発作の記録(日記)を一緒に見ながら、「発作の出なかった期間」が延びていくことを一つずつ確かめて進んでいきましょう。
まとめ:お薬は続けながら、「発作の出にくい体調の土台」を育てる
てんかんの発作に対する恐怖や不安は、ご本人とご家族にしか分からない、本当に深いものです。だからこそ、安全な道筋でしっかりと土台を整えていきましょう。
- 抗てんかん薬は絶対に自己判断でやめない・飲み忘れない(減薬は医師の指示に従う)
- 疲れ・寝不足をためない生活を家族で守り、発作の記録(日記)をつける
- 漢方薬で「発作の頻度と強さ・不安感・体調の乱れ」を整え、発作の出にくい土台を育てる
「お薬をちゃんと飲んでいるのに発作が増えてきて、この先が不安でたまらない」
「子どもの発作に、親として薬を飲ませる以外に何かできることはないか」
そんな深いお悩みを抱えている方は、ご本人様でもご家族様でも、どうぞ一人で抱え込まずに太陽堂へご相談ください。発作の経過やお薬の内容、生活リズムを丁寧にお伺いし、体質に合わせた漢方ケアをご提案いたします。
ご遠方の方には、ヒアリングシートのやり取りによるご相談も全国から承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
【ご相談をご希望の方へ】
てんかんに対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
てんかんだけでなく、神経に関するさまざまなお悩みについても、太陽堂では数多くのご相談をいただいております。気になる方は、以下のページもあわせてご覧ください。
パーキンソン病震えや動作の遅さが気になる方に。
本態性振戦(緊張からくる手の震え)手の震えのご相談に。
自律神経失調症自律神経の乱れ全般のご相談に。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。









