
「『子宮腺筋症 治った』で検索して、他の人のブログや体験談を夜な夜な読みあさっている。でも、本当に治った人はいるの?」
「漢方薬で良くなったという話を聞くけれど、そもそも『治った』って、どういう状態のことを言っているの?」
「漢方薬は長く飲み続けなければいけないイメージがある。やめたらまた元に戻るのでは? やめられた人は本当にいるの?」
子宮腺筋症と診断されて、出口の見えない辛さから「治った」という言葉を探している方は多くいらっしゃいます。新宿の漢方薬局「太陽堂」の店頭でも、「先生、漢方薬で子宮腺筋症は治りますか?」と真っ直ぐに聞かれる方が少なくありません。
この記事では、その一番聞きたいご質問に店頭で薬剤師がお伝えしている正直な答えと、「治った」と「服用終了」の線引き、そして実際に漢方薬の服用を終えるところまで至った方の記録を、脚色せずにそのままご紹介します。
(※子宮腺筋症の病態や、ジエノゲスト(ディナゲスト)・レルミナなどのお薬の副作用に悩んでいる方向けのお話は別の記事にまとめていますので、この記事では『治った・服用終了』の一点に絞ってお話しします。)
【この記事の結論:「子宮腺筋症は漢方で治った」への正直な答え】
- 症状が起こる理由: 西洋医学では、子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉(筋層)の中に入り込んで増殖し、子宮全体が腫れて痛みや出血を起こすとされます。漢方では、子宮の血の巡りの滞り(瘀血)と、老廃物の蓄積(湿熱)、そして冷えやストレスが背景にあって子宮が硬く腫れている状態と考えます。
- 漢方の考え方: すでに筋肉に入り込んだ病変(腺筋)を漢方薬で消すことはできません。しかし、漢方で①子宮の血流を流す(活血化瘀) ②過剰な出血を抑え血を補う ③痛みを鎮める——ことで、腺筋症に伴う不調(生理痛・月経過多・貧血)を和らげ、漢方薬に頼らなくても普通の生活が送れる状態を目指すことは可能です。
- 対象となる主なお悩み: 子宮腺筋症、子宮筋腫、月経過多(過多月経)、貧血、生理痛でお悩みの方、「漢方で本当に治るのか・やめられるのか」と疑問をお持ちの方
「子宮腺筋症は漢方で治りますか?」——店頭での正直な答え
このご質問に、太陽堂の店頭ではごまかさずに、こうお答えしています。
「子宮腺筋症は女性ホルモンに連動して進行する病気のため、漢方薬で『完治(病変そのものを消すこと)』のお約束は難しいです。ただ、漢方薬で腺筋症に伴う不調(生理痛や月経過多、貧血の症状など)を軽減すること、そして病気の進行を抑えることは可能です」
「治ります」と言ってもらえると思ってご相談に来られた方には、少し物足りない答えかもしれません。
けれど、この「限界」の部分をあいまいにしたまま漢方薬を始めてしまうと、途中で「思っていたのと違う」「いつまで経っても腺筋が消えない」と不信感につながってしまいます。だからこそ私たちは最初に、できること・できないことを正直にお伝えしています。
「治った」と「服用終了」の線引き
店頭では、患者さまのゴール設定のために、この2つの言葉を分けて使っています。
- 治る: 筋肉の中に入り込んだ病変(腺筋)が消え、子宮が元の大きさに戻った状態。
- 服用終了: 身体が漢方薬なしでも血流のバランスを取れるようになり、子宮腺筋症に伴う『諸症状』が出なくなった(日常生活に支障がなくなった)状態。
ネットやブログなどで「漢方で子宮腺筋症が治った」と書かれているものの多くは、実際には後者、つまり「病気自体はあるけれど、症状が落ち着いて漢方薬や痛み止めが要らなくなった状態(服用終了)」を指していることが多いと感じます。
この記事でご紹介する記録も、すべて「服用終了」「治療終了」に至った記録であり、病変が消えたという意味ではありません。
服用終了を判断する「3つの目安」
太陽堂では、「もう漢方薬をやめても大丈夫ですね」と服用終了を判断する際、以下の3つの目安がそろった段階をゴールとしています。
- 症状が安定していること: 月経過多、貧血、生理痛などの辛い症状がなくなり、生活の質が保たれている。
- 検査で進行が認められないこと: 病院での定期的なエコー検査等で、子宮の腫れや筋腫が大きくならず、現状維持できている。
- 漢方を減量しても状態が安定していること: ここが一番大切です。症状が消えたからといって「いきなりやめる」のではなく、「漢方薬の量を減らしても、症状が戻らないか」を確かめる『見極めの期間』を必ず挟みます。
この見極めの期間を経て初めて、「服用終了」となります。
【薬剤師コラム①】若い方と閉経が近い方で、目指すものが違います
担当薬剤師:前原
「漢方で治った」と検索して来られた方に、ご相談の最初にお伝えしておきたい大切なことがあります。それは、「患者さまの年齢によって、漢方薬で目指す『現実的なゴール』が違う」ということです。
- 20代・30代の若い方(または妊娠を希望されている方)の場合: 子宮腺筋症は女性ホルモンが出ている限り進行しやすい病気です。そのため、腺筋そのものを消すというよりは、生理痛や月経過多などの症状を抑え、「病気と上手に付き合いながら、閉経まで快適に日常生活を送れるようにする(あるいは妊娠できる土台を作る)こと」が目標になります。
- 40代後半〜閉経が近い方、閉経後の方の場合: 若い方と同じく症状を軽くして生活の質を保つことに加えて、病院から「子宮全摘出手術」を検討するよう言われている場合は、「手術を避けて、そのまま閉経を迎えること」が目的になります。
「治った」という一つの言葉の中に、実はこれだけ違うゴールが含まれています。ご相談の最初に、あなたの年齢とご希望に合わせて、「どこを目指して一緒に進むのか」を決めていきます。
服用終了まで至った方の記録(筋腫を併発した腺筋症の方)
太陽堂に実際にご相談に来られ、漢方の服用を終えるところまで至った方の記録を、そのままご紹介します。
正直にお伝えしておくと、今回ご紹介する方は皆様「子宮筋腫を併発した腺筋症」の方で、「腺筋症だけ」の方の服用終了記録は現時点ではありません。腺筋症と筋腫は一緒に見つかることが多く、店頭でも一緒に体質を整えていきます。
①【生理痛・月経過多・貧血】40代 女性|3ヶ月で経血が減り、8ヶ月で服用終了
【ご相談時の状態】 2年半前に病院で検査し、子宮筋腫と子宮腺筋症と診断されました。経過観察で様子を見ていましたが、徐々に症状が出てきたためご相談に来られました。筋腫や腺筋症の大きさは不明。症状は生理痛・月経過多、貧血やむくみが気になるとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①筋腫や血流を改善する粉薬 ②過剰な経血を抑えて血を補う粉薬 の2種類をお出ししました。
- 3ヶ月後: 経血量が減って、貧血が改善してきたとのこと。
- 6ヶ月後: 生理痛も軽減してきたとのことでした。
- 8ヶ月後: 経血量は毎月減ってきて体調も良いとのことで、服用終了となりました。
②【筋腫5cm・下腹部の張りと痛み】40代 女性|8ヶ月で筋腫の縮小、3年6ヶ月で一旦終了
【ご相談時の状態】 2年前から徐々に生理の乱れが生じ、検査で多発性子宮筋腫と子宮腺筋症と診断。生理時に病院のお薬を飲んでいましたが治まりが悪くなってきたためご相談に来られました。筋腫は5cmが1つに小さいものが数個。症状は下腹部の張りや痛み・腰痛に、生理痛・月経過多・冷えのぼせが気になるとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①筋腫や血流を改善する煎じ薬 ②過剰な経血を抑えて血を補う煎じ薬 の2種類をお出ししました。
- 2ヶ月後: 下腹部の張りや痛みがなくなってきたとのこと。
- 4ヶ月後: 生理痛も弱くなってきて、身体も以前より楽になっているとのことでした。
- 8ヶ月後: 病院の検査で、筋腫全体に縮小が見られたとのこと。
- 1年後: 生理全般の痛みはなく、経血量も落ち着いているとのこと。
- 1年7ヶ月後: 調子よく過ごせているため、漢方を減量して「戻らないか」様子を見ることに。
- 3年6ヶ月後: 漢方を減量しても状態が安定しているため、一旦終了となりました。
③【貧血・ふらつき・経血量の増加】50代 女性|3ヶ月で貧血が消え、1年2ヶ月で一旦終了
【ご相談時の状態】 10年以上前の検査で子宮筋腫が確認され、経過観察。最近になって再度検査したところ、筋腫の他に子宮腺筋症もあるとの診断。進行を少しでも抑えられればとご相談に来られました。症状は貧血やふらつき、経血量の増加、お腹の張りとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①筋腫や腺筋症を改善する煎じ薬 ②瘀血(血の滞り)を改善する煎じ薬 ③過剰な出血を抑える粉薬 の3種類を組み合わせてお出ししました。
- 2ヶ月後: ふらつきや腹部の張りが治まってきたとのこと。経血量も減ってきて調子が良いとのことでした。
- 3ヶ月後: 貧血が無くなってきているとのこと。腹部の張りも少ないとのことでした。
- 5〜8ヶ月後: 状態が乱れることなく過ごせているとのこと。食事にも気を付けているとのことでした。
- 10ヶ月後: 経血量や腹部の張りは落ち着き、生理周期も少しずつ閉経に向かっているかもとのことでした。
- 1年2ヶ月後: 調子良く過ごされているとのことで、一旦終了となりました。
このほかの婦人科の記録は、症例一覧でご覧いただけます。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
【薬剤師コラム②】服用を終えたあとの過ごし方
担当薬剤師:石川
「漢方薬をやめたら、またあの痛みが戻ってくるのでは?」というご心配は、店頭でもよく伺います。
正直にお伝えすると、太陽堂で段階を踏んで服用を終えたあとに、「また元の痛みに戻ってしまいました」と再発された方は、現時点ではいらっしゃいません。
ただ、これは「再発しない」というお約束ではありません。
自覚症状を再燃させないためには、服用終了後もご自身の生活習慣で「身体の血流のバランスを乱さない」ことが大切です。服用を終えるときには、次の3つの養生をお伝えしています。
- 身体を冷やさない、血流を滞らせない(シャワーで済ませず湯船に浸かる、定期的に軽いストレッチをする)
- 脂質や油分、砂糖の多い飲食物の摂取を避ける
- 睡眠を十分に摂る(自律神経を整える)
それでももし、強いストレス等で症状が再燃してしまった場合は、漢方薬でもう一度身体のバランスを整え直すのも選択肢の一つです。一度終えた方が、調子が悪くなった時に戻ってこられることは、決して後戻りではありません。
変化はどの順番で、どのくらいの期間で出るのか
実例の方々の記録を並べると、漢方薬で変化の出る「順番」には共通点があります。
- 第一段階(2〜3ヶ月): まず「経血量」が減り、「貧血・ふらつき」が改善する。
- 第二段階(4〜6ヶ月): 次に、「生理痛」や「下腹部の張り・腰痛」が和らぐ。
- 第三段階(8ヶ月〜): その後、病院の画像検査等で「病変(腫れや筋腫)が現状維持、あるいは縮小している」という変化が見える。
服用終了までの期間は、8ヶ月で終えた方から、減量・見極めの期間を含めて3年6ヶ月かけた方まで幅があります。年齢、筋腫や腺筋症の大きさ、症状の重さ、そして閉経までの距離によって変わるためです。
店頭では、「まずは3ヶ月」を一つの単位として、経血量・貧血の症状・生理痛の3つの変化を一緒に確認しながら進めていきます。
病院の治療と並走しながら進めます
漢方薬は、病院の治療を「やめて切り替える」ものではありません。定期的な画像検査や貧血の数値検査は必ず病院で続けていただき、その結果を「進行が認められないか」の物差しにします。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | ホルモンを薬で止めて進行を抑える、痛みを抑える、手術で取る | 子宮の血流を流し出血を抑え、症状が出にくい体質の土台を育てる |
| 得意なこと | ジエノゲスト等による月経の停止。病変の正確な画像検査 | ホルモン剤の副作用が辛い方へのアプローチ。生理痛の緩和 |
| 代表的な手段 | ジエノゲスト、レルミナ、ミレーナ、鎮痛剤、子宮全摘出手術 | 血流を流す漢方薬、出血を抑え血を補う漢方薬、痛みを鎮める漢方薬 |
| 気になる点 | ホルモン剤の副作用、やめると症状が戻る、手術への抵抗感 | 体質からの変化のため、実感までに月単位の期間が必要 |
| 両者の関係性 | 病変の管理と検査の主役 | 対立ではなく併用OK。症状と体質の側を整える並走の軸 |
(※病院のホルモン治療のお薬を飲んでいる方は、自己判断でやめたり減らしたりせず、主治医の先生と相談しながら進めてください。お薬の副作用でお悩みの方は、別の記事で詳しくお話ししています。)
よくあるご質問(FAQ)
子宮腺筋症は、漢方薬で「完治」しますか?
店頭では「ホルモンに連動して進行する病気のため、病変が消える『完治』のお約束は難しい。ただ、腺筋症に伴う生理痛や月経過多を軽減し、進行を抑えることは可能です」と正直にお伝えしています。
ブログ等での「治った」という言葉は、多くの場合「症状が落ち着いて漢方が要らなくなった(服用終了)」状態を指しています。
「服用終了」は、何をもって判断しますか?
「症状が安定し、検査で進行が認められず、漢方薬を減量しても状態が安定した段階」です。
いきなりやめるのではなく、漢方を減らして「痛みが戻らないか」様子を見る見極めの期間を必ず挟みます。記録の②の方は、この減量してから終了するまでに約2年かけて進めています。
どのくらいの期間で変化が出ますか?
まず「3ヶ月」を一つの単位として、経血量・貧血の症状・生理痛の変化を一緒に確認します(※個人差があります)。
記録では2〜3ヶ月で経血量や貧血から変わり始めた方が多く、服用終了までは8ヶ月〜3年6ヶ月と幅があります。
漢方薬をやめたら、また痛みが戻りませんか?
服用を終えたあとに再発された方は、現時点ではいらっしゃいません。ただし「戻らない」とお約束するものではありません。
身体を冷やさない・血流を滞らせない・脂質や砂糖の多い飲食物を避ける・睡眠を十分に摂る、という服用終了後の養生をお伝えしています。それでも再燃した場合は、漢方でもう一度整えるのも選択肢の一つです。
妊娠を希望しています。それでも「治った」を目指せますか?
妊娠を希望されている方は、腺筋そのものを消すことではなく、「子宮の血流バランスを整えることで、妊娠できる土台を作る」という形(ゴール)になります。
年齢やご希望によって目指すゴールが変わりますので、ご相談の最初に一緒に決めていきます。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、1週間あたり5,000円前後〜(1ヶ月で2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
体質や症状の組み合わせによって内容が変わりますので、お作りする前に必ず金額をお伝えします。ご相談時にご予算も含めて率直にお伝えください。
まとめ|「治った」の中身を知ったうえで、目指すところを決める
「治った人がいるなら、私も漢方で治したい」
その希望はとても大切です。でも、「子宮腺筋症は漢方で治った」という言葉の本当の中身は、病気が消えたわけではなく、「症状が落ち着いて、漢方や痛み止めが要らなくなり、普通の生活が送れるようになった」状態のことです。
- 完治(病変が消えること)のお約束はできません。
- けれど、月経過多・貧血・生理痛を軽くし、進行を抑え、漢方なしでもバランスが取れる状態まで至った方は、実際にいらっしゃいます。
- あなたの年齢とご希望(閉経まで症状を抑えるか、妊娠を目指すか)に合わせて、どこをゴールにするのかを最初に一緒に決めること。そこからがすべての始まりです。
終わりの見えない生理痛と出血、手術への不安を、どうか一人で抱え込んで我慢しないでください。
あなたのこれまでの治療の経過、お薬の内容、そして体質を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、新宿の漢方薬局「太陽堂」があなたの身体を土台から立て直す漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
子宮腺筋症の症状・病院の治療・閉経との関係は本体ページで、子宮筋腫との違いや、お薬の副作用に悩む方向けの話は次のページでご覧ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
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「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。















