
【太陽堂が解説する「桂枝湯(けいしとう)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 桂枝湯は、体の表面を優しく温めて外から入り込んだ「寒気」を発散させるとともに、体表と内側の「気・血(き・けつ)」のバランスを整える働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 体力がなく自然とじわじわ汗ばんでしまう、ゾクゾクとした寒気を感じる、胃腸が弱く疲れやすい、といったサインを感じやすい体質の方に向いています。
- 太陽堂での活かし方: 「この漢方薬をそのまま飲む」のではなく、太陽堂ではこれを基本のベースとしつつ、お一人おひとりの現在の体質や生活習慣に合わせて生薬を細かく調整し、体が本来持つ力を引き出すオーダーメイドのサポートを行っています。
漢方の基本にして奥義。体のバランスを整え、巡りを促す「桂枝湯」
「桂枝湯(けいしとう)」という名前、漢方薬にあまり馴染みがない方でも、一度は耳にしたことがあるかもしれません。風邪のひきはじめに用いられることで有名ですが、実はこの桂枝湯、単なる風邪のお薬ではありません。
生薬を少し足したり引いたりするだけで、神経の違和感、お腹のトラブル、メンタルの不調など、様々な悩みをサポートする全く別の漢方薬に生まれ変わる「漢方薬の基本のベース」なのです。
同じように有名な「葛根湯(かっこんとう)」や「麻黄湯(まおうとう)」とはアプローチが異なり、胃腸が弱い方や体力が落ちている方でも優しく体をいたわることができるのが特徴です。
今回は、知れば知るほど奥が深い「桂枝湯」の魅力と、そのバリエーションについて詳しく解説いたします。
【コラム】薬剤師 石川の視点「病院の風邪薬(総合感冒薬など)と漢方のアプローチ」
風邪をひいたかな?と思った時、病院を受診して『アセトアミノフェン』や『ロキソニン』などの解熱鎮痛剤、あるいは咳や鼻水を抑える総合感冒薬を処方されることが多いと思います。これらのお薬は、今ある熱や痛みをスピーディに和らげるために非常に役立ちます。
しかし、西洋のお薬は『症状を抑え込む』ことが得意な反面、根本的な『体を温めて回復力を後押しする』という働きはありません。胃腸が弱い方の場合、お薬の影響でさらに胃が荒れ、体力が落ちてしまうこともあります。
一方、桂枝湯は『胃腸をいたわりながら、体が自然に回復しようとする力(自然治癒力)をサポートする』というアプローチをとります。お薬に頼りきらず、自身の体を労わりながら巡りを整えたい方に、漢方はとてもおすすめです。」
桂枝湯はどんな生薬からできている?
桂枝湯は、以下の5つの生薬から構成される非常にシンプルで洗練された漢方薬です。「麻黄(マオウ)」や「葛根(カッコン)」といった強い発汗作用を持つ生薬が含まれていないため、体力がない方(虚証:きょしょう)に優しく働きかけます。
桂枝湯の構成生薬とチームワーク
| 生薬名 | 役割と特徴 |
| 桂枝(ケイシ) | 体の表面の血行を促し、優しく温めることで、滞った気や寒気を発散させます。 |
| 芍薬(シャクヤク) | 筋肉の緊張やこわばりを和らげ、体に潤い(血)を補います。桂枝との組み合わせでバランスを取ります。 |
| 大棗(タイソウ) | ナツメのことです。緊張を緩和し、胃腸(脾胃)に栄養を与えて元気を補います。 |
| 生姜(ショウキョウ) | お腹の中から温め、余分な湿気(水分)を動かして胃腸の働きを助けます。 |
| 甘草(カンゾウ) | 急激な痛みを和らげ(急迫緩和)、他の生薬の働きを調和させながら胃腸を補います。 |
「大棗・生姜・甘草」の組み合わせは、胃腸の調子を整え、自然治癒力の回復をサポートする黄金トリオです。桂枝湯は、体を温めるだけでなく、「しっかり栄養を吸収できる胃腸の土台づくり」も同時に行っているのです。
七変化する桂枝湯!生薬を足すと別の漢方薬に
冒頭でお話しした通り、桂枝湯の最大の特徴は「他の漢方薬のベースになる」ことです。桂枝湯にいくつかの生薬を加えるだけで、風邪以外の様々な体質サポートに使える処方へと変化します。
- 関節や神経の冷え・違和感に
桂枝湯に「蒼朮(ソウジュツ)」や「附子(ブシ)」を加えると「桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)」になります。
冷えや湿気で辛くなる神経痛や関節のトラブルに用いられます。 - メンタルの乱れや睡眠のサポートに
「竜骨(リュウコツ)」と「牡蠣(ボレイ)」を加えると「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」になります。
ストレスで神経が過敏になり、眠りが浅い方や、ちょっとしたことでドキドキしてしまう方に適しています。 - お腹の張りや痛みのサポートに
「芍薬(シャクヤク)」の量を増やしたり、「大黄(ダイオウ)」を加えたりすると「桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)」などになります。
胃腸が弱く、お腹が張って痛む方のバランスを整えます。 - 虚弱な体質や婦人科系のお悩みに
「芍薬」を増やし「膠飴(コウイ)」を加えると、お子様にもよく使われる「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」に。
「当帰(トウキ)」を加えると「当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)」となり、冷えを伴う生理痛や疲労感のケアに使われます。
このように、桂枝湯をベースにして、驚くほど多くの有名な漢方薬が作られています。
【コラム】薬剤師 前原の視点「ベースの漢方薬だからこそできるオーダーメイド」
桂枝湯は、漢方を学ぶ者が一番最初に勉強する処方であり、同時に一番奥が深い漢方薬でもあります。
太陽堂にお越しになるお客様のお悩みは、『冷えと関節の痛みがあるけれど、胃腸も弱い』『疲れているのに神経が高ぶって眠れない』など、非常に複雑に絡み合っています。
そのような時、この『桂枝湯』という優れたベースがあるおかげで、私たちはお客様一人ひとりの体質に合わせて『少し熱を冷ます生薬を足そう』『巡りを良くする生薬を加えよう』と、柔軟にオーダーメイドの調合(煎じ薬)を組み立てることができるのです。
決まったお薬をそのまま飲むのではなく、いまの自分の体に一番合うように調整できるのが、本格的な漢方アプローチの最大の強みです。
桂枝湯に関するよくあるご質問(FAQ)
葛根湯(かっこんとう)とはどう使い分ければいいですか?
どちらも風邪のひきはじめによく使われますが、体質によって異なります。
葛根湯は、比較的体力があり、汗をかいておらず、首筋や背中がゾクゾクとこわばるような方に向いています。
一方の桂枝湯は、体力がなく、自然にジワッと汗ばんでおり、寒気を感じる方に向いています。胃腸が弱い方には桂枝湯が適しています。
病院のお薬(鎮痛剤や胃薬など)と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
基本的には併用可能ですが、他のお薬にも「甘草」などの同じ成分が含まれていると、効きすぎたりバランスが崩れたりすることがあります。
安全のため、事前にお薬手帳をご用意の上、専門家にご確認ください。
汗をかきすぎている時にも使えると聞きましたが本当ですか?
はい。桂枝湯は「体の表面のバリア機能」を整える働きがあるため、汗腺のコントロールがうまくいかず、ダラダラと汗をかいてしまうような状態のバランスを戻すサポートとしても用いられます。
まとめ:自然な巡りを取り戻し、元気に動ける体へ
漢方の基本処方「桂枝湯」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 桂枝湯は、胃腸をいたわりながら体の巡りを整える優しい漢方
- 葛根湯と違い、体力がなく汗ばみやすい方に向いている
- 生薬を加えることで、神経、お腹、メンタルなど様々な悩みをサポートするベースになる
「冷えで体がこわばる」「疲れやすく、いつもどこか不調を感じる」というお悩みを抱えている方は、もしかすると体の土台である「気・血」の巡りが滞っているのかもしれません。
太陽堂では、桂枝湯などの基本漢方をベースに、あなたのお身体のサインをしっかりと読み解き、一番適したオーダーメイドの漢方薬をご提案しています。
LINEやDMからもご相談を受け付けておりますので、体質からじっくりと見直したい方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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桂枝湯から派生した漢方薬が用いられることが多いお悩みについて、ホームページでも詳しくお話ししています。ぜひ参考にされてみてください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。














