
二朮湯(にじゅつとう)ってどんな漢方薬?
体の水分代謝の乱れからくる“重だるさ”や“むくみ”を取り除くための漢方薬。
とくに、雨の日や湿度の高い日に体調が悪くなる方、体の節々が重く感じる方に用いられます。
と書かれている所が多いです。
ただ太陽堂では基本「肩の痛み」・「膝の痛み」でしか使う事はほぼありません。
特に「五十肩」の方には良く使う漢方薬になっています。
「二朮湯(にじゅつとう)」の中身は、
〇白朮
〇天南星
〇陳皮
〇茯苓
〇香附子
〇オウゴン
〇威霊仙
〇蒼朮
〇和羌活
〇甘草
〇半夏
〇乾生姜
の12種類になります。比較的生薬の種類が多い漢方薬ですね。
基本的には水毒の痛みに使う漢方薬になるので、利水をしながら痛みを取っていく漢方薬です。
「蒼朮」・「白朮」・「茯苓」が利水効果。
「威霊仙」・「和羌活」が鎮痛で「天南星」は利水をする事で「鎮痙消炎」。
「オウゴン」が清熱効果があります。
二朮湯の実際の使いどころと効果
たとえば、梅雨の時期や秋の長雨の頃に、
「朝起きると膝や肩が重い」
「雨の日は体が動かしにくい」
「必ず体調が悪くなるので、雨の日がわかる」
といった声をよく聞きます。
そういった時期に「二朮湯」を使うと、体の中に滞っていた余分な水分が外に出て、動きやすくなる方が多いです。
冷房による冷えや、湿度によるむくみなど“現代的な湿”にも対応できるのがこの処方の魅力になります。
また冒頭でもお話しした「五十肩」にも使う事のある漢方薬です。
実際に二朮湯を使ったご相談例
昭和28年生 女性
長年のお仕事で重い物を持ち続けていた事により、痛みを発症。
病院でのお薬などで様子を見ていたが、改善が見られないのでご相談に来られました。
症状としては「肩の痛み」と「両腕内側」、「肩のすぐ下の筋の部分」がずっと痛むとの事。
酷くなると横向きで眠れない時もあるとの事でした。
漢方薬としては、「二朮湯」に「痛みを除く生薬」を別途追加でお出ししました。
漢方服用開始から6ヶ月、痛みもほとんどなくなり、楽に眠れるようになったとの事。
調子も良いので、服用終了とさせて頂きました。
「二朮湯」のまとめ
二朮湯は、体の水分バランスを整え、湿気による重さ・痛み・を改善する漢方薬です。
雨の日に体の痛みが強くなる、関節が痛い、冷えると痛みがつらい
そんな方にぴったりの漢方薬です。
肩の痛みや膝の痛みで悩まれている方はぜひ漢方薬局や漢方薬剤師にご相談ください。
今回ご紹介しました膝の痛みに関係している「変形性膝関節症」に関しては、ホームページで詳しくお話ししています。
ぜひ参考にされてみて下さい。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。

