
【太陽堂が解説する「二朮湯(にじゅつとう)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 二朮湯は、体の中に滞った余分な「水分(水毒)」をスムーズに動かし、関節周りの冷えや滞りによる違和感を優しく和らげる働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 雨の日や湿気の多い日に体調を崩しやすい、関節が重だるく感じる、五十肩などの肩のトラブルを抱えている、冷房などで体が冷えると辛くなる体質の方に向いています。
- 太陽堂での活かし方: 「この漢方薬をそのまま飲む」のではなく、太陽堂ではこれを基本としつつ、お一人おひとりの現在の体質(痛みの強さや冷えの程度など)に合わせて生薬を細かく調整し、体が本来持つ巡る力を引き出すオーダーメイドのサポートを行っています。
「雨が降ると関節が痛む」「湿布や鎮痛剤でも肩がスッキリしない」…その原因は「水」かも?
「朝起きると、膝や肩がズーンと重だるい」
「雨の日や湿度が高い日は、決まって関節に違和感が出る」
「腕が上がらなくなり(五十肩)、夜も寝苦しい日がある」
太陽堂には、このような長引く肩や膝のトラブルに関するご相談が数多く寄せられます。
関節の痛みに対して、病院で処方されるお薬や市販の湿布を使われている方は多いと思いますが、「一時的には楽になるけれど、またすぐにぶり返す」「雨が降ると結局痛む」とお悩みではないでしょうか。
東洋医学では、天候によって左右される関節の違和感は、体内に滞った余分な水分である「水毒(すいどく)」が関係していると考えます。今回は、体の水分バランスを整え、重だるい関節のトラブルを優しくサポートする漢方薬「二朮湯(にじゅつとう)」について詳しく解説いたします。
【コラム】薬剤師 椙田の視点「西洋薬(ロキソニンなど)と漢方のアプローチの違い」
肩や膝にトラブルが起きると、整形外科などで『ロキソニン』をはじめとする消炎鎮痛剤(NSAIDs)が処方されることが一般的です。これらのお薬は、今ある強い炎症を素早く抑え込むために非常に頼りになります。
しかし、鎮痛剤は痛みの『センサー』をブロックするものであり、根本にある『なぜそこに関節の負担がかかり、冷えや水が滞っているのか』という体質そのものを変えるわけではありません。また、長期間使い続けると胃腸に負担がかかり、全身の巡りが悪くなってしまうこともあります。
辛い時は西洋のお薬でうまくコントロールしつつ、漢方で『体に溜まった余分な水を流し、関節周りの環境を整える』という土台づくりを併用するスタイルは、体への優しさを考えると大変おすすめです。
太陽堂での二朮湯(にじゅつとう)の使いどころ
一般的に、二朮湯は「体の水分代謝の乱れからくる重だるさやむくみを取り除くための漢方薬」として紹介されていることが多いです。
しかし、太陽堂での実際の相談現場において、単なるむくみ取りとして二朮湯を使うことはあまりありません。私たちが二朮湯を選択するケースは、主に「肩の違和感」と「膝の違和感」です。
特に、腕が上がりにくくなる「五十肩(肩関節周囲炎)」など、肩周りの深刻なトラブルでお悩みの方に対して、ベースとして用いることが非常に多い、頼りになる処方です。
なぜ、雨の日や湿気で関節が痛むのか?
東洋医学では、体内に余分な水分が溜まっている状態を「水毒(すいどく)」と呼びます。梅雨の時期や秋の長雨、あるいは冷房などで体が冷えると、この水毒が関節の隙間などに滞りやすくなります。
水が溜まって関節が冷えると、血流も悪くなり、それが「痛み」や「重だるさ」「動かしにくさ」といったサインとなって現れるのです。
二朮湯は、この滞った水を「利水(りすい:水を巡らせて排出する)」しながら、関節周りのトラブルを穏やかにサポートしてくれます。
二朮湯に含まれる生薬のチームワーク
二朮湯には、全部で12種類もの生薬が配合されています。それぞれの生薬がチームとなって、複雑に絡み合った痛みの原因にアプローチします。
| チームの役割 | 代表的な生薬 | どのような働きをするか |
| ① 余分な水を動かす (利水作用) | 蒼朮(ソウジュツ)、白朮(ビャクジュツ)、茯苓(ブクリョウ) | 体のあちこちに滞っている余分な水分を動かし、尿として排出するのを助けます。 |
| ② 痛み・こわばりを和らげる (鎮痛・鎮痙作用) | 威霊仙(イレイセン)、和羌活(ワキョウカツ)、天南星(テンナンショウ) | 関節の重だるさや、筋肉のこわばり、違和感を優しく和らげるサポートをします。 |
| ③ 局所の熱を冷ます (清熱作用) | 黄芩(オウゴン) | 関節周りにくすぶっている微弱な熱(炎症の火種)をマイルドに冷まします。 |
| ④ 胃腸を整え、巡りを助ける (理気・健胃作用) | 陳皮(チンピ)、香附子(コウブシ)、半夏(ハンゲ)、乾生姜(カンショウキョウ)、甘草(カンゾウ) | 胃腸の働きを助けて水はけを良くし、全身の「気」の巡りをスムーズにします。 |
どんなお悩みに向いているの? 太陽堂でのご相談例
【コラム】薬剤師 前原の視点「五十肩や長年の肩の痛みでお悩みだった方のケース」
肩の痛みでお悩みの方の多くは、『年齢のせいだから』『職業柄仕方ない』と諦めてしまっていることが少なくありません。
以前、長年重い物を持ち続けるお仕事をされており、肩から両腕の内側にかけての強い痛みにお悩みの女性(昭和28年生まれ)からご相談を受けました。病院のお薬などで様子を見ていたものの、ひどい時は横向きで眠れないほどお辛い状態でした。
この方には、滞った水分を流す『二朮湯』をベースにしつつ、その方の痛みの性質に合わせて『違和感を取り除くための生薬』を特別に追加したオーダーメイドの煎じ薬をご提案しました。
じっくりと体質改善に取り組んでいただいた結果、半年ほど経つ頃には肩周りがすっかり楽になり、夜もぐっすり眠れるようになったと大変喜んでいただけました。お薬でごまかさず、根本的な巡りを整えることの大切さを実感したケースです。
二朮湯・関節トラブルに関するよくあるご質問(FAQ)
ロキソニンや湿布を使っていますが、漢方薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
はい、基本的には併用可能です。
強い痛みがある時は整形外科のお薬でコントロールしつつ、漢方で内側から「雨の日に影響を受けにくい、巡りの良い体質」を育てていくスタイルは、非常に理にかなっています。
安全のため、事前にお薬手帳をご用意の上、ご相談ください。
漢方薬を飲めば、すぐに五十肩は治りますか?
漢方は一時的に痛みを感じなくさせる魔法の薬ではなく、体質からじっくりと環境を整えるものです。そのため、最低1~3ヶ月単位でみていただくことが多いです。
焦らず「気がつけば腕が動かしやすくなっている」「雨の日でも関節が気にならない」という状態を目指してサポートいたします。
肩の痛みだけでなく、膝の違和感にも使えますか?
もちろんです。
「水毒」が原因で関節が重だるくなっている場合、膝や腰など、肩以外の部位のトラブルにも応用して用いることができます。
お客様の現在の状態を詳しくお伺いした上で、最適な調合をご提案します。
まとめ:天候に左右されない、軽やかな身体づくりを
「五十肩や関節の重だるさをサポートする二朮湯」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 雨の日や湿気で痛む関節トラブルは「水毒(水分の滞り)」が原因かも
- 二朮湯は、余分な水を流しながら関節周りの環境を整えるのが得意
- 一時的な鎮痛剤だけでなく、漢方で根本的な「巡り」の土台をつくることが大切
「腕が上がらなくて服を着るのが辛い」「雨が降るたびに膝が重い」というお悩みを一人で抱え込まずに、ぜひ一度、太陽堂へご相談ください。
あなたのお身体の状態に一番適したオーダーメイドの漢方で、内側から無理なく、軽やかに過ごせる毎日へのサポートをさせていただきます。
関連ページ
膝の痛みや関節のトラブルについて、ホームページでも詳しくお話ししています。ぜひ参考にされてみてください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。












