
「無事に退院はできたけれど、手足のしびれや、歩くときのふらつきがどうしても残っている」
「『また脳の血管が詰まるんじゃないか』——再発が怖くて、毎日が落ち着かずビクビクしている」
「言葉が出にくくなった家族のために、リハビリ以外に何かしてあげられることはないだろうか」
脳梗塞のご相談で太陽堂に来られるのは、まさにこうした深い悩みを抱えられた方々です。退院直後の方もいれば、発症から数年経って後遺症と戦っている方、そして「今は目立った症状はないけれど、とにかく再発だけは防ぎたい」というご本人やご家族の方もいらっしゃいます。
今回は、脳梗塞の後遺症に対する「一番正直な期待値」と、太陽堂が何よりも力を入れたいと考えている「血流の土台を整えて、再発しにくい身体を目指す」という漢方の考え方を、血液サラサラのお薬との併用の注意点も含めて、実例とともに薬剤師の視点から詳しく解説いたします。
※【大切なご注意】急に手足がしびれる・片側に力が入らない・言葉がうまく出ない・顔の片側がゆがむなど、脳梗塞が強く疑われる症状(FAST)が「今まさに」出ている場合は、絶対にためらわずに救急車(119番)を呼んでください。漢方薬の出番ではありません。この記事は、急性期の病院での治療を終えたあとの『後遺症ケア・再発予防』のお話です。
【この記事の結論:「脳梗塞の再発不安・後遺症」に対する漢方の考え方】
- 正直な答え(後遺症): しびれ・麻痺・言葉——良くなる方は良くなりますが、完全に良くすることは正直難しいです。「これ以上ひどくしないこと」と「ある程度の改善」までを目指すのが、一番現実的な向き合い方です。
- 不調の正体(原因): 西洋医学では脳の血管が詰まり神経細胞がダメージを受けた状態とされますが、漢方ではその根底に、ドロドロの血液と巡りの悪さ「瘀血(おけつ)」という体質が存在していると考えます。
- 漢方の解決策: 病院の「血液サラサラの薬」とリハビリを並行しながら、漢方で血の巡りの土台(瘀血)を改善し、「再発しにくい身体」を目指します。ここが太陽堂の一番力を入れたいところです。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 脳梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)、退院後のしびれ・ふらつき・言葉の出にくさが残る方、再発が怖い方、症状はないが再発を防ぎたい方、ご家族のケアを探している方
なお、病気そのものの基本的な解説と症例は脳梗塞の専門ページにまとめています。この記事では「退院後の不安と、再発を防ぐ体づくり」に絞ってお話しします。
脳梗塞とは?退院後に「不安だけが残る」理由
脳梗塞は、動脈硬化や心臓でできた血栓(血の塊)によって脳の血管が詰まり、血流が途絶えることで、その先の神経細胞が酸素・栄養不足になりダメージを受ける病気です。
発症直後の急性期は、病院での点滴や血栓溶解療法(t-PA)などの治療が「全て」です。無事に一命を取り留め、退院した後は、「血液サラサラのお薬の服用 + 定期検査」を一生続ける生活になり、しびれや麻痺、ふらつきなどの後遺症についてはリハビリテーションで根気よく向き合っていくことになります。
病院で行われる「再発予防」と、残る不安
病院では、再発を防ぐための「抗血小板薬(バイアスピリンなど)」や「抗凝固薬(ワーファリン、イグザレルトなど)」が処方されます。
しかし太陽堂の店頭でよくお伺いするのは、「病院での治療は終わって、あとは薬を飲むだけになった。でも、この先ずっと『またいつ詰まるか分からない』と怯えながら暮らすのだろうか」という切実な声です。
お薬で血を「固まりにくくする」ことはできても、根本にある「詰まりやすい体質そのもの」が変わったわけではない——という拭いきれない不安が残るのです。ここが、漢方へのご相談の一番の入り口になっています。
【薬剤師コラム①】血液サラサラのお薬と漢方——「量」を見て組み立てを変えます
担当薬剤師:前原
脳梗塞のご相談をお受けした際、私が最初に必ず確認するのが、「バイアスピリンやワーファリン、エリキュースなど、病院で処方されている『血液サラサラのお薬』の種類と量」です。
なぜなら、太陽堂が処方する漢方薬の側も、血流に強力に働きかけるからです。そのため、西洋薬と漢方薬の組み合わせには非常に細心の注意と丁寧さが要ります。
- お薬の「量が多い」方: 出血のリスクに配慮し、「止血」と「血流改善」のどちらにも配慮したバランスの組み立てにします。その分、効果の出方は穏やかになります。
- お薬の「量が少ない」方: 併用しながら、内出血(知らない間にアザができやすい、歯茎から血が出る等)のサインがないかをしっかり見てもらいながら進める場合もあります。
どちらの場合でも、併用薬には細心の注意を払い、しっかり経過を見ていきます。当然ですが、病院の血液サラサラのお薬は自己判断で絶対にやめず、ご来店の際は「お薬手帳」を必ずお持ちください。「漢方薬を足したから、病院の薬を勝手に減らす」といった危険な調整は絶対にせず、必ず主治医の先生の判断(血液検査の結果など)を仰ぐものです。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 血液サラサラの薬で血栓形成を物理的に予防し、定期検査で経過を見る | 血の巡りを根本から良くし、詰まりやすい体質(瘀血)を改善・再発予防 |
| 得意なこと | 急性期の命を救う治療、血栓の確実な予防、MRI等の正確な画像診断 | 体質の側からの再発予防、後遺症(しびれ・ふらつき等)や併発症状の緩和 |
| 代表的な手段 | 抗血小板薬・抗凝固薬(バイアスピリン等)、血圧・脂質の管理、リハビリ | 血流を良くする漢方薬、後遺症の症状に合わせた漢方薬、自律神経ケア |
| 気になる点 | 「詰まりやすい体質」そのものへの不安が解消されにくい、出血の副作用 | 体質の変化を実感するまでに一定の期間(まずは3ヶ月が目安)が必要 |
| 両者の関係性 | 命を守り再発を強力に防ぐ「治療の絶対的な要」——一生続ける | 体質の側から再発予防の壁をより厚くする「並走のサポーター」 |
漢方から見た脳梗塞——「再発予防」と「後遺症」の2本柱
太陽堂では、脳梗塞の退院後の患者さまに対し、以下の2つの柱を組み合わせて漢方薬をオーダーメイドで調合します。
柱① 血流を良くする——再発しにくい土台づくり(太陽堂が『最重視』する柱)
- 狙い: 脳梗塞の土台には、血の巡りの悪さ・詰まりやすさである「瘀血(おけつ)」という体質があります。血流を良くする漢方薬(活血化瘀:かっけつかお)で、この体質そのものを改善していくのが第一の柱です。実例でも全員に使われている中心軸であり、太陽堂が「再発予防」のために一番力を入れているところです。
柱② 後遺症・併発症状に合わせた漢方薬
- 狙い: 後遺症が強く残っている方には、手足のしびれ、歩行時のふらつき、言葉の出にくさ(構音障害)など、その方の症状に合わせた漢方薬を「血流の柱」に重ねていきます。また、心房細動などの不整脈(動悸)や、再発への強烈な不安・ストレス(自律神経の乱れ)を併発している方には、そちらへの組み合わせ(安神・理気)も行います。
※リハビリとの並行について
しびれや運動障害の改善には、病院や施設での「リハビリテーション」を必ず並行することをおすすめしています。身体を外から動かすリハビリと、血流と体質を内側から整える漢方。外側と内側の両輪で回復を支えるイメージが最も効果的です。
【薬剤師コラム②】「再発が怖い」あなたへ——その不安こそ、一緒に向き合いたいところです
担当薬剤師:林
脳梗塞のご相談をお受けする際、後遺症の改善について、私はまず患者さまに「一番正直なこと」をお伝えしています。
しびれ・麻痺・言葉の出にくさといった後遺症は、「良くなる方は良くなりますが、完全に良くすることは、正直難しいです」と。
だからこそ、私たちがお約束できるのは、「これ以上ひどくしないこと」と「日常生活が少しでも送りやすくなる『ある程度の改善』」を目指して、全力を尽くすことです。これが、後遺症に対する一番現実的で誠実な向き合い方だと考えています。
その上で、私たちが漢方で特に重視したいのが『再発の予防』です。
一度血管が詰まってしまった「瘀血」の体質をそのまま放置せず、血流の土台から立て直して、再発しにくい身体の状態へと持っていく。ここは、西洋薬と並走しながら漢方薬が力を発揮できるところです。
実例の患者さまたちも、「これ以上ひどくならないように」とご相談に来られ、数年単位で症状が安定し、病院の定期検査でも「順調」「問題なし」と言われる状態を保っています。「また詰まったらどうしよう」という毎日の恐怖を、「今回も検査で問題なかった」という安心感の積み重ねに変えていきましょう。
【改善実例】「病院でも順調」と言われるまでのエピソード
①【めまい・頭痛・呂律が回りにくい】70代 女性|11ヶ月で症状がほぼなくなり、2年で「病院でも順調」
【ご相談時の状態】 症状が気になり病院で脳梗塞と診断。症状が少しずつひどくなっているため、「これ以上ひどくならないように」とご相談に来られました。めまい・頭痛が気になり、最近は呂律(ろれつ)も回りにくくなっている、ストレスがあるときにひどくなるとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①血流を良くする漢方薬 ②ストレス(自律神経の乱れ)を緩和する漢方薬 の2種類を併用してお渡ししました。
- 4ヶ月後: めまいや頭痛が減ってきているとのこと。
- 11ヶ月後: めまい・頭痛ともにほとんどなくなり、呂律も回りやすくなっている気がするとのことでした。
- 2年後: ほとんど症状もなく、病院でも「順調」と言われたとのこと。血流を良くする漢方薬を最低限の量だけ続ける形になりました。
②【不整脈からの脳梗塞】60代 男性|1年で脳の検査も問題なし、2年で服用終了に
【ご相談時の状態】 5年ほど前に不整脈で入院し、最近の検査で脳梗塞と診断された方です。「これ以上悪化させないように」とご相談に来られました。心臓からくる動悸があり、脳梗塞の症状としては多少のふらつきがある程度とのことでした。
【太陽堂の提案】 ①動悸を鎮める漢方薬 ②血流を良くする漢方薬 の2種類を併用してお渡ししました。
- 2ヶ月後: 動悸も大分良くなり、気にならなくなっているとのこと。
- 1年後: 脳の検査でも問題なし。動悸もほとんど出なくなっているとのことでした。
- 2年後: 症状もなく調子が良いとのことで、服用終了となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善や再発の完全な予防を保証するものではありません。病院のお薬・定期検査は必ず続けてください。
ご自宅でできる、再発を遠ざける暮らしの基本
- 血液サラサラのお薬は「絶対に」自己判断でやめない: 退院後に処方されているバイアスピリン等は、命を守る再発予防の最大の要です。「最近調子が良いから」「胃が荒れるから」と勝手に飲むのをやめたり減らしたりせず、調整は必ず主治医の先生に相談してください。
- 「リハビリ」は漢方と並行して根気よく続ける: 身体を外側から動かすリハビリと、血流と体質を内側から整える漢方。この「外側と内側の両輪」を回し続けることが、機能の回復と再発予防の一番の近道になります。
- 水分・血圧・生活リズムの基本を守る: 脱水は血液をドロドロにする最大の敵です。こまめな水分補給(特に就寝前と起床時)、家庭での毎日の血圧測定、そして睡眠のリズム。血流の土台を守るこの毎日の積み重ねが、漢方薬の効きを大きく後押ししてくれます。
よくあるご質問(FAQ)
脳梗塞の後遺症(しびれ・麻痺・言葉の出にくさ)は、漢方薬で治りますか?
正直にお伝えします。良くなる方は良くなりますが、完全に良くすることは難しいです。
「これ以上ひどくしないこと」と「ある程度の改善」までを目指すのが、一番現実的で誠実な向き合い方だと考えています。実例のように、呂律の回りにくさやふらつきが軽くなっていった方はいらっしゃいます(個人差があります)。
何よりも「再発」が怖いです。漢方薬にできることはありますか?
この『再発の予防』こそ、太陽堂が一番重視しているところです。
血流を良くする漢方薬で、詰まりやすい体質(瘀血)そのものを改善し、再発しにくい身体の土台へ持っていくことを目指します。病院のお薬と定期検査は続けたうえでの、体質側からの上乗せ(並走)です。
バイアスピリンやワーファリンと、漢方薬は併用できますか?
併用できますが、お薬の種類と「量」によって漢方の組み立てを変えます。必ずお薬手帳をお持ちください。
量が多い方には出血に配慮した穏やかな組み立てに、量が少ない方には内出血などのサインを一緒に確認しながら進める場合もあります。いずれにしても併用薬には細心の注意を払い、しっかり経過を見ていきます。病院のお薬は自己判断でやめないでください。
病院のリハビリと漢方薬、どちらを優先すべきですか?
どちらか一つを選ぶのではなく、「並行(両輪)」をおすすめしています。
リハビリが身体の外側から回復を促し、漢方薬が身体の内側から血流と体質を整える。この両輪で進めることが、回復と再発予防の一番の近道です。
今は目立った後遺症はありません。それでも相談してよいですか?
はい。症状がなく、「とにかく再発を防ぎたい」という目的でご相談に来られる方もいらっしゃいます。
むしろ症状が落ち着いている時期こそ、血流の土台を整える体質ケアの始めどきです。発症からの期間も、退院直後の方から数年経った方まで様々です。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
まずは「3ヶ月」を一区切りの目安としてお願いしております。
実例のように数ヶ月で症状の変化を感じる方もいらっしゃいますが、脳梗塞における本当の勝負は、数ヶ月ではなく「年単位で再発せず安定していること」です。病院の定期検査の結果を一緒に確かめながら、じっくりと腰を据えて進めていきましょう。
まとめ:「また詰まったら」という恐怖を、「今回も問題なし」の安心の積み重ねへ
脳梗塞を経験された方にとって、退院後の生活は「またいつ再発するかもしれない」という見えない恐怖との、長く孤独な戦いです。その不安を少しでも軽くするために、今日からできることを整理しましょう。
- 血液サラサラのお薬と病院の定期検査は『絶対に』続ける(漢方はその上での並走です)
- 後遺症は「これ以上ひどくしない + ある程度の改善」を、リハビリと両輪で目指す
- 血流を良くする漢方薬で「詰まりやすい体質(瘀血)」を整え、再発しにくい土台を育てる
「再発の不安を抱えたまま、この先の人生をビクビクして過ごしたくない」
「残ってしまったしびれやふらつきと、少しでもうまく付き合っていきたい」
そんな深いお悩みを抱えている方は、ご本人様でもご家族様でも、どうぞ一人で抱え込まずに太陽堂へご相談ください。
発症からの経過・お使いのお薬の内容・後遺症の様子を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、あなたに合わせた漢方ケアをご提案いたします。
【ご相談をご希望の方へ】
脳梗塞に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。全国対応のオンライン相談も承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
脳梗塞だけでなく、血管や心臓に関するさまざまなお悩みについても、太陽堂では数多くのご相談をいただいております。気になる方は、以下のページもあわせてご覧ください。
▼心房細動と漢方
▼脳動脈瘤
▼パーキンソン病と漢方
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。










