肝硬変とは

肝炎(アルコール性、ウイルス性、慢性肝炎)、脂肪肝などが原因で起こる疾患です。
 
日本では80%近くがウイルス性肝炎が原因でおこっていると言われています。
 
肝硬変の患者さんは、約20万人いると言われ年齢的には40歳~60歳の方、割合では男性の方が多いと言われていますが最近では原発性胆汁性肝硬変など中年期以降の女性に多いと言われている肝硬変も知られるようになってきました。
 
原発性胆汁性肝硬変の詳しい説明は、原発性胆汁性肝硬変を参考にされて下さい。

なぜ肝硬変になるのか?

肝臓は再生能力が高い細胞になりますが、長期にわたる肝細胞の再生・壊死の繰り返しで線維化という状態に至ってしまいます。
 
ケガをして傷をつけてしまった場合、カサブタが出来て固くなってしまいますね。
 
肝臓も、その様な状態になってしまい肝炎や脂肪肝により炎症反応が長時間持続する事で肝臓にカサブタが出来て線維化してしまいます。
 
線維化が肝臓全体に及んでしまい、肝臓が硬くなってしまう事を肝硬変と言います。

肝硬変の症状

肝硬変は、症状がない代償性肝硬変と症状がある非代償性肝硬変の二種類に分けられています。
 
代償性肝硬変は、自分で気づく症状はほとんどなく病院での検査での指摘も少ないと言われています。
非代償性肝硬変は、全身症状がおこるようになり倦怠感・消化器症状(吐き気・悪心・腹部膨満感)・腹水・黄疸・食道静脈瘤などの症状が出始めます。
 
この中でも一番怖いのが腹水食道静脈瘤です。

腹水や食道静脈瘤について

「肝硬変から腹水が溜まると、症状はもうすでに末期で余命はかなり短い言われています。」
そもそも肝硬変での腹水はなぜ起こるのか?
 
肝硬変での腹水は、門脈圧亢進によりおこっています。
 
門脈は腸全体、脾臓、膵臓、胆嚢からの血液を受け取り、肝臓全体に血液を巡らして肝静脈を通って体循環(全身循環)に戻ります。
 
門脈圧の亢進によって門脈から肝臓全体への血流が低下する事で、門脈から体循環に直接つながる静脈(側副血行路)の発達が促され、肝臓を迂回するルートが形成されます。
 
詳しい説明は腹水のページをご覧ください。
腹水(肝臓疾患、胆のう疾患)

食道静脈瘤は、側副血行路は食道の下端と胃の上部に張り巡らされ血管が拡張し曲がりくねって、食道静脈瘤または胃静脈瘤を形成します。
 
拡張した血管はもろくなって出血しやすく、出血をした時は命にかかわることもあります。

肝硬変の検査値

肝硬変の検査値としては、血小板、アルブミン値、、プロトロンビン時間、アンモニア、総ビリルビンなどです。
 
特に出血を止める役割を持つ血小板の数値が大事になり、肝硬変になると血小板の数が減少し、10万以下の数値まで落ちてしまいます。(正常値15万~35万)
 
血小板が落ちる原因としては、門脈圧亢進により脾臓が大きくなる脾腫が原因でおこる事です。
 
脾臓は血液を壊す細胞になるので、脾臓が大きくなる事で、血液細胞が通常より壊されてしまい血小板が落ちてしまいます。

肝硬変の漢方薬

肝硬変の線維化を除く作用のある野ブドウ製剤をメインで使い治療をさせて頂きます。
又、症状が出る前に脾腫の治療をしていく事で血小板の低下を抑えていきます。

それ以外の治療は、原因や症状によって出す漢方薬は変わってきます。

ウイルス性肝炎からの肝硬変

抗ウイルス作用のある漢方薬を併用させて頂きウイルスへの抗体を作っていきます。
 
又、肝炎ウイルスがB型かC型によっても使う漢方薬が異なってくる事が多いです。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH(ナッシュ))・脂肪肝からの肝硬変

脂肪肝に対する漢方薬や肝臓の炎症を止める漢方薬を併用していき治療をしていきます。
 
脂肪肝に関しては、牡蠣肉製剤深海ザメの肝臓の油製剤を使う事で改善が見られる事が多いです。

腹水が出てしまった時

腹水が出てしまった時は、とにかく時間がありません。
早期で治療をしていかないと命にも関わってきます。

利水効果の高い煎じ薬を使い水を排出する事と牛黄製剤のお薬で肝臓の働きを助けます。

肝硬変で使う漢方薬

・小柴胡湯
・大柴胡湯
・五苓散
・茵陳蒿湯

他にも上記でお書きしました、牡蠣肉製剤や深海ザメの油製剤、牛黄製剤など状況に合わせて使わせて頂きます。

肝硬変の症例

症例(昭和30年生、女性)

母子感染によりB型肝炎と診断。
 
B型肝炎から肝硬変になってしまい、肝臓の数値白血球血小板の値が落ちているとの事で相談を受けました。
 
数値的には血小板が4.7(正常値13~36)、白血球が18(35~93)。
炎症の値になるAST、ALTに関しては基準値より少し上になっている位です。(AST36ALT23)となっています。
 
症状としては疲れやすさが一番辛いとの事。少しお腹に水が溜まっているかも?とおっしゃっていました。

漢方の種類としては、
 
①肝硬変の線維化を除く作用のある野ブドウ製剤
②抗ウイルス作用のある粉薬
③B型の肝硬変に作用する煎じ薬
 
の3種類を出させて頂きました。

漢方服用開始から2ヶ月、ASTやALT、γ-GTPが一時的に上がったがHBe抗原が(-)、HBe抗体が(+)になっていました。
抗体が出来ると一時的に肝機能の数値が上がる事がありそのせいではないかなと思います。
 
漢方服用開始から4ヶ月、疲れやすさは取れ順調との事。
上がっていた肝機能の数値も下がりASTに関しては基準値内に収まってきました。(AST30、ALT22、γ-GTP45)
血小板の値も4.8と若干の改善になります。
 
漢方服用開始から1年、血小板も改善が見られ6.3まで上がっていました。(AST30、ALT21、γ-GTP36、白血球24)
 
漢方服用開始から1年6ヶ月、他の数値は安定していたのですが、血小板が5.3まで落ちてしまいました。(AST29、ALT22、γ-GTP35、白血球23)
ただ体調は順調で、疲れも感じにくくなっているとおっしゃって頂けました。
 
漢方服用開始から2年4ヶ月、血小板が変わらず5.3、他の数値も変わりなしでした。(AST31、ALT25、γ-GTP38、白血球24)
病院の先生のお話しではこの調子でいけると良いですねとの事。
体調良く過ごせているとおっしゃって頂けました。
 
数値は良好、調子良く過ごせているとの事で安心いたしました。
疲れに関しても調子が良いとの事でした。
完治に向け引き続き漢方服用中です。

 
患者さんの声に他の患者様の症例ものっています。 どうぞ参考にされて下さい。
患者さんの声:肝臓疾患