肝炎(アルコール性、ウイルス性、慢性肝炎)

肝炎とは

肝臓の細胞に炎症が起こり、肝細胞が壊される病態です。
肝炎が進行すると慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する場合もあり放置しておくと危険な病気になります。

肝炎の種類と原因

肝炎になる原因には、ウイルス、薬剤性、アルコール、自己免疫等がありますが、日本においては、ウイルス感染による肝炎がその多くを占めています。
ウイルス性肝炎とは、肝炎ウイルスに感染して、肝臓の細胞が壊れていく病気です。
ウイルスの種類としては、7種類あると言われてますが特にA型、B型、C型、E型が知られています。

薬剤性肝炎は、服用した薬剤が原因で肝障害を起こす病気です。
薬自体が肝臓に副作用を起こしてしまうものと薬にアレルギー反応をおこす2パターンがあります。

アルコール性肝炎は、飲酒が原因の肝炎です。
飲酒が肝臓に影響を及ぼすのは、肝炎の他にも脂肪肝などがあります。
詳しくは、非アルコール性脂肪肝炎(NASH(ナッシュ))・脂肪肝をご覧ください。

自己免疫性肝炎は、自己免疫・膠原病が原因の肝炎になります。
若い女性や更年期以降の女性に多い肝炎です。

ウイルス肝炎について

肝炎ウイルスに感染している人は120万人~150万人にのぼる(日本人の約100人に1人)と推計されています。
問題になっている肝炎は、B型やC型になり、ウイルスに感染した人の中には慢性肝炎に移行、そして肝硬変、肝臓がんを発症する人もいます。
A型やE型は、経口にて感染する疾患になり急性肝炎を引き起こしますが慢性する事はない肝炎になります。

B型肝炎

B型肝炎ウイルスに感染することによって起こる肝臓病です。
感染経路は、血液や体液により感染していきます。
成人になって感染した場合は、一部の人が急性肝炎を発症しますが、基本的には慢性化することなく完治します。
症状としては、発熱・全身倦怠感・食欲不振・黄疸・嘔吐・黒褐色尿・関節痛などです。
母子感染などで感染した場合は、肝臓にB型肝炎ウイルスがすみつき、感染が持続することによってB型肝炎が慢性化します。やがて病気が進行して、肝硬変、肝がんへ進展する場合があるとされています。

C型肝炎

B型肝炎と同じように血液や体液により感染する肝炎です。
C型肝炎はB型肝炎よりも慢性化しやすく、肝硬変や肝がんへと進みやすいとされています。

肝炎の検査値

肝炎の場合は、AST(GOT),ALT(GPT)の肝臓の炎症の値。γ-GTPという胆汁の流れや肝機能の指標になる検査値を確認致します。
又、ウイルス性肝炎の場合は、HBs抗原・抗体 HBe抗原・抗体C型肝炎ウイルス抗体などのウイルスの状態を示す指標を確認していきます。
最近では、HBV-DNA定量というウイルスの量を計れる数値も重要になってきています。(5.0LGE/mL以上だと肝炎がおきている状態。)

肝炎の漢方薬

肝炎がウイルス性なのかどうかによってお出しする漢方も大きく変わってきます。

ウイルス性肝炎の時

B型肝炎・C型肝炎といっても、肝臓が炎症しているAST(GOT),ALT(GPT)が高い値の場合。
AST(GOT),ALT(GPT)が正常値で、肝臓が炎症していない場合の2通りがあります。

AST(GOT),ALT(GPT)が高い場合(肝臓が炎症をしている時)は、肝臓の炎症を止める漢方薬を使っていかなければいけません。
ウイルスを除去する漢方薬と炎症を止める漢方を併用して肝臓の炎症を止めていきます。

AST(GOT),ALT(GPT)が正常値の場合(肝臓が炎症していない時)は、ウイルスを除去する漢方薬のみでの治療で構いません。

ウイルスを除く為に菌子体製剤を使い免疫を上げる事で抗体を作っていきます。

ウイルス性以外の肝炎

ウイルス性肝炎と同様に肝臓の炎症を止める漢方薬をメインで使っていきます。
自己免疫が原因で肝炎が起こっている場合等は、自己免疫の治療も併用していかなければいけません。

肝臓の炎症に使う漢方薬

・小柴胡湯
・大柴胡湯
・温清飲
・加味逍遙散

紹介している漢方薬は、一部になりその方々に合わせて漢方薬をお作り致します。

肝炎の症例

症例(昭和53年生 男性)

元々B型肝炎のキャリアの方で、病院に通っていました。
最近になり肝機能の数値が上昇してきた為心配になりこちらに相談に来られました。(ASTが48、ALTが96)
 
今の所症状はないが、最近疲れるようになり疲れが気になっていたとの事。
 
漢方の種類としては、

①ウイルスを抑える粉薬
②肝臓の炎症を抑える作用のある煎じ薬

の2種類を出させて頂きました。

漢方服用開始から11ヶ月、肝機能の数値が、AST31ALT43まで下がりどちらも正常値までになりました。
またHBV-DNA定量(体内のウイルスの状態の指標)を始めて計った所、10だったそうです。
 
漢方服用開始から1年1ヶ月、今回はHBV-DNA定量(体内のウイルスの状態の指標)の測定だけになり、9.6まで落ちたとの事でした。

漢方服用開始から1年11ヶ月AST34ALT50と若干肝機能の数値は上がってしまいました。
ただHBV-DNA定量(体内のウイルスの状態の指標)は落ちて、8.6まで落ちていました。
 
時間はかかっていますが、現在も体質改善に向け漢方服用中になります。
 

 
患者さんの声に他の患者様の症例ものっています。 どうぞ参考にされて下さい。
患者さんの声:肝臓疾患
 

 

※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。