胆石・胆砂・胆泥とは

胆汁(たんじゅう)の成分が固まって結石(けっせき)ができてしまうものを胆石と言います。
 
できる場所により「胆のう結石」「総胆管結石」「肝内結石」などと名称が違ってきます。
 
また、胆汁(たんじゅう)の成分が泥上や砂状になってしまうものを胆泥胆砂と言います。
 
近年日本では、総人口の10〜15パーセントが胆石・胆泥を持っているといわれ、中年以降の女性は男性より2倍多いといわれています。
 

胆石・胆砂・胆泥の原因

肝硬変や胆道感染、胆のうの動きの悪さなど色々な原因が考えられますが、一番は食生活と言われています。
 
近年の食生活は欧米化しており、脂質の多い食生活になっています。
 
そのため、胆汁の中のコレステロール比が増え、胆汁中で溶けきれないコレステロールがたまり、胆石・胆泥の原因になるのではないかと考えられています。
 

そもそも胆のうとは何をする臓器?

胆のうは肝臓から肝胆汁として排出された胆汁の約半分の量を蓄え、水分や塩分を吸収して1/5~1/10に濃縮した後、粘液を加えて食物摂取時にタイミングを合わせて十二指腸に送り出します。
 
脂肪分の多い食物が入ってくると、その中のアミノ酸、脂肪酸の刺激により、十二指腸、空腸から消化管ホルモン(コレシストキニン)が分泌され、これが胆のうの平滑筋を収縮させて胆汁を絞り出し、脂肪の消化を促進します。
 
簡単にいうと「胆のうは胆汁を出す事で脂を分解してくれる臓器」になりますね。

胆石・胆砂・胆泥が出来ると胆汁の流れが悪くなります。

胆汁は、脂肪を消化するための消化液です。
 
胆石・胆砂・胆泥が出来ると胆汁の流れが悪くなる事で、油の消化が出来なくなります。
油の消化が出来ない事で
 
・食後の右季肋部の痛み
・背中、肩、みぞおち、腰などの痛み
・発熱
・吐き気
 
などの症状に繋がってしまいます。
 
また胆石・胆砂・胆泥により細菌感染などをひきおこし、胆管炎胆のう炎などに繋がる事もあります。
 
胆のう炎も胆汁の流れが悪くなった時と同じ症状で、食後の右季肋部の痛み吐き気などになります。

胃痛と間違えやすい胆石症

 
〇食べ物を食べると胃が痛くて…
 
〇油ものを食べると下痢をしてしまう…
 
などの症状の方がいらっしゃいます。
 
どうしても胆のうは胃に近いので胃痛と勘違いしやすいですが、その胸やけや痛みは胆石の痛みかもしれません。
 
胆のうや胆管に石や砂が詰まると胃痛に似た症状が出る事が多いです。

胆石症・胆砂・胆泥・胆のう炎の漢方薬

胆石・胆砂・胆泥を溶かしてくれる煎じ薬(お茶)を小まめに飲んで頂きます。
 
普通のお茶と変わらないので少しずつ溶かしていく事が大事です。

胆のう炎の場合は、胆石・胆砂・胆泥を溶かしてくれる煎じ薬(お茶)に胆のうの炎症を取っていく漢方薬を併用させて頂きます。
 
他にも発作時に使う事の多い芍薬甘草湯なども頓服用で持っておくと安心です。

胆砂の症例

症例①(昭和30年生 女性)

30年ほど前に胆石が見つかり、最近症状が酷くなっている為ご相談に来られました。
 
症状としては、「慢性的に出る背中の張り」「ゲップやお腹の張り」との事。
 
漢方の種類としては、
 
胆のうの炎症を取る煎じ薬
胆石・胆砂を流すお茶
 
の2種類の漢方薬を出させて頂きました。
 
漢方服用開始から1ヶ月、背中の張りはほとんどなくなり、ゲップも少なくなっているとの事。
徐々に改善している感覚はあるとおっしゃって頂けました。
 
漢方服用開始から3ヶ月、背中の張り・ゲップ共に大分少なくなっているとの事。
忘れる時があるくらいまで減っているとおっしゃって頂けました。
 
漢方服用開始から5ヶ月、食べ過ぎた時にお腹の張りとゲップが気になる位でほとんど症状がないとの事。
大分良くなっているとおっしゃって頂けました。
 
漢方服用開始から9ヶ月、一度背中が痛くなった時があったが、それ以外はほとんど症状が気にならないとの事。
今の所順調に過ごしているとおっしゃっていました。
 
漢方服用開始から1年1ヶ月、たまに気持ちが悪くなる事があるが背中やお腹の痛みはほとんどないとの事。
調子が良いので「胆のうの炎症を取る煎じ薬」を半分まで減らしました。
 
胆石や胆砂がなくなったり少なくなる事で、消化も良くなっているのだと思います。
漢方薬の分量も減らす事が出来たので、引き続き体質改善に向け漢方服用中になります。
 

症例②(22年生、男性)

3ヶ月ほど前に腹痛がした為病院に行った所、胆砂があると診断。
 
経過観察をしていたが酷い腹痛がしてきた為、病院に行った所、1週間ほど入院になったそうです。
 
病院の先生から手術で胆のうを取る手術を勧められた為、どうにか手術は避けたいとの事でこちらにご相談に来られました。
 
症状としては、
 
・腹部膨満感
・ガスの出ずらさ
・脇腹の裏の痛み
 
とおっしゃっていました。
 
漢方の種類としては、
 
胆のうの炎症を取る煎じ薬
胆石・胆砂を流すお茶
 
の2種類の漢方薬を出させて頂きました。
 
漢方服用開始から2ヶ月、手術を予定していましたがエコー検査をした所、完全に砂がなくなっていたそうです。
手術も中止になり病院の先生も驚いていたとおっしゃっていました。
 
砂もなくなったのでご本人の希望により漢方治療を終了
胆石・胆砂を流すお茶のみ服用して頂いています。