
待ちに待ったお花見シーズン!日差しの暖かさに誘われて、春らしい薄着でお出かけしたくなる時期ですね。
しかし、お花見を楽しんだ日の夜や翌朝に、「急にお腹が痛くなった」「胃がキリキリする」といった不調を感じる方が急増しています。
この時期特有の急な冷え込みは、専門用語で「花冷え(はなびえ)」と呼ばれます。
自分では大丈夫だと思っていても、体の中(内臓)は想像以上に冷やされているかもしれません。
今回は、春の寒暖差がなぜ胃腸を直撃するのか、西洋医学と漢方の両面からその理由と対策を紐解きます。
【薬剤師 石川の視点】「花冷え」は胃腸の天敵。自律神経と血管の関係
こんにちは、胃腸担当の薬剤師・石川です。
なぜ、4月の冷え込みは冬の寒さよりもお腹にきやすいのでしょうか?
1. 血管の急激な収縮
西洋医学的な視点で見ると、皮膚が急激な冷気にさらされると、体温を逃がさないように末梢血管が収縮します。
すると、内臓へ送られる血液の循環にも影響が及び、胃腸の動き(蠕動運動)が乱れてしまいます。これが、急な腹痛や便通の乱れの原因の一つです。
2. 漢方で考える「風寒(ふうかん)」の侵入
漢方では、春の冷たい風を「風寒(ふうかん)」と呼びます。
春は毛穴が開き始める時期。そこへ薄着で冷風を浴びると、寒さが体の深部へ入り込み、胃腸のエネルギーである「脾陽(ひよう)」を弱めてしまいます。
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春の激しい寒暖差は、胃腸だけでなく自律神経全体に負担をかけます。

【薬剤師 椙田の視点】鎮痛剤の使用と「胃の粘膜」への配慮
薬剤師の椙田です。
私は病院での勤務経験から、急な腹痛や頭痛の際に、市販の鎮痛剤を服用される方を多く見てきました。
西洋医学の知識:鎮痛剤(NSAIDs)と胃の関係
例えば、頭痛や生理痛でよく使われるロキソプロフェン(商品名:ロキソニン等)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みを抑える素晴らしいお薬ですが、一方で「胃粘膜を保護する成分」の産生を抑えてしまうという側面があります。
「花冷え」でお腹が弱っている時に、空腹でこれらの強いお薬を服用すると、胃の不快感を助長してしまうことがあります。お薬を飲む際は、温かい飲み物や軽食を摂るなど、胃への負担を最小限にする工夫が大切です。
漢方では、痛みの「元」となる冷えそのものにアプローチし、胃腸のバリア機能を健やかに保つことを得意としています。
【比較表】お花見の「冷え」対策!OK・NG行動リスト
| カテゴリ | 〇 おすすめ(温めて守る) | × 要注意(冷やして弱める) |
| 服装 | ストール・カイロ(おへその下) (3つの「首」と腹部をガード) | 首元や足首を出した「完全な春服」 (日没後の急冷に対応できません) |
| 飲み物 | 温かい紅茶、ほうじ茶、白湯 (内臓から直接温める) | 氷入りのビール、冷たいジュース (冷え切ったお腹に追い打ちをかけます) |
| 食事 | 生姜、ネギ、大葉、スープ類 (温性食材で「内側から発熱」) | 冷たいサラダ、刺身、サンドイッチ (消化の際に多くのエネルギーを消費します) |
| 入浴 | 帰宅後すぐに40度前後の湯船へ (芯まで浸透した冷えを追い出す) | シャワーだけで済ませる (表面は温まっても内臓の冷えが残ります) |
【実例】お花見の翌日に必ずお腹を壊していた(30代 男性)
「体質に合った温め方で、春のイベントが楽しみに」
●ご相談内容
毎年、桜の季節になると外食やお花見が増えますが、決まって翌日に腹痛と軟便に悩まされていた男性。「胃腸が弱いのは体質だから仕方ない」と諦め、市販の整腸薬や下痢止めで対処していましたが、根本的に健やかなお腹になりたいと太陽堂へ。
●漢方でのアプローチ
漢方の視点では、この方は「脾(胃腸)」がもともと冷えやすく、外からの冷気に抵抗する力が不足している状態でした。
- 経過:お腹を芯から温める作用のある漢方薬を服用。同時にお花見の際も「温かい飲み物を持参する」「おへその下にカイロを貼る」という養生を実践していただきました。
- その後:「今年は夜桜を見に行っても、翌朝のお腹がどっしり安定していた!」と嬉しいご報告をいただきました。冷えに対するバリア機能が整ってきた証拠です。
お花見・花冷えの胃腸ケア FAQ
お腹が痛くなった時、すぐにカイロで温めても良いですか?
ロキソニンなどのお薬と漢方は併用できますか?
基本的には可能ですが、間隔を空けるのが望ましいです。
西洋医学のお薬(対症療法)と漢方(根本のバランス調整)は役割が異なります。
併用することで胃の粘膜を保護しながら痛みを抑えるといった組み合わせも可能ですが、成分の重複がないか、必ず薬剤師にご相談の上で服用してください。
コンビニで買える、お花見中の「お腹守り」フードは?
「ホットの生姜飲料」や「温かいお味噌汁」がおすすめです。
生姜(ショウガ)に含まれるショウガオールという成分は、加熱することで体を内側から温める力が強まります。
お花見の最中に「少し寒いな」と感じたら、冷たいお茶ではなく温かいカップ飲料を選んでみてください。
まとめ:春の胃腸は「外は花、内は火」を意識して
美しい桜に心を奪われている間、私たちの体は一生懸命に寒暖差と戦っています。
「まだ若いから」「少しの冷えくらい」と過信せず、内臓(火)を温かく保つことで、春の不調を未然に防ぐことができます。
もし、繰り返す胃痛や、季節の変わり目ごとの体調不良でお悩みなら、漢方でお腹の「底力」を高めてみませんか?
太陽堂が、あなたに最適な温めの養生をご提案いたします。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈


得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純


担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。
















