潰瘍性大腸炎について

炎症性腸疾患(炎症を伴う腸疾患)の1つで、大腸粘膜が炎症を起こしてただれ、びらんや潰瘍を形成します。
潰瘍性大腸炎の患者数は、年々増加傾向にあり13万人程度と言われています。
割合的には、人口10万人あたり100人ぐらいです。
発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性では25~29歳にみられますが、若年者から高齢者まで発症します。
男女比は1:1で性別に差は見られにくい病気になります。

潰瘍性大腸炎の原因と症状

kaiyouse原因は明らかになっていなく、大腸粘膜に対する異常な免疫反応、つまり、体のなかに異常な抗体ができ、これが自分の大腸粘膜を攻撃することなどが原因とされています。
他にも腸内細菌の関与食生活の変化の関与などが考えられていますが、まだ明確にはされていません。

タイプ別に分けると「再燃寛解型」「慢性持続型」「急性劇症型」「初回発作型」の4タイプに分かれます。

改善しても数カ月から数年後に再び悪化し、それを繰り返す場合を「再燃寛解型」

症状がだらだらとずっと続く場合を「慢性持続型」

発症・再燃から急激に症状が悪化するのを「急性劇症型」

発作は1回のみで将来、再燃寛解がみられない場合は「初回発作型」

最も多いのが「再燃寛解型」と言われ、一度改善しても再発してしまう事が多いです。

症状としては、便、粘血便、下痢、腹痛になり、ひどくなると体重減少や貧血、発熱がみられます。

初期の症状は腹痛とともに粘液が排便時に多くなり、下痢になります。
しだいに粘液の量が増え、血液が混じるようになったり(粘血便)、血便がでるようになります。
さらにひどく状態だと一日に10回以上も粘血便や血便が出るようになる事も…
「再燃寛解型」が多いので症状が一旦改善しても再発する確率は非常に高いです。

潰瘍性大腸炎の漢方薬

腹痛、下痢、血便を取り除く漢方薬が中心になってきます。

・半夏瀉心湯
・田七人参
・黄ゴン湯

それに加え免疫の調節が必要な為、人参製剤を使い免疫を調節していきます。

他にも、胆石や胆砂が原因の一部の事もありそちらの治療も並行して行う事があります。

紹介している漢方薬は、一部になりその方々に合わせて漢方薬をお作り致します。

潰瘍性大腸炎の症例

症例(昭和41年生、男性)

2年前に潰瘍性大腸炎になり、病院で調べた所、S状結腸に30cmの潰瘍が出来てしまったという事で相談に来られました。
症状としては下血・下痢・腹痛がになり頻度的には1日5~10回ほどの便をしてしまうとの事。
とりあえず便の回数も多いので辛いとおっしゃっていました。

漢方薬としては、

①下痢を止める粉薬を1種類。
②胆石や胆砂の症状が見られた為、胆石や胆砂を流す煎じ薬を1種類。
③下血を止める作用のある粉薬を1種類。

の3種類で治療を開始しました。

漢方治療開始から1ヵ月後、下痢、血便、下血はほとんど見られなくなったとの事。
便の形状は、普通便と変わりなし。病院でも改善が見られていると言われたそうです。

漢方治療開始から3ヵ月後、下血したりする事はたまにあるものの快方に向かっているそうで、順調に改善が見られていました。

漢方治療開始から1年後、下血や軟便もたまにあるが、最初に比べると大分少ないとおっしゃって頂きました。

漢方治療開始から2年後、病院で調べた所、潰瘍部分が大分小さくなっていると病院側でも驚かれたとの事。
潰瘍性大腸炎の治療薬であるアサコールも最初の頃の9錠から3錠に減り順調に改善していました。

潰瘍性大腸炎は、「再燃寛解型」が最も多い為長期での治療にはなってしまいます。
ただ漢方治療により症状や潰瘍部分で改善が見られてくる事は非常に多い疾患になります。