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足のつり・こむら返りに「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」|実は石や神経痛にも使う“万能”な痛み止め

2026 2/07
ブログ
2026年2月7日
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  3. 足のつり・こむら返りに「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」|実は石や神経痛にも使う“万能”な痛み止め
筋肉の緊張を解き痛みを止める漢方「芍薬甘草湯」の解説記事アイキャッチ。こむら返りの激痛(稲妻)が和らぎ、筋肉が緩む様子を表現したイメージイラスト

「最近、足がつってしまう…」

そんな時に使われる漢方薬といえば、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が有名ですよね。

「名前は聞いたことがある」「常備している」という方も多いのではないでしょうか?

でも実はこのお薬、足のつり(こむら返り)専用だと思ったら大間違いなんです。

胃の痛みや神経痛、さらには結石の痛みまで。

今回は、シンプルなのに実は奥が深い「芍薬甘草湯」の秘密と、意外な使い方について、痛み治療に詳しい太陽堂が解説します。



目次

芍薬甘草湯とは?たった2つの生薬が起こす奇跡

芍薬甘草湯は、その名の通り「芍薬(シャクヤク)」と「甘草(カンゾウ)」という、たった2種類の生薬からできている非常にシンプルな漢方薬です。

なぜ、たった2つでこれほど強力に効くのでしょうか?

1. 「白芍薬」が心と体を緩める

実は「芍薬」には2種類あることをご存知でしょうか?

  • 白芍薬(しろしゃくやく): 筋肉や緊張を「緩める」作用が強い。
  • 赤芍薬(せきしゃくやく): 血の熱を冷まし、ドロドロ血(オ血)を治す。

「桂枝茯苓丸」などの血流改善の漢方には「赤芍薬」が使われますが、この芍薬甘草湯に使われているのは、緩める力の強い「白芍薬」です。

この「緩める力」は筋肉だけでなく、精神的な緊張にも作用します。そのため、うつや不眠に使われる「加味逍遙散」や「抑肝散」などにも配合されているんですよ。

2. 「甘草」が痛みの緊急ブレーキ

漢方薬の多くに含まれる「甘草」には、抗炎症作用や、他の生薬の毒性を緩和する働きがありますが、それだけではありません。

甘草の強い甘みには「急迫緩和(きゅうはくかんわ)」といって、切羽詰まった痛みや緊張をホッと緩める作用があります。

この2つがタッグを組むことで、ギュッと固まった筋肉や神経を強力に緩めてくれるのです。


こむら返りだけじゃない!芍薬甘草湯の「3つの使い道」

筋肉を緩めるということは、足以外にも「筋肉が縮んで痛い場所」ならどこでも使えるということです。

1. 筋肉のけいれん・こむら返り

最も有名な使い方です。運動中や就寝中の足のつりはもちろん、胃痙攣(いけいれん)のような胃がキューッと差し込む痛みにも即効性があります。

2. 結石の痛み(胆石・膵石)

意外かもしれませんが、胆石や膵石(すいせき)の疼痛発作にも使われます。

石を溶かすわけではありませんが、石が詰まって痙攣している「胆管」や「膵管」を緩めて広げることで、石を流れやすくし、激痛を和らげる効果があります。

3. 神経痛・生理痛

坐骨神経痛などの急な痛みや、子宮の筋肉が収縮しすぎて起こるひどい生理痛にも、頓服(痛み止め)として活躍します。


【応用編】組み合わせ(合方)で効果倍増!

芍薬甘草湯はシンプルだからこそ、他の漢方や生薬を組み合わせる(合方・ごうほう)ことで、さらに幅広い痛みに対応できます。

ここでは、太陽堂でもよく行う「プロの使い分け」を表にまとめました。

組み合わせるもの漢方薬の名前こんな痛みにオススメ
+ 附子(ぶし)芍薬甘草附子湯
(しゃくやくかんぞうぶしとう)
冷えがある慢性痛
冷えると悪化する関節痛や、長引く神経痛に。体を温めながら痛みを止めます。
+ 附子・大黄・細辛芍甘黄辛附湯
(しゃっかんおうしんぶとう)
頑固な坐骨神経痛
特に下半身のしびれや激しい痛みに。デトックスと温めを同時に行います。
+ 抑肝散(合方)ストレス性の痛み
イライラして歯を食いしばる時や、肩こり・筋肉の緊張が強い時に。
+ 柴胡桂枝湯(合方)風邪の後の関節痛
風邪やインフルエンザの後、節々の痛みが長引く時に。

薬剤師 前原からの解説

芍薬甘草湯は単体でも優秀ですが、こうして組み合わせることで『冷え』や『古血』といった痛みの根本原因にもアプローチできるようになります。

使い方はまさに縦横無尽。『ただの痛み止めでしょ?』と思わず、長引く痛みでお悩みの方はぜひご相談ください。」



気になる「副作用」と「甘草」の注意点

これだけ万能な芍薬甘草湯ですが、一つだけ注意点があります。それは「甘草の摂りすぎ」です。

偽アルドステロン症に注意

甘草を大量に摂取し続けると、「低カリウム血症」といって、血圧が上がったり、ひどいむくみが出たりする副作用(偽アルドステロン症)が出ることがあります。かつては稀な副作用と言われていましたが、近年増えてきています。

知らずに食べている「隠れ甘草」

「薬はたまにしか飲まないから大丈夫」と思っていても要注意です。

実は、甘草は食品添加物(甘味料)として、たくあん、醤油、お菓子などに広く使われています。

食品からの摂取+漢方薬の摂取で、知らず知らずのうちに許容量を超えてしまうことがあるため、血圧が高い方や高齢の方は特に注意が必要です。


芍薬甘草湯に関するFAQ(よくある質問)

毎日予防で飲んでもいいですか?

基本的には「痛い時だけ」をおすすめします。

「足がつりそうだな」という日の寝る前や、運動前などにポイントで使うのが上手な使い方です。

毎日つってしまう場合は、脊柱管狭窄症などの違った原因があるかもしれないので下の記事をご参考にされて下さい。

新宿の漢方薬局【太陽堂】
夜中に足がつる原因は水分不足?実は「腰の神経」が原因かもしれません|新宿・太陽堂 夜中や明け方にふくらはぎがつる(こむら返り)のは、水分不足ではなく「脊柱管狭窄症」のサインかもしれません。病院の薬(芍薬甘草湯)で治らない理由と、漢方で神経と血…

どのくらいの速さで効きますか?

早ければ数分〜10分程度です。

漢方薬の中ではトップクラスの即効性があります。顆粒をお湯に溶かして飲むと、より吸収が早くなりますよ。


まとめ:シンプルだけど万能。痛みのレスキュー薬

足のつりに使われることの多い「芍薬甘草湯」ですが、

  • 筋肉を緩める
  • 痛みを取る

ことなら何にでも使えます。まさに「漢方界の万能痛み止め」です。

「私の痛みにも使えるのかな?」
「他の薬との飲み合わせが心配」

そんな方は、ぜひ太陽堂までご相談ください。痛みと薬のプロフェッショナルが、あなたに最適な活用法をアドバイスいたします。

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お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。

記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表

沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。

調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。

漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。

調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。

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記事作成者 薬剤師 椙田 彩純 

担当疾患;循環器、身体の痛み

臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。

大学卒業後、病院薬剤師として勤務。

対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。

現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。

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