
辛い「冷え性」を根本から変えたいあなたへ。漢方で紐解く原因と改善のヒント
布団に入っても足先が冷たくてなかなか寝付けない、オフィスで一人だけブランケットが手放せない……。
そんな「冷え性」の悩みは、ただ寒いという感覚以上に、心身のストレスになりますよね。
今日は少し専門的な視点も交えながら、あなたの冷えの正体について一緒に考えていきましょう。
ただの「寒がり」ではない? 冷え性の正体
一般的に「冷え性」とは、周りの人が寒さを感じない気温でも、手足や腰などが冷えて辛く感じる状態を指します。
病院で検査をしても明らかな異常が見つからないことが多く、「自律神経の乱れですね」や「体質ですね」と言われてしまうことも少なくありません。
しかし、私たち漢方の専門家は、冷えを「体全体のバランスが崩れている状態(未病)」と考えます。
「冷え性の改善」を目指すには、ただ体を温めるだけでなく、「なぜ体が冷えてしまうのか」という根本的な原因に目を向けることが大切です。
漢方における冷えのメカニズム:「気・血・水」
「漢方(東洋学的)な冷え」の関係を理解する上で欠かせないのが、「気(き)・血(けつ)・水(すい)」という考え方です。
これら3つの要素が体内でバランス良く巡っているとき、私たちは健康で温かい状態を保てるとされています。
1. 気(き):体を温めるエネルギー
生命エネルギーそのもの。体を温める熱源のような働きをします。
気が不足すると、ボイラーの火が弱まったようになり、熱を作れなくなります。
2. 血(けつ):熱を運ぶ運び手
全身に栄養と熱を運ぶ血液のような働きです。
血が足りなかったり、ドロドロして流れが悪かったりすると、末端まで熱が届きません。
3. 水(すい):体を潤す水分
体液や水分。体を潤すと同時に、過剰になると体を冷やす性質があります。
雨に濡れた服を着ていると寒くなるように、余分な水は冷えの原因になります。
あなたはどのタイプ? 体質から見る冷えの傾向
太陽堂の相談カウンターでも、一言で「冷え」と言っても、お客様によってその症状や背景は全く異なります。ここでは代表的な3つのタイプをご紹介します。
エネルギー不足タイプ(気虚)
「常に手足が冷たい」
「疲れやすく、風邪をひきやすい」
という方は、熱を作る力そのものが弱っています。
まずは休息と、お腹に優しい食事が必要です。
血流が悪いタイプ(瘀血)
「手足は冷たいのに顔はのぼせる」
「肩こりがある」
という方は、熱の巡りが悪くなっている状態です。
血液の巡りを良くすることが「冷え性の改善」の鍵です。
水分ため込みタイプ(水滞)
「足がむくみやすい」
「雨の日に不調になる」
という方は、余分な水が体を冷やしています。水分代謝を助けるケアが重要です。
一目でわかる! 冷えタイプ別比較表
ご自身の体質に近いものはどれでしょうか? わかりやすく表にまとめました。
| タイプ | よくある症状 | 漢方的な原因 | おすすめの食材・養生 |
| エネルギー不足 (気虚) | ● 全身が冷えやすい ● 疲れが取れない ● 食欲不振・胃腸が弱い | 「熱を作る力」が 不足している | 【温める・休む】 イモ類、根菜類、鶏肉など。 激しい運動より十分な睡眠を。 |
| 巡り停滞 (瘀血) | ● 手足は冷えるが顔はのぼせる ● 生理痛が重い ● イライラ・肩こり | 「熱を運ぶルート」が 滞っている | 【巡らせる・緩める】 シソ、ネギ等の香味野菜。 入浴や運動で血流増加。 |
| 水分ため込み (水滞) | ● 足がむくみやすい ● 体が重だるい ● 雨の日に体調不良になる | 「余分な水」が 体を冷やしている | 【出す・温める】 豆類、海藻類、生姜など。 冷たい飲み物を控え、適度な運動を。 |
※これらは代表的な例です。実際には複数のタイプが混ざり合っていることも多くあります。
今日からできる! 漢方的な冷え性改善の養生
「漢方(東洋学的)な冷え」の対策の基本は、薬だけでなく、日々の生活習慣(養生)にあります。
- 食材の選び方 体を温める食材(根菜類や香味野菜)を意識し、夏野菜や冷たい飲み物は控えめにしましょう。
- 「3つの首」を温める 首、手首、足首。太い血管が通る場所をガードすることで、効率よく全身を温められます。
- リラックスの時間を持つ 特にストレスが原因の冷えには、深呼吸や入浴で心身を緩めることが効果的です。

漢方と冷え性に関するよくある質問(FAQ)
読者の皆様から、太陽堂によく寄せられるご質問をまとめました。
漢方薬を飲めば、すぐに冷え性は治りますか?
漢方は、一時的に体を温めるだけでなく、体質そのものを整えて「自ら熱を作り、巡らせる体」を作ることを目指します。
そのため、服用してすぐにポカポカと感じる方もいれば、じっくりと時間をかけて「冷え性の改善」を実感される方もいらっしゃいます。
個人差はありますが、まずは3ヶ月を目安に体調の変化を見ていくことをおすすめしています。
市販の漢方薬と、薬局で相談する漢方は何が違いますか?
「漢方」・「冷え」と検索すると多くの薬が出てきますが、大切なのは「自分の体質(証)に合っているか」・「冷えている原因は合っているか」です。
例えば同じ「足の冷え」でも、血不足の人と水が溜まっている人では選ぶべき漢方が全く異なります。
専門家による相談では、細かい体質を見極めて最適なものをご提案できるのが大きな違いです。
冷え性ではなく、ただの寒がりなだけかもしれません。相談しても良いですか?
もちろんです。「ただの寒がり」と思っていても、実は体のエネルギー不足(気虚)が隠れていることが多々あります。
未病(病気になる前の段階)のうちにケアすることで、将来の不調を防ぐことにも繋がりますので、お気軽にご相談ください。
おわりに:あなたの「冷え」に寄り添う相談を
冷え性は、長年の生活習慣や体質の積み重ねの結果です。だからこそ、焦らずじっくりと体と向き合うことが大切です。
「自分の冷えの原因がわからない」 「色々と試したけれど、良くならない」
そう感じている方は、一度専門家に相談してみませんか? 太陽堂では、あなたのお話をじっくりと伺い、顔色や舌の状態、声のトーンなどから総合的に体質を判断します。
「漢方での冷え対策」で、今年の冬は今までより少し温かく、心地よい毎日を過ごせますように。
次に読んでほしい記事
ご相談の多い疾患・お問い合わせ
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。












