
「ステロイドの塗り薬をやめたら、顔の赤みやブツブツが以前よりも激しく悪化してしまった。もう何を信じて塗ればいいのか分からない」
「顔全体がヒリヒリと火照って、ファンデーションでも赤みを隠しきれない。毎日鏡を見るたびに気持ちが沈んで外に出たくなくなる」
「毎晩『酒さ様皮膚炎 完治』とネットで検索する毎日。この強烈な赤みは、いつか本当に消えてくれるのだろうか……」
酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)は、顔という「隠せない場所」に真っ赤な症状が出るため、痛みや痒みといった症状の程度以上に、患者さまの心を深く消耗させ、自尊心を奪うご病気です。
特に、ステロイドを手放そう(やめよう)とする過程で一時的に赤みが爆発的に強くなる時期(いわゆるリバウンド・離脱症状)は、出口のない暗いトンネルの中にいるように感じられます。
この記事では、患者さまが一番聞きたい「完治しますか?」というご質問への店頭での一番正直な答えと、辛い離脱期を和らげながら「赤みの出にくい肌」を内側から根本的に育てていく漢方の考え方を、薬剤師の視点から解説いたします。
【この記事の結論:「酒さ様皮膚炎・顔の赤み」に対する漢方の考え方】
- 起こる理由(原因): 西洋医学ではステロイドの長期外用による皮膚の菲薄化(薄くなること)と毛細血管の拡張などが背景とされますが、漢方では顔に上ってこもった「熱」と、血や水の巡りの滞り、疲労による肌の回復力の低下が土台にあると考えます。
- 漢方の解決策: 漢方薬で顔にこもった熱を冷まし(清熱・消炎)、滞った血や水の流れを整えることで、ステロイドの減薬と漢方をうまく並走させ、つらい離脱期(リバウンド)を和らげながら健康な肌を育てます。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 酒さ様皮膚炎、酒さ(赤ら顔)、ステロイドの長期連用による副作用、ステロイドをやめたら顔の赤み・ブツブツ・ヒリヒリが悪化した方、リバウンドが怖くてやめられない方
酒さ様皮膚炎とは——きっかけは人それぞれ、悩みは「顔の赤み」に集まる
酒さ様皮膚炎は、顔全体の強い赤み(紅斑)やほてり、ヒリヒリ感、ニキビのようなブツブツ(丘疹・膿疱)が長く続く皮膚のご病気です。
アトピーや湿疹などの治療のために、「ステロイドの塗り薬(またはプロトピック軟膏など)を、顔に長期間使い続けた後に起こる副作用」として発症するものが代表的でよく知られていますが、太陽堂にご相談に来られる患者さまの経緯を見ると、実はきっかけは一つではありません。
- ステロイドやプロトピック軟膏の使用後に、赤みが引かなくなった(一番多いケース)
- 疲労や強いストレスの蓄積で、ある日突然顔の赤みが出てきた
- 新しい化粧品に変えたことをきっかけに、肌が荒れて発症した
- コロナ等の感染症の後に、顔の赤みが発症して引かなくなった
- 毎晩の飲酒や暴飲暴食が続いた時期から、ほてりと赤みが出てきた
このように発症の経緯は多岐にわたりますが、患者さまの訴えとして一番多いのは「隠せない顔の赤み」、それに次いで「ほてり(熱感)」「ヒリヒリとした痛み」です。また、気温差(暖かい部屋に入った時など)、飲酒、化粧品の刺激、精神的ストレスなどが、一気に赤みを悪化させるきっかけになりやすいという特徴があります。
「完治しますか?」への、店頭での正直な答え
検索欄に「酒さ様皮膚炎 完治」と打ち込んで、希望と絶望を繰り返したことのある方はきっと多いはずです。太陽堂の店頭でも、初回の相談で全く同じ質問を何度も、切実な思いでいただきます。
私たちは、その質問に対してこうお答えしています。
「現在の『10』ある症状の赤みが、漢方薬で完全に『0(ゼロ)』になるとはお約束できません。『1〜3』程度のわずかな赤みが残ることはあります」
期待していた答えと違って、がっかりさせてしまったかもしれません。ただ、根拠なく「漢方で絶対に治ります」と無責任なことを言うことは、医療従事者である私たちにはできません。
大切なのは、「10」あった症状が「1〜3」まで落ち着けば、「他人に気づかれない」「軽いメイクで自然にカバーできる」「鏡を見ても落ち込まず、普通に外出できる」毎日を取り戻せる方が多い、ということです。
幻の「ゼロ」を追いかけて、少しの赤みで一喜一憂し続けるより、「赤みに振り回されない普通の生活」をゴールに置く。それが、店頭で多くの方の辛い顔と向き合ってきた私たちの、一番現実的で正直なご提案なのです。
【薬剤師コラム①】リバウンドのつらい時期を、独りで耐えないでください
担当薬剤師:林
酒さ様皮膚炎の治療において、ステロイドの塗り薬を減らそう(やめよう)とする過程で、顔の赤みやブツブツ、ヒリヒリ感が元の状態よりも激しく燃え上がる時期(リバウンド・離脱症状)は、患者さまにとって一番つらく、心が折れる局面です。
「せっかく勇気を出して薬をやめたのに、なんでこんなに悪くなるの……」と、鏡の前で泣き崩れる方をたくさん見てきました。
店頭で私がお伝えしているのは、「ステロイドの減薬と漢方薬の内服をうまく並走(連携)させることで、その一番つらい離脱期を和らげることにも繋がる」ということです。
こもった顔の熱を冷まし、炎症を鎮める漢方薬で内側から支えながら、皮膚科の先生と相談してステロイドの強さや塗る回数を『段階的』に少しずつ減らしていく——。独りで急に薬をやめて、激しいリバウンドに歯を食いしばって耐えるより、ずっと現実的で心にも肌にも優しい道です。
ステロイドを自己判断で「一気にやめる・耐えきれずに一気に再開する」の繰り返しは、肌のバリアを破壊し、一番のダメージになります。皮膚科にかかっている方は主治医の先生と相談しながら、漢方はその横にしっかりと並走させてください。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 原因となるお薬(ステロイド等)の整理と、今ある炎症を抑える治療 | 赤みや熱の出にくい肌の環境・土台を、内側から根本的に整える |
| 得意なこと | 診断の確定、外用薬(ロゼックス等)・内服薬(抗生物質)による炎症の管理 | こもった熱の冷却・血流や水の巡り・疲労など、体質からのアプローチ |
| 代表的な手段 | ステロイドの中止、メトロニダゾール外用、ミノサイクリン等の内服 | 熱を冷ます漢方薬、血流を整える漢方薬、胃腸や疲れを整える漢方薬 |
| 気になる点 | ステロイドをやめる過程で、一時的に赤みが激しく強くなる時期がある | 体質の根本からの変化のため、効果実感までに月単位の期間が必要 |
| 両者の関係性 | ステロイドからの離脱と炎症管理の「主役」 | 減薬の段階に漢方を合わせて並走させることで、つらい離脱期を和らげる |
漢方の組み立て——「清熱・巡り・疲労」の3つの視点
太陽堂では、酒さ様皮膚炎を「ただ顔の表面が荒れているだけ」とは捉えず、全身のバランスの崩れとして、以下の3つの視点で漢方をオーダーメイドで組み立てます。
軸① 清熱・消炎——顔に上った熱を冷ます漢方薬
- 狙い: 赤み・ほてり・ヒリヒリ感の大元には、漢方でいう「顔に上ってこもった熱」があります。まずはこの顔に集中した熱を冷まし、火事を鎮火させる(炎症を鎮める)方向の漢方薬を、組み立ての中心に据えます。
軸② 体内の血や水の流れを整える漢方薬
- 狙い: 熱が顔という一箇所にこもり続ける背景には、全身の血や水の巡りの滞り(瘀血:おけつ)があります。血や水の流れを整えることで、冷ました熱を全身に散らし、再び顔に熱がこもりにくい(赤みがぶり返しにくい)状態を目指します。
軸③ 疲労が見られる方は、疲れを取り去る漢方薬
- 狙い: 疲労の蓄積をきっかけに発症・悪化する方が少なくありません。疲れを取り去り、肌の回復力(ターンオーバー)を支える方向をあわせて組み立てます。
この3つの視点を、現在の症状の強さ・発症の経緯・これまでのステロイドの使用歴に合わせて精密に調整します。ご相談の際は、これまで使ってきたお薬や化粧品の流れも、分かる範囲で全てお聞かせください。
【改善実例】赤みが引いていったエピソード(服用終了まで)
太陽堂に実際にご相談に来られた方の実例を、記録からご紹介します。
【ステロイドを変えても改善しなかった顔の赤み】20代 女性|1ヶ月で赤みが引き始め、4ヶ月で漢方終了
【ご相談時の状態】 半年前から顔に赤みが出るようになり、病院で「酒さ様皮膚炎」と診断された20代の女性です。使用していたステロイドの種類を変えて様子を見たものの改善が見られなかったため、ご相談に来られました。顔全体の赤みとヒリヒリ感が気になり、「寒暖差や寝不足、生理周期によって赤みが強くなる時もある」とのことでした。
【太陽堂の提案】 ①炎症を取る漢方薬 ②血流を整える漢方薬 の2種類を組み合わせてお出ししました。
- 1ヶ月後: 赤みやヒリヒリ感が引いてきたとのこと。
- 2ヶ月後: 先月よりもさらに赤みやヒリヒリ感が改善し、生理周期や寝不足などでも乱れが少なくなったとのこと。
- 4ヶ月後: 赤みはほとんど出てきておらず、調子も良いため漢方薬を一旦終了となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
【薬剤師コラム②】スキンケアの正解は「増やさない」こと
担当薬剤師:林
「肌に優しいオーガニックの化粧水に変えた方がいいですか?」「保湿のためにクリームをたっぷり塗った方がいいですか?」——酒さ様皮膚炎の患者さまから、毎日のスキンケアの質問も店頭でとても多くいただきます。私がお伝えしているのは、とてもシンプルな次の2つだけです。
- 今まで使っていた化粧水などが刺激になっていない(塗ってヒリヒリしない)のであれば、原則そのまま使い続けて大丈夫です。無理にすべてを手放す必要はありません。
- 一方で、新たにあれこれと美容液やクリームを「使い始める」のは控えた方が望ましいです。
「肌に良さそうだから」「酒さに効くとネットに書いてあったから」という理由で増やした新しい化粧品が、今のバリア機能が壊れて極度に敏感になっている肌には、かえって「強烈な刺激(異物)」になることが非常に多いためです。
赤みが強くて辛い時期のスキンケアは、「足す」ことよりも「増やさない(引き算する)」ことが正解です。
肌を内側から立て直す仕事は漢方薬とあなた自身の身体の回復力に任せて、外からはあれこれ塗らずに「そっと見守る」くらいの距離感で付き合ってあげてくださいね。
よくあるご質問(FAQ)
酒さ様皮膚炎は、漢方で完全に完治しますか?
薬剤師として正直に申し上げて、10ある症状の赤みが「必ず0(赤ちゃんのような肌)になる」とはお約束できません。1〜3程度のうっすらとした赤みが残ることはあります。
そのうえで、赤みが他人に気づかれない程度まで落ち着き、メイクで自然にカバーでき、「赤みに振り回されない普通の生活」を取り戻せた実例はあります。幻のゼロを追うより、そこを現実的なゴールとして一緒に進んでいきましょう。
ステロイドの塗り薬は、今すぐやめるべきですか?
自己判断で一気にやめる(断薬する)ことは、絶対にお勧めしません。
やめる過程で赤みが強くなる時期(リバウンド・離脱症状)があるためです。皮膚科にかかっている方は主治医の先生と減らし方を相談しながら、その「減薬の段階」に漢方薬を合わせて並走させることで、つらい離脱期を和らげることにも繋がります。
化粧(ファンデーション)はしてもいいですか?
今まで使っていたものが塗って刺激になっていない(ヒリヒリしない)のであれば、原則使っていただいて大丈夫です。
「スッピンで外に出るのは精神的に辛すぎる」という方がほとんどですので、メイクで心を落ち着かせることも大切です。ただし、新たに色々な下地やコンシーラーを使い始めるのは控えた方が望ましいです。敏感になっている肌には、新しい成分ほど刺激になりやすいためです。
悪化のきっかけには、どんなものがありますか?
気温差(急に暖かい部屋に入る等)、長風呂、アルコールの飲酒、香辛料、化粧品の刺激、ストレスのほか、疲労の蓄積や暴飲暴食も悪化のきっかけになりやすい要因です。
実例の女性も、寒暖差や寝不足、生理周期で赤みが強くなる時があるとのことでした。ご自身の「どんな時に赤みが強くなるか(乱れるパターン)」を知っておくことが、対策の第一歩になります。
どのくらいの期間で変化が出ますか?
実例の方のように、1ヶ月で赤みやヒリヒリ感が引き始めた方もいらっしゃいます(※個人差があります)。
発症からの期間や、ステロイドの強さ・使用歴の長さによって、立て直しに必要な期間は変わってきます。焦らず、月単位で肌の土台を内側から立て直していくイメージで腰を据えてお考えください。
改善した実例はありますか?
はい、あります。この記事でも、ステロイドを変えても改善しなかった顔の赤みが4ヶ月で落ち着き、漢方を一旦終了できた方の記録をご紹介しています。
ほかの皮膚疾患の症例も症例ページで公開していますので、あわせてご覧ください。
まとめ:ゼロを追うより、「振り回されない肌」へ
ステロイドをやめようと決意して悪化し、耐えきれずにまた塗ってしまい、また悪化する——その無限のループの中で、肌だけでなく心まで完全に疲れ切ってしまう前に、漢方薬という内側からの選択肢を知っていただきたいのです。
- 「完治」への一番正直な答えは「1〜3程度の赤みが残ることはある」。目指すゴールは、赤みに心が振り回されない生活を取り戻すこと。
- ステロイドの減薬と漢方をうまく並走させることで、つらいリバウンド期(離脱症状)の爆発を和らげることにも繋がる。
- 漢方の組み立ては「顔の熱を冷ます(消炎) + 血や水の巡り + 疲労のケア」。スキンケアは「足すより増やさない」が正解。
「鏡を見るたびに気持ちが沈む毎日から抜け出して、前を向いて歩きたい」
そう思われた方は、どうぞ一人で抱え込んで悩まずに太陽堂へご相談ください。
発症の経緯、これまでのステロイドやお薬の使用歴、そしてあなたの体質を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、あなたの肌と心に寄り添う漢方ケアをご提案いたします。
【ご相談をご希望の方へ】
酒さ様皮膚炎に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。全国対応のオンライン相談も承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
顔の赤み・皮膚に関するさまざまなお悩みについて、以下の記事もあわせてご覧ください。
▼脂漏性皮膚炎——顔の赤み・頭皮のフケのお悩みに
▼清上防風湯——顔のほてりと赤いポツポツ肌へのサポート
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。














