
「肘や膝の皮膚が赤く盛り上がり、フケのような粉がボロボロと落ちて床を汚してしまう。人の視線が気になって、夏でも絶対に肌を出せない」
「病院で処方された強いステロイドを塗れば一時的に赤みは落ち着くけれど、塗るのをやめるとまたすぐに戻る。この出口のない毎日を、いつまで続ければいいのだろう」
「気づけば最初に出た場所から範囲が少しずつ広がってきて、このまま全身に広がって治らなくなるのではないかと不安になる」
乾癬(かんせん)というご病気は、痛みや痒みといった症状そのものの辛さに加えて、「人にうつるのではないかと誤解されないか」「温泉やプールに行けない」「美容院に行きづらい」といった『人の視線による心の負担・ストレス』が極めて大きいのが特徴です。
太陽堂に乾癬のご相談に来られる方が口を揃えておっしゃるのも、まさに「ステロイドを塗っても抑えきれなくなってきた」「範囲が広がってきた」「人の視線が辛い」という3つのお悩みです。
この記事では、塗り薬に頼りきるだけの毎日から一歩踏み出したい方のために、身体の内側から『ターンオーバー(皮膚の異常な生まれ変わりのリズム)』を根本的に整えていく漢方の考え方を、薬剤師の視点から正直に解説いたします。
【この記事の結論:「乾癬・ステロイドを塗り続ける毎日」に対する漢方の考え方】
- 起こる理由(原因): 西洋医学では免疫の乱れによって皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)が通常より大幅に速くなり、未熟な細胞が蓄積して赤み・盛り上がり・粉(鱗屑)が生じるとされます。漢方では、身体にこもった「熱」と、老廃物をさばく「解毒力」の低下が土台にあると考えます。
- 漢方の解決策: 西洋薬(ステロイド等)で外から炎症を抑えつつ、漢方で「身体の熱を冷ます」「解毒の働きを高めてターンオーバーを正常なリズムに戻す」ことで、薬に頼りきらなくても済む皮膚の土台を育てます。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 尋常性乾癬、ステロイドやビタミンD3外用薬を塗り続けている方、症状の範囲が広がってきた方、繰り返す赤み(紅斑)・フケ様の粉(鱗屑)・痒みにお悩みの方
乾癬のご相談で一番多い悩み——「塗っても抑えきれない」
乾癬は、皮膚が赤く盛り上がり(紅斑)、その表面が厚く硬くなっていくのが特徴のご病気です。そして最大の特徴は、その表面からフケのような銀白色の粉(鱗屑:りんせつ)がポロポロと剥がれ落ちることです。
太陽堂にご相談に来られる方の中心も、この「ステロイドやビタミンD3のお薬を塗っても、もう限界で抑えられない」「どんどん範囲が広がる」という皮膚症状のお悩みです。加えて、患者さまの2〜3割ほどは強い「痒み」を伴っており、無意識に掻き壊してしまうこと(ケブネル現象)によって、さらに新しい病変ができて症状が悪化するという悪循環に陥っています。
ご相談のほとんどは「尋常性乾癬」です
乾癬にはいくつかタイプがありますが、太陽堂でのご相談のほとんどは、一般的な「尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)」の方です。
また、乾癬のご相談のうち1割程度は、指や手首などにリウマチのような関節の腫れや激しい痛みを伴う「関節症性乾癬(乾癬性関節炎)」の方もいらっしゃいます。(※関節症状がメインの方は、専用の解説記事をご用意していますので、記事末尾のリンクからあわせてご覧ください。)
【薬剤師コラム①】「やめる」ではなく「頼りきらない」を目指す
担当薬剤師:前原
「一生ステロイドを塗り続けるのが怖いので、今日から薬を全部やめて、漢方薬だけで治したいと考えています」
太陽堂の店頭で、このように悲痛な決意を持ってお声をかけていただくことが本当によくあります。そのお気持ちはとてもよく分かるのですが、薬剤師として最初にお伝えしたい大切なことがあります。
ステロイド外用薬や、生物学的製剤(注射のお薬など)を使いながらの『漢方薬との併用』は、特に問題ありません。というより、いま使っている病院のお薬を自己判断で「今日から急にやめる」ことは、激しいリバウンドを引き起こす恐れがあるため絶対にお勧めしません。
私たちが漢方治療で目指すのは、「今日からステロイドを無理やりやめる」ことではありません。
病院のお薬の力で外側からの炎症をコントロールしてもらいながら、漢方薬で身体の内側の熱を冷まし、ターンオーバーを整える。そして、「お薬に頼りきらなくても済む肌の土台が育っている」——というゴールを目指していくことです。
漢方は病院の治療を敵視するものではありません。西洋医学と漢方の「役割の違い」を理解し、うまく両輪を回していくのが一番の近道です。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 今出ている皮膚の炎症を「外側」から強力かつ素早く抑え込む | 炎症が起こりにくい身体の環境・代謝を「内側」から根本的に整える |
| 得意なこと | 豊富な選択肢(ステロイド・ビタミンD3外用、光線療法、生物学的製剤) | ターンオーバーの乱れ・内臓(解毒)の働き・痒みなど、体質からのアプローチ |
| 代表的な手段 | ステロイド外用薬、オテズラ錠、注射薬(コセンティクス等) | 熱を冷ます漢方薬、解毒の働きを高める漢方薬、ターンオーバーを整える漢方薬 |
| 気になる点 | 塗るのをやめると元に戻りやすく、「一生塗り続ける毎日」になりやすい | 体質の根本からの変化のため、月単位でじっくり取り組む必要がある |
| 両者の関係性 | 今すぐ皮膚の暴走を食い止める「対症療法の軸」 | 対立ではなく併用OK。外から抑えつつ内側の土台を育てる「二人三脚」が現実的 |
漢方の組み立て——炎症・ターンオーバー・内臓の「3つの視点」
太陽堂では、乾癬を「ただ皮膚の表面が荒れているだけの問題」とは決して考えません。皮膚は身体の内側の状態を映し出す鏡と捉え、患者さまの症状に合わせて次の3つの視点で漢方をオーダーメイドで組み立てます。
軸① 炎症を鎮め、ターンオーバーの異常を整える(清熱解毒・涼血)
- 狙い: 乾癬の赤みや盛り上がりの大元には、東洋医学でいう「熱」が皮膚の下にこもっている状態があります。この熱が、皮膚の細胞を異常なスピードで生まれ変わらせてしまう(ターンオーバーの暴走)原因と考えます。まずはこの「こもった熱」を冷まし、皮膚の生まれ変わりのリズムを正常に戻す方向の漢方薬を、組み立ての中心に据えます。
軸② 内臓の働き(解毒力)を整える
- 狙い: 乾癬の背景には、胃腸や肝臓など「内臓の疲れ・解毒処理能力の低下」が深く隠れていると考えます。身体の中に溜まった老廃物をしっかりさばく解毒の力(肝・腎の働き)を内側から支え、皮膚に負担をかけないクリーンな身体の環境を整えます。
軸③ 症状に合わせて加える漢方薬(痒み・乾燥への対応)
- 狙い: 上記の2つの軸に加えて、患者さまの辛い症状に直接アプローチします。我慢できない痒みが強い方には痒みを鎮静する方向を、皮膚の乾燥やひび割れが目立つ方には「血の潤い」を与えて皮膚を養う方向(養血潤燥)を、お一人おひとりに合わせて緻密に加えます。
目安として、まずは「3ヶ月」で皮膚症状の赤みの軽減や、痒みがある方はその鎮静が見られるかどうかを確認しながら、ターンオーバーのリズムと内臓の働きを少しずつ改善し、症状の出る頻度や悪化を鎮めていきます。
【改善実例】「塗り続ける毎日」から抜け出していったエピソード(服用終了まで)
太陽堂に実際にご相談に来られた方の実例を、記録からご紹介します。
①【20年来の乾癬・病院薬でも悪化】30代 男性|3ヶ月で湿疹が薄くなり、1年2ヶ月で服用終了
【ご相談時の状態】 20年前から皮膚症状があり、病院で「尋常性乾癬」と診断された方です。長年病院の薬(塗り薬や飲み薬など)を使用し続けていたものの、ここ最近症状がひどくなってきたためご相談に来られました。頭部から手足の爪にかけて湿疹が所々に見られ、かさぶた状(鱗屑)にもなっており、「意識すると痒みが出て無意識に掻き壊してしまう」とのことでした。
【太陽堂の提案】 ①解毒を高める漢方薬 ②熱を鎮めてターンオーバーを整える漢方薬 の2種類を組み合わせてお出ししました。
- 3ヶ月後: 痒みはなく、湿疹も薄くなっているとのこと。
- 7ヶ月後: 掻き壊すこともなくなり、湿疹は少なくなっているとのこと。当初よりも治まっているのを実感されていました。
- 1年2ヶ月後: たまに起こる痒みもすぐに治まり、皮膚の状態も良いとのことで、服用終了となりました。
②【塗り薬・紫外線療法でも改善しなかった】10代 女性|6ヶ月で湿疹が出なくなり、3年3ヶ月経過も良好
【ご相談時の状態】 半年前から皮膚症状が出て、病院で「尋常性乾癬」と診断された10代の方です。病院での塗り薬や専用シャンプー、さらには紫外線療法(光線療法)を受けても改善が見られなかったため、ご相談に来られました。頭部や体の所々に斑点状の湿疹が出ており、痒みはほとんどない状態でした。
【太陽堂の提案】 ①解毒を高める漢方薬 ②皮膚のターンオーバーを整える漢方薬 をお渡ししました。
- 1〜3ヶ月後: 湿疹が落ち着き、赤みも薄くなってきたとのこと。
- 6ヶ月後: 乾癬の特徴的な湿疹が出てこなくなっているとのこと。
- 1年〜3年3ヶ月後: 湿疹が出てきてもすぐに治まる状態が続き、綺麗な皮膚の状態が長く保てているとのこと。症状が出てくることはほぼないとのことでした。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
【薬剤師コラム②】悪化のきっかけと食事——「縛りすぎない」が太陽堂流
担当薬剤師:前原
「先生、乾癬を治すために、何を食べてはいけませんか?」
太陽堂で乾癬のご相談をお受けする際、必ずと言っていいほど聞かれるご質問です。
乾癬は、もともとの体質的な要素(遺伝的になりやすい素因)が潜んでいるところに、ストレス・季節の変化・食事・飲酒などの「環境要因」が加わることで、症状の発生や悪化のスイッチが入ると考えられています。ですから、ご自身の悪化のきっかけになりやすい要因を知っておくことは大切です。
ただ、食事の制限について店頭でお伝えしているのは、意外に思われるかもしれませんが「これといった厳しい縛り(絶対食べてはいけないもの)はありません」ということです。
もちろん暴飲暴食は良くありませんが、「お肉はダメ」「甘いものは絶対ダメ」とあれもこれも縛りすぎると、それ自体が強烈なストレスになってしまい、そのストレスがまた乾癬を悪化させるという最悪の悪循環に陥ってしまいます。
その代わり、「特定の食べ物を摂った後に症状が乱れるパターンがある場合は、その食材を控えていただく」——という、とてもシンプルなルールでお願いしています。
「何がダメか」は人によって違います。ご自身の「悪化の引き金」を私たちと一緒に見つけながら、無理なく笑顔で続けられる暮らし方を考えていきましょう。
よくあるご質問(FAQ)
病院で処方されたステロイドや生物学的製剤(注射)を使っていますが、漢方薬と併用できますか?
はい、併用いただけます。特に問題はありません。
コラムでお伝えした通り、いま使っているお薬を自己判断で急にやめることはリバウンドの恐れがあるためお勧めしません。外側からの治療で症状を抑えつつ、漢方で内側の土台を整えていく形が現実的です。飲んでいるお薬・塗っているお薬は、ご相談時にすべてお薬手帳等でお知らせください。
どのくらいの期間で変化が出ますか?
まずは「3ヶ月」を一つの目安として、皮膚の赤みの軽減や、痒みがある方はその鎮静が見られるかを確認します。
皮膚のターンオーバーのサイクルがあるため、実例①の男性のように3ヶ月で湿疹が薄くなり始めた方もいらっしゃいますが、個人差があります。そこから内臓の働きを改善しながら、症状の出る頻度や悪化の波をじっくりと鎮めていきます。
費用はどのくらいかかりますか?
目安として、1週間あたり5,000円前後〜(1ヶ月で2万円前後から)とお考えください。相談料は無料です。
症状の範囲や体質、組み合わせる漢方の種類・数によって金額が変わるため、お作りする前に必ず金額をはっきりとお伝えし、ご納得いただいてからスタートします。ご予算のご希望がある場合も遠慮なくお聞かせください。無理なく続けられる形を一緒に考えます。
乾癬だけでなく、指や手首の関節の痛み(関節症性乾癬)もあるのですが、相談できますか?
はい、ご相談いただけます。太陽堂での乾癬のご相談のうち1割程度は、関節症状を伴う方です。
関節の腫れや痛みがメインの方には、皮膚の熱を冷ますだけでなく、関節の炎症と血流を整えるアプローチを組み合わせます。(※関節症状が強い方向けの専用の解説記事もご用意していますので、記事末尾のリンクをご覧ください。)皮膚と関節、両方の状態をお伺いして組み立てを考えます。
乾癬は漢方で「完治」しますか?
薬剤師として正直に申し上げて、「必ず完治します(一生再発しません)」というお約束はできません。
乾癬はもともとの体質が関わるため、良くなったり悪くなったりの波が出やすいご病気です。そのうえで、症状の出る頻度や悪化の程度を鎮め、「症状がほぼ気にならない状態」を長く保てた実例はあります。目指すゴールを私たちと一緒に決めながら進めていきましょう。
改善した実例はありますか?
はい、あります。この記事でも、20年来の乾癬が1年2ヶ月で服用終了となった方などの記録をご紹介しています。
ほかの症例も症例ページで公開していますので、ご自身と近い経過の方を探してみてください。
まとめ:塗り続けるだけの毎日に、内側からの選択肢を
「塗れば一時的に落ち着くけれど、やめれば必ず戻る」——この終わりの見えない繰り返しは、患者さまの身体だけでなく、心も深く疲れさせます。
- ステロイドや生物学的製剤との併用は問題なし。「急に薬をやめる」のではなく、漢方で「薬に頼りきらない土台」を目指す。
- 漢方の組み立ては「異常な熱を冷ましターンオーバーを整える + 内臓の働き(解毒力)を整える + 痒み・乾燥への対応」。
- まずは3ヶ月で皮膚症状の軽減が見られるかを目安に、頻度と悪化の波をじっくりと鎮めていく。
「人の視線に怯えず、温泉に入ったり好きな服を着られる毎日を取り戻したい」
そう思われた方は、どうぞ一人で抱え込んで諦めずに、太陽堂へご相談ください。
症状の出ている範囲、これまでの治療とお薬の内容、そしてあなたの体質を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、あなたの身体を内側から変える漢方ケアをご提案いたします。
【ご相談をご希望の方へ】
尋常性乾癬に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。全国対応のオンライン相談も承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
皮膚とお薬に関するさまざまなお悩みについて、以下の記事もあわせてご覧ください。
▼乾癬性関節炎(関節の腫れ・痛みを伴う方へ)
▼大人のアトピー——ステロイドをやめるとぶり返す方へ
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。













