
「病院で出された降圧剤を毎日しっかり飲んで、血圧の数値は正常になった。なのに、ひどい頭痛だけがずっと続いている」
「肩から首がガチガチにこって、夕方になるとふわふわとしためまいがする。でも病院で相談しても『血圧の数値は問題ないですよ』と言われるだけ」
「数字は確かに下がったのに、身体は楽になっていない。この辛い症状は、いったい何なの?」
健康診断で高血圧と診断されて降圧剤(血圧を下げる薬)を飲み始め、数値は落ち着いた——それなのに、「頭痛」「肩こり」「めまい」が残っている方のご相談が、太陽堂には多く寄せられます。多い順に、頭痛、その次に肩こり、そしてめまいです。
店頭でこのお悩みを伺ったとき、薬剤師が患者さまによくお伝えする一言があります。
「その症状、もともと血圧が高いこと『だけ』が原因ではなかったのかもしれませんよ」
この記事では、その言葉の意味と、血圧の数値が正常になってもなぜか残る辛い症状に対する漢方薬の考え方を、実際の記録とともに薬剤師の視点からご説明します。
【この記事の結論:「降圧剤で数値は正常なのに頭痛・肩こり・めまいが残る」に対する漢方の考え方】
- 症状が起こる理由: 西洋医学では高血圧の随伴症状とされますが、降圧剤で数値が整っても残るなら、その症状の原因は血圧の数字ではなく、首や肩の「血流の滞り(瘀血)」、頭に上がった「熱(肝陽上亢)」、耳や頭の「余分な水(水毒)」にあると漢方では考えます。
- 漢方の考え方: 病院の降圧剤(数値を管理する薬)は続けたまま、漢方で①頭に上がった熱を鎮める ②首・肩の血の滞りを流す ③余分な水をさばく——という組み立てで、「血圧の数値」ではなく「症状そのもの」を物差しにして、頭痛やめまいが出にくい身体を目指します。
- 対象となる主なお悩み: 高血圧症、降圧剤を飲んで血圧は正常なのに頭痛が続く方、肩こり・首こりが取れない方、めまい・ふわふわ感・耳鳴りが残る方、「血圧は問題ないから」と病院で言われて行き場のない方
「血圧は正常なのに、なぜ症状が残るのか」——店頭での答え
「先生、降圧剤で血圧は120台まで下がりました。でも、毎日の頭痛と肩こりは全然変わらないんです。薬が合っていないのでしょうか」
このご相談に、店頭ではこうお伝えしています。
「その頭痛や肩こりは、もともと『血圧が高いから』起きていたわけではなかったのかもしれませんよ」
健診などで初めて「血圧が高い」と分かると、それまで抱えていた頭痛や肩こりも、すべて「血圧が高いせいだったんだ」と結びつけて考えがちです。
確かに、とても高い血圧が頭痛を引き起こすことはあります。けれど、降圧剤を飲んで血圧の数値が正常になったのに症状がそのまま残っているのなら、その症状の原因は「血圧の数字」ではありません。
首や肩の血の巡りの滞り(瘀血:おけつ)、ストレスで頭に上がった熱(気逆)、身体に溜まった余分な水(水毒)、自律神経の張り詰め——こうした「身体の土台にある体質の乱れ」が、高血圧を引き起こすと『同時』に、頭痛・肩こり・めまいを起こしていた、と漢方では考えます。
血圧の数値だけを降圧剤で整えても、この土台の体質の乱れはそのままなので、症状だけが置き去りにされて残ってしまうのです。だからこそ、症状そのものを見て整える漢方薬の出番になります。
【薬剤師コラム①】「数値」と「症状」は、別々の物差しで見てください
担当薬剤師:石川
「病院の先生に『血圧は問題ないから大丈夫』と言われたので、この毎日の頭痛と肩こりは、もう我慢して痛み止めを飲み続けるしかないのかと思っていました」
そうおっしゃる方に、私はいつも「『血圧の数値』と『あなたの辛い症状』は、別々の物差しで分けて考えましょう」とお伝えしています。
降圧剤(アムロジピンやオルメサルタンなど)は、高すぎる血圧の数値を下げて、脳卒中や心筋梗塞などの血管の事故から命を守るための、大切なお薬です。
ただ、そのお薬の受け持ちはあくまで「血圧の数値を下げること」であって、あなたの「首のこり」や「頭の重い痛み」を治すことではありません。
数値が整ったあとに残る症状は、あなたの身体が発している「まだ血流や水はけのバランスが悪いよ」というサインです。
ここを整えるのが、漢方薬の受け持ちです。降圧剤で「数値(命)」を守りながら、漢方薬で「症状(生活の質)」を整える。この二段構えが、一番現実的で楽になる道だと考えています。
降圧剤・痛み止め——病院治療との付き合い方
病院では、降圧剤で血圧の数値を管理し、それでも残る頭痛には「ロキソニンなどの痛み止め」、めまいには「メリスロンなどのめまいの薬」が対症療法として出されることがほとんどです。
ここで必ず守っていただきたいのは、「漢方を始めたからといって、降圧剤を自己判断で急にやめないでください」ということです。血圧が急に上がって危険です。降圧剤を減らすかどうかは、漢方で体質が整い血圧がさらに落ち着いてきた段階で、主治医の先生と相談して進めます。
また、痛み止めやめまいの薬も「今日から全部やめる」と無理をして我慢するのではなく、漢方薬で症状の頻度が減ってきたら、自然と「飲む回数が減っていく(痛い時だけ飲むようになる)」という形が一番安全です。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 降圧剤で数値を管理し血管を守る。残る症状には痛み止め・めまい薬 | 頭痛やめまいを起こしている体質(熱・血の滞り・水)を整える |
| 得意なこと | 血圧数値のコントロール、今ある痛みを薬で一時的に抑える | 「血圧の数値は正常なのに残る辛い症状」へのアプローチ |
| 代表的な手段 | 降圧剤(カルシウム拮抗薬等)、ロキソニン、メリスロン | 頭の熱を冷ます漢方薬、肩の血流を流す漢方薬、水をさばく漢方薬 |
| 気になる点 | 痛み止めを飲み続けることによる胃腸への負担、「数値良し」で症状が放置されがち | 体質からの変化のため、効果実感までに月単位の期間が必要 |
| 両者の関係性 | 数値を管理し血管の事故を防ぐ「治療の主役」 | 対立ではなく併用OK。「数値」は降圧剤、「症状」は漢方の二段構え |
漢方の組み立て——症状の「型」で見る3つの視点
太陽堂では、残っている症状に対して「ただの痛み止め」ではなく、患者さまの症状の出方(型)に合わせて以下の3つの視点で漢方を組み立てます。
軸① 頭に上がった熱を鎮める漢方薬——ズキズキする頭痛・顔のほてり
- 狙い: ストレスやイライラ、緊張が続くと、東洋医学でいう「気(熱)」が頭に上り(肝陽上亢)、ズキズキと脈打つような頭痛や顔のほてり、目の充血、不眠が出ます。この血管にこもった熱を鎮め、上がった熱を下半身に下ろす方向を組み立てに入れます。
軸② 首・肩の血の滞りを流す漢方薬——ガチガチの肩こり・重い頭
- 狙い: 血の巡りが滞る(瘀血)と、首から肩の筋肉が硬くこわばり、頭全体にヘルメットを被ったような重い痛みが出ます。滞った血流を改善(活血)して、こりと頭の重さをほどいていきます。肩こりから頭痛につながる方(緊張型頭痛タイプ)は、ここが中心です。
軸③ 余分な水をさばく漢方薬——ふわふわするめまい・耳の症状
- 狙い: 胃腸が弱く、身体に余分な水分が滞る(水毒)と、内耳(耳の奥)に水が溜まり、雲の上を歩いているような「ふわふわしためまい」や「ぐるぐる回るめまい」、耳鳴り、頭の重だるさが出ます。水の巡りを整えて尿として流すことで、めまいが出にくい状態を目指します。
これらの視点を、症状の出方(痛みの種類・こりの場所・めまいの質)と体質に合わせて調整します。物差しは血圧の数値ではなく、「頭痛薬を飲む回数が減ったか」「肩こりの強さがどう変わったか」「めまいの頻度」——症状そのものの変化です(※効果の感じ方には個人差があります)。
【改善実例】頭痛・肩こりが落ち着いていったエピソード
太陽堂に実際にご相談に来られた方の実例を、記録からご紹介します。
①【肩こり・頭痛を伴う高血圧】50代 女性|1ヶ月で肩こりが減り、9ヶ月で治療終了
【ご相談時の状態】 何年か前から血圧の上昇に悩み、ご相談に来られました。血圧は高いときで150/90くらい。それ以上に毎日の体調として「肩こりや頭痛が抜けない」という辛い症状を抱えていらっしゃいました。
【太陽堂の提案】 血流の滞り(瘀血)と血管の熱ととらえ、①首から肩の血流を改善する漢方薬 ②血管の熱を取る漢方薬 の2種類を組み合わせてお出ししました。
- 1ヶ月後: 血圧は130/80くらいまで下がり、一番辛かった「肩こり」も少なくなっているとのことでした。
- 3ヶ月後: 血圧の数値は安定。肩のこりも少なくなり、それに伴って「頭痛も減っている」とのことでした。
- 7ヶ月後: 血圧は安定し、悩まされていた頭痛や肩こりも出ていない状態に。調子が良いため、漢方の飲む回数を1日1回に減らしました。
- 9ヶ月後: 血圧も安定したまま、体調も良く、肩こりや頭痛も出ていないとのことで、漢方薬を治療終了となりました。
②【降圧剤を飲んでいても頭痛・目の痛み】50代 女性|1ヶ月で頭痛が減り、6ヶ月で安定(継続中)
【ご相談時の状態】 2年ほど前に脳動脈瘤と高血圧と診断された方です。「これ以上動脈瘤が大きくならないように」とご相談に来られました。一番気になる自覚症状は「目の奥の痛みと頭痛」。血圧は病院の降圧剤(アムロジピン等)を毎日飲んでいても「150/85くらい」から下がらない状態でした。
【太陽堂の提案】 ストレス(自律神経の乱れ)と血の滞りととらえ、①血管の弾力を保つ漢方薬 ②出血を予防し血流を流す漢方薬 ③ストレス(自律神経の乱れ)の熱を緩和する漢方薬 の3種類を組み合わせてお出ししました。
- 1ヶ月後: 毎日悩んでいた「頭痛」が少し減って、頭のスッキリ感が出てきました。血圧も130台まで落ち着いています。
- 3ヶ月後: 引き続き血圧も安定し、頭痛のない調子の良い日が続いています。
- 6ヶ月後: ストレス等で血圧がたまに上がることもあるが比較的安定し、一番辛かった「目の痛み・頭痛」もなく過ごせています。
- 9ヶ月後: 病院での動脈瘤の検査はまだですが、頭痛などの自覚症状は落ち着いて過ごせており、土台作りとして現在も継続中です。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。お薬の変更は主治医の判断で行ってください。
よくあるご質問(FAQ)
血圧の数値は正常なのに、なぜ頭痛や肩こり、めまいが残るのですか?
店頭でお伝えしている通り、「その症状は、もともと血圧が高いこと『だけ』が原因ではなかった」可能性があるからです。
血の巡りの滞り(瘀血)・頭に上がったストレスの熱・余分な水(水毒)・自律神経の乱れが、高血圧と同時に頭痛やめまいを起こしていることが多く、血圧の数値だけを降圧剤で下げても、この体質の乱れが残っている限り症状は残りやすいのです。漢方薬で症状そのものを見て整えていきます。
降圧剤と漢方薬は併用できますか?
はい、併用いただけます。病院の降圧剤は自己判断で絶対にやめないでください。
お薬を減らすかどうかは、漢方で体質が整い、血圧の数値がさらに落ち着いてきた段階で、主治医の先生と相談して進めます。現在使用中のお薬(痛み止め等も含む)は、ご相談時にお薬手帳などですべてお知らせください。
病院の痛み止めやめまいの薬は、漢方を始めたらやめてもいいですか?
急に全部やめる(我慢する)のではなく、漢方薬で症状の頻度が減ってきたら「少しずつ飲む回数を減らしていく(痛い時だけ飲む)」形が一番安全です。
「今週は痛み止めを飲む回数が3回から1回に減ったな」ということが、漢方が効いてきているかどうかの大切な物差しになります。
どのくらいの期間で変化が出ますか?
実例のように1ヶ月ほどで肩こりや頭痛が減り始める方もいらっしゃいますが、安定するまで月単位でじっくり確認していきます(※個人差があります)。
物差しは血圧の数値ではなく、「頭痛薬を飲んだ回数」「肩こりの強さ(首の回しやすさ)」「めまいの頻度」です。症状の変化を私たちと一緒に見ていきましょう。
費用はどのくらいかかりますか?
目安として、1週間あたり5,000円前後〜(1ヶ月で2万円前後〜)とお考えください。相談料は無料です。
体質や組み合わせる漢方の種類によって金額が変わるため、お作りする前に必ず金額をお伝えし、ご納得いただいてからスタートします。ご予算のご希望も遠慮なくお聞かせください。
まとめ:「数値」は降圧剤で守り、「症状」は漢方で整える
「血圧は正常になったんだから、もう大丈夫ですよ」
病院でそう言われて、毎日の頭痛や、肩こり・めまいを、誰にも分かってもらえず一人で我慢していませんか。
- 降圧剤で数値が正常になっても残る症状は、もともと血圧が原因ではなく、体質の乱れ(血流や水はけ)が原因の可能性があります。
- 降圧剤は自己判断でやめないでください。漢方薬は「熱を鎮める + 血の滞りを流す + 余分な水をさばく」の3つのアプローチで、症状の側を整えます。
- 変化の物差しは「血圧の数値」ではなく、「頭痛薬を飲んだ回数」「肩こりの強さ」「めまいの頻度」です。
「血圧は問題ない」と言われて行き場をなくし、毎日痛み止めを手放せない方へ。
症状の具体的な出方(どんな時に痛むか、めまいがするか)、血圧の経過、飲んでいるお薬、そしてあなたの体質を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、あなたの辛い症状を和らげる漢方ケアをご提案いたします。
【ご相談をご希望の方へ】
高血圧に伴う症状(頭痛・めまい・肩こり)に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。全国対応のオンライン相談も承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
血圧・生活習慣病に関するさまざまなお悩みについて、以下のページもあわせてご覧ください。
▼高血圧——「降圧剤を一生飲むのか」と不安な方へ
▼高血圧の店頭記録(症例一覧)
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。











