
「先生、わざわざ病院に行くほどじゃないと思うんですが……」
新宿の漢方薬局「太陽堂」の店頭やオンライン相談で、この遠慮がちなひと言から始まるご相談が本当に数多くあります。
だるい、眠りが浅い、胃が常に重い、気分が上がらない。高熱があるわけでも、どこかが激しく痛くて歩けないわけでもない。だから「ただの疲れだから」と病院に行く理由が見つからず、かといってそのまま放っておくと毎日がどうしようもなくしんどい。
先に太陽堂の結論・答えをお伝えすると、「病院に行くほどじゃない」とあなたが感じているその状態こそ、漢方相談が昔からいちばん得意にし、力を発揮してきた場面なのです。
「行くほどじゃないから」と我慢しなくていいんです。前置きはそのままで全く構いません。「行くほどじゃないんですが」とご予約いただき、そのまま相談に来ていただいて大丈夫です。
このページでは、その「病院に行くほどじゃない不調」を漢方相談でどう扱うのか、相談のときに何を持ってきて、何を話せば話がスムーズに進むのか、そして病院(西洋医学)との使い分けはどうするのかを、薬剤師の視点からご説明します。
(※「だるいけど、何科の病院に行けばいいか分からない」と迷っている方は、診療科の目安をまとめた記事を別に用意していますので、そちらもあわせてご覧ください。このページは「漢方薬局の相談そのものの使い方」のお話です。)
【この記事の結論:「病院に行くほどじゃない」不調と漢方相談の使い方】
- 「行くほどじゃない」の正体: はっきりとした病名がつく手前の、身体の余力(体力・自律神経・胃腸の力)がすり減っている段階です。東洋医学ではこれを「未病(みびょう)」と呼び、病気になって倒れる前にこの段階で整えることを昔から大切にしてきました。
- 漢方相談の使い方: 使い方はシンプルです。①会社の健診結果か血液検査の紙があれば持ってくる(病院は必須ではありません) ②「いつから・一番つらいこと一つ・悪化する場面」の3つだけを話す ③漢方薬でまず3ヶ月を一区切りに、「調子が崩れる回数が減ったか」を一緒に見る——この3つだけで十分です。病名がなくても、症状の出方から身体の状態(体質)をとらえて漢方薬を組み立てます。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 原因のはっきりしない不調(不定愁訴)、病院に行くべきか迷っている方、検査では異常なしと言われた方、未病ケア、漢方相談を初めて利用する方
「病院に行くほどじゃない」不調が起きる理由
「行くほどじゃない」と感じる漠然とした不調には、一つの共通点があります。
それは、西洋医学の検査で数字に異常が出るような「臓器の壊れ方」ではなく、身体の余力(バッテリー)がジワジワと減って「寝ても回復が追いつかない」というサインの形で出ているということです。
太陽堂では、こうした不調の土台を「肝臓の負担」「自律神経の乱れ」「体力の低下」の3つに大きく分けて考えています。店頭でお話を伺うと、「行くほどじゃない」と我慢している方のほとんどは、このどれかがすり減っている状態です。
- 自律神経の乱れ: 眠りが浅い、頭が休まらない、人混みでどっと消耗する、気圧が変わると崩れる。身体のオン・オフの切り替えが追いついていない状態です。
- 体力(気)の低下: 夕方に必ず電池が切れる、休日に寝だめしても月曜に戻らない、年に何度も風邪をひく。身体を回復させるために使う貯金そのものが減っている状態です。
- 肝臓・胃腸の負担: お酒や会食が続く、食欲にムラがある、胃が常に重い。食べたものをエネルギー(気血)に変える力が落ちている状態です。
東洋医学には、この「病気の手前」を指す「未病(みびょう)」という言葉があります。はっきりした病名(異常)はつかないけれど、身体はもうサインを出している状態。漢方薬局は、まさにこの未病の段階のご相談を受けるための場所なのです。
だから、「行くほどじゃない」という思いは、相談を諦める理由ではなく、「今、漢方相談に向いている理由」になります。
それでも、先に病院で「確かめて」ほしいこと
漢方相談が得意な分野とはいえ、店頭で患者さまにお伝えしていることがあります。
「病名が知りたいわけではないので、病院(クリニック)への受診は必須ではありません。ただ、何が起きているか特定されていない状態なら、一度内科で一般的な『血液検査』を受けておくことは役に立つときがあります」ということです。
なぜなら、「行くほどじゃない、ただの疲れだ」と自己判断して我慢していた不調の裏に、実は貧血、甲状腺機能低下症、糖尿病、うつ病などが隠れていることがあるからです。直近1年以内の会社の健診結果の紙があれば、まずはそれをご持参いただくだけで構いません。
※激しい胸の痛みや強い動悸(循環器内科)/急な体重減少・高熱が何日も続く(内科をすぐに)/気分の落ち込みが2週間以上毎日続き仕事や家事に支障がある(心療内科・精神科)/ろれつが回らない・手足の麻痺やしびれ(脳神経外科)——こうした場合は「行くほどじゃない」ではありません。漢方の相談より先に、必ず該当する科の医療機関をすぐに受診してください。
漢方相談はこう使う|持っていくもの・話すこと3つ
「漢方薬局に相談に行っても、専門用語が分からないし、病名もないから上手く説明できる気がしない……」という不安の声もよく伺います。
でも、漢方相談に「病名」は要りません。私たちが必要としているのは「あなたの症状の具体的な出方」です。いつ、どんな場面で、どう体調が崩れるか。それを伺えば、身体のどこの余力(気・血・水)が減っているかをとらえて、あなたに合う漢方薬を組み立てることができます。
持っていくもの(あればで構いません)
- 健診結果か血液検査の紙: 医師から「異常なしですね」と言われた紙が、漢方薬を選ぶためのいちばんの材料になります。裏に隠れた病気がないと病院で確かめてある分、私たちは安心して「身体の余力」を整える話に集中できます。
- お薬手帳: 病院の処方薬・市販の痛み止めや漢方薬・サプリメントを飲んでいる方は必ずご提示ください。飲み合わせを薬剤師が確認します。
- スマホのメモ(不調メモ): 下の「話すこと3つ」を簡単な箇条書きでメモしておくだけで、相談の話が一気にスムーズに早くなります。
相談で話すこと(これだけで十分です)
- いつから: 「去年の秋の異動から」「産後からずっと」。不調が始まったきっかけがあれば一緒に教えてください。
- 一番つらいことを一つに絞る: だるさ・眠れない・胃もたれ・気分の落ち込み……症状がたくさんあっても、「今いちばん困っているもの」を一つに絞ってください。残りの症状は、私たちが問診の中で丁寧に伺って紐解いていきます。
- 悪化する場面(きっかけ): 朝が辛い/夕方から電池が切れる/人混みで消耗する/生理前になると崩れる/お酒を飲んだ翌日/低気圧の日。この「どんな場面で悪化するか」という情報が、漢方薬を選ぶいちばんの手がかりになります。
(※太陽堂での初めての漢方相談の具体的な流れ・所要時間・費用の目安については、以下の相談ガイドのページで詳しくご案内していますのであわせてご覧ください。)
【比較表】病院に向いている不調・漢方相談に向いている不調
病院(西洋医学)と漢方相談、どちらに行けばいいか迷ったときの「見分けのポイント」です。
| 見分けのポイント | 病院(西洋医学)が先 | 漢方相談(太陽堂)が向いている |
| 症状の出方 | 急に突然始まった、日に日に悪化する、激しい痛みや高熱がはっきりしている | 何ヶ月もダラダラ続いている、良い日と悪い日の波がある、時間帯や場面で変わる |
| 検査の状況 | まだ一度も受けていない、またはすでに数値に明らかな「異常」がある | 受けたが「異常なし」「疲れですね」「様子見」と言われた |
| 本人の感じ方 | 「これは普通じゃない、何か重い病気かもしれない」と思う | 「病院に行くほどじゃない」「ただの気のせいかも」と我慢してしまう |
| ゴール | 病気(原因)を見つけて、薬や手術で「ピンポイントで治療」する | 崩れにくい身体の土台を作り、崩れても自力で戻れる(回復できる)ようにする |
※右の「漢方相談が向いている」列に当てはまる方も、一度は左の「病院の検査」を済ませてから漢方相談に来ていただくのが安心です。両方を並行して上手に使い分けて進めている方は多くいらっしゃいます。
【薬剤師コラム①】「行くほどじゃない」と前置きする方ほど、我慢が長い
担当薬剤師:前原
「先生、わざわざ相談に来るような、病院に行くほどじゃないと思うんですが……」と、本当に申し訳なさそうに遠慮がちに切り出される患者さまに、「その不調は、いつ頃からですか?」と伺うと、「うーん、半年くらい前からです」「もう2、3年くらいは我慢しているでしょうか」という答えが返ってくることが少なくありません。
そうやって前置きする方ほど、周りの人に迷惑をかけたくない、大げさにして心配させたくない、と考えて、何年もの間、一人でじっと抱えて耐えてしまっています。
私が店頭で一番お伝えしているのは、「病院に行くほどかどうかを、ご自身で判断して我慢しなくていいんですよ」ということです。
病名が知りたいわけではないので、病院は必須ではありません。ただ、何が起きているか特定されていないなら、内科の血液検査は役に立つときがあります。検査をして「どこも異常はありませんね」と言われたら、そこからは私たち漢方薬局の出番です。
漢方相談では、難しい病名の代わりに「症状の出方(時間帯や場面)」を伺います。朝が辛いのか、夕方に切れるのか、人混みで消耗するのか。それだけで、あなたの身体のどこの余力(バッテリー)が減っているかは見えてきます。
前置きはそのままで構いません。その言葉のまま、我慢せずに一度私たちにご相談にお越しください。
相談のあと、どう進むか|3ヶ月で何を目安に見るか
「行くほどじゃない」未病の不調は、漢方薬を飲んで翌朝にすべて消え去るようなものではありません。太陽堂では「まず3ヶ月」を一つの単位として、次の変化を患者さまと一緒に確認しながら進めます。
- 崩れる回数(「週に何日辛かったか」というダウンする日が減ったか)
- 戻るまでの時間(「休日に崩れても、翌日の月曜には自力で戻れるようになったか」)
- 眠りと朝の状態(「起きたときの疲れの残り方が軽くなったか」)
- 「一番つらいこと」の変化(最初に一つに絞った一番困っていた症状が、どう変わったか)
- 相談前に一緒に決めたルール(寝る前のスマホ断ち、朝食を温かくするなど、日々の養生が続いているか)
「不調が完全にゼロになったか」という完璧主義ではなく、「調子が崩れる回数が減り、崩れても回復するのが早くなったか」を一番の物差しにしてください。それが、身体の余力(土台)が戻り始めたサインです。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
相談の前から始められる3つのこと
「相談に行くのはまだハードルが高い」という方へ。以下の「養生」を今日から実践するだけで、「使える身体(土台)」を作る準備ができます。
- 「不調メモ」を1週間だけつける: 「つらかった日と、その時の場面」をスマホに一行だけ書いてみてください。相談のときのよい材料になるだけでなく、ご自身でも「あ、私は夕方に疲れが集中している」「生理前に必ず崩れるな」といった自分の「型(パターン)」が客観的に見えてきます。
- 朝食を温かいものにする: 一日の身体の余力(エネルギー)は、食べたものから作られます。冷たいスムージーやヨーグルトだけで済ませている方は、おにぎりと温かい味噌汁一杯からで構いません。胃腸を冷やさないことが第一です。
- 寝る1時間前のスマホを手放す: 眠りが浅い方、朝からだるい方は、ブルーライトの刺激を断つだけで、翌朝の頭の重さと疲労感が変わることがあります。
【薬剤師コラム②】「気のせい」と言われた不調を、身体のほうから見る
担当薬剤師:石川
「思い切って病院で検査をしたのに、『異常なしですね、気のせいかストレスでしょう』と言われて、それ以上どこに相談していいか分からなくなりました……」というご相談も、太陽堂では本当に多く伺います。
医師から「気のせい」と片付けられてしまうのは、あなたの不調が嘘だからではなく、その不調が『西洋医学の血液検査の数値には表れにくい種類のもの』だからです。
自律神経の切り替えの力(オン・オフ)、体力の余力(残量)、胃腸の消化吸収の働き。こうした「身体の機能・働き」そのものは検査の紙には出ませんが、患者さまの「症状の出方(時間帯やきっかけ)」にははっきりと出ます。漢方相談は、まさにそちらの「働き」のほうを見る場所なのです。
「行くほどじゃない」という未病の段階でしっかりと整えておくと、本当に病名がついて倒れてしまうところまで進みにくくなります。身体にとっても、お薬の費用にとっても、いちばん負担が少なく済むのはこの初期段階です。
我慢の年数を、これ以上延ばさないでくださいね。
よくあるご質問(FAQ)
病名がないのに、どうやって漢方薬は選べるのですか?
漢方薬は西洋医学のように「一つの病名に対して一つの薬」を選ぶのではなく、「患者さまの身体の今の状態(体質)」に合わせて選びます。
同じ「だるさ」でも、朝が辛い方と夕方に切れる方では、身体の状態が違い、選ぶ漢方薬も変わります。病名がなくても、症状の具体的な出方・眠りの深さ・食事・ストレスを伺えば、あなたに合うものを組み立てることができます。
病院(内科)に行かずに、いきなり漢方相談に来てもいいですか?
はい、大丈夫です。病名が知りたいわけではないので、病院への受診は必須ではありません。
ただ、何が起きているか特定されていない状態なら、一般的な血液検査が役に立つときがあります。直近(1年以内)の会社の健診結果の紙があれば、まずはそれで十分です。
相談したら、必ず漢方薬を買わないといけませんか? 高いものを買わされそうで不安です。
いいえ。お話をじっくり伺ったうえで、「漢方薬が向いている状態か」「先に病院に行くべきか」から薬剤師として正直にお伝えします。
漢方薬をお作りする前に必ず1ヶ月の金額をお伝えしますので、それを聞いてからご検討いただいて全く構いません。無理にお勧めすることはありません。相談料自体はすべて無料です。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
まず「3ヶ月」を一つの単位として、崩れる回数・戻るまでの時間・眠りの深さを一緒に確認します(※個人差があります)。
生活の合図(寝る前のスマホ断ちなど)を変えるだけで2〜3週間で眠りの質が変わる方もいます。何年も我慢して続いている不調は、半年単位でじっくりと腰を据えて戻していく必要があります。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、週5,000円前後〜(月2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
患者さまの身体の状態によって組み合わせる漢方薬の内容が変わりますので、お作りする前に必ず金額をお伝えします。ご相談時にご予算のご希望(まずはこれくらいから始めたい等)も含めて率直にお伝えください。
まとめ|「行くほどじゃない」は、我慢する理由ではなく相談に向いている理由
「病院に行くほどじゃないんですが……」
- その段階は、東洋医学でいう「未病」。はっきりした病名がつく手前で身体の余力が減っている状態で、漢方相談がいちばん得意にし、力を発揮してきた場面です。
- 漢方相談に持っていくのは「健診結果の紙」と「お薬手帳」(あれば)。話すのは「いつから・一番つらいこと一つ・悪化する場面」の3つだけでOKです。病名は要りません。
- 病院は「隠れた病気がないか」を客観的に確かめる場所、漢方は「病気はないのに辛い未病」を整える場所。どちらかではなく、順番と役割の使い分けです。
前置きはそのままで全く構いません。「行くほどじゃないんですが」の言葉のまま、あなたの不調の出方、眠り、食事、そして検査の結果を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、新宿の漢方薬局「太陽堂」があなたに合った漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
「行くほどじゃない」不調は、だるさ、眠り、自律神経と深く関わっています。ご自身の症状に近いページもぜひご参照ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。















