
「春だけでなく、秋や冬、さらには一年中鼻が詰まっている」
「朝起きると鼻水が止まらず、薬を飲んでもすぐにぶり返してしまう」
「鼻水が喉の奥に流れ落ちてきて(後鼻漏)、息苦しくて眠れない」
近年、花粉の時期だけでなく、こうした「通年性の鼻炎」や「副鼻腔炎(蓄膿症)」でお悩みの方が年々増えています。
太陽堂にも、「花粉の季節じゃないのに鼻づまりが続く」「抗アレルギー薬を飲むと楽になるけど、やめるとまた悪化する」といった声が多く寄せられます。
一年中続く鼻炎や慢性副鼻腔炎は、単なる“鼻のトラブル”ではなく、体質の乱れが背景にある慢性的な不調です。だからこそ、一時しのぎではなく「体の内側から整えるアプローチ」が大切になります。
今回は、西洋医学的な知識(病院のお薬の特徴など)も交えながら、長引く鼻の不調の原因と、根本から体質を整える漢方のアプローチについて解説いたします。
【太陽堂における通年性鼻炎・副鼻腔炎の漢方ケアまとめ】
- 原因: 西洋医学ではアレルギー反応や細菌感染、自律神経の乱れとされるが、漢方では「水毒(水分の滞り)」や「気(免疫)の不足」「熱のこもり」と捉える
- アプローチ: 鼻の通りを促し、体内の余分な水分や熱を排出する生薬を用いた煎じ薬や粉薬で、根本的な体質改善を目指す
- 目安期間: 症状によるが、平均して3ヶ月〜半年で変化を感じ、1〜2年で安定した状態が定着するケースが多い
鼻炎・副鼻腔炎の治療|西洋医学と漢方の違い
長引く鼻水や鼻づまりで耳鼻咽喉科を受診すると、症状に合わせて様々なお薬が処方されます。病院のお薬と漢方薬には、それぞれ得意分野があります。
【比較表】西洋薬と漢方薬のアプローチの違い
| 項目 | 西洋医学のお薬(病院・市販薬) | 漢方薬・体質ケア |
| 主な目的 | 今あるつらい症状を素早く抑え込む | トラブルが起きにくい体質の土台を育む |
| 代表的なお薬 | 抗ヒスタミン薬(アレグラ、アレジオン等)、ステロイド点鼻薬、マクロライド系抗生物質(クラリス等) | 水分代謝を整える処方(小青竜湯など)、熱を冷ます処方(辛夷清肺湯など) |
| 得意な状態 | アレルギーの急な発作、急性副鼻腔炎の強い痛み・膿 | 一年中続く慢性的な鼻炎、寒暖差アレルギー、後鼻漏 |
| 特徴 | 効き目が早いが、やめると症状がぶり返しやすい | 胃腸や免疫のバランスから整え、再発を防ぐ |
西洋薬は「今すぐつらさをどうにかしたい」という急性期に非常に頼りになります。一方で、何ヶ月・何年と続く慢性的な症状に対しては、漢方で「なぜ鼻水が出続けるのか」「なぜ膿がたまるのか」という体質部分から見直すことが、穏やかな日常を取り戻す近道となります。
【薬剤師コラム①】市販の「点鼻薬」が手放せなくなっていませんか?
担当薬剤師:石川
「鼻が詰まると苦しいので、市販の点鼻薬を1日に何度も使ってしまう」というご相談をよくうかがいます。
市販の点鼻薬の多くには、「血管収縮剤(ナファゾリンなど)」が含まれています。これは腫れた鼻の粘膜の血管をギュッと縮めて、一時的に鼻の通りをスッと良くする成分です。しかし、使いすぎると粘膜がリバウンドしてさらに分厚く腫れ上がり、薬が効かなくなる「薬剤性鼻炎(肥厚性鼻炎)」を引き起こすリスクがあります。
もし点鼻薬が手放せなくなっている場合は、無理に一気にやめるのではなく、漢方で体の中から「水分の滞り」や「炎症」を静めながら、少しずつ点鼻薬に頼る回数を減らしていくアプローチをおすすめしています。
鼻の不調を長引かせる「3つの要因」
一年中続く鼻づまりや鼻水、後鼻漏の背景には、体の免疫バランスの乱れや、巡りの悪さが関係しています。漢方から見た代表的なパターンを3つご紹介します。
① 胃腸が弱っている・冷えがあるタイプ(水毒)
【特徴】食欲不振や下痢・軟便を伴うことがあり、常に体が重だるい
東洋医学では、胃腸が弱ると体内の水分代謝が滞ると考えます(水毒:すいどく)。体内の水分バランスが崩れ、鼻や喉に“余分な湿気(ダラダラとした透明な鼻水)”がたまりやすくなっている状態です。
② 抵抗力が弱っているタイプ(気虚)
【特徴】風邪をひきやすく、少し冷えると鼻がムズムズする。くしゃみが長引く
体を守るバリア機能であるエネルギー(気)が不足し、外からの刺激(温度差やホコリなど)に非常に敏感になっている状態です。いわゆる「寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)」の方に多く見られます。
③ 熱がこもるタイプ(熱邪)
【特徴】顔がほてり、鼻の中が乾燥して出血しやすい。黄色く粘り気のある鼻水が出る
体の中に過剰な炎症や熱がたまっているサインです。慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などで、ドロドロとした膿のような鼻水が出る方はこのタイプに当てはまることが多く、熱を冷まし膿の排出を促すケアが必要になります。
【薬剤師コラム②】「後鼻漏(こうびろう)」の不快感と漢方
担当薬剤師:林
鼻水が前に出ず、喉の奥に流れ落ちてしまう「後鼻漏」。常に喉に痰がへばりついたような違和感があり、咳払いが癖になったり、夜中に息苦しくて目が覚めたりと、非常に不快な症状です。
耳鼻科で抗生物質などを長く飲んでもなかなかスッキリしないという方も多くいらっしゃいます。漢方では、この症状を「鼻と喉の間にネバネバした水分(湿痰)と熱が停滞している状態」と捉えます。体にこもった熱を優しく冷まし、停滞している水分を流してあげることで、喉のイガイガ感や不快感が穏やかに整っていくケースが多く見られます。
【改善実例】長引く鼻水や後鼻漏が、漢方で穏やかに落ち着いたケース
① 喉に鼻水が詰まる後鼻漏と、血管運動性鼻炎のケース
【昭和37年生 女性】
1年ほど前から症状に悩み、病院で「血管運動性鼻炎」と診断。最近になって通年の「鼻づまり」や「鼻水」がひどくなり、喉に鼻水が流れ落ちて息苦しくなる「後鼻漏」も併発しているとのことでご相談に来られました。
太陽堂からは、①鼻まわりの炎症を和らげる漢方薬 ②鼻の詰まり(水分の滞り)を流す漢方薬 の2種類をご提案いたしました。
- その後: 漢方の服用を続けながら徐々に体質が整い、鼻水の症状が穏やかに。
- 2年2ヶ月後: 鼻づまりも気にならなくなり、非常に調子が良い状態が定着したため、無事に服用終了(卒業)となりました。
② 検査では「陰性」なのに続く、寒暖差による鼻水のケース
【50代 女性】
毎年寒くなると鼻水が出るため病院でアレルギー検査をしたものの「陰性」。抗アレルギー薬(アレグラなど)を飲んでも変化が見られず、ご相談に来られました。特に寒い所から暖房の効いた暖かい部屋に移動した時や、食後に症状が出るとのことでした。
太陽堂からは、①胃腸を助けて疲れを取る漢方薬 ②水の巡りを良くする漢方薬 を組み合わせてご提案いたしました。
- 3ヶ月後: 鼻水・後鼻漏ともに少なくなり、少しずつ楽になっている感覚があるとのこと。
- 1年後: 症状も気にならず、体調もすっかり良くなったとのことで服用終了となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
自宅でできる鼻炎ケアの養生法
鼻の不調を整えるには、漢方薬に加えて、生活の中で「体に湿気や熱をためない工夫」も大切です。
- 冷たい飲み物や甘いものを控える
胃腸を冷やすと水分代謝が滞り、ダラダラとした鼻水や鼻づまりを悪化させます。常温や温かい飲み物を選びましょう。 - こまめな睡眠とストレスケア
寝不足やストレスは免疫バランスを乱す要因になります。深呼吸やゆっくりとした入浴で、自律神経をリラックスさせる時間を取りましょう。 - 腸内環境を整える
胃腸の働きは鼻の粘膜の状態と直結しています。温かい食事や消化の良いものを摂り、胃腸に負担をかけない食生活を意識しましょう。
よくあるご質問(FAQ)
病院の薬(抗アレルギー薬・ステロイド点鼻薬)と併用できますか?
はい、基本的には併用いただけます。
病院のお薬で急な症状を和らげつつ、漢方で根本的な体質を整えるのは非常に有効なアプローチです。現在お使いのお薬手帳をお知らせいただければ、専門薬剤師が飲み合わせを確認のうえ、安全にご提案いたします。
副鼻腔炎で手術をすすめられています。漢方でよくなりますか?
症状の程度や緊急性によります。
膿が大量にたまって痛みが激しい場合などは、耳鼻科での治療(手術を含む)を優先・並行するのが基本です。そのうえで、漢方は「手術後の再発を防ぐ体づくり」や「慢性的に繰り返さないための体質ケア」の面で大きな力を発揮します。
どのくらいで良くなりますか?
体質や症状の深さにより個人差があります。
上のご相談例②の方は3ヶ月で変化を感じ、1年で漢方ケアを卒業されました。長年の慢性鼻炎の場合は、体質がしっかりと整うまでに年単位でじっくり取り組むケースも多くあります。焦らず、ご自身のペースで進めていきましょう。
まとめ:免疫バランスと水分の巡りを整えることが近道
通年の鼻づまりや後鼻漏は、お薬で一時的に症状を和らげることはできても、ベースとなる体質を立て直さない限り繰り返しやすいものです。
太陽堂では、一人ひとりの体質や生活習慣を丁寧に見極め、体の内側から鼻の通りを整え、トラブルを繰り返しにくい体づくりをサポートしています。
「季節を問わず鼻づまりが続く」
「点鼻薬やアレルギー薬が手放せない」
「後鼻漏が苦しくて眠れない」
そんな方は、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にLINEやDMで『鼻炎相談希望』とご連絡ください。体のバランスを優しく整えながら、息も気分もスッと軽くなる毎日を一緒に取り戻しましょう。
関連する疾患・次に読むページ
太陽堂には、鼻の不調や疾患別に詳しい解説ページをご用意しています。ご自身の症状や診断名に当てはまるページをぜひご覧ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。












