
忘年会・新年会・歓送迎会……お酒の席が続く時期、「翌朝の頭痛と吐き気」に悩まされていませんか?
実は太陽堂でも、定期的な勉強会やミーティングのあとに飲み会を開催しています。楽しくなってついついお酒がすすむ日もありますが(笑)、次の日はみんな朝から元気に働いています。
この記事では、その秘密――二日酔いが起きる仕組みと、飲む前・翌朝の対策、西洋薬との付き合い方、そして不調を優しく整える漢方の考え方について、薬剤師が分かりやすく解説いたします。
【太陽堂における二日酔い・お酒の不調の漢方ケアまとめ】
- 原因: 西洋医学では有害物質(アセトアルデヒド)の滞留や脱水、胃粘膜の荒れとされますが、漢方では体内の水分バランスが崩れた「水毒(すいどく)」や「胃腸機能の低下」と捉えます。
- アプローチ: 五苓散(ごれいさん)をはじめとする生薬処方により、過剰な水分の偏りを整えて排出を促し、弱った胃腸の働きをサポートします。
- 目安期間: 頓服(飲む前・夜・翌朝)として素早いケアが期待できるほか、普段からお酒で胃腸を壊しやすい方は、数ヶ月の体質ケアで根本から整えていきます。
二日酔いが起きる仕組みと西洋医学的な視点
お酒を飲んだ翌朝、なぜあんなにも体が重く、頭痛や吐き気がするのでしょうか。まずは西洋医学におけるアルコール分解のメカニズムを知ることが、対策への第一歩です。
アルコール分解の5つのステップ
二日酔いの直接的な原因は「アルコール」とその代謝物にあります。体内では次のようなステップで分解が進みます。
- 吸収: 胃や小腸でお酒(アルコール)が吸収される
- 循環: 血液に溶け込み、体内を循環したあと肝臓に流れ込む
- 代謝(第1段階): 肝臓で分解され、有害な「アセトアルデヒド」になる
- 代謝(第2段階): 肝臓の酵素(ALDH2など)の働きで「酢酸」に分解される
- 排出: 酢酸が体内をめぐり、最終的に「炭酸ガス」と「水」になって呼気や尿から排出される
お酒を飲み過ぎて肝臓の処理能力を超えてしまうと、途中で作られる「アセトアルデヒドの毒性」が体内に残り、ガンガンする頭痛や気分の悪さを引き起こします。また、アルコール直接の刺激による胃粘膜の発赤・荒れや、強い利尿作用による「脱水症状」も二日酔いの大きな要因です。
【薬剤師コラム①】二日酔いの頭痛に「市販の解熱鎮痛薬」を飲んでも大丈夫?
担当薬剤師:林
「頭が割れるように痛いから、とりあえず家にあったロキソニンやイブなどの頭痛薬(NSAIDs)を飲もう」とされる方がいらっしゃいますが、実はお酒が残っている状態での解熱鎮痛薬の服用には注意が必要です。
お酒(アルコール)は胃の粘膜を直接刺激して荒らしやすい性質があります。そこに胃粘膜への負担がある解熱鎮痛薬を重ねてしまうと、胃痛や胃潰瘍のリスクを高めてしまう恐れがあるのです。また、成分によっては肝臓で代謝されるため、お酒の処理で手一杯になっている肝臓にさらに負担をかけてしまいます。
痛みを無理に強い薬で抑え込むのではなく、水分補給を行いつつ、体内の「水の偏り」を自然に整えてあげるアプローチが身体に優しくおすすめです。
【比較表】二日酔いに対する西洋薬と漢方薬の違い
二日酔いのつらい症状に対して、病院での処方薬や薬局の市販薬(西洋薬)と漢方薬では、アプローチの仕方が異なります。
| 分類 | 主な成分・薬 | 主なアプローチ・得意なこと | 注意点・特徴 |
| 西洋薬(胃薬・制酸剤など) | H2ブロッカー、PPI、制酸剤など | 胃酸の分泌を抑え、荒れた胃粘膜を保護して胃の不快感を和らげる。 | 局所の症状を素早く抑えるが、体内の脱水や水分の偏り自体を整えるわけではない。 |
| 西洋薬(解熱鎮痛薬) | NSAIDs(ロキソプロフェン等)、アセトアミノフェン | ズキズキする頭痛の痛みのシグナルをブロックする。 | アルコールと併用すると胃粘膜を痛めたり、肝臓に負担をかけるリスクがある。 |
| 漢方薬(水毒ケア) | 五苓散(ごれいさん)など | 体のバランスを整え、過剰な水を尿として出し、足りない所へ巡らせる。 | 「水の偏り」による頭痛・むくみ・吐き気を同時に和らげる。胃への負担が少ない。 |
| 漢方薬(胃腸ケア) | 黄連解毒湯、半夏瀉心湯など | 胃のムカムカや熱っぽさを冷まし、胃腸の働きをサポートする。 | お酒による過剰な「熱」や胸やけ、胃もたれを優しく散らす。 |
二日酔いに対する漢方の考え方|原因は体内の「水毒(すいどく)」
東洋医学では、二日酔いの頭痛・むくみ・吐き気などの不調を「水毒(すいどく:体内で水分が滞り、偏って悪さをしている状態)」と考えます。
お酒を飲むと、体の中では「喉が乾いて水分が足りない状態(脱水)」と「顔がむくんだり胃の中に水がタップリ溜まっている状態」が同時に起こります。この水分の偏在(偏り)を解消することが、二日酔いケアの最大のポイントです。
五苓散(ごれいさん)|頭痛・むくみ・吐き気の第一選択
五苓散には優れた「利水作用(水分の偏りを正す働き)」があります。ただ脱水させる利尿剤とは異なり、余分な所にある水をさばいて尿として排出させ、足りない所へ水分を巡らせる無駄のない調整を行います。飲み過ぎた日のズキズキする頭痛、顔や手のむくみ、胃のチャプチャプ感や吐き気はまさに得意分野です。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)|のぼせ・胃のむかつき・赤顔に
お酒を飲むと顔が赤くなりやすく、体に熱がこもって胃がムカムカする方には、過剰な熱を鎮める黄連解毒湯などが適しています。
ウコン・緑翠泉|飲む「前」のからだの準備に
皆さんおなじみのウコンには、肝臓の解毒の働きを助ける成分が含まれており、お酒を飲む「前」に摂っておくのが効果的です。また、太陽堂のスタッフ間では、ビタミンやミネラルを補い身体のベースを整える青汁「緑翠泉(りょくすいせん)」をウコンと一緒に飲むのが定番のケアになっています。
【薬剤師コラム②】「普段からお酒に弱い・胃腸を壊しやすい」方の体質ケア
担当薬剤師:前原
「少量のお酒でもすぐに二日酔いになる」「飲んだ翌日は必ず下痢や胃もたれを起こす」という方は、単なるその場の二日酔い対策だけでなく、普段からの「胃腸の消化吸収力(脾胃の力)」が低下している可能性があります。
東洋医学では、胃腸が弱いと食べたものや水分を正常に運搬できず、体内に「湿(余分な水分・汚れ)」が溜まりやすいと考えます。西洋医学でいう「機能性ディスペプシア(慢性胃炎)」のような状態に近い方も多くいらっしゃいます。
普段から胃腸を元気にする漢方薬で土台を整えておくと、アルコールに対する耐性や回復力が底上げされ、お酒を飲んだ後の体調崩しにくさが大きく変わってきます。「お酒に弱い体質だから」と諦めず、ぜひ一度普段の胃腸ケアからご相談ください。
翌朝のセルフケア|アセトアルデヒドの分解を促すポイント
体内に残ってしまったアセトアルデヒドの代謝を促すために、ご自宅でできる大切なセルフケアは次の2点です。
- 「水分」と「糖分」をセットで補給する
- 肝臓を休め、無理な運動は避ける
アルコールによる利尿作用で体は強い脱水状態にあります。「水を意識して多めに摂ること」は必須ですが、アルコール代謝には大量のブドウ糖(糖分)も消費されます。そのため、水と糖を同時に効率よく吸収できるスポーツドリンク(ポカリスエットなど)や温かい白湯、ハチミツ水がとても適しています。
二日酔いとお薬・漢方についてのよくあるご質問(FAQ)
五苓散はいつ飲むのが一番効果的ですか?
飲んだ日の寝る前と、翌朝の両方でご使用いただけます。
「今日は少し飲み過ぎたな、明日に残りそうだな」と感じた夜の寝る前に一服飲んでおくのが最もおすすめです。それでも翌朝に頭痛や重だるさが残ってしまった場合は、朝起きてすぐにもう一服服用されるとスムーズです。
病院でもらった胃薬(H2ブロッカー等)と漢方薬は併用できますか?
はい、基本的には併用いただけます。
病院の胃薬で胃酸の分泌を抑えて粘膜を保護しつつ、五苓散などの漢方薬で体内の「水の偏り(むくみや頭痛)」を整えるというように、役割を分けて安全に併用することが可能です。現在お使いのお薬手帳をお知らせいただければ、飲み合わせを確認いたします。
二日酔い解消に「迎え酒」は本当に効きますか?
全くおすすめできません。
お酒を追加して一時的に体が楽になったように感じるのは、アルコールの作用で脳の感覚が一時的に麻痺しているだけに過ぎません。体内ではアセトアルデヒドの蓄積が増え、肝臓や胃への負担をさらに倍増させて回復を大幅に遅らせることになります。
病院を受診すべき危険な二日酔いの症状はありますか?
はい、以下の症状がある場合はすぐに医療機関を受診してください。
「何度も吐いてしまい、水すら一切受け付けない(強い脱水)」「吐いたものに血が混じっている、または黒いものを吐いた」「激しい腹痛や背中の痛み、胸の圧迫感がある」といった場合は、二日酔いと自己判断せず、すぐに消化器内科や救急外来を受診してください。
まとめ:二日酔いの不調は「水の巡り」と「胃腸」から整える
楽しいお酒の席のあとにやってくる、頭痛・むくみ・吐き気などのつらい不調。
無理な解熱鎮痛薬に頼るのではなく、水分と糖分を賢く補給しながら、漢方で「水毒(水分の滞り)」を優しく流してあげることが、身体に負担をかけない賢いアプローチです。
飲食の機会が多い時期に「胃もたれや食欲不振がなかなか抜けない」「普段からお酒に弱くて困っている」という方も、体質に合わせた漢方をご提案できますので、どうぞお気軽にLINEやDMでご相談ください。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。












