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四物湯はどんな漢方?血(けつ)を補う働きと乾燥・フラフラ感・女性の悩みへの使い方を薬剤師が解説

2026 10/28
ブログ
2026年5月15日2026年10月28日
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  3. 四物湯はどんな漢方?血(けつ)を補う働きと乾燥・フラフラ感・女性の悩みへの使い方を薬剤師が解説
和風水彩画調で描かれた漢方薬「四物湯(しもつとう)」の解説サムネイル画像。和紙のような質感の背景に、上部には「女性特有のフラフラ感・乾燥に、血と潤いを補う。」というキャッチコピーと、中央に大きな文字で「四物湯」の名称が配置されている。中央には湯気が立ち上る煎じ薬の器があり、その周囲を4つの構成生薬(地黄、芍薬、川芎、当帰)のイラストと名称が囲んでいる。下部には「体力が中程度以下で、皮膚が乾燥し、貧血や生理不順のある女性に。」と記載されている。
目次

その不調、体に「血(けつ)」が足りていないサインかも?

「立ち上がるとフラフラする」
「毎月のブルーな期間、経血の量が少なく疲れやすい」
「肌や髪のパサつき、乾燥が気になる」

太陽堂には、このような女性特有のゆらぎや、潤い不足に関するご相談が多く寄せられます。

東洋医学では、これらの不調の根底には「血虚(けっきょ)」という、全身に栄養や潤いを届ける「血(けつ)」が不足している状態があると考えます。

今回ご紹介する「四物湯(しもつとう)」は、まさにこの「血」をたっぷりと補い、全身に巡らせることで、カサカサ・フラフラといった不調を内側からケアする、基本でありながら非常に重要な漢方薬です。


【コラム】薬剤師 石川の視点「西洋薬(鉄剤や保湿剤)と四物湯の違い」

フラフラ感や数値の低下がある時、病院では『フェロミア』などの鉄剤が処方されます。また、生理痛には『ロキソニン』、肌の乾燥には『ヒルドイド』などの保湿剤がよく使われますね。

これら西洋薬は、不足している鉄分を直接補ったり、今ある痛みや表面の乾燥をピンポイントで抑えたりするのに非常に優秀です。

一方、東洋医学の『血(けつ)』は単なる血液だけでなく、全身を潤す栄養素全体を指します。四物湯は、鉄分を補うだけでなく『栄養を作り出し、体の隅々まで潤いを届ける土台づくり』をサポートします。鉄剤で胃が荒れてしまう方や、保湿剤を塗っても内側から乾く感じがする方に、漢方のアプローチはとてもおすすめですよ。


四物湯とは? 「補う」と「巡らす」の4つの生薬

四物湯は、名前の通りたった4種類の生薬から構成されています。種類は少ないですが、「血を補う」生薬と「血を巡らせる」生薬が絶妙なバランスで配合されています。

四物湯を構成する4つの生薬と役割

生薬名東洋医学的なアプローチ期待される役割
地黄(ジオウ)強力に「血」と「潤い」を補う全身にたっぷりの栄養を与え、フラフラ感や肌の乾燥(血燥)を内側から潤します。
芍薬(シャクヤク)「血」を補い、筋肉の緊張を緩める栄養を蓄えながら、血行不良や冷えによってこわばった筋肉を優しくほぐします。
当帰(トウキ)「血」を補いながら、下半身へ巡らせる女性特有のデリケートな悩み(骨盤周りの冷えや滞り)を穏やかにサポートします。
川芎(センキュウ)「血」と「気」を上半身へ巡らせる補った栄養や温もりを、滞りなく全身(特に頭や顔の表面)へとスムーズに流します。

【コラム】薬剤師 前原の視点「胃腸がデリケートな方は要注意?」

四物湯の主役である『地黄(ジオウ)』は、潤いを補う力がとても強い反面、胃腸に負担をかけやすいという特徴があります。そのため、普段から胃腸が弱く、食欲がわかない方や下痢をしやすい方が飲むと、胃もたれを起こしてしまうことがあります。

そういった場合は、胃腸の働きを助ける『人参(ニンジン)』などの生薬を組み合わせることで、優しく吸収できるよう工夫していきます。体質の見極めが大切なんですよ。


四物湯の効果・飲み方・副作用の早見表

「四物湯」で調べて来られた方に、基本を先にまとめます。四物湯をベースにした漢方薬(組み合わせ)は、次の見出しでくわしく説明しています。

項目内容
効果・効能(何に効く?)皮膚が乾燥して色つやが悪い、貧血ぎみ、冷え症、月経不順、産後・流産後の疲労回復、しもやけ、しみ、血の道症(医療用の効能)。「血(けつ)」を補う、いちばん基本の処方です。
向く人顔色が悪い、爪や唇の色が薄い、肌や髪が乾く、立ちくらみやめまいがある。胃腸は丈夫で、食欲はある方。
飲み方食前または食間に、1日2〜3回(説明書どおり)。
効果が出るまで血を補うのはゆっくりです。肌の乾燥や立ちくらみの変化は1〜3か月を目安に見ます。
副作用・注意地黄で胃もたれ・食欲不振・下痢が出ることがあります。胃腸が弱い方は食後にする、量を減らす、胃を助ける生薬を足すなどの調整をします。
合わない人胃腸が弱く下痢しやすい方、むくみやすく水がたまる方は、四物湯そのままではなく別の組み合わせで考えます。
市販との違い市販(第2類医薬品)もありますが、成分量が少なめのことが多く、漢方薬局では「補う」と「巡らす」のバランスを体質に合わせて調整します。

組み合わせで変幻自在! 四物湯がベースの漢方薬

実は、四物湯は「単独」で使われることはあまり多くありません。「血を補うベース(土台)」として、他の漢方薬と組み合わさることで、さらに幅広いお悩みに対応できるのが最大の特徴です。

① +黄連解毒湯(おうれんげどくとう)=【温清飲(うんせいいん)】

熱を冷ます漢方と組み合わせた漢方です。カサカサと乾燥し、赤みや痒みを伴うデリケートな肌トラブルや、女性のゆらぎ期ののぼせケアによく用いられます。

【薬剤師監修】顔の赤み・のぼせ・イライラに。体の「熱」をスーッと冷ます漢方「黄連解毒湯」

② +苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)=【連珠飲(れんじゅいん)】

水分の巡りを整え、気を落ち着かせる漢方との組み合わせです。フラフラ感と同時に、めまいや動悸が気になる方、特に思春期の「起立性調節障害(OD)」のようなバランスの乱れでお悩みの方をサポートします。

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③ +四君子湯(しくんしとう)=【八珍湯(はっちんとう)】

胃腸を元気にしてエネルギー(気)を補う処方と合わせることで、「気」と「血」の両方を強力に補給し、深い疲労感や長引く体力低下を底上げします。(※さらに生薬を足したものが「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」です)

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四物湯に関するよくあるご質問(FAQ)

病院で処方された鉄剤(フェロミアなど)と一緒に飲んでも大丈夫ですか?

基本的には併用可能です。

鉄剤で直接的な数値をコントロールしつつ、四物湯で「自ら血を巡らせる体質」を作っていくアプローチは大変有効です。

安全のため、お薬手帳をご用意の上、専門家にご相談ください。

男性が飲んでも効果はありますか?

はい、もちろんです。

「女性の薬」というイメージが強いですが、男性でも肌のひどい乾燥(血燥)や、疲労によるフラフラ感がある場合、血を補う目的で四物湯(または四物湯ベースの漢方)を用いることはよくあります。

生理痛でロキソニンを飲んでいますが、併用できますか?

併用可能です。

痛みが辛い時は西洋の鎮痛剤で一時的に和らげつつ、漢方で根本的な「血の不足や滞り」をケアしていくことで、少しずつ薬に頼らない体づくりを目指すことができます。

四物湯は何に効きますか?シミや抜け毛にも使えますか?

乾燥・冷え・月経不順・産後の疲れなど、「血が足りない」サインに使う処方です。効能には「しみ」「しもやけ」も入っています。

抜け毛や髪のパサつきも「血の不足」が一因のことがあり、土台として使うことがあります。ただし四物湯だけで髪やシミが変わるものではなく、巡らせる生薬や胃腸を助ける生薬と組み合わせて考えます。

四物湯で太りますか?痩せますか?

体重を増やす薬でも、減らす薬でもありません。

血が補われて顔色や食欲が戻ると「体がしっかりした」と感じる方はいますが、それは体重の変化ではなく体調の変化です。むくみや胃もたれが出るときは量や組み合わせの見直しが必要ですので、ご相談ください。

うつや自律神経の不調にも効きますか?

うつ病の治療薬ではありません。

血が足りないと、不眠・不安・めまい・動悸といった自律神経の症状が出やすくなるため、その土台づくりとして四物湯を使うことはあります。気分の落ち込みが続く、眠れない日が多い、といった場合は、病院の受診と並行してご相談ください。


まとめ:たっぷりの「血」と「潤い」で、ゆらがない体へ

「四物湯」について解説しました。

単独ではもちろん、様々な漢方薬のベースとして活躍し、不足した「血」と「潤い」を全身に届けてくれる、女性にとっても男性にとっても非常に心強い味方です。

「検査では異常がないのに、いつもフラフラする」
「保湿クリームを何度塗っても、肌が内側から乾く」

そんなお悩みは、体の中の「血(栄養・潤い)」が枯渇しているサインかもしれません。ただし、胃腸の状態によっては合わないこともありますので、自己判断せず、ぜひ太陽堂にご相談ください。

東洋医学の知恵を用いて、あなたのお体にぴったりのバランスで、みずみずしく健やかな毎日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

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”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”

特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)

特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。

特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。

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「担当薬剤師」 前原 信太郎

「学術発表 実績」 
2017年 2021年 2025年 学術発表

調剤薬局の薬剤師として6年間勤めました。

漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。

調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。

記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓

開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。

薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。

自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。

よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。

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