
4月5日頃は、二十四節気の「清明(せいめい)」です。
「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」という言葉を略したもので、すべてのものが清らかで生き生きと輝き、花が咲き、鳥が歌う、春爛漫の美しい季節です。
外の景色は明るくのどかなのに、ご自身の心と体はどうでしょうか?
「新しい環境で、無意識のうちに肩に力が入っている」
「夕方になると頭が締め付けられるように痛い」
「目がかすむ、ピクピクと痙攣する」
新年度が始まる4月は、期待と同じくらい「緊張」や「気疲れ」が溜まる時期です。
今回は、太陽堂の薬剤師2名が、春風とともにやってくる不調の原因と、五月病を防ぐための「ゆるめる養生法」を解説します。
清明の不調のサインは「上(頭・目)」に現れる
漢方では、春はエネルギー(気)が下から上へと昇っていく季節と考えます。植物が上へ上へと芽を伸ばすのと同じです。
しかし、緊張やストレスが加わると、このエネルギーが勢いよく昇りすぎてしまい、頭部で渋滞を起こしてしまいます。これを「気逆(きぎゃく)」と呼びます。
循環器の専門家が教える「緊張と頭痛・めまい」のメカニズム
病院薬剤師の経験を持ち、循環器や痛みのケアを得意とする薬剤師・椙田先生が、春先の頭痛やめまいについて解説します。
薬剤師:椙田 彩純(担当:循環器・身体の痛み)
病院でも、4月に入ると『急にめまいがする』『緊張型頭痛がひどい』と受診される方が増えます。
新しい人間関係や業務など、気を張る場面(ストレス)が増えると、交感神経が優位になり、血管がギュッと収縮します。
漢方でいう『気逆』の状態になると、血液や熱が頭にばかり集まってしまい、首から上は熱いのに手足は冷たい、というアンバランスな状態になります。これが春特有のフワフワしためまいや、締め付けられるような頭痛の原因です。まずは『上に昇った気を下ろす』ケアが必要です。
新生活の「気張りすぎ」チェック
あなたの体は、新生活のストレスで悲鳴を上げていませんか?
以下の表で、今の状態をチェックしてみましょう。
| チェック | 症状(サイン) | 漢方的な状態 |
| □ | 頭が締め付けられるように痛い、重い | 気が頭に昇りすぎて渋滞を起こしている(気逆)。 |
| □ | 目が疲れやすい、ピクピク痙攣する | 春に働く「肝」の血が不足し、目に栄養がいっていない。 |
| □ | フワフワしためまいや耳鳴りがする | 上半身に熱がこもり、自律神経のバランスが崩れている。 |
| □ | 無意識に歯を食いしばっている | ストレスにより体が極度の緊張状態(交感神経優位)にある。 |
| □ | ため息が無意識に出る | 胸に詰まった気(ストレス)を外に出そうとする防衛反応。 |
| □ | 風の強い日に体調を崩しやすい | 春特有の「風邪(ふうじゃ)」が体に入り込んでいる。 |

代表薬剤師が語る「五月病」を防ぐための春のルール
これらの緊張状態を放置したままゴールデンウィークに突入すると、糸がプツンと切れたように「五月病」を発症してしまいます。
月間900名以上の患者様と向き合ってきた太陽堂代表の林薬剤師は、4月の過ごし方についてこう警鐘を鳴らします。
管理薬剤師:林 泰太郎(太陽堂 代表)
4月は『ちゃんとやらなきゃ』『早く馴染まなきゃ』と、誰もが無理をしてしまう時期です。しかし、清明の時期に一番大切な養生は、『完璧を目指さず、適度にサボる(ゆるめる)こと』です。
漢方の古典にも、春は『髪をほどいてゆったり歩き、体を締め付けないようにしなさい』と書かれています。
心も体も窮屈な状態が一番良くありません。帰宅したら時計やアクセサリー、窮屈な下着はすぐに外し、物理的にも精神的にも自分を『解放』してあげる時間を作ってください。」
清明の養生:高ぶった気を鎮める3つの習慣
お二人のアドバイスをもとに、頭に昇った気を静め、目や頭の疲れを和らげる養生法をご紹介します。
1. 「目」を休めて肝をいたわる
漢方では、「肝の働きは目に現れる」と言われています。目を酷使すると、ただでさえ春にフル稼働している「肝」の血をさらに消耗してしまいます。
- スマホやパソコンの時間を減らす。
- 温かい蒸しタオルを目の上に乗せ、奥の緊張をじんわり解きほぐす。
2. 「香り」と「酸味」の食材で気を巡らせる
ストレスで滞った気を動かすには「香り」が、高ぶった気を引き締めて潤いを持たせるには「酸味」が効果的です。
- 菊花茶、ジャスミン茶、ミントティー: 頭の熱を冷まし、目の充血や頭痛を和らげる「飲む目薬」です。
- クコの実: 目の疲れを取り、血を補う最強の薬膳食材。スープやお茶に入れて。
- 柑橘類、梅干し、お酢: キュッとした酸味が、散らかりがちな気を適度に引き締めます。
3. 足首を回して「気」を下へ降ろす
頭に昇った血や気を下へ降ろすには、足元に意識を向けるのが一番です。
座ったままで良いので、足首をゆっくりと大きく回したり、青竹踏みなどで足の裏を刺激してみてください。不思議と頭の重さがスッと引いていきます。
清明の養生・よくある質問(FAQ)
春風が吹く日は、決まって頭痛がします。予防法は何かありますか?
漢方では、春に吹く強い風を「風邪(ふうじゃ)」と呼び、百病の長(病気の原因のトップ)と考えます。
風邪は「首の後ろ」から体に入り込むとされているため、風の強い日は薄手で良いのでストールを巻き、首周りをガードしてお出かけください。
新しい環境で、毎日夕方になるとクタクタです。何かリフレッシュできる方法はありますか?
気遣いによる精神的な疲労(気疲れ)です。
体は動かしていなくても、エネルギー(気)を激しく消耗しています。夕食は消化に良い温かいスープなどにし、とにかく睡眠時間を長めにとることで「気」をチャージしてください。
まとめ:春は「ゆるっと、のびのび」が一番の薬
清明は、本来であればのどかで心地よい季節です。
新しい環境で気を張ることも多いと思いますが、時にはふと立ち止まり、外の青空や咲き誇る花々を眺める余裕を持ってみてください。
「ため息ばかり出てしまう」
「頭痛やめまいで、せっかくの春を楽しめない」
もしそんなストレスや緊張からくる不調でお悩みなら、漢方薬で自律神経の緊張を解きほぐし、気の巡りを良くするサポートができます。
あなたがあなたらしく、のびのびと春を過ごせるように、ぜひ東京太陽堂にご相談ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎


実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純


担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。
















