
3月20日は、二十四節気の「春分(しゅんぶん)」です。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通り、寒さもようやく和らぎ、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。
自然界のエネルギーである「陰」と「陽」のバランスがちょうど半分ずつになる、とても穏やかな節気。
しかし、現実の私たちはどうでしょうか?
「いくら寝ても日中眠くてたまらない」
「4月からの新生活を考えて、夜なかなか寝付けない」
「気分の浮き沈みが激しく、どっと疲れを感じる」
こんな「春バテ」や「睡眠トラブル」を感じていませんか?
今回は、太陽堂の薬剤師2名が、春分に乱れやすい自律神経のメカニズムと、心身のシーソーを平らにする「陰陽バランス」の整え方を解説します。
春分は「陰陽」のシーソーが揺れる時期
漢方では、万物は「陰(いん)」と「陽(よう)」で成り立っていると考えます。
夜は陰、昼は陽。春分はまさに、この陰陽のシーソーが「水平」になる日です。
長年、多くの方の心身の不調と向き合ってきた太陽堂代表の林先生は、この時期の過ごし方が春本番の体調を決めると語ります。
管理薬剤師:林 泰太郎(太陽堂 代表)
春分は、自然界が『冬の静けさ(陰)』から『夏への活発さ(陽)』へと完全に切り替わるターニングポイントです。私たちの体も、この自然のリズムに合わせて陰陽のバランスを切り替えようとします。
しかし、現代人は新年度の準備や環境の変化によるストレスで、頭の中が常にフル回転(陽が高ぶりすぎた状態)になりがちです。
シーソーのバランスが急激に崩れることで、自律神経が悲鳴を上げ、『春バテ』と呼ばれる激しい疲労感やメンタルの揺らぎに繋がってしまうのです。

あなたのシーソーはどっちに傾いている?春バテチェック
「春眠暁を覚えず」と言いますが、春の眠気やだるさは、陰陽のバランスが崩れているサインです。
以下の表で、あなたの現在の状態をチェックしてみましょう。
| チェック | 症状(サイン) | 漢方的な状態(陰陽の乱れ) |
| □ | いくら寝ても日中眠い、だるい | 陽の気(エネルギー)が不足し、活動モードに切り替われない。 |
| □ | 夜、頭が冴えてなかなか寝付けない | 気や血が頭に昇り、陽が高ぶりすぎてクールダウン(陰)できない。 |
| □ | 気分の浮き沈みが激しい | 陰陽のシーソーがガタガタと揺れ、情緒(肝)が不安定になっている。 |
| □ | 夢ばかり見て、熟睡した気がしない | 「血(けつ)」が不足し、精神を安定させる栄養が足りていない。 |
| □ | 夕方になると、どっと疲れが出る | 一日を乗り切るための基礎エネルギー(気)が枯渇している。 |
| □ | 首や肩がパンパンに張っている | ストレスで気が滞り、上半身の血流が悪くなっている。 |
薬剤師が教える「睡眠」の重要性
春分の時期の睡眠について、循環器や痛みのケアに詳しい薬剤師・椙田先生が解説します。
薬剤師:椙田 彩純(担当:循環器・身体の痛み)
病院勤務時代から、季節の変わり目には不眠や血圧の変動を訴える方を多く見てきました。漢方では、睡眠とは『消耗した陰(潤い・鎮静)をチャージする時間』と考えます。
昼間に頑張って活動(陽)した分、夜はしっかり眠って(陰)回復しなければいけないのに、春は環境の変化による緊張で交感神経が優位になり、血流も滞りがちです。
質の良い睡眠をとって陰を補うことが、春バテを防ぐ一番の特効薬になります。
春分の養生:陰陽バランスを整える3つの習慣
お二人のアドバイスをもとに、シーソーの揺れを穏やかにし、質の良い睡眠をとるための養生法をご紹介します。
1. 朝の光で「陽」のスイッチを入れる
「日中眠い」「朝起きられない」という方は、体内時計が冬のままになっています。
朝起きたらまずカーテンを開け、太陽の光(陽の気)を浴びましょう。これで睡眠ホルモン(メラトニン)がリセットされ、夜に自然な眠気が訪れるようになります。
2. 「酸甘化陰(さんかんかいん)」で潤いをチャージ
漢方には、「酸味」と「甘味」を一緒に摂ると、体に潤い(陰)が生まれるという考え方があります。
イライラして眠れない、寝汗をかくという時は、以下のような食材がおすすめです。
- イチゴ、柑橘類: 春が旬のフルーツ。酸味と甘味のバランスが良く、気の巡りを良くします。
- ハチミツレモン、梅干し+ハチミツ: 消耗したエネルギーを素早く回復し、体を落ち着かせます。

3. 夜は「頭皮のブラッシング」で気を下げる
夜寝る前は、スマホの光を避け、頭に昇った気(熱)を下へ降ろすことが大切です。
お風呂上がりや寝る前に、ヘアブラシで頭皮を優しくトントンと叩いたり、前から後ろへゆっくりブラッシングをしてみてください。頭の緊張がほぐれ、スムーズに副交感神経(おやすみモード)に切り替わります。
春分の養生・よくある質問(FAQ)
日中どうしても眠くて仕事に集中できません。
春は気が上へ上へと昇りやすく、頭がボーッとしやすい季節です。
我慢して効率を落とすより、お昼休みに「15分〜20分程度の仮眠」をとるのがおすすめです。これ以上長く寝ると夜の睡眠に響くため、座ったまま目を閉じるだけでも脳はリフレッシュされます。
新年度の不安で、夜中に何度も目が覚めてしまいます。
漢方では、不安感や熟睡できない状態を「血(けつ)不足」や「心(しん)の疲れ」と捉えます。
寝る前に温かいホットミルクやカモミールティーを飲んでお腹を温め、深呼吸をして「今日できたこと」を一つだけ思い出してから目を閉じてみてください。
まとめ:春分は「無理をしない」が正解
春分は、自然界がバランスを取ろうと大きく動く時です。
私たちの体も、それに合わせて一生懸命に調整を行っています。
「周りが新生活に向けて頑張っているから、私も焦らなきゃ」
そんな風に無理をしてアクセルを踏み込むと、バランスを崩して五月病の原因になってしまいます。
春分の時期は、あえて「頑張りすぎない」「睡眠時間を最優先にする」ことが一番の養生です。
「寝ても疲れが取れない」
「新生活に向けて、不安で夜も眠れない」
そんな自律神経の乱れや睡眠のトラブルでお悩みなら、漢方薬で心と体のシーソーを整えるサポートができます。新しい季節を笑顔で迎えるために、ぜひ東京太陽堂にご相談ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎


実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純


担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。
















