
2月に入り、暦の上では「立春」を迎えました。
新生活への準備や異動など、環境の変化が多いこの時期。「春が楽しみ」な反面、無意識に体に力が入っていませんか?
- 大事な予定の前に限って、お腹が痛くなる
- 喉がつかえて、食欲が湧かない
- 病院で胃カメラを飲んでも「綺麗な胃ですね(異常なし)」と言われる
もし心当たりがあるなら、それはあなたの胃が弱いからではなく、春の「気」の乱れが胃を攻撃しているからかもしれません。
今回は、自身の胃腸虚弱を克服した薬剤師・石川と、胃腸疾患も長年担当していた薬剤師・前原が、春の胃腸トラブルの解決策をお話しします。
なぜ春は胃が痛む? 「脳腸相関」と「肝脾不和」
西洋医学と漢方、言葉は違いますが、実は同じことを言っています。
なぜ春になると、検査では見つからない胃痛が増えるのでしょうか。
西洋医学では「脳腸相関(のうちょうそうかん)」
【薬剤師・前原の視点】
薬剤師:前原 信太郎
調剤薬局に勤務していた頃、胃カメラでは異常がないのに「胃が痛い」と訴える方を多く見てきました。
実はこれ、脳が感じたストレスが自律神経を通じてダイレクトに胃腸に伝わってしまう現象(脳腸相関)なんです。
特に春は、寒暖差で自律神経が疲れ切っているため、脳のキャパシティが一杯になり、少しの緊張でも胃酸過多や痙攣が起きやすい状態なんですよ。
漢方では「肝脾不和(かんぴふわ)」
漢方の世界では、これを「肝脾不和(かんぴふわ)」と呼びます。
春はのびのびと成長する「木(もく)」のエネルギーを持つ季節ですが、ストレスでこの「木」が縮こまると、うっぷんを晴らすかのように「土(胃腸)」を根っこで攻撃してしまうんです。

ただの食べ過ぎ?それともストレス? 春の胃腸チェック表
「胃薬を飲んでいるのに治らない」という方は、薬の選び方が間違っているかもしれません。
あなたの胃痛が「食べ過ぎ」なのか「ストレス(自律神経)」なのか、チェックしてみましょう。
| 項目 | ① 食べ過ぎ・飲みすぎタイプ(湿熱タイプ) | ② ストレス・自律神経タイプ(肝脾不和タイプ) |
| 痛みの特徴 | キリキリと刺すような痛み 胸焼けがする | シクシクと波がある痛み お腹が張る(ガスが溜まる) |
| 便の状態 | ベトッとした軟便 臭いが強い | コロコロ便と下痢を繰り返す 便意があるのに出ない |
| 気分の変化 | 体が重だるい 食後に眠くなる | イライラ、憂鬱 ため息が多い、喉のつかえ |
| おすすめ食材 | 生の大根、生のパイナップル、豆腐、きゅうり | シソ、柑橘、ジャスミン茶 |
今回の記事で特に対策したいのは、右側の「② ストレスタイプ」の方です。
このタイプの方に、消化剤を飲ませてもあまり効果はありません。必要なのは「リラックス」と「気の巡り」です。
春の胃腸を守る「3つの食養生」
薬に頼りすぎず、普段の生活でできるケアをご紹介します。
1. 「香り」を食べる(気巡り食材)
胃が痛い時、おかゆばかり食べていませんか? ストレスタイプの方に必要なのは、エネルギーを巡らせる「香り」です。
シソ、春菊、セロリ、ミカン(陳皮)など、香りの良い食材を少し料理に足すだけで、胃を攻撃している「気」を発散させることができます。
仕事中なら、ジャスミン茶やミントティーもおすすめです。
2. 「緊張」を緩めるツボ(内関・合谷)
会議の前や電車の中など、急にお腹が痛くなった時のために、即効性のあるツボを覚えておきましょう。
- 内関(ないかん): 手首のシワから指3本分下。吐き気や胃の不快感に。
- 合谷(ごうこく): 親指と人差指の付け根。痛み全般を和らげます。

3. 「甘味」で土を肥やす
漢方でいう「甘味」とは、ケーキやチョコレートのことではなく、「お米、芋、カボチャ」などの自然な甘みのことです。
これらは弱った「土(胃腸)」に栄養を与え、緊張を緩める作用があります。パンや麺よりも、よく噛んだ「お米」が一番の薬です。
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春の胃腸トラブル Q&A
胃が痛い時、コーヒーは飲まない方がいいですか?
基本的には控えましょう。
特に空腹時のコーヒーは胃酸の分泌を促進し、荒れた粘膜を刺激してしまいます。
どうしても飲みたい場合は、ミルクを多めに入れるか、ノンカフェインのものを選びましょう。おすすめは、リラックス効果のある「カモミールティー」や「ホットミルク」です。
市販の胃薬が効きません。なぜでしょうか?
ストレスが原因の場合、胃薬だけでは不十分だからです。
市販薬の多くは「食べ過ぎ」や「胃酸過多」向けに作られています。ストレスによる胃痛は、根本にある「自律神経の乱れ」を整えないと、何度でも繰り返してしまいます。
最後に:春を笑顔で迎えるために
春は本来、ワクワクする季節です。
しかし、体の準備が追いついていないと、一番弱いところ(胃腸)にサインが出ます。
「検査で異常がないから」と我慢する必要はありません。痛みがあるということは、体が「休んでほしい」「巡らせてほしい」と訴えている証拠です。
【薬剤師・石川より】
薬剤師:石川 満理奈
私自身、以前は胃腸がとても弱く、環境の変化やプレッシャーですぐにお腹を下したり、食欲がなくなったりしていました。「胃腸は心の鏡」です。
胃腸の不調は生活の質を大きく下げてしまいますが、漢方で「自分に合った整え方」を知れば、必ず楽になります。一人で抱え込まず、その辛さを私たちにお話しください。一緒に解決策を探しましょう。
長年の胃痛やお腹の不調に悩んでいる方は、体質改善のプロである太陽堂へぜひ一度ご相談ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。













