
暖かくなって花がほころぶ気持ちの良い季節。その一方で、春は「花粉症がつらい」「イライラ・そわそわする」「日中眠くてだるい」「季節の変わり目に必ず体調を崩す」——そんなお悩みが一年でいちばん増える季節でもあります。
実は私自身、5歳の頃から花粉症に悩まされてきました。漢方薬のお世話になり、まったく症状が出なかった年が2年ほどあったのですが、その後の不摂生で再発…。養生の大切さを、身をもって知っている一人です。
このページは、漢方の視点から見た「春の過ごし方の全体像」をまとめた入口ページです。春の養生の基本の考え方と、花粉症対策の基本、そしてお悩み別の詳しい記事へのご案内をひとつにまとめました。
春は「発散」の季節。ためこむと不調になる
東洋医学では、春は「発陳(はっちん)」——冬の間にためこんだものを外へ発散させ、新しく生まれ変わる「発生の季節」とされています。冬眠していた動物が目覚め、木々が新芽を出すように、人間の体も活動モードへと切り替わっていきます。
このとき大切なのが、冬の間こもっていた「気」をスムーズに巡らせて「発散」させること。季節の変わり目に体調を崩しやすい方は、体質的にこの「気の発散」が苦手な方が多いのです。発散が滞ると、イライラ、気分の波、頭痛、眠気といった春特有の不調につながります。
春の養生の3本柱は、次のとおりです。
- ① 発散を助ける食事: 葉物野菜や香辛料が「気の発散」を助けます。おすすめは「白胡椒(ホワイトペッパー)」。生野菜や葉物に合う白胡椒は気の発散を、お肉に合う「黒胡椒(ブラックペッパー)」は脂の分解を助ける——と、同じ胡椒でも働きが違います。
- ② 軽く動いて、じんわり汗をかく: 散歩やストレッチで体を動かし、じんわりの汗をかくことが、気の発散のいちばんの手助けになります。
- ③ 冷やさない: 「水は寒なり」——体が冷えると余分な水があふれ、鼻水として現れます。冷たい飲み物・果物や生野菜の摂りすぎに注意し、上半身を冷やさないこと。
「発散」を今日から始める具体策
まずは、朝、窓を開けて深呼吸することから始めましょう。冬の間にこもった部屋の空気と一緒に、体の中の滞った気も入れ替わるイメージです。この朝の深呼吸の習慣は、春に増えるイライラや情緒の波の予防にもつながります(詳しくは下でご案内する立春の記事へ)。
食卓には、春の苦味を少しだけ。ふきのとう、菜の花、たらの芽などの山菜の苦味は、冬にためこんだものを外へ出す「目覚めのスイッチ」と昔から言われてきました。冬は苦味を控えるのが基本ですが、春は少量の苦味が発散の味方になります。季節によって食べ方の正解が変わるのが、食養生の面白いところです。
そして「春眠暁を覚えず」と言われるように、春は眠気やだるさも出やすい季節です。新生活の緊張やストレスで気の巡りが滞ると、さらに重くなります。夜更かしを避けて朝の光でリズムを整えながら、散歩やストレッチでじんわり汗をかく習慣を続けてみてください。
春一番のお悩み「鼻のトラブル」対策の基本
サラサラした透明な鼻水は、アレルギータイプ。この場合は、体を冷やさない養生が効きます。発酵食品(味噌・ヨーグルト・紅茶など)で体を温め、水物・果物・生野菜を控えめにしましょう。
また、スギ・ヒノキに反応するタイプの方は、ナス科の食べ物(ピーマン、唐辛子、じゃがいもの皮、トマトの皮、なす)に反応して症状が強まる場合があります。花粉の時期に症状がひどい方は、少し控えて様子を見てみてください。
一方、黄色いドロッとした鼻水は、蓄膿症(副鼻腔炎)の可能性が高くなります。これは炎症が起きている状態なので、温める食養生では良くならないことが多く、白砂糖・脂物・もち米など「炎症や膿につながる食材」を控えることが大切です。緑の野菜は炎症を鎮めるのでおすすめです。自分の鼻水の色を確かめて、合った対策を選んでください。
お悩み別・春の養生の詳しい記事
春のお悩みは、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。花粉症の方は、まず「どっち診断」からどうぞ。
春の養生に関するよくある質問(FAQ)
春の養生は、いつから始めれば良いですか?
A. 暦の上の春の始まり「立春(2月4日ごろ)」からがおすすめです。特にアレルギー対策は、症状が出る前からが勝負です。
まだ寒い2月上旬でも、暦の上では春が始まっていて、スギ花粉の飛散も2月中にはスタートします。体を冷やさない食事への切り替えや、発散を助ける軽い運動は、花粉が本格的に飛ぶ前から始めておくほど効果的です。
「発散が苦手な体質」とは、どんなタイプですか?
A. 季節の変わり目に決まって体調を崩す方、ストレスをためこみやすい方は、このタイプの可能性があります。
気の巡りが滞りやすい方は、春になって体が「発散モード」に切り替わるときに、うまく切り替えられずに不調が出ます。イライラや気分の波、ため息が増える、胸やのどがつかえる感じがする——などが代表的なサインです。葉物野菜と白胡椒、じんわり汗をかく運動で発散を助けつつ、切り替えのたびにつらい方は、気の巡りを整える漢方の体質ケアが向いています。
花粉症は、漢方で本当に良くなりますか?
A. 私自身が「2年間まったく出なかった」経験者です。ただし、養生とセットで取り組むことが大切です。
体質に合った漢方薬と養生を続けたことで、症状がまったく出ない年が続いた経験があります。一方で、その後に不摂生を重ねたら再発もしました。つまり、漢方薬だけに頼るのでも、養生だけで我慢するのでもなく、両方を組み合わせることが、春をラクに過ごす一番の近道です。毎年つらい思いをされている方は、花粉の時期が来る前にぜひ一度ご相談ください。
まとめ:ためこんだものを、上手に「発散」して春を楽しむ
葉物野菜と白胡椒で発散を助け、じんわり汗をかいて気を巡らせ、体を冷やさず花粉に備える。自分の鼻水の色を確かめて、合った対策を選ぶ。春の養生はこの繰り返しです。
「毎年、春になると必ず調子を崩す」「毎年の鼻のつらさを体質から何とかしたい」という方は、ぜひ太陽堂までお気軽にご相談ください。お一人おひとりの体質に合わせた、無理のない春の過ごし方をご提案いたします。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。












