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腰が冷えて重だるい…「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」|腰を温め、溜まった「冷水」を排水する漢方

2026 2/17
ブログ
2026年2月17日
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  3. 腰が冷えて重だるい…「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」|腰を温め、溜まった「冷水」を排水する漢方
腰の冷えと重だるい痛みに効く漢方「苓姜朮甘湯」の解説記事アイキャッチ。乾姜の力で冷たい水を温めて抜くイメージイラスト

「腰に鉛が入っているように、ズーンと重だるい」
「冷房の効いた部屋にいると、腰から下が冷え切って痛み出す」
「トイレが近く、夜中に何度も起きる」

その腰痛、骨や筋肉の問題ではなく、「冷え」と「水」が原因かもしれません。 漢方では古くから「腰冷如水(ようれいにょすい)」と言って、「まるで冷たい水の中に腰まで浸かっているような重だるい冷え」を指す言葉があります。

そんな「冷え」と「水」が溜まってしまった腰を、強力に温めて乾かしてくれるのが「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」です。

今回は、太陽堂の林先生と前原先生で実体験(?)を交えながら解説します。


腰から下が冷たい水の中に浸かっていて、寒そうに震えている女性のイメージイラスト

目次

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)とは?

苓姜朮甘湯は、その名の通り4つの生薬からなる漢方薬です。

「なにか見覚えがある名前だな…」と思った方、鋭いです!

実はこの漢方、めまいの薬として有名な「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」の兄弟分なんです。

「苓桂朮甘湯」の「桂枝」をチェンジ!

作り方はシンプルです。

めまいを治す「苓桂朮甘湯」から、気を巡らせる「桂枝(ケイシ)」を抜き、その代わりに体を芯から温める「乾姜(カンキョウ)」を加えるだけ。

  • 苓(ブクリョウ)
  • 姜(カンキョウ)
  • 朮(ビャクジュツ)
  • 甘(カンゾウ)

それぞれの頭文字を取って「苓姜朮甘湯」。

生薬が変わったことで、ターゲットが「頭(めまい)」から「腰(冷え・痛み)」へとガラリと変わりました。 どちらも「利水(水を抜く)」効果が高いのは共通ですが、苓姜朮甘湯はそこに「強力な温め効果」がプラスされているのが特徴です。

薬剤師 林先生の「苦い」思い出

「この漢方には、ちょっとした思い出があり

昔、私が鼻水と咳で困っていた時、師匠に『甘草乾姜湯(かんぞうかんきょうとう)』という、苓姜朮甘湯の中核になる組み合わせの漢方を勧められたんです。

言われた通りに粉薬を『えいっ!』と飲んだ瞬間、気管に入ってしまいまして…。

乾姜(乾燥生姜)の強烈な刺激で、逆に咳が止まらなくなってしまったんです(笑)」

ただその『刺激』こそが効き目の証拠になり、生の生姜よりも熱処理した『乾姜』は、体を芯から温める力が強い分、刺激も強いんです。

ちゃんとゆっくり飲めば、冷えによる咳や腰痛には抜群に効きますから、皆さんは気をつけて飲んでくださいね。」


【チェック表】あなたの「冷え」はどこから?

同じ「冷え性」でも、冷える場所や症状によって漢方の使い分けが必要です。

よく似た名前の漢方や、有名な冷えの漢方と比較してみましょう。(ついでに苓桂朮甘湯との違いもおつけしておきます。)

漢方薬冷える場所特徴・キーワード向いている人
苓姜朮甘湯腰から下腰が水に浸かった重さ
尿が近い(色は透明)
雨の日に悪化
胃腸が弱い
腰痛持ちの人
苓桂朮甘湯めまい・ふらつき
のぼせがある
立ちくらみ
胃腸が弱い
低血圧・水毒の人
当帰四逆加
呉茱萸生姜湯
手足の指先末端冷え性・しもやけ
下腹部が痛む
脈が細く弱い
血行が悪い
冷えが極度の人
苓桂朮甘湯
当帰四逆加
呉茱萸生姜湯

薬剤師 前原からのアドバイス

「見分けるポイントは『水の場所』です。

水が上焦(頭から腰)の方で悪さをしていれば『苓桂朮甘湯』、腰に溜まって重く冷えていれば『苓姜朮甘湯』です。

また、当帰四逆加
呉茱萸生姜湯は『血』が不足して手足が冷たい人に使いますが、苓姜朮甘湯は『水』が溜まって冷えている人に使います。トイレが近くて腰が痛いなら、苓姜朮甘湯の出番ですね。」


漢方の作用で、腰回りの冷たい水が蒸発し、ポカポカと温まっていくイメージ図

苓姜朮甘湯が効く「3つの冷たい悩み」

1. 寒冷刺激による腰痛・坐骨神経痛

「夏場のスーパーやオフィスで冷房に当たると腰が痛くなる」「冬になると腰が重くて動かない」といった、環境的な「寒さ」が引き金になる腰痛に最適です。

痛み止めでは取れない「冷えによるシクシクした痛み」を、温めることで和らげます。

2. 多尿・夜間頻尿・お漏らし

膀胱(ぼうこう)が冷えると、筋肉が縮こまって尿を溜められなくなり、トイレが近くなります。

苓姜朮甘湯は骨盤内を温めるため、「夜中に何度もトイレに起きる」「子供のおねしょ(夜尿症)」などにも効果を発揮します。

3. 水っぽい帯下(おりもの)

女性の場合、腰回りの冷えと余分な水分は、「サラサラした透明なおりもの」として現れることがあります。

利水効果を利用して、腰痛とともにこうしたデリケートな悩みを改善することもあります。妊娠中に起こる腎機能の低下(妊娠腎)によるむくみや痛みにも応用されます。


【改善症例】冷房がきつい職場で「腰が鉛のように重かった」女性

【50代 女性】スーパーでのパート勤務

ご相談内容:

スーパーの冷蔵・冷凍コーナー付近で品出しのパートをしている方からのご相談です。
夏場でも厚着をしていますが、仕事が終わると腰から下が氷のように冷たくなり、鉛が入ったように重くて動けなくなるとのこと。
お風呂に入ると少し楽になりますが、翌朝にはまた重だるい痛みが戻ってしまう状態でご来店。

漢方薬の選定:

足のむくみもあり、トイレも近い(1日10回以上)。典型的な「寒湿(かんしつ)」の状態でした。 腰を温める「苓姜朮甘湯」を選定。

改善の経過:

  • 服用1ヶ月目「仕事中のトイレの回数が減った」と変化を実感。腰の冷えはまだあるが、夕方の「鉛のような重さ」が少しマシになった。
  • 服用3ヶ月目腰回りがポカポカするようになり、カイロを貼らなくても仕事ができるように。
  • 服用6ヶ月目腰痛は気にならないレベルまで改善。冷え性自体も改善され、顔色が良くなりました。「あんなに重かったのが嘘みたい」と喜ばれ、現在は冬場や冷房が強い時期だけ予防的に服用されています。

苓姜朮甘湯に関するFAQ(よくある質問)

漢方の中に「別の漢方」が入っているって本当ですか?

林)はい、漢方は「基本の組み合わせ」で構成されています。

先ほどお話しした「甘草」+「乾姜」の2つは、それだけで「甘草乾姜湯(かんぞうかんきょうとう)」という独立した漢方薬になります。

肺や胃腸を温める基本の処方で、実は花粉症で有名な「小青竜湯」など、他の大きな漢方薬の中にもこの2つの組み合わせが含まれています。

このように、大きな漢方薬の中に「基本となる小さな漢方薬」が組み込まれていることはよくあるんですよ。

ぎっくり腰にも効きますか?

(前原)「冷え」が原因なら効果的です。

例えば「寒い倉庫での作業中」や「体が冷え切った状態で急に動いた」場合のぎっくり腰には、強ばった筋肉を温めてほぐすため効果があります。

逆に、患部が熱を持ってズキズキ脈打つような炎症(激しい急性の炎症)がある場合は、温めると逆効果になることもあるため、専門家にご相談ください。


まとめ:腰の「冷え」と「水」を追い出そう

苓姜朮甘湯は、冷えて重たくなった腰を「内側から温めて乾かす」お薬です。

  • 腰が重だるく、冷たい
  • 冷房や雨の日に体調が悪くなる
  • トイレが近く、尿の色が透明だ

そんな「冷えと水」のトラブルでお悩みの方には、きっと心強い味方になってくれます。

腰痛だけでなく、多尿や腎臓系のトラブルなど、腰から下の悩みなら幅広く使えるのも魅力です。

「私の腰痛は、冷え?それとも老化?」
「胃腸が弱いから心配…」

そんな方は、ぜひ太陽堂までご相談ください。

あなたの体質にぴったりの漢方薬で、重たい腰をスッキリ軽くしましょう。

冷え性や痛みの疾患の説明

冷え性・末端冷え性
坐骨神経痛
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太陽堂の特徴

”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”

特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)

特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。

特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。

記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表

調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。

・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」

という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。

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林先生 自己紹介

記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表

沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。

調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。

漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。

調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。

太陽堂について詳しく見る

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