
疲れがたまったり、寝不足が続いたり、ストレスが強くなると「また口内炎ができた…」ということはありませんか?
食事のたびにしみて痛い、会話もしづらい、仕事や育児の忙しさでなかなか落ち着かない──。
近年、そんな「繰り返す口内炎」や「舌のヒリヒリした痛み」に悩む方が増えています。
実は、お口の中のトラブルは体の中のバランスが乱れているSOSのサイン。単なる口の中だけの問題ではなく、内臓や免疫の疲れが深く影響していることも少なくありません。
今回は、西洋医学的な知識(病院のお薬や病態)も交えながら、繰り返す口内炎の原因と、体の内側からアプローチする漢方の考え方を薬剤師が解説いたします。
【太陽堂における繰り返す口内炎・舌の痛みの漢方ケアまとめ】
- 原因: 西洋医学ではビタミン不足やストレス、局所の細菌感染、自己免疫の乱れとされるが、漢方ではストレスや過労、胃腸の不調によって体内にこもった「過剰な熱(心火・胃熱)」や「潤い不足(陰虚)」と捉える
- アプローチ: 体内に生じた過剰な熱を冷ます生薬(黄連・黄芩など)や、粘膜に潤いを与える生薬(地黄・麦門冬など)を用いた煎じ薬・粉薬で根本的な体質改善を目指す
- 目安期間: 症状によるが、平均して1〜3ヶ月で発生頻度や痛みに変化が見られ始め、半年〜1年程度でトラブルを繰り返さない体質が定着するケースが多い
なぜ口内炎は繰り返すのか?西洋医学と東洋医学の視点
一般的な口内炎は、西洋医学では主に「アフタ性口内炎」と呼ばれ、表面に白〜黄色の膜ができ、周囲が赤く腫れて激しい痛みを伴います。その他にも、義歯などの刺激による「カタル性口内炎」、カビの一種が増殖する「カンジダ性口内炎」、検査で異常が見つからないのに舌がヒリヒリ痛む「舌痛症(ぜっつうしょう)」などがあります。
病院(皮膚科・歯科口腔外科・耳鼻咽喉科など)を受診すると、通常は以下のようなお薬が処方されます。
- ステロイド軟膏・貼付剤(デキサルチン、アフタゾロン、オルテクサーなど): 局所の過剰な炎症や痛みを素早く抑える
- ビタミン剤(ビタミンB2・B6製剤、チョコラBB等): 粘膜の再生に必要な栄養を補給する
- アズレン系うがい薬・抗生剤トローチ: お口の中の殺菌・消毒を行い、二次感染を防ぐ
これらは急性期の激しい痛みを和らげるために非常に有効です。しかし、お薬で表面の炎症を抑えても、「なぜ毎月のように口内炎ができるのか」という根本的な発生原因(体質のベース)が変わっていないと、お薬を塗り終えた途端にまた新しい口内炎ができてしまう、というサイクルに陥ってしまいます。
【比較表】西洋医学の処方薬と漢方ケアの違い
口内炎や舌の痛みに対する西洋医学的アプローチと、漢方のアプローチにはそれぞれ得意分野があります。
| 項目 | 西洋医学の処方薬(軟膏・ビタミン剤等) | 漢方薬・体質ケア |
| 主な目的 | 今ある口内炎の痛みを直接抑え、粘膜の修復を促す | 体内の「熱」や「潤い不足」を整え、できにくい体をつくる |
| 得意な状態 | うっかり頬を噛んでしまった等の急性的な口内炎 | 毎月繰り返す口内炎、舌のピリピリ感(舌痛症)、口乾 |
| 主な成分・処方 | ステロイド軟膏、アズレンうがい薬、ビタミンB群 | 清熱剤(黄連解毒湯、半夏瀉心湯など)、滋陰剤など |
| アプローチ箇所 | お口の中の局所(患部) | 体全体のバランス(胃腸、自律神経、免疫力) |
【薬剤師コラム①】塗り薬やビタミン剤を使っても繰り返してしまう理由
担当薬剤師:石川
「皮膚科でステロイド軟膏をもらって塗ると数日で落ち着くけれど、毎月のように新しい口内炎ができてしまう…」というご相談を非常によくうかがいます。
西洋医学の塗り薬は、今できている火事(炎症)の消火作業にはとても優れています。またビタミン剤も粘膜を再生するための「材料」として欠かせません。しかし、体の中で「なぜ常に火種が発生しているのか」という原因までは取り除けないことがあります。
東洋医学では、口の中は「胃腸の鏡」「心の状態が表れる場所」と考えます。体内にこもった熱や過労・ストレスという「火種」そのものを冷ましてあげることで、塗り薬に頼りきりにならない体を目指していくことが可能です。
繰り返す口内炎・舌の痛みの背景にある「3つの体質タイプ」
お口の中の炎症や舌の痛みが起きやすい方には、体の内側に特徴的なサインが見られます。漢方から見た代表的な3つのタイプをご紹介します。
① ストレスや過労で“熱”がこもるタイプ(熱邪・気滞)
精神的なプレッシャーや多忙、睡眠不足が続くと、東洋医学でいう「心(しん)」や「肝(かん)」に過剰な熱がたまりやすくなります。
【特徴】 舌の先や側面に真っ赤で激しく痛む口内炎ができやすい。イライラ、頭重感、不眠、気持ちの高ぶり、目が充血しやすいなどを伴います。
② 乾燥・潤い不足タイプ(陰虚:いんきょ)
体を潤す水分や栄養(陰)が不足し、粘膜を守るバリア機能が低下している状態です。
【特徴】 舌全体が赤くヒリヒリ痛む、口の中が乾いて舌にひび割れができる、夕方以降に手足がほてる。加齢や過労、長引く体調不良のあとに多く見られ、「舌痛症」の方にも非常に多いタイプです。
③ 胃腸の不調タイプ(胃熱・湿熱)
暴飲暴食や脂っこい食事、甘いもの、お酒の摂りすぎなどにより、消化器系(胃腸)に過剰な“熱”と“水分滞留”がこもっているタイプです。
【特徴】 歯ぐきや唇の裏に口内炎ができやすい。顔の吹き出物、口臭、口のねばつき、胃もたれ、便秘またはスッキリしない便などを伴います。
このように、一口に「口内炎・舌の痛み」といっても、「どこにできたか」「どんな痛みか」「体の他の不調はどうか」によって原因は異なります。そのため、体の中のバランスを多角的に整えることが再発予防につながるのです。
【薬剤師コラム②】検査で異常がないのに舌がヒリヒリする「舌痛症」と漢方
担当薬剤師:前原
「舌の表面や縁がピリピリ・正座の後のしびれのように痛むのに、病院で診てもらっても『見かけは何ともない』と言われた」という舌痛症(ぜっつうしょう)でお悩みの方が増えています。
舌痛症は、西洋医学では神経の過敏性や亜鉛不足、ストレスなどが原因と考えられますが、確定的な治療法が見つかりにくい病態です。漢方では、こうした見かけに表れない痛みを「粘膜の潤い不足(陰虚)」や「自律神経の乱れによる気の高ぶり」と捉えます。
粘膜と神経に潤いを与えて優しく保護し、気の高ぶりを静める漢方薬をお選びすることで、食事や会話の際につらかったヒリヒリ感が穏やかに整っていくケースが多くあります。諦めずにご相談ください。
【改善実例】ほぼ出来っぱなしだった口内炎(ベーチェット病)が、漢方で穏やかに
【昭和25年生 女性】ベーチェット病と診断された深刻な口内炎
5年ほど前に口内炎がひどくなり病院に行ったところ、自己免疫の乱れが関わる指定難病の「ベーチェット病」と診断されました。最近になってさらに症状が強くなったため、太陽堂へご相談に来られました。
症状としては、一年中「口内炎」ができ、化膿や強い炎症が気になるとのこと。特に口内炎がひどく、ほぼ口の中に出来っぱなしの辛い状態でした。
太陽堂からは、お身体のバランスを整えるために以下の2種類をご提案いたしました。
①免疫のバランスを整える漢方薬
②過剰な炎症を抑える(体内の熱を鎮める)漢方薬
- その後: 漢方の服用を続けるうちに、少しずつお口の中の環境が落ち着いていきました。
- 2年後: 口内炎もできなくなり、化膿や炎症のトラブルも起きなくなっているとのこと。非常に調子良く過ごせているとのことで、無事に漢方ケアの服用終了(ご卒業)となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
自宅でできる食養生・粘膜保護のセルフケア
口内炎を繰り返す方は、日常の食事や生活習慣を見直すことでも大きく状態が整いやすくなります。
- はちみつ: 抗菌・保湿に優れ、傷ついた粘膜を優しく保護します。スプーン1杯をお湯に溶かして飲むのもおすすめです。
- 豆腐・豆乳: 体の余分な熱を冷まし、胃腸にやさしい良質なタンパク源です。消化が良く、炎症が強い時期の食事にぴったりです。
- 緑茶(常温): 抗酸化・殺菌の働きがあり、口内環境を清潔に保ちます。ぬるめのお茶でうがいをするのも良いでしょう。
- ビタミンB2・B6を多く摂る: 粘膜の健康を保つために、ブロッコリーやほうれん草、ささみ、かつお、納豆などビタミンB群が豊富な食材を意識しましょう。
- 油物や刺激物を避ける: 油っこい食事や激辛料理、アルコールは胃腸に過剰な熱をこもらせ、口内炎の原因になります。炎症がある時期は控えめにしましょう。
何よりも、睡眠をしっかりとって心身を休め、ストレスを溜めないことが一番の予防ケアになります。
口内炎・舌の痛みについてのよくあるご質問(FAQ)
ビタミン剤(チョコラBBなど)を飲んでも良くなりません。なぜですか?
ビタミン剤は粘膜の「材料補給」だからです。
材料を十分補給しても繰り返してしまう場合は、体にこもった熱や胃腸の疲れなど「口内炎ができやすい体質のベース(環境)」側に原因があることが多くあります。その乱れたベースを根本から整えるのが、漢方の役割です。
病院の塗り薬(ステロイド軟膏)と漢方薬は併用できますか?
はい、併用いただけます。
塗り薬は「今ある口内炎の痛みをピンポイントで和らげる」役割、漢方は「次を繰り返さないための体質づくり」の役割と、それぞれ得意分野が違います。上手に組み合わせて快適な日常を目指しましょう。
舌がヒリヒリ痛む「舌痛症」にも漢方は使えますか?
はい、アプローチ可能です。
病院の検査で異常が見つかりにくい舌痛症は、漢方の得意分野です。体に不足している「潤い」を補い、自律神経の過敏さを和らげることで、痛みを穏やかに整えていきます。
病院を受診した方がいい危険な口内炎はありますか?
はい、以下の特徴がある場合はまず専門医(歯科口腔外科など)を受診してください。
「2週間以上経ってもまったく小さくならない」「同じ場所にでき続けて硬いしこりがある」「痛みがなく急速に大きくなる」といった場合は、一般的な口内炎ではなく別の病気や口腔がんなどの可能性も考慮されるため、まず画像検査や病理検査を受けることをおすすめします。
まとめ:体の熱を冷まし、繰り返さない体へ
口内炎や舌の痛みは、体の中で「バランスが崩れている」という大切なサインです。
繰り返すほどに体力も免疫も消耗し、ますます長引きやすくなってしまいます。
太陽堂では、体の中にこもった過剰な熱や炎症を優しく鎮め、粘膜の健康を保つ力を高めることで、トラブルを繰り返しにくい体質づくりをサポートしています。
「毎月のように口内炎ができる」
「舌がピリピリして食事がつらい」
「薬を塗ってもすぐに再発する」
そんな方は、一人で悩まずどうぞお気軽にLINEやDMで『口内炎相談希望』とご連絡ください。体の内側から整えて、痛みのない快適な毎日を取り戻しましょう。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。












