
「妊娠が分かったけれど、このまま飲み続けて大丈夫?」とお悩みですか?
こんにちは。漢方薬局 太陽堂です。
「妊活のために飲んでいた当帰芍薬散。妊娠が分かったけれど、このまま飲み続けていいのか不安になった」
「ネットで『妊娠中に良い漢方』と聞いたけれど、本当のところを専門家から知りたい」
「つわりがつらくて、処方された漢方薬をうまく飲めず悩んでいる」
太陽堂には、妊娠中・妊活中の方から「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」の服用についてのご相談が数多く寄せられます。お腹に新しい命を宿した大切な時期だからこそ、「お薬」とつくものをなんとなく飲み続けるのも、自己判断でなんとなくやめてしまうのも不安ですよね。
東洋医学(漢方)の視点で見ると、妊娠中の女性の体は「お腹の赤ちゃんを育むために全身の“血(栄養)”が集中し、お母さん自身の血は不足して巡りが滞りやすい状態」になっていると考えます。
今回は、太陽堂の店頭で実際にお客様へお伝えしている「妊娠中の当帰芍薬散の考え方」と注意点について、薬剤師が正直に詳しく解説いたします。
【太陽堂が解説する「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 当帰芍薬散は、体に不足しがちな「血(栄養・潤い)」をたっぷりと補いながら、冷えて滞りがちな「水分(むくみなどの原因)」の巡りをスムーズに整える働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: もともと体力が少なめで疲れやすく、色白で手足が冷えやすい、立ちくらみがする、夕方になると足がむくみやすいといったサインを感じやすい体質の方に向いています。
- 太陽堂でのサポート: この当帰芍薬散をベースにしつつ、お一人おひとりの現在の体質や妊娠の周期に合わせて生薬のバランスを細かく調整し、根本的な体質からの見直しをサポートします。
【コラム】薬剤師 石川の視点「産婦人科の治療と漢方のアプローチの違い」
「妊娠中の体調不良やつわりなどで産婦人科を受診すると、状態に応じて『葉酸などのビタミン剤』や、つわりを和らげるための『点滴治療』、あるいは西洋薬が処方されることがあります。これらは、お母さんと赤ちゃんの命の安全を守り、今ある激しい症状をコントロールするために不可欠なものです。
しかし、『なぜこれほどまでに体が冷えるのか、足がむくむのか』という根本の部分に目を向けると、体質的な『血(栄養)の不足』や『全身の巡りの悪さ』が背景にあることが多々あります。
産婦人科の先生の方針を最優先に守りつつ、漢方で『内側から栄養を満たし、母子ともに健やかな巡りを保つ土台』を育てていく併用スタイルは、妊娠期間中を少しでも穏やかに過ごしたい方に大変おすすめです。」
「安胎の薬」とは?——妊娠中の体を支える東洋医学の考え方
当帰芍薬散は、妊娠中に使われることの多い代表的な漢方薬のひとつです。
東洋医学には、古くから「安胎薬(あんたいやく)」という考え方があります。これは「妊娠中のお母さんの体を安定させ、お腹の赤ちゃんが健やかに育つための環境を支える薬」という意味です。安胎薬にはいくつか種類があり、当帰芍薬散はその代表格として知られています。
当帰芍薬散は、不足しがちな「血(栄養)」を補う生薬(当帰・芍薬・川芎)と、滞りがちな「水」を巡らせる生薬(茯苓・白朮・沢瀉)という見事な組み立てでできています。
妊娠中は、お母さんの血液(栄養)が赤ちゃんに優先して送られるため、お母さん側は一時的に貧血気味になり、冷えたり、水分が滞って足などがむくみやすくなったりします。「血を補い、水を巡らせる」という当帰芍薬散の設計は、まさにこの時期のお母さんの体に優しく寄り添う設計になっているのです。昔の人がこれを安胎の薬に選んだのもうなずけます。
(※なお、安胎薬は何種類かあるため、お母さんの体質や体調によっては、当帰芍薬散ではなく別の安胎薬の方が合うと判断することもあります。ここも専門家にしっかりと体質を見極めてもらう意味があるところです。)
【コラム】薬剤師 前原の視点「産婦人科でもらった分は、続けていいですか?と聞かれたら」
「店頭でお客様から非常によくいただくご質問です。私は『基本的には問題ないことが多いですが、絶対とは言い切れません』と正直にお答えしています。
理由は2つあります。ひとつは、漢方薬(生薬)の質はメーカーや製品によって大きな幅があり、外箱からでは中身の質までは分からないこと。もうひとつは、当帰芍薬散を1種類だけで飲むよりも、その方の今の体質に合わせて別の漢方と『組み合わせた』方が良い場合がよくあるからです。
そして何より、妊娠中はかかりつけの産婦人科の先生の方針が絶対に最優先です。処方されたお薬を続けるかどうかは、必ず処方元の先生に確認してください。私たちは、そのうえで『漢方の面からの土台づくり』のご相談に乗る立場であると考えています。」
検索でたどり着いた方へ、薬剤師から正直なお話
「流産防止」や「妊娠初期 漢方」といった言葉で検索して、不安な気持ちでこのページにたどり着いた方も多いと思います。
漢方薬は「これを飲めば必ず大丈夫です」とお約束できる性質の魔法のお薬ではありません。だからこそ、お腹の赤ちゃんを育む一番大事な時期は、自己判断で市販薬を買うのではなく、専門の薬剤師に相談しながら進めることを強くおすすめします。
私たち太陽堂にできるのは、昔から安胎の薬として使われてきた漢方の知恵を用いて、「赤ちゃんが育つためのお母さんの体調と体質の土台を、健やかに整えるお手伝い」をすることです。
※⚠️ご注意:出血がある、お腹の強い張りや痛みがあるといった「気になるサイン」があるときは、漢方薬を飲む前に、あるいは相談する前に、必ず真っ先に産婦人科を受診してください。
不安を抱えながら一人でネット検索を続けるより、体質ごと専門家に相談していただく方が、心の負担も軽くなり近道になります。こちらの記事もぜひ参考にしてください。
つわりの時期の飲み方の工夫と、妊活での使われ方
【コラム】薬剤師 石川の視点「つわりの時期は“冷服”と“無理をしない”」
「つわりの時期は、漢方薬特有のにおいがつらくて飲めないという方が多くいらっしゃいます。そんな時には『冷服(れいふく)』という方法をご案内しています。
漢方薬を溶かした後、少し冷ましてから飲む方法です。温かい湯気と一緒ににおいがフワッと立つので、冷ますだけでにおいが抑えられ、ぐっと飲みやすくなるんです。
それでもどうしてもつらいときは、無理して飲んでいただくことはしません。つわりが激しい時期は、まず『つわり(胃腸のゆらぎ)を楽にする漢方薬』を優先し、落ち着いてから再び安胎の漢方に戻る——という順番で進めることもあります。
『飲めない自分』を決して責めないでくださいね。」
また、当帰芍薬散は妊娠中だけでなく、「妊活(不妊のご相談)」の場面でも非常によく使われます。「血を補い、冷えや巡りを整える」という設計が、妊娠しやすい温かな体づくりの土台とちょうど重なるからです。妊活中の方は、専用ページもご覧ください。
実際の経過の記録(改善実例)
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
「妊娠が分かって安胎の漢方に切り替えた方」や「体質を立て直して妊娠に至った方」の、実際の経過の記録です。
【ケース1】安胎のサポートへの切り替え(昭和59年生 女性) 元々、生理痛などのゆらぎでご相談に来られていた患者様です。妊娠が分かり、安胎のサポートへと漢方を切り替えました。
経過:妊娠中の体調変化に合わせながら、無事に出産までサポートを継続しました。
【ケース2】体質を立て直しての妊娠(39才 女性) 過去に辛い経験をされ、心も体も不調が続いている状態でご相談に来られた方です。
経過:当帰芍薬散などをベースに体質改善を図り、無事に妊娠、出産のご報告をいただきました。
妊娠中の漢方についてのよくあるご質問(FAQ)
妊娠中に漢方薬を飲み始めても大丈夫ですか?
当帰芍薬散は昔から妊娠中に使われてきた漢方薬のひとつですが、妊娠の時期(初期・中期・後期)やその方のもともとの体質によって、最適な中身は全く変わります。飲み始める・やめるを自己判断せず、必ずかかりつけの産婦人科の先生、または漢方専門の薬剤師にご相談ください。太陽堂でも、状態を詳しくうかがったうえで安全なご提案をします。
ドラッグストアで市販の当帰芍薬散を買って自分で飲んでもいいですか?
妊娠中に関しては、自己判断での市販薬の購入はおすすめしません。前原のコラムにもあったように、生薬の質には製品ごとに幅があり、また、1種類を単独で飲むより体質に合わせた「組み合わせ」が基本となるためです。大切な時期だからこそ、専門家の目を通したお薬を選んでください。
漢方はいつまで飲むものですか?
目的(妊活なのか、妊娠中の体調管理なのか)と時期によって変わるため、一律の答えはありません。太陽堂では、定期的に体調や経過を確認しながら、その時々に一番合う中身と量へと細かく調整していきます。(※感じ方や必要な期間には個人差があります)。節目ごとにご相談ください。
まとめ:大切な時期こそ、「一人で判断しない」こと
「妊娠中の当帰芍薬散の考え方」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 当帰芍薬散は、昔から「安胎の薬」のひとつとして妊娠中に使われてきた漢方薬
- ただし生薬の質と組み合わせが大事。妊娠中の自己判断での購入・中止は避ける
- 産婦人科の先生の方針が最優先。出血や強い痛みは漢方より先に必ず受診を
妊娠中や妊活中の不安は、ネットで調べれば調べるほど膨らみがちです。「このままでいいのかな」と一人で抱え込まずに、ぜひお気軽に太陽堂へご相談ください。
「そもそもどんな漢方薬?」という基本は、こちらの解説をご覧ください。
関連するページ
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。














