
苓桂朮甘湯を飲んでいるのに、めまいが変わらない……
「耳鼻科でめまいと言われて『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』を出されたけれど、フワフワもぐるぐるもそのままで辛い」
「めまいに効く漢方の定番と聞いて市販で買ったのに、すぐに良くなる気配がない」
「何ヶ月か真面目に飲んでみたけれど、結局変わらず、これで合っているのか分からなくなってきた」
太陽堂には、このような「長引くめまい・ふらつき」に関するご相談が数多く寄せられます。いつ起こるか分からないめまいの恐怖は、外出や日常生活への大きな不安に繋がりますよね。
苓桂朮甘湯は、「めまいの漢方」として病院でもドラッグストアでも非常に選ばれやすい定番のお薬です。実際、めまいでこの薬を飲んでいる方はとても多いのですが、太陽堂の店頭で正直なところをお伝えすると——効かない一番の理由は、「そもそも、あなたのめまいの“種類”に合っていない」ことなのです。
今回は、めまいの定番薬である苓桂朮甘湯について、なぜ効かないと感じるのか、そして太陽堂ではどうめまいの「種類」を見分けて組み立てていくのかを、薬剤師が詳しく解説いたします。
【太陽堂が解説する「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 苓桂朮甘湯は、体に溜まった余分な「水分」の偏りをさばきながら、自律神経の乱れによって上に突き上げてしまう「気」の流れを下へ降ろし、バランスを整える働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 立ち上がった瞬間にクラッとする「立ちくらみ」、めまいとともに動悸やのぼせを感じる、頭に血が上りやすいといったサインを感じやすい体質の方に向いています。
- 太陽堂でのサポート: 「とりあえずめまいの薬だから」と飲むのではなく、太陽堂ではそのめまいが『立ちくらみ』なのか『フワフワ』なのか『ぐるぐる』なのかを確実に見極め、お一人おひとりの体質に合わせて生薬を細かく調整し、根本的な見直しをサポートします。
【コラム】薬剤師 前原の視点「耳鼻科・内科のお薬(めまい止め)と漢方の役割の違い」
「めまいやメニエール病などで耳鼻科や内科を受診すると、内耳の血液循環を良くする『ベタヒスチン(メリスロンなど)』や、めまいの原因となる内耳のむくみ(水ぶくれ)を取る『利尿剤(イソバイドなど)』、そして不安を和らげる『抗不安薬』などが処方されます。これらは、今起きている激しいめまいや吐き気を直接コントロールするために非常に優れており、不可欠な治療です。
しかし、『なぜこれほどまでに耳の奥に水が溜まり、血流や自律神経が乱れてしまうのか』という根本に目を向けると、体質的な『全身の水はけの悪さ(水毒)』や『ストレス・冷え』が背景にあることが多々あります。
病院のお薬で急な発作をしっかりカバーしつつ、漢方で『内側から水をさばき、めまいを起こしにくい土台』を育てていく併用スタイルは、いつまでも続く再発の不安から抜け出したい方に大変おすすめです。」
苓桂朮甘湯は「立ちくらみ」の薬——だから合わない人がいる
苓桂朮甘湯は、体の下の方に溜まった余分な「水」が、自律神経の乱れによる「気」の上昇と一緒に、頭の方へフワッと突き上げてしまうことで起こるめまいを受け持つ漢方薬です。
つまり、このお薬がぴったり合うのは、「立ち上がった瞬間にクラッとする(立ちくらみのめまい)」のタイプの方です。
ところが、ひとくちに「めまい」と言っても、雲の上を歩くようなフワフワ感(浮動性)、天井がぐるぐる回る激しいめまい(回転性)、のぼせやドキドキを強く伴うもの——と、その種類はさまざまです。
種類が違えば、体の中で起きている「水の偏り方」や「原因」も全く異なります。その違う原因のところに、立ちくらみ用の苓桂朮甘湯を入れても、解決の方向性が違うため空回りしてしまいます。これが、「苓桂朮甘湯が効かない」の正体であることが非常に多いのです。
めまいという症状そのものの原因や種類については、専用ページでくわしく解説しています。
【見分け表】あなたのめまいはどの種類?
太陽堂の問診では、まずこの「めまいの種類の見極め」から始まります。入り口は「どんなめまいが、どんな時に出るか」です。同じめまいでも、種類が変われば選ぶ漢方薬の方向性はガラリと変わります。
| 漢方薬名 | 合う方のサイン(めまいの種類と見分けの入り口) |
| 苓桂朮甘湯 (りょうけいじゅつかんとう) | 【立ちくらみ】 立ち上がった瞬間にクラッ・フワッとする。気の上昇+水の偏りのタイプ。 |
| 半夏白朮天麻湯 (はんげびゃくじゅつてんまとう) | 【フワフワ+胃腸が弱い】 雲の上を歩くようなフワフワ感や頭の重さ。胃腸が弱く、疲れやすい方に。 |
| 真武湯 (しんぶとう) | 【フワフワ+冷え】 体の冷えが強く、温まると少し楽になる方のフワフワ感・めまいに。 |
| 沢瀉湯 (たくしゃとう) | 【回転性・水の偏りが強い】 天井がぐるぐる回るような、激しい・強いめまいに使う漢方です。 |
| 連珠飲 (れんじゅいん) | 【のぼせ・ドキドキ+血の不足】 フワフワ感にのぼせや動悸が重なる方。女性のめまいで多いタイプです。 |
表に出てきた漢方薬の解説記事はこちらです。
【コラム】薬剤師 石川の視点「『めまいの漢方』ではなく『立ちくらみの漢方』です」
「めまいで苓桂朮甘湯を処方されて飲んでいる方は、世の中にとても多いです。でも太陽堂の店頭でお話を詳しくうかがうと、ご自身のめまいの種類に合っていない使われ方をしていることが本当に多いんです。
苓桂朮甘湯はあくまで『立ちくらみのめまい(立ち上がったときのクラッ)』の漢方です。一日中フワフワ感が続く方や、メニエール病のように天井がぐるぐる回る方には、原因に合わせた全く別の漢方を使います。
飲んでいて変わらなかった方は、『自分には漢方がダメだった』のではなく、種類の見分けがまだできていなかっただけかもしれません。どんな場面で、どんなふうに目が回るのか、その様子を私たちに詳しく教えてくださいね。」
期間の目安——「起こってからどれくらい経つか」で変わります
漢方相談で「すぐに効くと思って買ったのに、なかなか良くならない」という声もよくいただきます。
めまいの体質改善は、基本の目安として「3ヶ月単位」でじっくり見ていきますが、実は一律ではありません。「めまいが起こってから(発症してから)、どれくらい経っているか」で、必要な期間は大きく変わります。
発症して間もない(数週間〜数ヶ月の)方ほど早く落ち着きやすく、逆に何年も繰り返してきた方は、体の奥底の土台(水毒の根っこ)から立て直すため、じっくりと取り組む形になります。
また、めまいは「起きてから薬で抑える」だけでなく、繰り返しやすい体質を日頃から整えておく「予防」の面でも、店頭では手応えを感じています(※感じ方や必要な期間には個人差があります)。
【コラム】薬剤師 前原の視点「めまいは『早く始めるほど早い』が実感です」
「めまいのご相談で私たちが必ずお聞きするのが『いつから始まりましたか?』です。起こってから早い段階で漢方での立て直しを始めた方ほど、早く落ち着いていく——これは店頭で日々お客様と接していて強く感じていることです。
逆に言うと、『自分に合っていない効かない薬を、何ヶ月も続けて様子を見る』のが一番もったいない時間です。種類に合っていれば途中で小さな変化が見えてきますから、変わらないまま時間が経っているなら、早めに『めまいの種類の見分け直し』をしましょう。」
実際の経過の記録(症例)
「めまいの種類」に合わせた組み立てで立て直した方の、実際の経過の記録です。(※感じ方や必要な期間には個人差があります)
【ケース1】回転性のめまい・吐き気/50代・女性——学生時代からめまいに悩まされ、病院薬を服用しても改善が見られず、最近になって症状が強くなってきた方です。めまいを改善する漢方薬と水の流れを整える漢方薬の2種類を組み合わせたところ、3ヶ月で回転性のめまいがなくなってきて、6ヶ月で吐き気もなくめまいもほぼ起こらなくなり、1年3ヶ月経ってもほぼなく過ごせています。
【ケース2】フラフラするめまい(メニエール病)/70代・女性——1年ほど前からフラフラするめまいが出るようになり、改善が見られればとご相談に来られた方です。水の流れを整える漢方薬と自律神経を整える漢方薬の2種類をお出しし、1ヶ月でめまいはほとんど気にならなくなり、3ヶ月経っても安定して調子良く過ごせています。
めまいの漢方についてのよくあるご質問(FAQ)
耳鼻科でもらった苓桂朮甘湯は、やめた方がいいですか?
自己判断でやめる必要はありません。処方されたお薬は主治医の先生の方針が最優先です。そのうえで、真面目に続けていても変化がないなら、あなたのめまいが「立ちくらみ」ではなく、別の種類(フワフワやぐるぐる等)の可能性があります。どんな場面で・どんなふうに目が回るかを添えて、一度専門家にご相談ください。
どのくらいの期間で効果を判断すればいいですか?
基本は3ヶ月単位で見ていきます。ただし、めまいが起こってからどれくらい経っているかで必要な期間は変わり、早く始めた方ほど早く落ち着きやすいのが店頭での実感です。めまいの種類が合っていれば途中で「少し軽くなったかも」といった変化が見えてきますので、全く動かないまま長く続けているなら、見分け直しをおすすめします。
すぐに病院へ行った方がよいのは、どんなときですか?
ろれつが回らない、手足のしびれがある、激しい頭痛を伴うめまい、片耳の聞こえが急に悪くなった(突発性難聴の疑い)——こうしたサインがあるときは、脳や耳の緊急の病気の可能性があるため、漢方相談より先に、すぐに病院(脳神経外科・耳鼻科)を受診してください。そのうえで、慢性的な体質改善のご相談はいつでもお受けします。
まとめ:「めまいの漢方」の前に、「めまいの種類」を見分ける
「苓桂朮甘湯が効かない理由と、めまいの見分け方」について解説しました。ポイントは以下の3つです。
- 苓桂朮甘湯は「立ちくらみのめまい」の漢方。種類が違えば空回りする
- フワフワ+胃弱なら半夏白朮天麻湯、ぐるぐるなら沢瀉湯など、種類で方向が変わる
- 基本は3ヶ月単位。起こってから早く始めるほど早い。変わらないまま続けず見直しを
「めまいの定番薬が効かなかった」「もう一生このふらつきと付き合うしかないのか」とあきらめて終わらせず、どんな場面で・どんなふうに目が回るのか、その様子ごと私たちに聞かせてください。(※感じ方や必要な期間には個人差があります)
あなたのお身体のサインを丁寧に読み解き、一番適した原因ごとのオーダーメイドの漢方で、足元からしっかりと安定して歩ける毎日を取り戻すサポートをさせていただきます。LINEやDMからのご相談も随時受け付けております。
苓桂朮甘湯そのものの解説はこちらをご覧ください。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
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太陽堂がはじめての方へ
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記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。















