
柴胡加竜骨牡蛎湯を飲んでいるのに、不安・動悸が変わらない……
「心療内科で『柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)』を出されて半年。まじめに飲んでいるのに、不安が減った気がしない」
「動悸は相変わらずで、結局は頓服の安定剤(西洋薬)に頼り切ってしまう」
「自律神経に良いと聞いて市販のものを買ったけれど、これで本当に合っているのかな」
太陽堂には、このような「不安感・動悸・自律神経のゆらぎ」に関するご相談が数多く寄せられます。
実は、この柴胡加竜骨牡蛎湯は、「自律神経の悩みには、とりあえずこれ」と病院やドラッグストアで非常に選ばれやすい有名な漢方薬です。それだけに、「真面目に飲んでいるのに全然変わらない」というご相談も、太陽堂には後を絶たないのです。
こうしたご相談に対する、私たちからの正直な答えをお伝えします。
——効かない一番の理由は、「そもそもあなたの不安の背景(原因)に合っていない」ことが多いのです。
今回は、自律神経の定番薬である柴胡加竜骨牡蛎湯について、なぜ効かないのか、そして太陽堂ではどう原因を見極めて組み立て直していくのかを、薬剤師が詳しく解説いたします。
【太陽堂が解説する「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 上(頭)へと突き上げるようにこもってしまった「気の高ぶり(熱)」を強力に鎮め下ろしながら、心を落ち着かせる働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 考え事が止まらない、イライラを伴う不安感がある、動悸や不眠のサインを感じやすい、比較的体力がある体質の方に向いています。
- 太陽堂でのサポート: 「とりあえずこの漢方を単独で飲む」のではなく、太陽堂では不安の原因が『気の上昇』なのか『詰まり』なのかを確実に見極め、必要に応じて熱や血流を整える別の漢方と細かく組み合わせ、根本的な見直しをサポートします。
【コラム】薬剤師 前原の視点「心療内科・内科のお薬(抗不安薬など)と漢方の役割の違い」
「強い不安感や動悸、パニックのような症状で心療内科や内科を受診すると、脳の過剰な興奮を抑える『抗不安薬(エチゾラムなど)』や、気分を調整する『SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)』、動悸を直接抑える『β遮断薬』などが処方されます。これらは、今まさに起きている辛い発作をスピーディに鎮め、日常生活を送れるようにするために非常に優れており、不可欠な治療です。
しかし、『なぜこれほどまでに自律神経が乱れ、些細なことで動悸が起こるのか』という根本の部分に目を向けると、体質的な『全身の気の滞り・偏り』や『血流の悪さ』が背景にあることが多々あります。
病院のお薬で急な不安をしっかりカバーしつつ、漢方で『内側から気の巡りを整え、発作を起こしにくい土台』を育てていく併用スタイルは、いつかは安定剤を手放したいとお考えの方に大変おすすめです。」
なぜ効かない?——「とりあえず柴胡加竜骨牡蛎湯」の落とし穴
柴胡加竜骨牡蛎湯を飲んでいて変化を感じない場合、太陽堂ではまず次の3つの理由を疑います。
① 不安の背景(体質)が違う
ひとくちに「不安・動悸」と言っても、東洋医学ではその原因を分けて考えます。気が「上に突き上げている」のか、「喉に詰まっている」のか、「水」や「血のドロドロ」が絡んでいるのか——背景が違えば、使うべき漢方の方向性はまったく別になります。あなたの体質がそもそもこのお薬のタイプではなかった、というのが最も多いパターンです。
② 単独では組み立てのパワーが足りない
太陽堂では、この処方を「単独(1種類だけ)」で使うことは意外と少ないのです。合っている場合でも、体質に合わせて熱を下げる方向や、血流を良くする方向の漢方を重ねて、初めて全体が機能します。市販の単品で変わらないのは、ある意味珍しくないことなのです。
③ 生薬の質の違い
同じ処方名でも、メーカーによって生薬の質や成分の濃さには幅があります。
【見分け表】似た漢方との違い——「気の詰まり」か「上昇」か
不安・動悸に使う代表的な漢方薬を、太陽堂の「見分けの軸」で整理しました。最大のポイントは、気が「上に突き上げている」のか、「喉元で詰まっている」のかです。
| 漢方薬名 | 合う方のサイン(見分けの入り口と方向性) |
| 柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう) | 【気の上昇・左脳タイプ】 気が上に突き上げるタイプ。考えごとが止まらない、イライラや頭の重さを伴う。 |
| 半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) | 【気の詰まり・つかえ感】 気が喉で詰まるタイプ。喉のつかえ・ため息が多い。このタイプに柴胡加竜骨牡蛎湯は使いません。 |
| 桂枝加竜骨牡蛎湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう) | 【気の上昇・右脳・繊細タイプ】 繊細で刺激に敏感、些細なことでドキドキしやすいタイプや、水が絡む方に。 |
| 苓桂朮甘湯 (りょうけいじゅつかんとう) | 【気の上昇+水のめぐり】 気の上昇は同じでも、めまい・ふわふわ感など「水」の停滞サインを伴う方に。 |
| 桃核承気湯 (とうかくじょうきとう) | 【血の滞り・のぼせ】 血のドロドロが絡むタイプ。女性の激しいイライラ・のぼせではこちらを使うことが多いです。 |
表に出てきた漢方薬の解説記事はこちらです。
※太陽堂では、考え込みやすい「左脳タイプ」か、感受性豊かで些細な刺激に敏感な「右脳タイプ」かという独自の視点からも、自律神経の漢方を見分けています。くわしくはこちらの記事をご覧ください。
【コラム】薬剤師 石川の視点「この薬は『単独の主役』ではなく『チームの柱』です」
「柴胡加竜骨牡蛎湯は、自律神経の乱れに対して非常に頼れる処方ですが、前述の通り、太陽堂の店頭でこれ単独でお出しすることは実は少ないんです。
体質に合わせて、こもった熱をしっかりと下げる漢方や、滞った血流を流す漢方を併用して、初めて『全体を整える設計チーム』が完成します。
市販の箱や病院で出された単品の粉薬をまじめに飲んでも変わらなかった方は、『自分には漢方が効かない体質なんだ』とあきらめる必要はありません。単に『チームが組めていなかっただけ』のことが多いのです。あきらめる前に、一度体質ごと私たちに見せてくださいね。」
効いているサインと、病院のお薬との付き合い方
漢方の方向がご自身の体質にピタッと合っているときのサインは、「動悸の回数(発作の頻度)が減る」「不安感が軽くなる」「夜の寝つきが良くなる」といった変化です。中には、高ぶりが鎮まることで血圧の数字が落ち着いてくる方もいらっしゃいます(※感じ方には個人差があります)。
逆に、1〜2ヶ月真面目に続けていてもこれらが全く動かないなら、見直しのタイミングです。
また、抗不安薬・睡眠薬・SSRIなどを現在お使いの方は、「まずは病院のお薬を続けながら、漢方を併走させる」が大前提です。自己判断での急な中止は、激しい離脱症状やパニックを招く恐れがあります。漢方で体調が良くなってきたら、その時に主治医の先生と相談しながら慎重に減薬を考えていく——その順番でご案内しています。
(※強い胸の痛みやパニック発作が頻繁に続くとき、気持ちの落ち込みが激しいときは、漢方相談より先に必ず主治医へご相談ください。)
実際の経過の記録(症例)
「漢方の組み合わせ」で自律神経の乱れを立て直した方の、実際の経過の記録です。(※感じ方や必要な期間には個人差があります)
【ケース1】自律神経失調症・不眠/50代・女性——なんとなくの不調や血圧の高さ、不眠(夜中に何度も目が覚める)にお悩みでご相談に来られた方です。2種類の漢方薬を組み合わせてお出しし、1ヶ月で夜中に目が覚めることが大分減り、調子の良い日が増えてきています。
【ケース2】息苦しさ・動悸(心臓神経症)/70代・女性——10年ほど前より息苦しさを感じるようになり、最近になって症状がひどくなったとご相談に来られた方です。心臓の働きを整える煎じ薬と血の巡りを整える煎じ薬の2種類を組み合わせたところ、動悸・息切れがほとんど出なくなり、当初つらかった頭痛や高血圧などにも改善が見られ、服用終了となりました。
自律神経の漢方についてのよくあるご質問(FAQ)
市販の柴胡加竜骨牡蛎湯のまま、自分で続けてもいいですか?
飲んでいて動悸の回数や不安感が軽くなっている(効いている実感がある)なら、そのまま続けて構いません。ただ、数週間〜数ヶ月続けても変化がないままなら、比較表にあった「タイプが違う(喉のつかえなど)」か、単独では組み立てのパワーが足りない可能性が高いです。喉のつかえ感があるかどうかを添えて、一度ご相談ください。
漢方の効果は、いつまで様子を見ればいいですか?
目安は日数よりも「効いているサイン」で見てください。動悸の回数・不安感の強さ・寝つきの良さのどれかが動いてくるかが目安です。1〜2ヶ月飲み続けても全く動かないなら、我慢して続けるより組み立ての見直しをおすすめします。これまでに飲んだ期間と、変わらなかった点を添えてご相談ください。
安定剤や睡眠薬を早くやめたい(減らしたい)のですが……
お気持ちは痛いほどよく分かりますが、まずは病院のお薬を続けることが大前提です。漢方薬で体の土台(自律神経のバランス)が整って良くなってきたら、そのタイミングで主治医の先生と相談しながら少しずつ減らしていく——という順番なら、心身に無理のない安全な道になります。自己判断での中止・減薬は絶対に避けてください。
まとめ:「とりあえずの一手」から、「あなた用の組み立て」へ
「柴胡加竜骨牡蛎湯が効かない理由と見極め方」について解説しました。ポイントは以下の3つです。
- 効かない最大の理由はタイプ違い。喉が詰まるタイプにこの薬は使わない
- 合っていても単独では使わないことが多い。別の漢方と組み合わせて初めて働く
- 病院のお薬はまず続ける。良くなってきたら主治医と相談しながら次の段階へ
「病院の定番薬を飲んでいるのに変わらない」というその経験ごと、どうぞ私たちに聞かせてください。喉のつかえ(詰まり感)の有無・動悸の出る具体的な場面・眠りの様子を添えていただければ、次の一手が見えてきます。(※感じ方や必要な期間には個人差があります)
あなたのお身体のサインを丁寧に読み解き、一番適したオーダーメイドの組み合わせで、不安に怯えることなく心穏やかに過ごせる毎日を取り戻すサポートをさせていただきます。LINEやDMからのご相談も随時受け付けております。
柴胡加竜骨牡蛎湯そのものの解説はこちらをご覧ください。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
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当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
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「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
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お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
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記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。















